微弱陣痛で出産が難航?!続くとどうなる?症状や予防法、対処法
マタニティライフも終盤になると、陣痛や分娩を想像して最後の大きな不安にぶつかります。
赤ちゃんが生まれるためには、次第に強くなる陣痛を乗り越えないといけませんが、弱い陣痛が続くことを「微弱陣痛」と言います。
そんなプレママが安心できるように、陣痛についての説明から微弱陣痛の特徴、予防法や対処法を出産体験談を交えてご紹介します。
この記事の目次
陣痛には練習と本番の二種類がある!
出産予定日が間近に迫ってきた臨月に入ると、赤ちゃんは外の世界に出る準備が整い、じっと生まれるタイミングを待っています。
陣痛の練習「前駆陣痛」
前駆陣痛は赤ちゃんが通る道を柔らかくしておく陣痛の予行練習のようなもので、「偽陣痛」とも呼ばれすぐに分娩につながるものではありません。
妊娠36週目頃から多くのママが経験しており、前駆陣痛のあと数日間本陣痛にならないケースや、前駆陣痛があってすぐに本陣痛に入ったケースなど、かなりの個人差があります。
前駆陣痛の特徴
- 強めの生理痛のような痛み
- 赤ちゃんが下腹を強く蹴っているような痛み
- 痛みの間隔は不規則
- 痛みの強さや長さは不安定
- 姿勢を変えたり、安静にしているとおさまる
- 子宮口はまだ開いていない状態
陣痛の本番「本陣痛」
本陣痛が始まると子宮口が広がり始め、全開の10㎝になるまでの間ギューっとしめつけられるような子宮収縮の痛みがとても強くなります。
前駆陣痛では不規則だった痛みの間隔が規則的に、そして短くなったらいよいよ本陣痛!
本陣痛の特徴
- 局部的な痛みが腰から下腹部まで広がる
- ドーンと重い痛みが強くなる
- 痛みの間隔が次第に短く、規則的になる
- 姿勢を変えても痛みが続く
- 発汗、寒気など全身の変化を伴う
陣痛の度合いが弱い微弱陣痛!
陣痛の痛みは尋常ではない激痛と言われますが、その陣痛があるからこそ赤ちゃんが生まれてくるのですから、痛くても正常な陣痛は有難いものです。
有難い陣痛が正常にこない状況を「微弱陣痛」と言い、なかなか強い陣痛があらわれないので分娩まで進まず、母体は疲労だけがたまる可能性が出てきます。
赤ちゃんもせっかく下りてきたのに外に出してもらえず、微弱陣痛が続くと母体だけではなく赤ちゃんにも負担がかかってしまう事態となってしまいます。
微弱陣痛の特徴と診断方法
微弱陣痛は陣痛の痛みの間隔や強さを計っている母体自身も感じとれる、以下のような症状があることが特徴です。
- 陣痛が強くならない
- 陣痛の間隔が狭まらない
- 陣痛の持続時間が短い
- 陣痛までの時間が長い
- 子宮の収縮力が弱い
上記の症状が見られた際に、医師が下記の診断方法を並行して用いる場合が多くあります。
- 内診
- 子宮口の状態と分娩の進行状況を確認する
- 子宮の内側の圧力(内圧)を測定する
- 子宮内にセンサーを入れ基準より圧力が少ないと微弱陣痛と判断する
- 外圧法
- 圧力計を母体の腹壁につけ、子宮収縮の持続時間と強さなどを測定する
- 胎児心拍陣痛図
- 陣痛の間隔や強さ、持続時間を確認する
- 経腹超音波検査
- 胎児の胎位異常など分娩異常の原因がないかを診断
- 骨盤のX線検査
- 母体の骨盤と赤ちゃんの大きさを測る
子宮口の開きと陣痛間隔等も微弱陣痛の目安の一つ
正常な陣痛と微弱陣痛では、子宮口の開きと陣痛間隔や陣痛の持続時間に違いがあり、明らかに正常な陣痛とは違うことがわかります。
子宮口開大 | 正常陣痛の間隔/持続時間 | 微弱陣痛の間隔/持続時間 |
---|---|---|
4〜6cm | 3分毎/60秒 | 6分以上/30秒 |
7〜8cm | 2分30秒毎/60秒 | 6分以上/30秒 |
9〜10cm | 2分毎/60秒 | 4分以上/30秒 |
時間ばかりが経過していく状況がわかりますね。
前駆陣痛と微弱陣痛の違い
正常な本陣痛に対し、陣痛が弱く分娩にすぐに結びつかないところが似ている前駆陣痛と微弱陣痛…何がどう違うのでしょうか。
陣痛が始まった段階で予測することは出来ませんが、大きな違いは二つです。
- 痛みの強さ・長さ・間隔
-
- 前駆陣痛:バラバラで不規則、しばらく経つと痛みがおさまる
- 微弱陣痛:ある程度規則的なのに痛みが弱いだけ。しばらくしても痛み自体はおさまらない
- 子宮口
-
- 前駆陣痛:子宮口が開かず、破水も起こっていない
- 微弱陣痛:子宮口が開きはじめ、破水が起こっている場合がある
子宮口が開き始め、本格的なお産が始まっていて陣痛が弱いのが微弱陣痛、本格的なお産の前段階の子宮収縮が前駆陣痛というわけです。
微弱陣痛には二つの種類がある!
微弱陣痛にはいつから陣痛が弱いのかの時期によって、二つの種類に分けられています。
- 原発性微弱陣痛:お産の最初から陣痛が弱いため分娩が進まず時間が長くかかる
- 続発性微弱陣痛:お産の最初は陣痛が正常だったのに、長引くにつれ途中で陣痛が弱まったり停止したりする
原発性微弱陣痛の考えられる原因
陣痛の波が初めから正常におとずれない微弱陣痛になる原因には、母体の状況や胎児の状態によるものが多くあります。
- ●母体側の原因
-
- 子宮筋腫や子宮奇形などがある:事前にわかっているので、普通分娩を避け帝王切開にすることが多い
- 子宮筋が伸びすぎている:多胎妊娠や羊水過多などが原因で子宮が通常より収縮できず、陣痛促進剤の使用か帝王切開の可能性も
- 子宮筋が薄くなっている:過去の帝王切開により起こることが多い
- 産道の伸びが良くない:産道の伸びが悪いと赤ちゃんがスムーズに通れないことから陣痛が弱まる
- 慢性疾患を持っている:糖尿病・貧血・栄養失調などの慢性疾患を母体が抱えていると初めから陣痛が弱いことがある
- 肥満気味:太っていることで子宮の周りにも余分な脂肪がつき、赤ちゃんを押し出す筋肉の動きが鈍くなりやすい
- 疲労・睡眠不足:
- 初産のママはお産に対する不安により眠れない、経産婦のママは上の子の育児の疲労など体に不調がある
- ●胎児側の原因
-
- 巨大児:出産予定超過などで子宮の中で胎児が成長しすぎたとき
- 水頭症:頭が通常より大きいためスムーズに下りてくることができない
- 逆子などの胎位異常:頭が下にある胎児に比べ、逆子など胎位が正常でないと陣痛が正常に起らない可能性がある
続発性微弱陣痛の考えられる原因
陣痛が始まった当初は比較的強く規則的な陣痛がきていたのに、途中で微弱になる原因は、『分娩が長引いたことによる疲労や睡眠不足』からくることが多いようです。
赤ちゃんの姿勢や位置に異常が起きたとき、陣痛が弱まってしまうことも…。
また身長が低い人や骨盤や産道が狭い人は、赤ちゃんの大きさに比べ通り道の形状が小さいので次第に赤ちゃんが下りにくくなる場合もあります。
微弱陣痛の5つの予防法
微弱陣痛は母体の身体的要因や体質、赤ちゃんの大きさ、胎位などの防ぎようのない原因で起こることがあることがわかりました。
微弱陣痛になりやすい原因にあてはまらないママでも、お産は予想もつかないことが起きるもの…正期産に入ったら以下のことを心がけるようにしましょう。
- 1.体力をつける
-
昔の人は出産前には階段の上り下りと雑巾がけと言っていました。
どちらも赤ちゃんが下りてきやすいように重力の力を加えることにもなり、何よりお産に向けてママの体力が持続します。
- 2.体重管理に気をつける
-
臨月は赤ちゃんが下に下りるので胃がすっきりとして食欲が増します。
食欲にまかせ食べていると子宮周りに余分な脂肪がつき微弱陣痛につながる恐れが…最後のひと踏ん張り、体重増加に注意しましょう。
- 3.湯船につかる
-
お風呂でゆっくり体を温めることで血行が良くなり疲労やストレスが改善され、いつお産がきても体力が温存されています。
- 4.おっぱいのケアをする
-
予定日が近づいてきたら乳輪・乳頭をマッサージし刺激することで子宮が収縮し陣痛を促し微弱陣痛の予防につながります。
- 5.出産へ向けての不安を取り去る
-
初めての出産や入院は未知のことばかりで不安や心配がつきません。あれこれ考えていると快眠できずつい後向きになってしまいます。
赤ちゃんが生まれたあとの楽しいことを思い浮かべ、お産なんて何とかなるさ!の精神が大切です。
微弱陣痛になったときの対処法
お産が始まったのに陣痛が強くならず、時間ばかりが経過する微弱陣痛となったときの対処法には母体と赤ちゃんの状態により二つに分かれるでしょう。
ママが行える微弱陣痛の5つの対処法
微弱陣痛が続いてもママの疲労が比較的軽く、赤ちゃんの心音等にも問題がないと医師が判断した場合は母体自身が行える対処法を行いましょう。
- ①一旦陣痛のことを忘れリラックス
-
陣痛の間隔ばかり気にしていると気が滅入ってしまいます。
好きな音楽を聴いたりアロマオイルをたくなどして陣痛の最中であることは忘れて心身ともにリラックスさせましょう。
- ②とにかく動くこと
-
陣痛室で寝ていても陣痛が進まないなら、立って部屋を出て病院内を歩きましょう。
階段の上り下りやスクワットも陣痛促進に効果があります。動くことで子宮口が開き正常な陣痛がくる可能性は高くあります。
- ③水分補給する
-
長時間陣痛と闘っているとママが脱水状態になる恐れがあります。
血栓症などを引き起こす恐れがあるので、水分補給を忘れずに。冷たいものより温かいものがおすすめです。
- ④血流を促進させる
-
微弱陣痛には体の冷えも大敵。血流を良くするためにマッサージや足湯も効果的です。
血流が促進されると骨盤内の血流も増えるので陣痛が促進されると言われます。
- ⑤ツボを指圧する
-
昔から安産のツボと言われている「三陰交」を刺激すると陣痛が促進されます。
「三陰交」は内側のくるぶしから指4本分ほど上にある骨と筋肉の境目の部分をゆっくりと刺激してみましょう。
医師が行う微弱陣痛の5つの対処法
微弱陣痛が続いたことで母体や赤ちゃんに危険があると医師が判断した場合は医学的に分娩を促していきます。
- ①人工破水
-
子宮口は開いてきたが破水していない場合は、医者が人工破膜させることがあります。
破水すると羊水が一気に押し出され、陣痛が強くなることを目的としています。
- ②陣痛促進剤
-
微弱陣痛が続くためこのままでは分娩の進行がはかどらないとき、注射や点滴で誘発剤 を投与し子宮の収縮を促します。
子宮口がある程度開いてきたときに陣痛促進剤を使用すると分娩に移りやすくなります。
- ③吸引分娩
-
開大子宮口になり赤ちゃんの頭がおりてきているのに分娩が滞っているときには、吸引分娩を用います。
赤ちゃんの頭にシリコン製のカップをあて引っ張り出すほか、スプーン状の鉗子を使う鉗子分娩(かんし分娩)という方法もあります。
- ④分娩誘発
- 促進剤開始しても子宮口が開かない場合には、風船状のバルーンやマッチ棒状のラミナリアを子宮口に入れることにより、子宮を開きやすくします。
- ⑤緊急帝王切開
- 微弱陣痛が続くことで母体や赤ちゃんに負担がかかり、母子ともに衰弱が激しい場合には、帝王切開で出産させる判断をくだすことも少なくありません。
微弱陣痛を乗り越えた先輩ママの出産体験談
全妊娠の半分程度の割合で、微弱陣痛を経験する妊婦さんはいるようです。
原発性微弱陣痛の体験談
妻が初めての子の出産の際、少量の出血とお腹の痛みをうったえてきたので、翌日病院に連れていきました。
子宮口が3センチ開いていると先生から言われ、今日中かなとタカをくくっていましたが、それからが長かった!
入院ししばらく陣痛室にいましたが、強い陣痛がこないとかで、助産婦さんから病院内を歩いてくるようにと。
しばらく歩くと痛み出すため診察し、そしてまた歩くの繰り返し、、、その後階段の上り下りを何回一緒にしたことか!
結局生まれたのは翌日の夜中でした。医師からは微弱陣痛でしたねと言われたそうです。
自分も階段の上り下りはかなりきつかったのに、そのあと出産に挑んだ妻には頭が上がりません!
続発性微弱陣痛の体験談
下の子の出産では子宮口が開き始めた状態で、先生からは二人目は早いよと言われていました。
デジタル時計を手に持ち、時間とにらめっこ…。
間隔が6分、4分と狭まり痛みも強くなってきたのに、そこからが進まず4分おきくらいに痛みはくるけど耐えられる痛みになってしまったのです。
今思うと前回の出産シーンを思い出し、これからくる痛みに恐怖を感じてストレスがかかっていたのかも、、
看護婦さんから時計をしまって深呼吸!テレビでもつけましょう、痛みが来たら呼んでくださいと言われ、部屋を出ていってしまいました。
しばらく部屋の中を歩き回りテレビを見ていたら破水して、その後は強い陣痛がきましたが途中で弱まる陣痛ってあるんだなとそれが微弱陣痛だとはあとから知りました。
出産まではリラックスした気持ちで過ごしましょう
微弱陣痛には様々な要因がありますが、出産に挑む際のママの緊張や心配な気持ちもかなり関係しています。
微弱陣痛になったとしても、自分で出来ることたくさんありましたね。
案ずるより生むが易し!まさにこの言葉どおり、要らぬことまで心配していても始まらない、為せば成るという気持ちが大切です。
ずっと会いたかった赤ちゃんを抱っこできるまでもう少し!残り少ないマタニティライフをゆっくりと過ごしてくださいね。
MARCH(マーチ)では、妊娠や子育ての先輩たちが、ためになる情報を毎日配信しています!新米ママ&パパはぜひご覧ください♪
まだデータがありません。