妊婦が蟹を食べると危険な場合もある!妊娠中でも安心の食べ方
イベントのときに食べたいものランキングで常に上位に入っている蟹!
忘年会や新年会の幹事さんが蟹料理を企画したり、家庭でもクリスマスからお正月にかけて家族が集まる夕食に食卓に並ぶことも多いでしょう。
ご馳走の一つとしてたくさんの人から愛されている蟹ですが、妊婦は食べてはいけないという昔からの言い伝えがあります。
昔から伝わる迷信にはなるほど本当だ!とうなずけるものも多いので、妊婦と蟹の迷信にも何か理由があるはずです。
現代、妊婦が蟹を食べても大丈夫なのか、蟹に潜む危険や安全な蟹の食べ方まで解説しましょう。
妊婦は蟹味噌を避けるべき!
最も妊婦が食べてはいけないとされている蟹の部位は、かにの甲羅の中にある「蟹味噌」です。
蟹味噌はそのまま食べても、パスタに和えても美味しいと蟹味噌ファンは多くいますが、抵抗力が低い妊婦が蟹味噌を避けるべき大きな理由は二つあります。
蟹味噌にはカドミウムが多く含まれている
蟹味噌には重金属の一種であるカドミウムが多く含まれていることがわかっています。イタイイタイ病で知られているカドミウムは発がん性のある有害物質で、多量に摂取すると人体に害を及ぼす危険が…!
大さじ3杯の蟹味噌を体重50kgの成人が食べると、カドミウムの一週間の許容量を超えてしまうほどです。
蟹味噌にはダイオキシンが多く含まれている
ダイオキシンとは環境中に広く存在している生態系や環境への影響が懸念されている化合物です。
環境省で結論づけられてはいませんが、母体が摂取したダイオキシンがお腹の赤ちゃんに影響する可能性はゼロではないため注意に越したことはないでしょう。
カニ味噌のエキスが溶け出したスープもやめておいたほうが無難でしょう。
妊婦が食べたら危険な菌が入っている可能性がある!
動物の肉や魚介類には様々な菌が付着しており、生肉、生卵や生ハムなどと並んで生の魚介類は食中毒の原因となるので妊婦は注意が必要です。
通常の人が問題のない菌の量にも、免疫力が少ない妊婦は体が負けてしまうことがあるので、蟹に付着している可能性がある以下の菌に気をつけましょう。
- ①リステリア菌
- リステリア菌は蟹の加工品の他にハムやチーズなどから検出され、妊婦がリステリア感染すると胎児にも影響が出る恐れがあります。
リステリア菌は加熱すると死滅しますが、妊婦の感染率は通常の約20倍とも言われる為、妊婦は生の魚介類は避けるよう厚生労働省でも呼びかけています。
- ②ナグビブリオ菌
- 蟹やエビの中に潜んでいるコレラ菌の一種…摂取後72時間以内に激しい下痢を伴います。
冷蔵や冷凍などの低温環境でも、菌が死滅することはないと言われています。
- ③トキソプラズマ
- トキソプラズマの細菌は生肉や飼い猫からの感染が多くありますが、蟹に付着していることもあります。
軽い風邪程度の症状ですが妊娠中に生涯で初めて感染するとお腹の赤ちゃんが「先天性トキソプラズマ症」に感染する可能性があります。
- ④水銀
- 水銀の過剰摂取は胎児に悪影響を与えるリスクがあるため、魚介の中ではマグロやクジラに注意が必要です。
蟹に含まれる水銀保有量は低いとされていますが、ゼロではないので食べ過ぎには注意しましょう。
- ⑤寄生虫
- 肺吸虫という寄生虫がサワガニ・上海蟹・モクズガニなどの淡水から採れる蟹に寄生しています。
肺吸虫の幼虫が人の口に入ると体内で発育し肺吸虫症(肺ジストマ症)を発症します。
安全な蟹の食べ方を知りましょう!
蟹は海の底をさまよっている生き物なので、特に生で食べると妊婦に危険な菌がたくさん含まれているのですね。
食べ方にさえ注意すれば「蟹=妊婦にNG」ではないので、蟹の安全な食べ方をご紹介しましょう。
蟹は生で食べないこと!
ご紹介した蟹に付着している可能性がある菌は、加熱したことで死滅するものがほとんどです。
そのため妊婦が蟹を食べるならしっかりと火を通しましょう。
蟹の刺身や、お湯にくぐらす時間が少ない半生のしゃぶしゃぶは菌が生きている可能性があるので、妊婦にはおすすめできません。
妊娠中はカニ缶の蟹でも火を通した方が安心でしょう。
輸入蟹、特に東南アジアなどから入ってきた蟹は食べない!
ナグビブリオ菌は東南アジアなどから輸入された魚介類に多くついているようです。
寒冷地で採れる蟹は比較的安全ですが、海の温度が上昇したことで毒素を出す藻が発生したことが原因で蟹から自然毒が検出されたこともあり輸入蟹は危険です。
外国からの輸入蟹は保管状態が長いことも心配ですね。
多量に食べ過ぎないこと!
蟹はコレステロール値が高くプリン体が多く含まれています。プリン体は摂り過ぎると通風になってしまう危険が…。
妊婦が通風になると処方できる薬が少なく、妊娠糖尿病にも繋がり妊婦自身が辛い思いをすることになってしまいます。
蟹を300g食べるだけで一日の上限に達してしまいます。
蟹の食べ放題バイキングでは、元をとらなきゃとついつい食べ過ぎてしまう傾向にありますが、妊娠中は腹八分にとめておくようにしましょう。
冷えた蟹を食べないこと!
いくらボイルすれば大丈夫とはいえ、ボイルした蟹を冷やした状態でたくさん食べることは止めましょう。
特に夏場は冷たくしたボイル蟹は美味しくいくらでも食べられそうですが、赤ちゃんが生まれるまでは我慢するほうが賢明ですね。
塩分に気をつけること!
蟹にも塩分が含まれており、蟹を塩ゆでするとより一層塩分が多く含まれてしまうことが考えられます。
蟹にマヨネーズをつけて食べても絶妙な味ですが、マヨネーズにも塩分が含まれています。蟹を食べるならできるだけ塩分が少ない食べ方を心がけましょう。
蟹(甲殻類)アレルギーの傾向がある人は食べないこと!
妊娠前に蟹を食べてお腹の痛みや下痢などの体調不良を起こしたり、蕁麻疹が出たことがある人は妊娠したら蟹を食べない方が良いでしょう。
ただし、妊婦が蟹(甲殻類)アレルギーを持っていない場合に、妊娠中に蟹を食べたことで、赤ちゃんが蟹(甲殻類)アレルギーになることはありません。
蟹は妊婦に良い効果の栄養素をもっている
蟹は食べ方と自身のアレルギーの有無さえ分かっていれば、問題なく食べられます。蟹を適量に食べることは、妊婦にとってとても良い効能がある栄養素が含まれています。
女性に嬉しい美容成分も多く含まれていることも見逃せません。
蟹に含まれる栄養素 | 妊婦に良いとされる働き |
---|---|
カルシウム | 精神を安定させる・胎児の骨や歯を形成する |
銅 | 貧血を防ぐ・骨を強くする |
ビタミンB2 | エネルギーや体の材料を作る働き・ 胎児の細胞の再生を助ける |
ビタミンB12 | 健康な血を作る・ 胎児の細胞の再生やホルモンの分泌を助ける |
亜鉛 | 免疫力を高める・胎児の細胞の再生活性化する |
ナイアシン | 体内な様々な代謝を助ける働き |
キチン質 | コレステロール値や血圧を下げる・免疫力を高める |
タウリン(殻から溶け出す成分) | 肝機能の修復・血圧を下げる |
キトサン(殻から溶け出す成分) | 脂肪や毒素の排出 |
アスタキサンチン | 眼精疲労の軽減や脳の老化防止 ・血管の老化防止・疲労回復 |
ビタミンE | 若返りのビタミン 老化を抑える |
妊婦でも蟹料理を怖がらなくて大丈夫!
昔からの蟹と妊婦にまるわる迷信は、蟹に付着している菌に気をつけて!食べ過ぎにも注意!という意味で納得ができるものでした。
妊娠初期の辛いつわりが治まり安定期に入ると、今まで食べられなかった分を取り返すかのように自分が好きなものを食べたくなるという話はよく聞きます。
- よく火を通す
- 多量に食べない
- 蟹味噌は避ける
この3つを守り、自身や血縁関係のアレルギーの有無、さらに当日の体調を考えて食べれば妊婦が蟹を食べても問題ありません。
食べたい願望を我慢するストレスの方が妊婦の精神衛生上良くないため、必要以上に蟹を恐れず栄養のバランスを考えて色々な食材を食べるよう心がけてください。



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