小1プロブレムは聴く力・理解する力・慣れる力を伸ばすことで解消!
小学校1年生が学校に馴染めない状況を「小1プロブレム」と言って、平成11年頃から全国に広がっています。馴染めない生徒の対応に追われることで通常の授業ができなくなることでクラス全体への影響が出ています。
2012年のデータですが、東京都の1/5で発生が確認されており、約半数が年度末の3月まで続いたという報告もあります。1年にわたりクラス全体に影響する可能性もあることがわかりますね。
普段の生活の中から「理解する力」を養い「人と関わること」を繰り返し行うことで新たな状況に対応できる力が備わり小1プロブレムを回避することができます。
また、子どもの気持ちが満たされることで自分に自信が持てるようになります。環境が大きく変化して不安になった時も自信があれば環境に順応することができます。
就学前から親が生活の中でできる「環境に適応する力」をつけるためのポイントをまとめました。
この記事の目次
- 小1プロブレムは学校に馴染めない子ども達のこと
- 主な原因は環境の変化と人との関わりが減ったことによる影響
- 幼保小で連携を取り対策を行うことで改善が図られている
- 小学校1年生で必要なスキルは聴く力・理解する力・環境に慣れる力
- 「聴く力」と「理解する力」は普段の生活の中で養う
- 理解力アップは具体的で簡単なお手伝いを繰り返しすることから始める
- 「環境に慣れる力」は新たな環境を想定したプチ予習と人との関わりによって養われる
- 精神が安定している子どもは新しい環境でも順応できる
- 子どもの話したい知りたい欲求を受け止め信頼関係を築く
- 小1プロブレムという問題に囚われない
- 先生は我が子を見守る親代わり
- 親子の信頼関係と友達との遊びから必要なことを学んでいく
小1プロブレムは学校に馴染めない子ども達のこと
授業中に私語が多い、歩き回る、教室を出ていく、好きな本を読み始めたり子ども同士の喧嘩が起こることも増えています。
特定の子どもの指導に追われることでクラス全体に先生の指示がいきわたらず授業に影響が出ることを考えると深刻ですね。
また、小学校の雰囲気に馴染めない、先生の言うことが理解できないことで人と違ったことをしてしまう子どももいるようです。
主な原因は環境の変化と人との関わりが減ったことによる影響
原因はさまざまですが主に2つの要因が考えられます。
幼稚園や保育園のような子ども主体の「遊び」を中心とする生活から、小学校ではカリキュラム通りに進める「座学」へと変化する中で、子どもが新しい環境へ馴染めないことや先生の言うことが理解することができないことも原因の一つとされています。
昔は地域の人達が関わることで協調性や感情のコントロールを学ぶことができましたが、現在は社会や地域の人間関係の希薄さと核家族の影響でそれを自然と学ぶことが難しくなっていることも挙げられます。
また、2016年の文科省のデータでは小1での暴力件数が8年で5倍も増加していることを考えると自分の感情のコントロールや自己肯定感の低下などの原因も考えられます。
幼保小で連携を取り対策を行うことで改善が図られている
幼稚園では小学校との連携を考え一人ひとつの机を用意したり実際に小学校へ行って前もって環境に慣れさせることを行っている学校もあります。
小1問題を受けて文科省は幼稚園・保育園・小学校間の連携が重要と提言していますが、対策については各園や学校に任されているのが現状です。
小学校1年生で必要なスキルは聴く力・理解する力・環境に慣れる力
入学当初は全てが初めての環境の中で生活しなければいけません。幼稚園や保育園の先生は話し方も優しく、子ども主体の園生活でした。
一方学校では、カリキュラムをこなすために先生の口調もどこか厳しく聞こえてしまうこともあります。
就学前から子供達にこの3つの力をつけられると小1プロブレムの回避とその後の学校生活が円滑で楽しいものになっていくはずです。
「聴く力」と「理解する力」は普段の生活の中で養う
先生の話を聴くことができて初めて理解や行動に移すことができます。その中でも「理解する力」というのが大切です。
理解するためには聴くことが必須です。その後の行動は得手不得手も関わってくるので、ここでは「理解すること」に焦点を当てたいと思います。
普段の生活の中で、ちょっとしたお手伝いを頼むことで、どこまで理解できているか確認することができます
この確認という作業は二つの意味があります。
二つ目は、苦手なことをママが認識していれば就学後に先生に伝えることができます。その時、子どもへの伝え方の改善例を具体的に言うことができれば先生も対応しやすくなり、子どもは先生への信頼が持てるようになるでしょう。
理解力アップは具体的で簡単なお手伝いを繰り返しすることから始める
初めはテーブル拭いてというちょっとしたお願い。慣れてきたら少し複雑なお願いにしていきます。「本を一番下の棚に片付けて」「おもちゃを箱に入れて箱をソファーの横に置いて」など、具体的に指示を出してみます。
これによってママの話しを聴き理解して行動するという3つのことができている状態です。もっと慣れてきたらもう少し複雑な時間を意識したお願いに変えていくといいかもしれません。
もしできなければ、「何が難しかった?」「やることはなんだったっけ?」と質問して、理解力か行動の得手不得手の問題か質問によって明らかにします。
指示されたモノを知らないということもあるので、その場合は「お願いがわからないときはママに教えてね」とか「そういう時は質問してね」と伝えることも大切です。
一番大切なのはできたことをたくさん褒めてあげることですね、子供は褒められて伸びます!
「環境に慣れる力」は新たな環境を想定したプチ予習と人との関わりによって養われる
小学校は時間割や教育課程の違いや先生からの指示によって行動するなど、幼稚園や保育園とは違った環境になります。
新しい環境に慣れるためには、時間を意識した生活や家での座学の時間、また、大人と子どもが一緒に活動できるイベントに参加するなど予め大人慣れしておくと学校と先生へ順応していけるでしょう。
時間を意識して行動を促すことで時間割への抵抗を減らす
「8時までには家を出ようね」「お昼ご飯は12時に食べようね」「8時にはお布団入ろうね」など、決められた時間に始める終えるといった習慣によって時間の概念を掴む練習になります。
普段から少し意識するだけなので簡単にできますし、就学後の時間割に抵抗が少なくなるでしょう。
また、神経質な子どもやいきなり指示を出されることに慣れていない子どもには、1日の大まかな予定を伝えることで心の準備をさせてあげるのもポイントです。
4、5歳からは家で机に向かう習慣をつけて一定時間座ることに慣れる
4、5歳になったらお家のダイニングテーブルや机で作業をする習慣をつけることで一定の時間座っていることに慣れるようになります。
始まる前に今日のやること、時間、最後何をして終わりにするかを説明するとこの時間をどう使いたいのかが理解でき、子どもは安心して取り掛かれると思います。
最後は、頑張ったところや面白かったところを聞いたり褒めたりする時間を2分くらい設けることではじめと終わりのメリハリができ、楽しかったという印象が「またやりたい」につながるはずです。
友達との遊びの中から順応する力を養う
子ども達と繰り返し遊ぶ中で喧嘩をしたり仲直りしたり協力したり学びがあります。それによって自分の感情をコントロールすることや順応する力を養います。
子どもにとって異年齢の交流は魅力的です。お兄さんお姉さんの行動をみて学んだり、年下の子どもと関わったりすることで立場が違う役を自然とこなすことができます。
異年齢と関われる地域コミュニティを探す
ママ友と個人的に会うことが難しい人や友達を作りそびれてしまった人はママと子どもの二人だけの時間を過ごすことが多くなります。ママの負担にもなりますし、子どもの成長のためには子ども同士の関わりは欠かせません。
児童館は地域に数ヶ所ある場合も多く、その館ごとにイベントの特色や雰囲気で選んでもいいですね。
早ければ1歳から参加できるところもあります。多少費用が発生することもありますが数百円~千数百円程度で収まるでしょう。体験で雰囲気を見てから本格手に参加を決定する人が多いようです。
また、地域によってはママサークルなどもあり、子どもとママが遊んだりリフレッシュできる内容もあるのでチェックしてみてください。
地域の行事に参加して大人を身近に感じる
普段とは違う雰囲気に積極的に慣らしていくことで、小学校という違った環境の中でもいつも通りふるまうことができるようになります。
地元のお祭りや図書館でのイベントなど、大人と一緒に行うイベントは親以外の大人を身近に感じられるいい機会です。
精神が安定している子どもは新しい環境でも順応できる
子どもの気持ちが安定して満たされていれば問題行動を起こすことが少ないと言われます。乳幼児から幼少期の間に親と子の間で築かれた「信頼」によって、子どもは新たな状況にもチャレンジできる状態になります。
ママがいることが安心へと繋がり、失敗を恐れない心が培われます。
子どもがいつでもママを頼りにできて、いつでも味方でいてくれるという関係性を築くことが新しい環境への順応へと繋がっていきます。
子どもの話したい知りたい欲求を受け止め信頼関係を築く
就学前の子供は好奇心の塊です。「これなんで?」という質問は興味を持ったことを深く考えようというプロセスに繋がります。
忙しい時は、何についての話しなのか確認して手の空いた時間に話を聴けば、ママが覚えてくれていたという信頼が生まれ欲求も満たすことができます。
また、話に対してその時の感情や行動の理由などを聞くことで子ども自身も情報を整理することに繋がります。
小1プロブレムという問題に囚われない
小1問題はさまざまな要因によって発生しています。家庭での親の役割は小1に合わせた対策をすることではなく、子どもの学校生活や勉強が楽しいものであるために必要なことを親の関わりから学ぶことだと思います。
小学校1年生でみんなと同じようにできなくても、子どもの理解や成長に合わせて焦らず寄り添っていくことが重要で一番必要なことだと感じます。
先生は我が子を見守る親代わり
小1問題を抱えるクラスに我が子がいる場合、親は学校の対応に不安を覚えることもあるでしょう。しかし、先生も同様に毎日試行錯誤しながら大勢の生徒と向き合っています。
先生は子どもを見守ってくれている味方だと思って接することができれば、そのエネルギーは先生から自分の子どもに向けられるようになります。
問題の原因は学校や先生にあると決めつけないで先生を味方につけて子どもの生活を見守っていけたらいいと思います。
親子の信頼関係と友達との遊びから必要なことを学んでいく
友達関係の中でしか学べないこともたくさんあるので、その関係を作ること維持することはママにとって少し大変なこともあるかもしれません。
子どもは、親が人とどう関わっているかを見て学びます。ママが良いお手本となり人と良好な関係を築いていくこともとても大切なことだと感じます。
子どもに必要なことは一番近くにいる親から学びます。良好な関係を築き子どもを一番に理解してあげようとすることが子どもの成長へと繋がります。
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