赤ちゃんのおもちゃの安全性と月齢別の選び方のポイント
おもちゃ選びは育児の楽しみの一つですよね。
価格の安さや見た目の面白さだけに惑わされず、厳選された良いおもちゃを我が子には与えたい…。
そう考えている親御さんは多いと思いますが、数多くのおもちゃの中からデザインが優れていて、品質も良く、さらに我が子が喜んで遊んでくれるおもちゃを選び出すというのは至難の業です。
口コミで好評だった・友人が絶賛していたおもちゃでも、自分の子は全く反応しなかった…という経験、筆者にもあります。
なので、この記事では赤ちゃんのおもちゃ選びの際に大切な、最低限知っておきたいポイントだけをまとめてみました。
何よりも重要であるおもちゃの安全性について、また赤ちゃんのそれぞれの発達時期に適したおもちゃ選びのコツや、手作りのおもちゃについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
乳幼児向けおもちゃの安全性を守る規制
大切な赤ちゃんが直接触れたり口にいれたりすることもあるおもちゃですから、何よりも安全性が気になります。大人用とは違い、特別に注意が必要な赤ちゃんのおもちゃに関する規制について解説したいと思います。
食品衛生法による規制
食品衛生法とは、飲食によって生じる危害の発生を防止するための法律であり、食品と添加物などの基準・表示・検査などについての決まりを定めたものです。
その対象は食品だけに限らず、食器類や食品の容器包装まで広く含まれています。
さらに6歳未満の乳幼児のおもちゃも、口に入る可能性があるものとして、食品衛生法による検査の対象となるのをご存知でしょうか?
この検査は国内で生産されたおもちゃに限らず、海外で生産され日本に輸入されるおもちゃにも適用されます。
検査全てに適合したおもちゃが、食品衛生法の規格を満たすものとして輸入・販売が認められるのです。
おもちゃの規格基準の主な項目
おもちゃまたはその原材料 | 試験項目 |
---|---|
うつし絵・折り紙 | 重金属・ヒ素 |
おもちゃの塗膜 | カドミウム・鉛・ヒ素 |
ポリ塩化ビニル塗膜 | 過マンガン酸カリウム消費量(※1)・蒸発残留物(※2) |
ポリ塩化ビニルを主体とする材料を用いて製造された部分(塗膜を除く) | 重金属・カドミウム・ヒ素・過マンガン酸カリウム消費量・蒸発残留物 |
ポリエチレンを主体とする材料を用いて製造された部分(塗膜を除く) | 重金属・ヒ素・過マンガン酸カリウム消費量・蒸発残留物 |
金属製アクセサリー玩具 | 鉛 |
可塑化(※3)された材料からなる部分 | フタル酸エステル |
(※1)水に溶出する有機物量
(※2)水に溶出する不揮発性物質量
(※3)樹脂の加工を容易にするために添加剤を配合すること
玩具安全基準『ST』による規制
一般社団法人日本玩具協会が、1971年に日本で販売されるおもちゃの安全性を高めることを目的として創設したのが、玩具安全基準『ST』です。
『ST』マークの付いているおもちゃは、安全面に配慮して製作されたものとして協会が認めたおもちゃであると言えます。
この『ST』マークをおもちゃに表示するためには、第三者検査機関による『ST基準適合検査』に合格しなければなりません。
検査は、主として機械的安全性・可燃安全性・科学的安全性の3つの項目からなっています。それぞれの検査項目を詳しく見ていきましょう。
- 機械的安全性の検査
- 14歳未満の子どもを対象とするおもちゃに対して、形状や強度に関する検査を行います。例えば、先端が尖りすぎてケガをする恐れがないかを検査したり、子どもが飲み込んでしまう恐れがないかをテスターの穴を通過させて検査したりします。
- 可燃安全性の検査
- 子どもが身に付けるかつら・お面・着せ替えドレスの他に、子どもが中に入る家やテントのおもちゃ、抱っこするぬいぐるみなどにも行われる検査です。燃えやすい材料が使われていないかを検査します。
- 科学的安全性の検査
- おもちゃの材料に有害な物質が使われていないかを検査します。食品衛生法などを基に、鉛などの重金属の検査やフタル酸の検査などを行っています。
- 白・黒・グレー・赤といった色味のおもちゃ
- オルゴール機能のついたメリー
- ぬいぐるみ
- ガラガラ(ラトル)
- 絵本
- 手に持てる大きさ
- 軽さのおもちゃ
- キラキラするおもちゃ
- クルクルまわるおもちゃ
- ガラガラ
- 歯固め
- メリー
- ジム
- プレイマット
- ジム
- プレイマット
- ぬいぐるみ
- 太鼓やタンバリンなどの簡単な楽器、しかけおもちゃ
- ボール
- ミニカー
- 積み木
- パズル
- 絵本
- お人形遊び
- ・素材
- 食品容器以外に使われていた成分がよく分からないプラスチック、色のきつい物(有害な着色料の恐れあり)、金属製の物(鉛などを含む恐れあり)は避けておいたほうが無難です。
- ・飲み込めない大きさか
- 3歳の赤ちゃんが口を開けたときの最大口径が約39ミリ、のどの奥までが約51ミリ。市販の誤飲チェッカーはこのサイズを基に作られているそうです。トイレットペーパーの芯やピンポン玉などが口径と同程度の大きさになります。
トイレットペーパーの芯を通り抜ける大きさの物や、ピンポン玉と同じかそれ以下の物は赤ちゃんの手の届かないところへ片付けましょう。また、大きさは大丈夫だと思っても、つるんとした球体のものはすっぽりと口に入ってしまう恐れがありますので気をつけてください。
- ・尖っていないか
- 長さが51ミリ以上あれば飲み込めないと考えられますが、細長く尖っている物はノドの奥を突いたり目に刺さったりする恐れがありますので、赤ちゃんには持たせないようにしましょう。
- ・外れやすい部品が無いか
- ペットボトルのふたや留めておいたテープなど、知らないうちに緩んでいたりはがれかかっていたりすることがあります。赤ちゃんにおもちゃを与える前には、その都度外れやすい箇所をチェックしておくと安心です。
海外製おもちゃの安全基準
海外にも、日本の『ST』と同様の安全基準が設けられている国があります。これらのマークが表示されたおもちゃならば、日本の『ST』マークとほぼ同様に安全性が保証されていると考えられます。
その中でも、以下の2つは日本で販売されているおもちゃにも表示されていることの多い安全基準です。
『CE』マーク
EU域内で販売される様々な製品に表示が義務づけられている安全マークです。
このマークが表示された製品は、EUで法により統一された安全性・品質についての基準を満たし、人や環境保護のための必要条件を満たしていることを示します。
その中でも乳幼児向け製品・おもちゃには『EN71』という安全基準があり、この基準に合致した製品にこのマークが表示されます。
日本製のおもちゃも、EU域内に輸出・販売をする場合は、この『CE』マークを取得する必要があります。
『ASTM』マーク
米国の民間規格制定機関ASTMインターナショナルによる規格をクリアした商品に表示されるマークです。
ASTMは世界75カ国あまりで基準として取り入れられ、国際的に広く支持された規格です。
乳幼児向け製品・おもちゃには『ASTM F963』という安全基準があり、この基準に合致した製品にこのマークが表示されます。
時期別、赤ちゃんに適したおもちゃ
赤ちゃんの成長に合わせて、適したおもちゃも少しずつ変わっていきます。
ここでは、赤ちゃんの成長による発達具合のそれぞれの段階でどんなおもちゃを選んだらいいのか、またおもちゃで遊ぶ際にどんなことに気をつけたらいいのかについて解説します。
ねんねの時期(生後1~3ヶ月ごろ)
自分では頭・身体を動かすことが出来ず、寝ているだけの時期。視覚も発達しておらず、3~40センチくらいの距離の物がぼんやりと見える程度です。
この時期の赤ちゃんは、見るよりも音を楽しむおもちゃの方が適しています。
綺麗な音や胎内音の鳴るメリーやぬいぐるみ、ガラガラ(ラトル)などを用意しておくと、この先も長く遊ぶことが出来るでしょう。
また、お腹の中にいた頃からなじんでいるママ・パパや兄弟の声で絵本を読み聞かせてあげるのも良いのではないでしょうか。
首すわり・寝返りの時期(生後4~6ヶ月ごろ)
音のするほうを見たり、気になる物に手を伸ばしたり出来るようになります。キラキラ光るおもちゃやクルクル回るおもちゃに興味をしめすことも。
また、軽いおもちゃなら少しの間手に持たせられるようにもなります。ねんねの時期のメリー、ガラガラなどはまだ活躍します。
絵本は聞かせるだけでなく、ページをめくって見せてあげましょう。
など。
5ヶ月頃からは手に持った物を口に入れる動きが出てきますので、小さいおもちゃの誤飲に注意してください。
赤ちゃん用のおもちゃでない物は、外れやすい小さな部品が無いかどうかチェックしてから持たせてあげて下さい。
お座り・はいはいの時期(生後6ヶ月ごろ~)
お座りが出来るようになると視界もぐっと広がり、赤ちゃんの興味の対象も遊びの種類も豊富になります。
興味のある物を自分から手でつかんだり、追いかけたり、目の前に置かれた物で上手に遊べるようになります。
また、叩く・押す・引っ張るなどの簡単な操作で反応のあるおもちゃを喜びます。
お座りで遊ばせられるようになったら、一度赤ちゃんの目線の低さになって、周囲に赤ちゃんの興味を引きそうな箇所、危険な箇所がないかをチェックしてみましょう。
電池式のおもちゃはフタがしっかりと閉まって、電池が取り出せないようになっているかを確認しましょう。
たっち・あんよの時期(生後10ヶ月ごろ~)
今までよりさらに活動的になる時期です。もうはいはいでの移動はお手のもので、ちょっとした段差でもよじ登って興味のあるものを追いかけたりします。
また、手指の動きも発達します。物をつかんで穴にいれたり、ボタンを押したりなど、簡単な操作をして遊ぶことが出来るようになります。
さらにおしゃべりも始まるのがこの時期です。
最初はテレビや周りの大人の口真似からですので、一緒に歌を歌ったり、絵本の読み聞かせをしてあげるのも良いと思います。
など。
固いおもちゃや角のあるおもちゃなどは、特に転んで頭をぶつけたりしないよう気をつけましょう。
お手軽で安心な手作りおもちゃ
高いお金を出して買ったおもちゃよりも、手近にあるものでパパッと作ったおもちゃの方が喜んで遊んでくれる…というのはよくある話です。
それに、手作りのおもちゃなら素材を選べますし、心を込めてしっかりと丈夫に作ることが出来ますので、安全基準の表示の無いおもちゃよりもむしろ安心して遊ばせてあげられるかも知れません。
安心な素材を使用した、簡単手作りおもちゃ
食品の入っていた容器を使用すれば、前述の通り食品衛生法の規制がありますので、赤ちゃんにも安心です。
赤ちゃんはなぜかペットボトルが大好き。飲みかけのペットボトルを渡しておくだけでも振ったりしゃぶったりして楽しそうにしていることも。
ペットボトルは何本か並べて、ボウリングのようにボールをぶつけて遊ぶこともできます。
透明な卵のパックも、一つずつ切り離して中にビーズや鈴などを入れてテープで留めれば、簡単にガラガラのおもちゃに早代わりします。
切り口が鋭いので、赤ちゃんがケガをしないようにしっかりとテープで留めてください。
他にも、紙コップ・紙皿・牛乳パック・粉ミルクの空き缶・プリンのカップなど、おもちゃ作りに使える空き容器は色々あります。
ネットで探すと沢山の手作りおもちゃが紹介されていますので、ぜひ色々作ってみて、赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを見つけてくださいね!
手作りおもちゃで気をつけたいこと
赤ちゃんが楽しくおもちゃで遊べるように…
おもちゃはいつでも赤ちゃんを笑顔にしてくれる、パパやママにとっても大助かりの素晴らしいアイテムです。
それだけでなく、おもちゃで遊ぶことは赤ちゃんの情緒を育て、頭や身体の発達を促すことにもなります。
ですが赤ちゃんの行動は予測のつかないこともあり、おもちゃが原因で思わぬ事故を招くこともあるのです。
この記事を参考に、ぜひ安全性の高いおもちゃを選んであげてください。
例え安全基準を満たしたおもちゃであっても、初めて赤ちゃんに与えた時はしばらく様子を見ることをおすすめします。
赤ちゃんがおもちゃでどんな遊び方をしているのかを観察することで、ある程度の危険を予測することが出来ます。
それに安全チェックと同時に我が子のおもちゃの好み、好きな遊びの傾向が分かってくるかも知れませんよ。
赤ちゃんにとって一人遊びも大切なことですが、時にはぜひ、家族みんなで赤ちゃんと一緒に、おもちゃを使って楽しく遊んでみましょう。
そしてこの時期の貴重な思い出をたくさん作ってください!
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