離乳食中期の便秘気味赤ちゃんを助ける!食材別レシピで対策
新生児期には頻繁にうんちをしていた赤ちゃんも、成長とともに排便ペースが変化してきます。
中には、離乳食中期くらいになって急に便秘になってしまう子もいます。柔らかくて水分たっぷりの離乳食を食べているのに、不思議ですよね。
便秘は腸内環境を整えるためにしっかり解消してあげたいものです。
毎日食べる離乳食から、離乳食中期ころの赤ちゃんの便秘をケアしてみましょう。
赤ちゃんの気になる便秘と、家庭で試したい便秘解消アイデア
離乳食中期に入る生後7~9ヶ月くらいの赤ちゃんは、便秘に悩まされることがあります。ではなぜ便秘になってしまうのでしょうか。
どうして便秘になるの?離乳食中期ころの赤ちゃんの便秘原因
赤ちゃんが便秘になる理由はいろいろあります。
- 水分不足
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離乳食が進むにつれて授乳量が減り、水分不足になる子も少なくありません。水分量の不足は便秘につながります
- 食事量の不足・離乳食の遅れ
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離乳食を進めることが怖くてあまり量を食べさせずにいると、便の材料が足りずに便秘になりやすくなります。
またいつまでも消化の良い食材ばかり選んでいても、繊維質が不足してうんちが出にくくなります。
水溶性食物繊維・不溶性食物繊維を適度に含むものを食べさせ、離乳食を進めることは大切です
- 成長過程
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腸内細菌や腸の成長によって、うんちがたくさん溜められるようになります。そのため、これまでより出が悪くなります。
またビフィズス菌がほとんどだった腸内細菌も、離乳食や雑菌に触れることでどんどん変化します
- 運動不足
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まだ歩けない子も多いため、どうしても運動不足になりがちです
- ストレス
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環境の変化など、気付かないうちにストレスがたまり便秘になることもあります
これらの中でももっとも注意したいのが水分不足です。夏場は汗をかくので特に不足しやすくなります。
離乳食を食べると同時に母乳やミルク・フォローアップミルクなどで必ず水分を補給しましょう。また外出から帰ったときや入浴後は麦茶などで水分をとりましょう。
便秘を解消する方法…ハイハイでしっかり運動させてあげよう
普段の生活の中でも便秘を解消できる方法があります。おすすめの便秘解消法を簡単にご紹介しましょう。
- お腹のマッサージ
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「のの字マッサージ」と言われるものです。おへそを中心に時計回りに優しくお腹をマッサージします
- 水分補給
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湯冷ましや麦茶を飲ませたり、スープをメニューに入れるなど水分補給もしましょう。
- 運動
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ハイハイできるようになったら、たくさん運動させましょう。興味や好奇心をくすぐって、たくさんハイハイさせましょう
- マルツエキス
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麦芽糖から作られた便秘のくすりです。マルツエキスで糖水を作って飲ませることも効果的です。
甘くて糖分たっぷりなので、癖にならないよう便秘の時だけ与えましょう。また歯が生えてきたら与えた後麦茶などを飲ませると虫歯予防になります
- 綿棒浣腸
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大人用の綿棒を軽くほぐして、ベビーオイルをたっぷり含ませます。赤ちゃんの肛門に綿棒の頭が隠れるほど入れ、優しく刺激します
肛門に傷がある場合や、便に血が付くような場合は綿棒浣腸はやめておきましょう。
またお腹がパンパンに張っているなど辛そうなときは、小児科を受診しましょう。
便秘解消に良いといわれる食材をもう一度見直して試そう
離乳食初期から使える食材の中にも、便秘解消に役立つものがたくさんあります。便秘に困ったら、好んで食べてくれるものをチェックしてみましょう。
- りんご
- バナナ
- 桃
- キャベツやホウレンソウなど葉物野菜
- かぼちゃ
- プレーンヨーグルト
- きなこ
- オートミール
初期から使用している食材や果物だと見逃してしまうこともありますよね。リンゴの蒸し煮とプレーンヨーグルトを合わせたり、おかゆに葉物野菜を炊き込んでみましょう。
オートミールは、水から煮るとふっくら柔らかく煮えます。きなこはオートミールやヨーグルトに加えてあげると、栄養価も食物繊維もアップして便利です。
おやつにバナナきなこヨーグルトも良いでしょう。繊維質が食べにくい時は、食べやすく調理されたベビーフードも活用していきましょう。
母乳には乳酸菌など善玉菌のエサになるオリゴ糖が含まれています。母乳育児のママは、もう少し続けてみてはいかがでしょうか。
根菜…いも類など食物繊維が豊富でビタミンもたっぷり!
繊維質が豊富な根菜は、大人の便秘にも効果を発揮します。赤ちゃんの便秘も食べやすい根菜でケアしましょう。
【さつまいも】初期から食べ慣れている食材で便秘解消!
離乳食初期から使えて食べやすいさつまいもは、赤ちゃんにも人気の食材ですね。ステップアップにも最適です。
さつまいもオートミール
材料:(1食分)オートミール小さじ1・さつまいものマッシュ小さじ1
- さつまいもは良く洗い、両端を長めに切り落とす
- 厚めに皮をむいて1cmの輪切りにし、水に10分以上さらす
- 小鍋に水とさつまいもを入れて火にかけ、柔らかくなるまでゆでる
- フォークの背でマッシュする
- オートミール小さじ1と水小さじ3を深い耐熱皿に入れる
- ラップをかけてレンジで1分~1分30秒ほど様子を見つつ加熱する
- 粗熱をとり、さつまいものマッシュを加える
オートミールはミルクで作っても食べやすい味になります。さつまいものマッシュは1本分作り、ジップ付き冷凍用保存袋に入れて冷凍しておくと便利ですよ。
【ジャガイモ】保存もきいて安くて便利!食物繊維豊富な食材
ジャガイモも便秘解消に役立ちます。アレンジも豊富で使いやすい食材ですね。さつまいもに比べ甘みが少ない点も便利です。
ジャガイモと鯛のなめらか煮
材料:(1食分)ジャガイモのマッシュ小さじ2・鯛のお刺身1枚・出汁少々
- ジャガイモは良く洗って皮をむく
- 5ミリの輪切りにして水から柔らかくなるまでゆでる
- ゆであがったらフォークの背で軽くマッシュする
- 鯛のお刺身を湯通しし、ほぐす
- 出汁(昆布とかつお節のみで取った塩分を加えないもの)を加える
和風出汁でのばしたジャガイモのマッシュはなめらか食感になります。鯛のほぐし身はパサパサしているので、食べやすく工夫しましょう。
鯛にはするどい骨が含まれます。赤ちゃん用に与えるには、お刺身を購入してしっかり湯通しし、骨に気を付けながらほぐすと安全です。
出汁はまとめて取っておき、製氷器でキューブに冷凍しておくといろいろなメニューに使えてとても便利ですよ。
【人参】苦手にしない!赤ちゃんの頃から慣れ親しませよう
にんじんは食感を残して柔らかくゆでることができるため、離乳食のステップアップ食材にピッタリです。もちろん便秘解消にも役立ちます。
にんじんと豆腐のあんかけ
材料:(1食分)にんじん小さじ1・絹ごし豆腐小さじ2・和風出汁小さじ2・水溶き片栗粉少々
- にんじんは1cm程度の輪切りにして皮をむく
- 柔らかくなるまで水からゆでる
- 柔らかくなったら、3~5ミリ程度にみじん切りにする
- 出汁に水溶き片栗粉を加えてレンジでチンする
- 出汁が熱いうちににんじんを加えてよく混ぜる
- 豆腐を湯通ししてにんじんあんかけをかける
ブロッコリーの先をそいだものを一緒に入れても、繊維質が増えて彩もアップします。お豆腐を手元でくずしながら食べさせましょう。
繊維タップリ!海藻デビューは離乳食中期から始めてみよう
調理に工夫すれば、海藻も食べられます。ミネラルも食物繊維も豊富にふくむ海藻は、お腹の健康維持にも役立ちます。
【昆布】風味に加え、適度なぬめりをプラスして便秘解消に
昆布は硬くて食べにくいのでは…?と感じるママも多いかもしれませんが、使い方によっては便秘解消に使えるんですよ。
簡単昆布がゆ
材料:お米小さじ1・水小さじ7(7倍がゆ)・出汁用昆布3cm角程度・炊飯器用おかゆクッカー
- おかゆクッカーがある場合は、専用スプーンでお米を計量する
- おかゆクッカーの指示通り水を入れる
- 出汁用昆布は濡らしたクッキングペーパーでよく拭く
- キッチンばさみで切れ込みを入れ、米に差し込んでおく
- おかゆクッカーごと炊飯器にセットし、指示通り炊く
- 炊き上がったら昆布を取り出しよく混ぜる
離乳食用のおかゆをおかゆクッカーで作っているママも多いのではないでしょうか。大人のご飯と一緒に炊けて、手間いらず&節電で便利ですよね。
おかゆの材料と一緒に出汁用の昆布を入れておくだけで、風味と一緒に適度なぬめりが出ます。我が家の子供たちはこれで便秘を何度も解消してきました。
塩昆布や昆布の佃煮は、赤ちゃんには不向きです。塩分の少ない出汁用昆布を使いましょう。
【海苔】使い勝手は抜群!簡単に食物繊維をプラスできる
海苔は水分を含ませると簡単にほどけるので便利な食材です。最初は味付け海苔ではなく、シンプルな焼き海苔から使いましょう。食物繊維が豊富ですよ!
かぶの海苔風味そうめん
材料:(一食分)そうめん大さじ2・かぶ小さじ1・海苔2cm角程度・和風出汁少々
- そうめんは乾麺のうちに1cm大にポキポキ折っておく
- かぶの皮をむき、3~5ミリ角に切る
- たっぷりのお湯でそうめんとかぶをしっかりゆでる
- 冷水を張ったボウルなどでよく洗い、そうめんの塩分を洗い流す
- 器に和風出汁を入れ、海苔を加えてよくほぐす
- ゆでたそうめんとかぶを出汁で和える
そうめんは離乳食作りでとても役立つ食材です。塩分を含んでいるので、ゆでたらしっかり洗うことがコツですよ。
かぶのようにすぐ柔らかくなる食材なら、そうめんと一緒にゆでられるので簡単です。少し硬めの食材はあらかじめゆで始めておき、あとからそうめんを入れると良いでしょう。
【ひじき】栄養豊かな海の恵み!ミネラル豊富でおすすめ
ひじきも赤ちゃんに食べさせられる食材です。離乳食中期に入ったらスタートしてみましょう。ひじきにはミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。
数年前にひじきにはヒ素が含まれているためたくさん食べない方が良いという説が出て話題になりました。
厚生労働省では、日本人が食べる海藻の中でひじきは多い方ではなく、ヒ素中毒など健康被害も報告されていないので、バランスよく食べれば大丈夫と見解しています。
なんでも食べ過ぎれば害になりますが、適度にいろいろ食べることで健康効果もアップするものです。ひじきも便秘が気になったときなどに食べさせ、慣れさせましょう。
海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません。また、ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルも含んでいます。以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思われます。
ひじきと鶏ささみのミルク煮
材料:(1食分)ひじき小さじ1・ほぐした鶏ささみ小さじ1・すりおろしたお麩小さじ1・ミルク大さじ2・和風出汁カップ1程度
- ひじきは良く洗う
- ボウルに水を張り、ひじきを入れて30分ほど戻す
- 目の細かいざるなどに入れ、流水でしっかり汚れを流す
- 和風出汁とひじきを鍋に入れて加熱し、柔らかくなるまで煮る
- 柔らかくなったころに鶏ささみを入れてよく煮る
- 火が通ったら鶏ささみを取り出して細かくほぐす
- ひじきの水を切って包丁でみじん切りにし、軽くすり鉢でする
- ミルクにすりおろしたお麩を加えてレンジで30秒ほど加熱する
- 細かくしたささみ・ひじきを加える
お麩ミルクのトロトロ食感で、食べにくい鶏ささみやひじきが食べやすくなります。和風出汁の風味も残りますよ。
ぬるぬるネバネバ食品で便秘解消!納豆・オクラ・モロヘイヤ
ヌルヌルした食感の食べ物には、うんちが出やすくなる効果があるといわれています。また納豆などには、善玉菌も豊富に含まれていますよ。
【納豆】これぞ和の食材!善玉菌アップのために食べ慣れたい
納豆はとっても便利な食材です。離乳食初期から使っている方も多いのではないでしょうか。中期に入れば、市販の引き割り納豆をそのまま使えるようになります。
納豆とまぐろの和え物
材料:(1食分)引き割り納豆大さじ1・まぐろのお刺身1枚
- 引き割り納豆をざるに入れる
- 熱湯を回しかける
- まぐろのお刺身を湯通ししてしっかり加熱する
- まぐろをほぐす
- 引き割り納豆をかるく混ぜ、粘りを出す
- まぐろのほぐし身と和える
ノンオイル&塩分不使用のツナ缶があればそれでも代用できます。お魚やお肉はパサつきやすいので、ねばねば食感でつるりと食べてもらいましょう。
【オクラ】ネバネバ野菜の代表!苦みも少なく便秘解消にもいい
オクラは星形がとっても可愛いですよね。便秘や健康に良い成分も豊富に含まれているんですよ。ちなみに「オクラ」って英語なんだそうです。ご存知でしたか。
材料:(1食分)オクラ半本・固ゆで卵の黄身小さじ1・7倍がゆ(いつもの量)
- オクラはよくすり洗いしてケバケバを取る
- お湯で柔らかくなるまでしっかりゆでる
- ゆであがったら包丁で2~3ミリになるまでよくみじん切りにする
- 固ゆで卵の黄身は、離乳食の進度に合わせて裏ごしする
- 7倍がゆの上にオクラ・卵の黄身を彩りよく盛り合わせる
卵の黄身もボソボソしているので、最初はお湯やミルクでのばして食べさせます。少し慣れてきたら、オクラのネバネバやおかゆの水分と一緒に食べてもらいましょう。
【モロヘイヤ】赤ちゃんが苦手な青菜もネバっと食べられちゃう
ネバっとした独特の風味が美味しいモロヘイヤ、健康食材として一時ブームになりましたね。離乳食にも使えて、便秘解消にももってこいなんですよ。
青菜が苦手な子はたくさんいますが、モロヘイヤの葉先なら柔らかさとぬめりに後押しされて飲み込みやすくなります。ほかの青菜で挫折したら、モロヘイヤを使ってみましょう。
モロヘイヤと青菜のグリーンリゾット
材料:(1食分)モロヘイヤの葉先小さじ1・キャベツや小松菜など他の青菜の葉先小さじ1・カッテージチーズ小さじ1・ミルク大さじ1・5倍がゆ(いつもの量)
- モロヘイヤと他の青菜の葉先をよくゆでる
- 柔らかくなるまでゆでたら、全部まとめてみじん切りにする
- 粘りが出るまでよく混ぜる
- ミルクを熱し、5倍がゆとカッテージチーズを加えて混ぜる
- 青菜のみじん切りを加える
チーズを加えることでなめらか食感になります。カッテージチーズは裏ごしタイプを買ってくると、舌触りよく仕上がりますよ。ママのデザートやサラダにも使えます。
いろいろな食材を組み合わせて、腸内環境を整える献立に
カミカミ期と呼ばれる離乳食中期は、赤ちゃんにとっておやつ感覚だった食事をメインに変えていく時期です。
まずは「食べることは楽しい!美味しくて嬉しい!」という気持ちを育てるため、ママもストレスが溜まらないように進めたいですね。
離乳食中期に入ると、いろいろな食材が食べられるようになります。食物アレルギーが気になってなかなか進められないママもいますよね。
でも、いつまでもステップアップできずにいるとますます便秘に拍車がかかってしまいます。腸内環境を整え免疫力をアップさせるためにも、離乳食は月齢に合わせて進ませましょう。
便秘に良いからといって同じ物ばかり食べさせることも良くありません。いろいろな食材を使い、さまざまな食感に慣れさせて健康な食生活の基礎を作ってあげましょう。
おすすめレシピを試してみるほか、たくさん運動して夜はしっかり寝る生活リズムを整えることも役立ちますよ。



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