産後の産褥期の過ごし方!里帰り出産は周りに気遣いと感謝を忘れずに
産後3週間ほどは産褥期と呼ばれ、ママの体力も戻りにくいと言われています。出血も続き、お産の疲れや新生児育児の疲れが出る時期でもあります。
そのためできるだけ横になって体を休めるべきと言われており、実際に無理の利かない時期です。
そこで、出産に際してママが里帰りをしたり、ママやパパのお母さんを始め、家族が手伝いに来てくれたりする場合があります。
お手伝いをお願いできるのであれば、できるかぎり甘えて体調を整えることが大切です。
でも、里帰り出産には里帰り出産の気苦労や困りごとがありますよね。
そんな里帰り出産の過ごし方と気苦労トラブル、そして上手なかわし方や改善策をご紹介しましょう。
この記事の目次
里帰り出産で助かるメリット…ママが育児に専念できる!
里帰り出産やお手伝いのある出産には、さまざまなメリットがあります。
里帰り出産のメリット
- ママが家事をしなくて済み、新生児育児に専念できる
- 上の子のメンタルケアがスムーズにいく
- 困ったときにすぐ協力してもらえる
メリットに対して「感謝の気持ち」を持つことが、上手に切り抜けるコツの一つと言えます。
ママが家事をしなくて済み、体調回復と育児に専念できる
里帰り出産のメリットとしてまず挙げられるのは、ママが家事をせずに済むという点でしょう。
新生児の授乳は3~4時間に1度なので、ゆっくり眠れず寝不足をおこしているママがほとんどです。
またお産でたくさん出血しているうえ、おっぱいの原料はママの血液と言われています。貧血に悩むママは多いですよね。
そんな産褥期に家事をせず、育児に専念させてもらえることが里帰り出産やお手伝いのある出産のメリットです。
上の子のメンタルケア・赤ちゃん返り対策がスムーズに行く
2回目・3回目のお産だと、赤ちゃんのお姉ちゃん・お兄ちゃんがいます。上の子のメンタルケアの手助けが得られることもメリットです。
下に弟妹が産まれると、兄姉が赤ちゃん返りをすることがあります。赤ちゃんにママや周囲の人の注目が向けられることで、精神的に不安定になってしまうのです。
- 上の子が焼き餅をやいたらママは上の子を優先
- 赤ちゃんが泣いている時は特に、上の子を優先して話を聞く
- 授乳時間以外は、赤ちゃんが泣いたら家族に抱っこをお願いする
一時的な焼き餅による赤ちゃん返りなら、こうして「あなたのことを一番に見ているよ」と伝えてあげることでおさまっていくでしょう。
こういった時、里帰りやお手伝いがある出産なら赤ちゃんが泣いていてもそちらにお願いし、ママは上の子の気持ちに寄り添ってあげやすくなりますよね。
赤ちゃん返り対策のワンポイント
お腹に赤ちゃんができた時から、上の子と赤ちゃん時代のアルバムや出産絵本を見つつ「あなたもこうして生まれたんだよ」と、たくさんお話ししてあげましょう。
ママが産前産後ととても大変になること、お兄ちゃん、お姉ちゃんがママを支えてくれたら嬉しいこと、とても頼りにしていることを、時間をかけて伝えましょう。
何かしてくれたら、「ママもパパも助かるわ!本当にありがとう」と、役立ったことを認めてあげてくださいね。
一緒に暮らしている家族にも、上の子を褒める・寄り添う・頼りにするなど、たくさん協力してもらいましょう。
お兄ちゃん・お姉ちゃんの自尊心を上手に育て、ママやパパを手伝うことに喜びを感じられる、育児のとても良いチャンスです。
パパママはもちろん、兄弟や普段は離れて暮らす祖父母など、家族みんなで赤ちゃんを育てるサイクルを作っていけると良いですね。
ママや赤ちゃんの病気など困ったときにすぐ協力してもらえる
里帰り出産やお手伝いのある出産では、赤ちゃんやママが体調を崩した時などもすぐに協力してもらえることもメリットです。
- 低体重などで赤ちゃんの退院が延びた…
-
ママが先に退院し、赤ちゃんが病院に残るケースです。ママは授乳に通ったり、搾乳して母乳を届けなければなりません。
産後のママは目のカスミや貧血があるため自分で運転できません。家族がいればママを送迎してもらえますね
- 赤ちゃんが発熱など体調を崩した…
-
新生児の発熱は尿路感染症などの可能性があり、すぐに受診する必要があります
- ママが発熱など体調を崩した…
-
産後の疲れや乳腺炎などで、ママが体調を急に崩すこともあります。赤ちゃんを見ていてくれる人がいれば、休むことができますよね
- 赤ちゃんの兄姉が病気になった…
-
ママと赤ちゃんが動けないときも、家族がいれば兄姉を病院に連れて行ってもらえますね
産後のママは精神的に不安定なことが多いですし、マタニティブルーになってしまうこともあります。寝不足と貧血でフラフラ…ということも多いですよね。
そんな時、「パパが忙しい時、何かあってもすぐに助けてくれる。ひとりじゃない」と思えるだけで心強いものですよ。
里帰り出産で困るデメリットと、トラブルシューティング
里帰り出産やお手伝いのある出産でも、困ることやイライラすることもあります。
- 同居家族が赤ちゃんを起こす
- 祝い客が産褥に押し掛けてくる
- ママと実母・義理の母や家族との気持ちのすれ違い
よく起きるこれらのトラブルと、それぞれの上手な切り抜け方の一案をご紹介します。
トラブル1:同居家族が帰宅後、寝ている赤ちゃんを起こす
里帰りやお手伝いのある出産、同居家族がいるママであっても、疲れがたまりやすい時期には変わりありません。
パパやじいじなど、日中出勤していて夜しか家にいない家族が、かまって赤ちゃんを泣かせたり、興奮させるというお話をよく耳にします。
赤ちゃんは生後まもなくから2、3ヶ月の間、昼夜逆転という現象を起こすことがよくあります。
赤ちゃんはもともと、24時間サイクルで生きるバイオリズムを持っては生まれてきません。
最初は2、3時間おきにねんねとおっきを繰り返し、昼と夜が逆転してしまうことがあるのです。
静かな日中はおっぱいを飲んでとろとろ眠り続け、にぎやかな夜になるとしょっちゅうぐずってママを困らせる、という赤ちゃんは多いですね。
1.同居家族が赤ちゃんを起こす時のトラブルシューティング
どうしても家族が分かってくれない時は、ママが眠れなくて体がつらく、授乳量も落ちてしまうことなどを説明しましょう。
過度の睡眠不足はマタニティブルーも悪化させます。赤ちゃんの健やかな発達のためにも、2~3ヶ月ほどで良いので、協力をお願いしましょう。
一時期のことではありますが、産後体調が戻らない時期でもあるため、ママにとっては非常につらいものです。
また赤ちゃんの発育にとっても、昼と夜のメリハリをつけることは大切なことです。昼と夜のメリハリがつくと、まとまった睡眠がとれるようになります。
成長に関わるホルモンは、多くが睡眠時に分泌されるので、しっかり眠れる習慣づけは、成長にとって重要なことなんですよ。
眠る習慣づけは、赤ちゃんにとって最初のしつけと言えるでしょう。
- 母子教室やセミナーにお祖母ちゃんにも参加してもらう
- 育児雑誌やサイトの「マタニティブルー」や「生活リズム」コラムを読んでもらう
- パパからも生活習慣づけの大切さを説明してもらう
こういった方法を試してみましょう。
トラブル2:入院中・産褥期のママに出産祝い客が押し掛ける
出産祝いはできるだけ早めに…といった風習がある地域などでは、ママの入院中や産褥期に祝い客が押し掛けてくることがあります。
泣きわめく赤ちゃんを一晩中抱っこしていなければならないママは、昼に睡眠を確保するしかありません。しかし来客が多いとおちおち眠っていられません。
また寝不足でノーメイク状態・パジャマ姿のところに、あまりよく知らない両親・義両親の知人・友人が押し掛けてきたら、とても嫌な気持ちになるママも多いでしょう。
2.祝い客が押し掛けることへのトラブルシューティング
そんな時は「産褥期で貧血や寝不足がひどいので、体調が悪くて対応できない」ということを上手に伝えましょう。
どうしても風習で来客をとめられない、でもどうしても人前に出たくないという場合は、赤ちゃんだけ祖父母に披露してもらいママは奥で休ませてもらいましょう。
「体調が悪くてずっと伏せっている、人前に出られない」と、方便を使うこともひとつの手だと割り切りましょう。
- 体調不良を理由にママは出ない
- 赤ちゃんが泣いたらお開きにしてもらう
- 「どこの家でもこんなもの」と割り切る
そういう風習の土地では産後の母親がいても来客が押し掛けることが「当たり前」になっています。抵抗すれば角が立ってしまうでしょう。私も経験しています。
そういう地域では「ノーメイク・パジャマ姿のママがいても誰もなんとも思わない」…そう割り切って無心にやり過ごすことも方法のひとつです。
トラブル3:お姑さんなど、家族とママのメンタルの軋轢
お姑さんや実の母と、産前産後のママとのメンタル的な軋轢が起きるケースもよくあります。
産前産後のママはとても気が立っています。さらに産後はマタニティブルーでちょっとした発言に心が揺らぐことも多いですよね。
- 普段は何とも思わない言い方に傷つく・イライラする
- デリカシーのない言動が許せなくなる
- 時代に合わない経験談や育児方針にウンザリする
普段から実の母やお姑さんとうまくいっていないママは、余計にイライラすることが多くなるかもしれません。
3.お姑さんや家族VSママの軋轢のトラブルシューティング
お姑さんや実の母、その他家族と、産前産後のママの気持ちの軋轢が起きたときは、まずパパに間に入ってもらいましょう。
女性同士では角が立つ場合でも、男性のパパが間に入ることで緩衝材になってくれるケースもあります。
- パパから産前産後のママの気持ちの揺らぎを説明してもらう
- マタニティブルーなど、育児雑誌やサイトのコラムを読んでもらう
- 昔と今では科学も医学も激変し、育児の常識も変化していることを説明する
最新の科学や医学が根拠になっている育児の「情報」を味方につけ、論理的に説明することもポイントです。
ママと実の父・義理の父の間の気持ちのすれ違いも、男性であるパパから理論立てて説明することでより理解してもらえる可能性が高くなりますよ。
お産が軽かった女性は、男性より共感しにくいかもしれません。でもお産は人によって軽重が全く違うものです。その点を上手に説明してもらいましょう。
年齢的に、実の母やお姑さんが「更年期障害」を起こしているケースもあります。急に娘や嫁・孫の世話が増えて、疲れがたまりストレスが爆発してしまうこともあるでしょう。
産後のママはそこまで気遣いができません。パパはそういった点もしっかり考慮し、上手に間にはいってあげましょう。
相手の立場・心を考え、協力してくれる家族と上手に過ごそう
それぞれの困りごとに関するトラブルシューティングをご紹介してきました。でも日常生活をスムーズにするために、気を付けておきたいポイントをご紹介します。
- 最初にきちんと挨拶をする
- お金のけじめをつける
- パパが緩衝材になり、双方の両親とママの橋渡しになる
- 感謝・お礼をきちんと伝える
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.お世話になる互いの家族に、最初にきちんと挨拶をしよう
里帰りした日、お手伝いに来てくださった日は、できるだけパパとママがそろってきちんとお礼を言い、今後のお世話のお願いを伝えましょう。
パパが仕事の関係などで同席できない場合は、できるだけ早めに電話を入れて直接「お世話をお掛けしますがよろしくお願いします」と伝えましょう。
どちらの両親でも同じです。親子の間でも礼節は大切なものです。自分の親であっても、挨拶は必ずするようにしてくださいね。
2.生活費や交通費など、かかる費用のけじめはキッチリつける
お世話をお願いする間にかかる費用なども、あらかじめパパとママで相談しきちんとお渡しするようにしましょう。
- ママと赤ちゃんの生活費・食費
- お手伝いに来てくださる家族の交通費
- 買い物に行くときのガソリン代など雑費
ざっくりとでも計算してあらかじめ渡しておきましょう。
「お金のけじめがきちんとしている」という印象を持ってもらうことで、家族のストレスを軽減できますよ。
3.旦那には双方の実家の両親・ママに対して気を遣わせる
パパには、ママとお手伝いしてくれる家族の橋渡しになるという大切な役目があります。気遣いこそ、パパ最大の役割と考えましょう。
ママが里帰りをする場合も、定期的に連絡を入れて直接両親にお礼と今後のお願いを伝えましょう。大人として当然の礼儀を心がけましょう。
ママのお母さんはもちろん、パパのお母さんがお手伝いに来てくれるときも毎日「ありがとう、お疲れさま」と声をかけ、不便や不自由がないか気遣うと良いですね。
- 家族がいないところでママの愚痴を受け止めてあげる
- ママがいないところで家族の文句を黙って聞く
- パパなりに問題の本質を考え、改善策を考えてみる
気持ちのすれ違いなどは、双方の愚痴をそれぞれに受け止めてあげるだけでもけっこう解決していくものです。
それでも解決しない場合は、パパが冷静に判断し感情的になりやすいママや実の母・義理の母の間に立って解決策を探してみましょう。
4.里帰りする日・戻る日には、きちんとお礼・感謝を伝えよう
里帰りする日・お手伝いの方が帰る日は、きちんと挨拶をしてお礼を伝えましょう。手土産・お礼の品を用意すると良いですね。
双方の両親は、今後も育児を手伝ってくれる心強いサポーターです。第二子・第三子の出産時も必ず協力をお願いしなければなりません。
心遣いを見せ、感謝を伝えることで「困ったときはいつでも言いなさい」という気持ちになってもらえますよ。
私の身近な人に、産後に4ヶ月も世話になった実家に挨拶ひとつなく突然帰ってしまった夫婦がいました。
普段から甘やかされているので「やってもらって当然」と思っていたようですが、取り残された両親はさすがに怒り、悲しんでいました。
「親しき中にも礼儀あり」です。どんなに仲が良く、気心が知れた相手でも、けじめはきっちりつけましょう。
感謝と挨拶はきっちりと!パパに上手に間に入ってもらおう
里帰り出産やお手伝いのある出産はメリットが大きなものですが、反面気を遣わなければいけないことも少なくありません。
特に「主婦がふたりいる」という状況に慣れていないママ・お姑さん、実のお母さんの場合は、それだけでストレスが溜まることも多いようです。
- きちんと挨拶をする
- お礼・感謝は言葉にして伝える
- 育児雑誌や産院のセミナーなど、「情報」を味方につける
- パパが緩衝材になる
こういったポイントをしっかりつかんでおくと、気持ちのすれ違いを防いだり改善したりできるようになります。
特に親しい間柄でも礼儀を忘れず、ママや赤ちゃんに愛情をもってお世話してくれることへの感謝を忘れないようにしたいですね。
-
喜孝さん
里帰り出産のため病院には、嫁の両親が毎日行っていた様です。
私(夫)の両親が後期高齢者で同一県内ですが、車で二時間もかかるので
病院にはお見舞いに行かずに退院していて、嫁の両親からその文句ばかり
言われます。
入院中に挨拶に行くのは夫側の両親はしていて当然でしょうか?
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