療育訓練って何をするの?発達障害の療育支援の詳細と早く始めるメリット

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2019/05/13

我が子に障害があるかもしれない、と感じたら、まず何をすればよいのでしょうか。あふれている情報に惑わされず、的確な対応をさぐりましょう。

「わが子に障害があるかもしれない」…その予感は、親にとってとてもつらく、苦しいものですよね。でも、意外と多くの親が、「これは障害なのではないか」と感じる前に、いろいろな方面から指摘されているようです。

自分の子どもだと、客観的に見ることがあまりないので、気付かないこともたくさんあります。親だからこそ大変なシーンも乗り越えてしまうことも。

まず、最初に指摘を受けるきっかけになるのは1歳6ヶ月健診でしょう。言葉の遅延や、目が合わないといった特性から気付かれることが多いようです。

「発達障害」かもしれないと指摘を受けたとき&不安に思ったら?

健診や普通に通っている小児科などで「発達障害かもしれない」と指摘されたら、まずは自治体の保健福祉課や保健センターなどにその旨を伝え相談します。

健診ではプロの保健師さんが待機しています。今後どうすれば良いのか、住んでいる自治体ではまず連絡すべき場所はどこかなどを教えてもらいましょう。

また、「育てにくい」「扱いが難しい」といった育児の悩みがあったら、保健センターの育児相談窓口などで相談してみましょう。

感覚の鋭敏さなどが原因で寝つきが悪かったり、かんしゃくをしょっちゅう起こすなど育児がしにくいこともあります。こうした相談から、発達障害がわかり、その後の対応に結びつくこともたくさんあります。

保健センターや保健福祉課などに相談すると、次に専門の医師を紹介されます。発達障害は、普通の小児科ではなく、発達専門の小児科で診察してもらいます。

県立病院や国立病院などには、子どもの発達支援センターを併設しているところもあります。また、専門の個人病院もあります。

発達障害の診断を受ける前に近くの相談窓口を利用してみるなどすると良いかもしれません。良ければこちらも参考にしてみてください。

診察を受けると同時に、「療育訓練」をスタートすることがおすすめ!

療育とは、社会的な自立のための訓練を行う「医療」と「保育」です。

発達専門の病院では、療育訓練も行っているところが多く、また保健センターでも教室が開かれていることもあります。診察の際に紹介されることもありますが、こちらから「療育訓練を受けさせたいので、教室を紹介してください」とお願いすると確実です。

民間の事業所で療育訓練を行っているところもあります。空き状況や口コミを参考に、いろいろなところで療育訓練を受けると良いですね。

診断&療育訓練を受けるまでのプロセス!3つの家族のケース

我が家の場合、3歳児健診まで特に異常を指摘されませんでした。しかし幼稚園で煙たがられ、先生方から親に対して毎日のようにクレームがありました。

家族で悩み、発達専門のセンターで診察を受けましたが、あまり療育に対して積極的な先生ではなく、「様子をみましょう」と言われ続けて無駄に1年が経過しました。このままではらちが明かないので、他の専門医に問い合わせましたが門前払いされました。

私は実家のある他県に移住して、本格的な療育を受けさせようと決意しました。そのため、すべての通院を中止し、幼稚園もやめると宣言したところ、どうやら「ネグレクト疑惑」が浮上したようで、保育カウンセラーの面談を受けさせられました。

そのとき、我が家が直面している「療育難民」状態が明らかになり、保育カウンセラーさんがあまりの惨状に驚いて、すぐに療育訓練を本格的に受けられる環境を整えてくれました。

それは最初に診察を受けた発達専門センター内の施設でしたが、私は無理を言って主治医を変えてもらい、やっと「自閉症スペクトラム」という診断名を頂きました。

友人I君の場合、ママのお友だちで、発達障害のお子さんがいる人から「あなたの子どももそうかもしれない」と指摘されたそうです。

それをきっかけに、育児の苦しさもあったため我が家とおなじ発達専門センターを受診し、それから療育訓練がスタートしたそうです。

友人K君の場合、パパの仕事の都合でアメリカで生まれました。2歳の時、健診で自閉症と診断を受け、積極的に療育に参加してきたそうです。

3歳のころに帰国しましたが、アメリカで最先端の療育を見てきたママは即行動し、私たちと同じセンターで受診・療育訓練がスタートしました。

このように、同じ自閉症スペクトラムと診断された子であっても、療育訓練や診断を受けるまでのプロセスはさまざまです。「なんだか変だな、おかしいな」「育児が大変すぎる」と感じたら、まずは保健センターや発達専門の医療機関に相談してみてくださいね。

自閉症スペクトラムについてはこちらに詳しく載っています。

療育訓練を受けてみよう!そのために必要な手続き

療育訓練を受けるためには、まず児童発達支援等の受給者証を取得する必要があります。

お住まいの地域の市役所などに行き、児童発達支援給付費等支給申請を行います。保健福祉課などの窓口で申請書がもらえます。事前に自治体のサイトなどで、必要書類について調べておきましょう。

自治体によって受給者証の名前や申請書の名前が若干異なることがあります。小学生以上になると、同じ受給者証が「放課後等デイサービス受給者証」に変わります。これらの受給者証を取得すると、療育訓練の費用の補助が受けられるようになります。

勘違いされやすいのですが、療育訓練には、療育手帳(発達障害児のための障害者手帳)は必要ありません。

療育訓練を受けると、我が子が本格的に「障害児」になってしまうのではないか…
そんな不安があって、なかなか踏み出せない親もいるようです。
療育訓練を受けた事実=障害の認定ではありません。
将来、履歴書に記載する義務もありません。
訓練の結果、順調に成長して健常児のように発達する子もたくさんいます。
療育訓練を受けなかった結果、苦しむのは子どもです。
勇気を出して療育訓練を受け、子どものコミュニケーション能力を開花させましょう。

療育訓練はいつから受け始めればいいの?超早期がおススメ

では、療育訓練はいつから受け始めれば良いのでしょうか。気になる療育の「どうなの?」をピックアップしてみました。

療育訓練をスタートしたい時期…発達障害に気付いたら、即行動!

現在、療育訓練は早ければ早いほど良いと言われています。1歳半健診で指摘されたのであれば、できるだけすぐにスタートしましょう。行政側も、超早期療育に力を入れているところが多いので、小さな子どもであるほど受けやすい環境が整いつつあります。

もちろん、5歳、6歳になってもスタートできます。小学生以降はじめて受ける子も、大人になってから訓練を始める人もいます。しかし、対応が遅くなるほどコミュニケーションのつまずきで心を痛めることも増えるため、早期療育がおすすめなのです。

療育訓練では、どんなことを学ぶの?最近の訓練の内容をチェック

では、療育訓練では具体的にどんなことをするのでしょうか。

  • 視覚支援を使った支援
  • 身辺自立の訓練・自立課題訓練
  • 言語聴覚療法・作業療法・理学療法などの訓練
  • 五感の体験
  • 家族に対する教育・啓発

こうした訓練を集団療育・個別療育を織り交ぜながら行っていきます。

発達障害を持つ子の特性として、耳から入る情報はキャッチしにくく、目から入る情報はキャッチしやすいというものがあります。

さらに発達障害のある人には、見通しのつかないことに不安を覚え、見通しがつくと安心するという特性もあります。

そこで、スケジュールを目に見える表にして提示するなどの支援を行い、身辺自立やコミュニケーションの発達をうながします。

最近はPECS(ペクス)と呼ばれる絵カードの受け渡しによるコミュニケーション訓練も盛んにおこなわれています。このカードのコミュニケーションをマスターすれば、発語が一切ない子どもでも、自分の要求をきちんと他人に伝えられるようになりますよ。

それと同時に言語の訓練や体を動かす訓練、水遊びや粉遊び・リトミックといった五感の体験も行われます。親に対するセミナーも開かれ、子どもとのかかわり方を学びます。

療育訓練によっては親が同伴するものもあります。大変ですが、子どもとのかかわり方を肌で学習できるため、親子共に気持ちが楽になれるのではないでしょうか。

プロの支援者や障害児の親と知り合えることも魅力です。ひとりで悩む必要はないのだ、と感じるだけで私はずいぶん救われました。

早期療育訓練では、なぜおすすめなの?早く始めるメリット

では、なぜ療育訓練は早くスタートした方が良いのでしょうか。まずは、育児の大変さを緩和し、親子の関係を良好なものに導いて、子どものスムーズな成長をうながすというという点が大きなメリットです。

こだわりの強い自閉症スペクトラムの子どもや、一瞬たりとも目を離せないADHDの子どもの育児は、とにかく大変です。気の休まることがなく、周囲の人々の視線にも傷つくことがあるでしょう。

  • 感覚が鋭敏すぎてしょっちゅうかんしゃくを起こすのに、原因がわからない。
  • 夜でも起き出して騒ぐので眠れない。
  • なんでも手を出し口に入れるので、コンビニやスーパーで買い物さえできない。
  • 突然騒ぐので、公共交通機関を利用できない。
  • じっとしていられないので、病院に連れていけない。
  • どんなにしつけても言うことを聞かない。
  • 他人から「親のしつけが悪い」と責められる。

発達障害の子どもの「育てにくさ」には、こういった点があります。

しかし、早期に療育訓練をスタートすることで、親は視覚支援や絵カードコミュニケーションなど、発達障害の子どもが理解しやすい方法を知ることができます。また、得た知識を生活や育児の中に取り入れていくことが可能になります。

また、発達障害とはなにかを理解することで、なぜ子どもがつらそうなのかに気付き、突然だと思っていたいろいろな行動の意味に気付けるようになります。その結果、「自分の育児やしつけが悪かったわけではないんだ」という安心につながります。

また、発達障害を持つ人の中には、生きづらさを抱え続けた結果、二次障害を引き起こしてしまう人も少なくありません。心が傷つき続け、精神的なダメージを負ってしまうことも多いのです。

早期療育を行って、早い段階からリハビリテーションやケアを続けていくことで、こうした二次障害を引き起こす可能性を少なくしていくことができます。子どもの未来のためにも、親の気持ちのためにも、早期療育は大切なことなのです。

発達障害の特徴についてはこちらを参考にしてみてください。

早期療育訓練で、子どもの心にある「ドア」を開いてあげよう

発達障害かもしれないと指摘・診断されても、支援や療育訓練で子どもはしっかり成長していきます。健常な人と変わらない成長を遂げる子もいれば、障害者としての人生を歩む子もいます。でも、療育訓練は必ず子どもの成長に働きかけるものです。

さらに、親や社会と上手にコミュニケーションを取る方法を学ぶことで、子どもも家族も世界を広げることができます。発達障害は、人生をくじくものではありません。勇気を出して診察・療育訓練を受け、成長の足掛かりをつかみましょう。

みんなのコメント
  • 困ってる埼玉ママさん

    3歳の息子は、何らかの発達障害があるように思われます。2歳半頃から保健センターに相談して、療育を受けたいと言い続けたが「様子を見ましょう」と受けさせてもらえませんでした。
    さいたま市は小児医療、障害児に関する予算も人も全然不足しているそうです。住んでいる行政区によって、子どもの成長が阻害されるのは理不尽だし、怒りもおぼえます。
    引越しを検討してます…。

    • ひろママさん

      うちにも来月で3歳になる子がいます。私も埼玉県三郷市に住んでいますが発達障害と診断をされ療育をうけています。療育手帳は申請してませんが… 隣りの千葉県や東京よりも対応はずっとよかったですよ。大変かもしれませんが子どもに合う専門医を見つけてあげる方がいいかもしれませんね

  • 睦月七草さん

    私も発達障害と知的障害です。私は成人してから、診断されましたが、小学生の頃から、障害の疑いはあったそうです。今は、成人してからも、サポートをある程度受けられます。私は、手先の訓練として、今、陶芸を習っています。また、陶芸の作品展の時、お客様応対にも、チャレンジしています。陶芸も障害のある方達は、あじのある個性的な素敵な作品をつくりますよ。私は、母の家事手伝いもして、自分の訓練にもしてます。家庭でできる療育が家事だと思います。また
    、発達障害があっても、障害者手帳が交付されれば、支援や福祉サービスが受けやすくなると思います。私は、療育手帳をもっています。

  • たけるママさん

    私の2歳になる息子も発達障害です。 落ち着きがなく集中力が途切れる事があります 。また呼んでももすぐに反応する事がなく人と目を合わせる事があまり出来ません。私は今のままではいけないと思い 福祉課の保健師さんに相談をした所、療育の事を教えてもらいました。発達障害の子供を支援してくれる療育訓練を受けられる保育園も紹介してもらいました。現在,児童発達障害支援等の受給者証を取得する為に申請中です。

  • 奈々さん

    3歳児検診で、グレーゾーンと言われました。
    知的障害ではないそうですが、物の捕らえ方が違う特性を持った子と言われました。時計の絵をみて、普通なら「とけい」と答えるところ、「じかん」と答えました。
    園生活の集団行動も苦手で、遊びの切り替えができず、時々かんしゃくを起こすそうです。
    家で生活してる分には、時間に追われずゆっくり過ごしているので、気にならないです。
    物の捕らえ方が違う。確かに普通なら、「とけい」と答えるかも。
    でも、「じかん」と答えたのは、間違いなのかなぁ。
    集団生活についていけないので、グレーゾーンなのかなぁ。

  • 森ねえさん

    書字障害、協調運動障害の4歳男児ですが吃音の難発性でお先真っ暗の感じですが療育も始めたので「健常児との差は広がるばかり」と言う意見もある中でやって行こうと思います。

  • 悠ママンさん

    私の子供も3歳で今月から療育に行き始めました。先月まで公立の幼稚園に行っていましたが一人椅子に座らず話も聞かず外やよその教室で走り周ってたそうです。園長にも障害の疑いがある的な事を言われ保健センターや市役所の協力で療育に行く事ができました。子供もこっちの方が落ち着くみたいで椅子に座って絵本の読み聞かせもちゃんとできているみたいです。子供もそうですが私自身が楽になりました。幼稚園のお迎えの時は今日は何をゆわれるのかとドキドキしてましたが今は細かく今日はあんな事が出来ましたとか工作でベルを一生懸命作ってましたとか説明してもらえます。
    受給者証を出してもらうのに時間がかかるのがもどかしいですね。

  • けんとばぁばさん

    孫が1歳半検診で発達障害の疑いがみられると言われ息子と嫁がショックを受けています。外遊びが好きで毎日保育園にも通っていますが、園ではそんなことは言われたことがないそうです。確かに言葉が遅いですがこちらの言っていることは理解はしているみたいです。ばぁばは見守るしかないです・・・。

  • 泣きむしママさん

    息子が就学時健診で落ち着きがないと指摘されました。以前から子育てに困難さを感じていましたが指摘されて大変ショックを受けています。特別支援学級はどうかと言われて「考えていません」と答えましたが、普通学級でついて行けずいじめられたりからかわれたりなど想像すると、やはり支援学級で彼に合った方法で勉強させたほうがためになるのではないかと今考え中です。ちなみに、ADHDではないかと私は思っています。発達支援センターにも行って療育も考えています。

  • ママちゃんさん

    三歳半息子の発達障害を疑っています。検診等では、問題ない、様子を見ようと言われてきました。育てにくさもありませんでしたが、どうしてもぬぐいきれない違和感がありました。幼稚園に通いはじめて、友達とのつきあい方が上手くない、との指摘。抱きつきや顔を触るなど、なれなれしすぎるようです。若干の多動性もあります。自分で大学病院のリハビリセンターに予約をいれたところ、診察は半年後とのことでした。そんなにたくさんいるのかと、逆に安堵してしまいました。生きにくい世の中です。ちょっと変な人に対する社会の許容が厳しくなった気がします。それでもこの世界で生きていくのです。できるだけの支援をしてやるつもりです。

    • しいママさん

      我が家の次男がまさに同じような感じでした。今4歳4ヶ月(保育園年少)です。
      0歳から保育園に通っていますが、0.1.2歳の頃は大人しすぎるくらいで、他の子がうろうろ歩き回っている中1人椅子に座っているような子でした。言葉は遅かったです。(2歳でやっと単語程度)(こちらの言っている事はある程度理解していたように思います)
      3歳頃はお友達の顔を触ったり抱きついたりと、コミュニケーションが下手な感じが目立っていました。
      私の印象としては周りより半年〜1年くらい幼く見えるな、という感じです。検診や園の先生方からは『問題ない』と言われていましたが、言葉の遅さと私の中の違和感が拭いきれずに発達外来を受診しました。
      検査の結果は特に診断名は付きませんでしたが、やはり1歳程度の発達の遅れが見られるという事で今月から言語訓練、来月から認知行動療法が始まります。
      ただ、最近急激に言葉や行動に伸びが見えてきましたし、訓練を続ける事で、今後の伸びにも期待しているところです。
      いわゆるグレーゾーンやボーダーと呼ばれる『障害があるかどうか微妙な子』への支援はまだまだだと感じています。まさに支援難民です。
      ママの違和感を大切にしてください。それが思い過ごしだったとしても、行動する事は無駄ではないと思います。ママちゃんさんと息子さんが良い支援者と出会えますように…!

  • みーさん

    3歳8ヶ月の娘がいます。癇癪が酷く3歳から療育に通っていましたが、保育園から進級するにあたって加配をつけたいと言われ、発達の検査を勧められました。児童相談所で受けたところグレーゾーンとのこと。療育手帳が交付されなくて少しほっとしました。

    専門の機関の受診はまだ3ヶ月後と先なのでどの障害になるかはわかりませんが、娘のためにできる限り一緒に頑張って小学校は普通学級に行かせてあげたいです。

  • ムーみんさん

    今日、小児科の発達スケール検査の結果でグレーゾーンと言われ他の小児科の先生を紹介されました。
    予約は紹介してもらったこともあり、早めに取れました。
    正直少なからず不安とショックに悩み眠れなくなりましたがこちらのサイトを拝見して、早期発見早期療育が大切だと知り、これは、早期発見のチャンスなのかもしれない!ここでしっかり診てもらわねばと思いました。
    療育もどういうところか不安でしたが視野に入れて頑張って行きたいです。

  • 無記名さんさん

    感覚統合で 遊具 おもちゃで遊んだりも あるそうですよ。
    ほかにも 暗い部屋の中で 光などを感じる スヌーズレンも
    あるそうですよ。スヌーズレンを知りたい方は
    ユーチューブなどで 検索してみてください。

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