妊活に鉄分が必要な理由と上手な摂り入れ方で妊娠しやすい体作りを
妊活中に大切なことは体の調子を整えていくことですね!鉄は普段意識しにくい栄養素ですが、体の機能を調整する栄養素は鉄分を含むミネラルです。
中でも鉄が不足すると疲れやすい体になってしまいます。なんとなくダルい!やる気が出ない!などは鉄分が不足しているからかもしれません。
ここではどうして鉄分不足が妊娠力を下げてしまうのかということと合わせて、鉄分の補給方法、吸収をよくする食べ合わせなどを紹介します。
鉄分を過不足なく体に取り込んで、妊娠力をアップさせましょう!
この記事の目次
鉄が足りないと血流が悪くなる…これが不妊の原因に!
鉄の主な役割は体中に酸素を運搬したり、血液中の酸素を細胞内に取り込んだりして体の調子を整えることです。
もともと体内に鉄はごく微量しか含まれておらず成人でも約4gだけですが、鉄の働きはとても重要です。
体に酸素を取り込んでいる鉄の働きが弱くなると、血流が悪くなって脳も酸欠状態になります。するとこんなことがおこりやすくなります。
- からだが冷えやすくなる
- 頭痛がする
- 体の疲れが取れにくくなる
- めまい
- 動悸
- 朝起きられない
冷えは妊娠を望む女性にとって大敵です。疲れが取れにくいなどの体の不調も妊娠力を高める妨げになります。
体の隅々に新鮮な酸素がいかずに老廃物が流れにくくなり巡りの悪いからだになるので、これも妊娠の妨げになります。
また、妊娠すると赤ちゃんを成長させるためにたくさんの鉄が必要になるのでもともと蓄えている鉄(貯蔵鉄)が少ない場合は妊娠前から鉄をためておく必要があります。
▼妊活中の冷えについてはコチラも参考にしてみて!
ストレスも鉄分不足に影響する!?
実は、鉄分不足とストレスにも関係性があります。
ストレスで消化器官に潰瘍ができ、少しずつ出血を繰り返して鉄分不足に繋がることがあるのです!
消化器官の潰瘍は出血しても痛みを感じない場合があり、自分で気づかないケースも。
潰瘍は無くてもストレスで食欲不振になり、食事量が減ったり偏ることで鉄分不足になることもあります。
仕事や家事などに追われ、ストレスが溜まっていませんか?ストレスを溜めないことも、貧血予防のカギになります。
鉄サプリメント活用の注意点
鉄分補給に役立つサプリメント。市販のサプリメントも、商品によりヘム鉄が多い物・非ヘム鉄が多い物と成分が異なります。
サプリ服用時は、鉄の種類や配合比率をよく確認しましょう。鉄分の詳細な成分が記載されていないもの、添加物が多いサプリはおすすめできません。
非ヘム鉄サプリメントは、上述の通り食肉たんぱく質やビタミンCも一緒に摂ると効果的です。
また、鉄分を配合した栄養ドリンクも見かけますよね。
栄養ドリンクにはカフェインや糖質、アルコールが多く含まれているものもあります。サプリと同様に、成分をよく確認してください。
鉄分補給のサプリメントは、必ず摂取量を守り医師に相談しながら取り入れてください。
鉄の取りすぎには注意
鉄剤や鉄分のサプリメントを多く摂ると、胃腸の働きを損なったり、便秘になりやすくなったりするので食材からの摂取が理想です。
この場合問題になるのは貯蔵鉄フェリチンで、これがたまりすぎると余った鉄が血中にあふれ出して血管の壁、肝臓を傷つけてしまいます。
- 動脈硬化
- 肝硬変
- 活性酸素を増やす
このような病気の原因になる恐れもありますし、活性酸素は老化を促したり、卵子の遺伝子を傷つけたりします。
貯めている鉄がたくさんあるのにさらに蓄える必要はありません。「とり過ぎない、でも不足しない」が鉄則です。
サプリメントで鉄を取ろうとする場合は食事から補えない不足分だけを医師から処方してもらいましょう。
体内吸収率のよい「ヘム鉄」、それより低い「非ヘム鉄」
鉄には動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があり、体内吸収率に違いがあります。
- ヘム鉄:15~25パーセント
- 非ヘム鉄:2~5パーセント
そのため一般的に動物性食品から摂取するほうがよいように思われがちですが、植物性食品中の鉄も肉や魚といっしょに摂取すれば吸収率があがります。
鉄分を取ることを心がけるとバランスのよい食生活に!
毎日の食事から無理なく栄養素をとる場合はいつも手に入る食材や、普段からお店にあるものを使うことが一番です。鉄は日本人がよく食べる食材によく含まれています。
特別なものや高価なものを使うことになると毎日続けにくくなります。鉄分は毎日必要なものです。
鉄の吸収を上げるための食べ合わせを考えていると、自然とほかの栄養素を組み合わせることになり、全体の食事バランスが整います。
食べ物の栄養素は相互作用で力を発揮します。鉄だけでなくビタミン、ミネラル、たんぱく質などバランスよくさまざまな栄養素を摂ることが鉄の吸収率アップにつながります。
よく噛むことで栄養素全体のの吸収率は上がります。唾液がよく出て消化吸収を助け、食べたものが細かくなることで腸での吸収がよくなるからです。意識してみましょう。
鉄分は普段の食事から過不足なく摂取できる!
鉄分は大量に取る必要はないため、鉄分が多い食材を使うよくある普通の献立で貧血の予防も改善もできます。
たとえばこんなところにも鉄分があります。
- 味噌汁の出しに使った昆布や煮干し
- 納豆
- 海苔
ごはんと合わせて日常よく食べるメニューですよね!あまり難しく考えなくてもちょこちょことこのようなものを食べていればOKです。
良質なたんぱく質(たまごや豆腐や貝類のたんぱく質も質が良いです)がいっしょに取れればパーフェクトです。
鉄の吸収を促す「ビタミンC」、吸収を阻害する「タンニン」
鉄分の多い食品といっしょにビタミンCを摂取すると吸収が促進されます。婦人科で鉄剤がビタミンCといっしょに処方されることがありますがこのためです。
- ビタミンCを多く含む食材
-
さつまいも、じゃがいも、ブロッコリー、パプリカ(赤)、柿、いちご
大根おろし、オクラ、キャベツ、カリフラワーなど100g中のビタミンC含有量は赤パプリカが多く、同じ100gでもキャベツの約4倍入っています。梅干などに多いクエン酸も鉄の吸収を高める作用があります。
ビタミンCは抗酸化作用があるので鉄を取りすぎたときにも老化の弊害を防いだりと、頼もしい栄養素です。
また、妊娠力アップや貧血改善が期待できるネトルのハーブティーもおすすめですよ!(ただし妊娠中は摂取に注意です…)
▼ネトルのハーブティーについてはコチラも参考にしてみて!
逆に飲料によく含まれるタンニンには鉄分吸収を阻害する働きがあります。
- タンニンを多く含む食材
-
緑茶、コーヒー、紅茶、炭酸飲料など
これらの飲料は鉄の吸収を阻害しますので、気になる方は食前食後の濃いお茶は控えるほうがよさそうです。
飲料は多いですが、ハムやソーセージに使われる食品添加物リン酸塩も鉄分の吸収を阻害する成分ですのでほどほどにしましょう。
ちなみに肉や魚などから取れるヘム鉄はタンニンなどの吸収阻害物質の影響をを受けにくいです。
鉄分を多く含む食品を積極的に摂りいれよう!
身近な食品から鉄を多く含むものを紹介します。
:豚のレバニラ炒め1人前で鉄量10,4mg
豆類 :きなこ大さじ1程度で0,9mg :納豆小さめ1包み1,7mg
:凍り豆腐1枚で1,2mg
野菜類 :ほうれんそう1/4束で1.6mg
(ほうれんそうは下のほうの赤い部分に特に鉄分が豊富です)
:こまつな1/4束で2.2mg
(資料:好きになる栄養学 麻見直美・塚原典子・講談社サイエンティフィク2008 p69)
なお、レバーに関しては体の毒素がたまってくる部位でもあるので、新鮮なもの、素性の確かなものを選んで食べることが大切です。
そのほか部分的に鉄分が多いものもあります。
あさりやしじみ、よもぎ、きくらげ、のりや昆布、枝豆、桑茶、などにも鉄分が豊富です。
調理には鉄のフライパンを使うと調理中にフライパンから溶け出した鉄をいっしょに摂取できるのでオススメです。フッ素加工のものと違いガリガリこすれるのも魅力です。
鉄の多い食材を使った調理例
- かぶの葉とあさりとえのきだけの味噌汁(汁ごと栄養が取れるので味噌汁はオススメです)
- ぶりのみりんしょうゆ焼き(みりんとしょうゆを合わせて液につけて焼く)大根おろし添え
- ほうれん草の鰹節和え(鰹節には鉄分が豊富です)
ビタミンC が豊富な果物や野菜といっしょにとれば吸収率も上がっていいですね!玄米はミネラル分が豊富ですが、食物繊維分が鉄の吸収の阻害になることもあります。
鉄分が豊富なものを取ることは大切ですが、一気にとろうとせずに、毎回の食事からちょこちょこ摂取していくことが大切です。
鉄分とって元気に妊娠力アップ
鉄を含むからだが必要とするミネラル量はわずかではありますが、不足状態が長くなると冷え性になりやすくなったり、ダルさが続いたりして体調が悪くなります。
病気とは言えないような不調は、妊娠力を上げたい人にとって少ないに越したことはありません。適切な食べ物や組み合わせで体質の改善は可能です。
そうすることで自分自身がイキイキとなり、妊娠力も上がってくるのではないでしょうか。
血の巡りがよく細胞がきちんと生まれ変わっていて、錆びていない体であれば妊娠しやすいことが想像できます。
鉄分がよく働く組み合わせで栄養素をまんべんなく毎日ちょこちょこ摂取するように心がけて妊娠しやすいからだを作ってくださいね!
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