【体験談】切迫早産で2カ月入院…ポジティブに時間を活かすコツ
つわりで苦しむ妊娠初期を乗り越えて安定期に入ると、マタニティライフを楽しむ余裕が出てきますよね。
少しずつ大きくなるお腹や小さな胎動に幸せを感じ、ヨガやスイミングなど妊婦さん向けのアクティビティに挑戦するママも多いのではないでしょうか。
そんな時に突然、絶対安静を告げられたらどうしますか?
しかし、実際に入院生活を送るうちに、「入院して良かった!」と思える場面もたくさんあり、ポジティブに時間を活かそうと考えられるようになりました。来るべき出産や育児に向けて、どのように病院での2カ月を過ごしたのかご紹介します。
19週から自宅安静、26週でついに入院
妊娠が分かってからはとてもアクティブに過ごしていました。
「体重増加を防ぐために運動したほうがいい」と助産師さんに言われたので、万歩計をつけてウォーキングをする日々。1日で1万歩以上歩く日も多くあり、「今日も赤ちゃんのためにたくさん運動できた」と満足していました。
しかし、その時の私は頻繁にお腹が張っていることに気付いてなかったのです。特にたくさん歩いた日は常にお腹が固くなっているような状態でしたが、それが普通だと思っていました。
妊婦健診で「子宮頸管が短い」
「子宮頸管が短め」と言われたのは妊娠19週での妊婦健診。その時に指摘されて「この時期にお腹が頻繁に張るのは普通じゃない」ということを知りました。
それからは「自宅安静」を指示され、お腹の張りを抑える薬を飲みながら、極力家の中で過ごしました。それにも関わらず10日に1回通院し、子宮頸管の長さを測るとどんどん短くなっていきます。
そして26週の時、ついに子宮頸管長が2cmまで短くなってしまい、その場で入院を指示されました。
長期入院生活、慣れるまでは少しつらくて…
幸いにも入院した場合に備えて荷物はまとめていました。しかし「臨月まで最低2カ月の入院」という事態に精神的ショックは大きく、仕事も急に休むことになってしまったので後任への引き継ぎも満足にできないまま。
「妊娠中にいろいろやりたいことがあったのに」「家事はどうすればいいの」「頑張っていたウォーキングが逆効果になったんだ」と頭の中はマイナスな考えでいっぱい。
初日の夜はこれからのことを考えて不安になってしまい、大部屋のベッドの上で涙をこぼしました。
「ウォーキングくらいでは普通は大丈夫なんだけど、たまたまお腹が張りやすくて子宮頸管が短くなりやすい体質だったんだね。自分を責めないで」と言ってもらえたことは大きな救いになりました。
そして始まった入院生活では、いろいろと不便に感じて慣れるまで戸惑うことも多かったです。私が体感したデメリットをまとめてみました。
家族や友達となかなか会えない
始めのうち、これが一番こたえました。夫と会えるのは限られた面会時間だけで、場所は共同の談話室。それも毎日ではありません。他愛もない会話をしたり、一緒に食事をしたりという時間が支えになっていたことを実感しました。
友達との食事の約束や旅行も突然キャンセルしなくてはならなくなり、楽しみにしていただけにとても残念でした。
点滴を24時間しなくてはならない
身体的につらかったのは1日中点滴をしなければならないこと。お腹の張りを抑える薬を少量ずつ流し続けるのですが、とにかく動きづらい!
衛生的に保つために週に一度は別の場所に刺し直さなくてはならず、腕は傷だらけになるし点滴液が漏れるととても痛みます。産後1年半が経った今も点滴の傷跡は残っていて、見るたびに入院生活を思い出します。
食事が物足りない
食事はかなりの薄味で、同じようなメニューがローテーションで繰り返されます。野菜中心のお惣菜に、お肉は淡白な鳥肉…というような健康的なメニューが中心に並びました。
妊娠中は少し味覚が変わり、濃い味の物が好きになったので「ラーメンや焼肉が食べたい…」と心の中で思っていました。
湯船に入れない
お風呂は共同のシャワーだけで、常に順番待ちの列ができているのでいそいで出なくてはなりません。
また、点滴の針が刺さっている部分をビニール手袋で覆って入るので洗いづらいです。お風呂好きな私としては、「ゆっくり湯船で温まりたいな」と恋しく思っていました。
世の中の情報に疎くなる
大部屋の病室ではテレビも有料なので、病室では極力見ないようにして過ごしていました。知りたいことはネットニュースを見ていましたが、「どうせ外に出られないし…」と思うと、世間で流行っている物にもあまり興味がなくなってしまいました。
その結果、夫や友達との話についていけない時もあり、まさに「浦島太郎状態」に!
発想を転換すればこんなにメリットが!
初めのうちは1日が本当に長く感じられました。しかし1週間、2週間…と過ごすごとに入院生活ならではのメリットが見えてきました。
いつ容体が急変しても安心
何と言っても病院に暮らしているので、一番のメリットは医師や助産師さんが常駐していること。ほんの少しの体調の変化もすぐ相談できて、安心感がありました。
いつもよりお腹の張りが強く感じられた時もその場でエコー検査をしてもらい、赤ちゃんには何も異変がないことが分かって一安心。患者ごとに担当の助産師さんが決められていて、折に触れて話を聞きに来てくれたのも心強かったです。
診察の待ち時間が少ない
入院患者は病棟の診察室で見てもらいます。準備が整ってから呼びに来てくれるので、長時間待たなくていいのは本当にありがたかったです。
健康的な食事を作ってもらえる
病院の食事は栄養士さんが計算した完璧な健康食で、毎日おやつまでついてきます。薄味で物足りないと感じる事もありましたが、栄養の面では大きなサポートになりました。
おかげで私の妊娠中の体重増加は7キロ程度で収まり、産後もスムーズに体重を戻すことができました。
先生と顔見知りなので出産時もリラックス
医師とは朝夕の回診や検査で1日に何度も顔を合わせます。自然と雑談をする機会も増え、人となりが分かってきます。
分娩時にも顔見知りの信頼できる女性医師が担当してくれたので、リラックスしてお産に集中できました。
入院仲間と励まし合える
入院している妊婦さんは切迫早産だったり、多胎児妊娠だったり、持病があったりとさまざまな事情を抱えながら赤ちゃんのために頑張っている方ばかり。
私は4人部屋にいたので、同室の妊婦さんとは24時間同居しているようなものです。すぐに仲良くなって、おしゃべりをしたり、本を貸し合ったりするように。
1日の具体的なスケジュール
7:00 採血(※週1回)
7:30 朝ごはん
9:00 医師の朝回診、
ノンストレステスト(赤ちゃんの心拍と子宮の収縮を測定する検査)
10:00 子宮頸管長のチェック&エコー検査(※週1回)
11:30 昼ごはん
14:00 おやつ
15:30 医師の夕回診
17:30 夕ごはん
20:00 赤ちゃんの心音チェック
21:00 消灯
このスケジュールにプラスして、決められた時間内でシャワーや面会をすることができます。検査や面会がない日は、9時の検査が終わってから夜までがとても長く感じます。
それに日中は安静を指示されていてほぼ横になっているので、体力が余っている状態。夜もなかなか眠りにつけず、消灯後何時間も起きたままでいることもありました。
私は「時間を贅沢に使い、普段やりたくてもできないことをしよう」と思い立ち、さまざまなことに挑戦することに!
英語の勉強、長編小説を読む、育児雑誌や育児漫画で予習する、赤ちゃんのスタイやおもちゃを手作り、赤ちゃんグッズをネットでチェック、シリーズ物のDVDを見まくる、ゲームをする…と入院中でもできることは案外たくさんありました。
無事に出産できたことが何よりのご褒美
何よりの支えになったのは、どんどん大きくなっていくお腹やエコーの画像で赤ちゃんの成長を実感すること。
「どんなお顔なのかな」「産まれてきたら楽しいことたくさんしようね」と心の中で赤ちゃんにたくさんのことを話し掛けながら乗り切りました。
そして入院から2カ月以上経って36週に入った日、ついに退院。点滴を外して数時間後に内診をすると、すでに子宮口が3センチ開いた状態になっていて、あんなに嫌だった点滴がいかに効いていたかを実感しました。
産後に赤ちゃんを抱きながら感じたことは「大きな感謝」でした。
入院中に家事をすべてしてくれて私の分の洗濯物をせっせと届けてくれた夫、何度もお見舞いに来てくれた友達、病院で迎えた誕生日にお花をプレゼントしてくれた義母、赤ちゃんを守ってくれた医師や助産師さん…そして元気に産まれてきてくれた赤ちゃん。
このかけがえのない命のために入院生活をする必要があったんだと改めて気付き、「入院させてくれてありがとう」と心から感謝しました。
▼切迫早産についてはコチラも参考にしてみて!
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