妊娠中から予防できる?赤ちゃんをアレルギー体質にしないための対策

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2017/10/02

妊婦さんが赤ちゃんをアレルギーにしないためにいろいろと策を講じている様子

ご自身が元々アレルギー体質だという妊婦さんは、妊娠中は薬や治療の制限がつらかったり、「赤ちゃんに体質が遺伝してしまうのでは?」という悩みが出てきますよね。

また、元々アレルギーを持っていなくとも妊娠を機に体質に変化を感じる妊婦さんもいます。

そうでなくとも、妊娠中のアレルギーやその過ごし方で「赤ちゃんに何か影響が起こってしまうのでは?」と心配になることもあります。

妊娠中のアレルギーやその予防・対策・赤ちゃんへの影響について考えていきましょう。

妊娠中の過ごし方も無関係ではない!間接的な影響も考えた生活を!

アレルギーは、簡単に言うと「特定の抗原に対して体に過剰な免疫反応が起こること」です。一言にアレルギーと言っても、その反応の出方はさまざまです。

  • 咳・くしゃみ・鼻症状等呼吸器に異常が起こる
  • 口が腫れたり痛みや違和感を感じる
  • かゆみや蕁麻疹等皮膚に異常が起こる
  • アナフィラキシーショックのように命の危険と隣り合わせの症状が出る 等

また、その抗原(アレルゲン)も、特定の食べ物であったりハウスダスト等環境的なものであったりさまざまです。

そんなアレルギーですが、子供がアレルギー体質になるかは、主には遺伝と赤ちゃんの誕生後の環境によって決まってきます。

遺伝的要素は100%ではない!遺伝以外の対策を考えてアレルギーを防ごう!

両親のどちらかがアレルギー体質であったり、両親は違っても近い身内にアレルギー体質の方がいる場合等の場合、アレルギーは子供に遺伝する可能性があります。

アレルギーの代表核の一つであるアトピー性皮膚炎を例に考えてみると、両親共にアレルギー体質の場合は約50%、どちらかの場合は約30%の確率で遺伝するという報告があります。(アレルギー専門医のサイトにて発表されています。)

この確率を高いとみるか低いとみるかは見解が分かれる所であり、また、次に述べますが遺伝的要素を持たないアレルギーもあります。

パパ・ママは「自分がアレルギーだから子どもにもつらい思いをさせてしまう」と悲観せず、遺伝以外のものに目を向け、赤ちゃんのための環境を整える等に努めてあげたいですね。

アレルギーは後天的に起こることが多い!食物アレルギーは後天的!

よく「子供のアレルギーは遺伝や妊娠中の過ごし方が影響した結果」だと考えられがちですが、実はほとんどのものの主な原因が後天的な環境やその子自身の(遺伝ではない)体質によるものだそうです。

上記のサイトや、また別の医師の監修記事によると、アレルギーに関しては以下のことがわかります。

  • 花粉症…遺伝もあるが、生後の花粉飛散量や花粉にどれだけさらされる環境であるか等による
  • 喘息・アトピー…遺伝もあるが、ハウスダストやダニにさらされる割合が高いとなりやすい
  • 食物アレルギー…食物アレルギーは遺伝しない、また、妊娠中の通常の食生活の範囲ではママが食べたものによってアレルギー体質になることはない(よく言われるが医学的根拠はない)

特に、最後の食物アレルギーに関しては、生まれた赤ちゃんにアレルギー反応が見られた際に「私が妊娠中に○○を食べたから…」と自責の念に駆られるママが多いようですが、ママの食生活のせいではありません。

しかし、「食物アレルギー自体は遺伝しないけれど、アレルギー体質(アレルギー反応が出やすい体質)は遺伝する」ということはあるようです。

自身がアレルギーを持つママ自身は、悲観的になる必要はありませんが「もしかしたらこの子もアレルギー反応が出やすい子かも?」と、産後の授乳や離乳食を考える際には助産師さんや小児科医等の専門家に相談をしておくと良いですね。

通常範囲では特に制限の必要がない

妊娠中に赤ちゃんのアレルギー予防をしたくとも、遺伝的要素は避けられません。また「○○(卵等特定の食べ物)を食べた方が良い、制限した方が良い」といった方法で予防できるものでもありません。

しかし、だからと言って「産後の環境に注意をすれば妊娠中どんな過ごし方をしてもOK」というわけではありません!

例えば、妊婦さん自身の健康阻害や流産・奇形等さまざまな方面から問題視されている妊娠中の飲酒や喫煙。

実は、妊娠中のこういった行為は、間接的に赤ちゃんのアレルギーにも関与しているのです。

妊娠中の飲酒や喫煙によって、低体重等のリスクを抱えて生まれてくる子の割合は増えますし、リスクを抱えて生まれてきた子には十分な免疫機能が備わっていない場合が多いです。

免疫機能が弱い、体の機能が十分でないといった要素は、結果的に食べ物や身の回りのさまざまなものを「異物」「敵」と判断してしまう可能性が上がり、アレルギーを引き起こしやすくなるのです。

他にも、ママ自身が健康を損ねてしまうような過ごし方や、胎児が十分に発育できないような環境を作ってしまうマタニティライフは、結果的に上のようにアレルギーのリスクも招きます。

  • 規則正しい生活・食生活を心がける
  • 体に負担にならないようなリフレッシュやストレス解消法を実践する
  • アレルギー自体や、その他少しでも不安がある場合には、遠慮せずに医師等に相談をする
このような心がけを大切にしながらも、度を超えなければ「通常の生活を送っていても赤ちゃんは守られている」と安心して日々の生活を楽しんでくださいね。

妊娠中から心がけて!家庭でできるアレルギー対策と予防

通常の範囲では、妊娠中の生活が子供のアレルギーに直接関わることはありません。

しかし、妊婦さん自身に何らかのアレルギー症状が出ていてつらい場合でも、妊娠中は思うように服薬や治療ができない場合も多いです。

あまりにつらい時には医師等の専門家と相談をしながらも、妊婦さんは日々家庭でできることに努め、症状が悪化しないよう予防と対策をしましょう。

そういった心がけが、結果的にお腹の赤ちゃんにも良い影響をもたらすのです!

気になる妊娠中の食事!妊婦さんと赤ちゃんに良い食事とは

先述のように「これを食べたら子どもがアレルギーになる」といった懸念はないものの、やはり妊娠中には「赤ちゃんに望ましい食生活を心がけたい」というママが多いと思います。

もちろん、ママ自身が卵アレルギー(卵を食べると体調が悪くなる)であるのに、「赤ちゃんのために卵を食べなくては」等と考えてしまってはいけません!

ママ自身が食物アレルギーでも、それがそのまま赤ちゃんに影響することは無いという報告が出ていましたね!

ママ自身が無理のない範囲でバランスの良い食生活を心がけることが大切です。

食生活に関しては、『妊産婦のための食生活指針』(厚生労働省)や『食事バランスガイド』(農林水産省)、また産院で配布される『妊娠中の過ごし方』等の冊子や医師等専門家のアドバイスを参考にしてみましょう。

ママの食生活が、お腹の赤ちゃんのすべての栄養の基礎を作るのは事実です。

アレルギーにまつわる根拠のない迷信を調べて不安な日々を過ごすより、ママ自身の心身の健康とお腹の赤ちゃんをしっかり育ててあげるために、これらの基準を参考にしながら必要な栄養をしっかり摂取することを心がけましょう。

清潔と防護を心がけよう!

また、環境的な要因がアレルゲンとなる症状に対しては、それらを寄せ付けないよう身を守ることが予防にも対策にもつながります。

さまざまなアレルギー症状がありますが、一例として以下のような対策を行うことで、つらい症状が出にくくなります。参考にしてください。

アレルゲン 予防・対策
埃・ハウスダスト・ダニ ・換気を行う(住宅環境や風向きに応じた工夫をする)
・掃除を丁寧に行う
・寝具や絨毯等の衛生も心がける
・加湿等で埃が舞うのを防ぐ
カビ ・換気を行い、室内の湿度が上がりすぎないよう気を付ける
・洗濯物の生乾き、湿った寝具等を放置せず乾かす
・カビが発生してしまっているものは処分するかきちんと落とす(小物や壁)
・結露・梅雨等カビが発生しやすい環境下では特に早め・こまめな対策が必要
動物 ・妊娠中はペットショップや動物園やペットを飼っている方の家には近寄らないようにする
・鳥の糞等が引き起こすアレルギーもあるため、ゴミ集積所や公園等鳥が集まりやすい場所も気を付ける
・ペットを飼っている場合(以下同)は、外で飼う・生体自体をこまめに洗体する等の工夫をする
・触れ合う・清掃を行う際には長袖の着用等で皮膚を防護し、衣類も清潔に保つ
・室内で飼う場合や洗体できない場合は、絨毯ではなくフローリング等毛や汚れを拭き取りやすい材質の床材の場所で飼い、常に清潔にする
・妊娠中にアレルギーが悪化、生まれてきた赤ちゃんに影響等が見られた場合は、責任を持って手放す方法も考える
花粉 ・アレルゲンとなる植物の花粉の飛散がひどい時期は極力外出・換気を避ける
・上期間は洗濯物を室内に干したり、外出時に着たアウターを玄関で脱ぎ花粉を払う等、室内に持ち込まない対策をする
・虫が多そうな場所には行かない、換気をする際は網戸をしめておく
・観葉植物や食品等、室内で虫が発生しそうな箇所をチェックし対策を。玄関先やベランダに植物を置く際も同様、できれば避ける
・外出時は天然由来の虫除け等と長袖長ズボン等で対策
・自分自身も部屋も清潔を心がけておく
・刺された場合、元々アレルギーがでやすかったり普段と違う症状を感じた場合は早期に受診を心がける

なお、すべてにおいて外出時やアレルゲンが舞っている状況ではマスクは必需品です!

室内や身の回りの環境を整え清潔に保っておくことは、ママだけでなく生まれてくる赤ちゃんのアレルギー予防にもつながります。日頃から心がけておきましょう。

つわりも一種のアレルギー!ママの過ごしやすさを優先して対策を!

また、未解明な部分や原因についても諸説あるつわりですが、産婦人科のサイト等によると、つわりも一種のアレルギー反応という見方もあるようです。

アレルギー反応とは、特定の“何か”を体が異物と判断して免疫反応が出ることでした。

妊娠においては、その「何か=胎児」という式が成り立ち、体がこれまで母体になかった胎児を異物と判断した結果、以下のような反応が起こってしまうのです。
つわりの症状例
  • 吐き気・嘔吐
  • ひどい眠気・ふらつき
  • においにとても敏感になり、不快症状や拒否症状が起こる
  • 胃もたれ・食欲不振、逆に空腹になると不快感が気になる場合も
  • 嗜好の変化
  • 精神的な不安定さ・イライラ
  • 頭痛や便通の変化、その他の体調不良
つわりの特徴例
  • 妊娠6週~12週頃までに出現することが多く、個人差が大きい(全く感じない方から、入院治療が必要な方まで)
  • 「一人目の時はひどかったのに二人目は平気」という方やその逆もあり、同じ方でも妊娠ごとに症状が異なるケースも多い

このようにつらい症状や戸惑いも多いつわりの期間に、妊婦さんは「赤ちゃんのためにバランス良く食べないと…」と心配をし無理をしてしまうケースも多いようです。

しかし、この時期はまだ赤ちゃんへの栄養等のことよりも、ママ自身が無理なく食べられるものを摂取しながら、脱水や重い症状にならないよう自分を大事に過ごすことの方が重要です。

産婦人科や医療関係者監修のサイトには、つわりの期間にはママ自身の体調への配慮法や起こり得る病気(妊娠悪阻など)については記載されていますが、「その時期の過ごし方が赤ちゃんに影響することについては心配不要」とされています。

しかし、自己判断でのサプリメント等での栄養補給や、水分を思うように摂取できない状態でも家で様子を見ているといった過ごし方はNGです!

食べられるものを食べ安静にしながらも、あまりに体調が悪い、食べられない状態が続く、自分や赤ちゃんの状態が気になるといった場合には迷わず受診をするように心がけてくださいね。

必要であれば薬や点滴をもちいた治療をしてもらえますし、「赤ちゃんは元気」ということを診てもらえるだけでも精神的な安定を得られる場合もあります。

つわりの対処法は、まずはママが無理をせず休むことです!

アレルギー予防は日々できることから!考えすぎないことも大切!

妊娠中のアレルギーは、たしかに使える薬やできる治療に制限があったり、赤ちゃんへの影響が気になったりと、非妊娠時よりもストレスが大きくなってしまいますよね。

しかし「気になる食物アレルギーに対して遺伝や妊娠中の食生活の影響は考えなくても良い」ということや、「つわりの時期に無理に栄養バランスを考えなくても良い」といった現実もあるのです。

さまざまな情報が飛び交い、都市伝説や不安を煽られる情報も気になってしまう現代ですが、主治医の忠告を守りながらママが穏やかなマタニティライフを送ることが一番大切ですよね!

もちろん、鼻や喉・皮膚等のアレルギー症状自体は妊娠中もつらいものです。薬を使えない分なおさらかもしれません。

しかし、家にいながらや日々できる範囲で症状を緩和したり予防をするための方法は、たくさんありますよね。

赤ちゃんのためにも身の回りの環境を整えておいてあげる気持ちで、その時々でできることを行いながら、アレルギーとうまく付き合う妊娠期間にしていきましょう!

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