地震時に子供の命を守る!ダンゴムシポーズの教え方
いつ襲ってくるか分からない、恐ろしい地震。きっと皆さんのご家庭でも家具を固定したり保存食や水を常備していたりと、地震に備えた準備をされていることでしょう。
でもグラッときたその時に、どう行動すればいいかというのは頭では分かっているつもりでも実際には動くことができないもの。特に子供のいる家庭ではパニックになってしまうかもしれません。
子供の命を守るために、地震が起きた時、またその直後にどのように行動すればいいのかをしっかり頭に入れておきましょう。
基本は、頭を守り、丸くなる!ダンゴムシのポーズを覚えて
皆さんも学校の避難訓練の時に、まず地震が来たら机の下にもぐると教えてもらったのではないでしょうか。上から天井が崩れてきたり、何かが倒れてきても身の安全を守れる可能性が高まります。
ただ、いつもすぐに隠れられるところが確保できるわけではありません。その場合は体を低くして頭を手やカバンなどで隠すようにしてギュッと丸くなることをしてください。
テーブルの下は確かに上から降ってくるものからは身を守ることが出来るかもしれませんが、倒れてきたものなどでふさがってしまって出られなくなる可能性もあるので絶対に安全というわけでもありません。
それに全身入ってしまえないことも多いと思いますので、まずは頭を守る、体の内側(特に首や手首の内側など、太い血管が通っているところ)を守れるように丸くなることを覚えておきましょう。
お子さんには「ダンゴムシのポーズ」と教えておくといいですね。
【家の中】まず頭を守る!閉じ込められないよう出口を確保
まだ入園前のお子さんと一緒にご家庭で過ごすことの多いという方は、家にいる時に地震に遭遇する可能性が高いです。
シチュエーションごとに見ていきましょう。
【寝ている時】頭を守って!子供に覆いかぶさるとかえって危険
寝ている間にグラッとくることは十分に考えられますね。私自身も阪神淡路大震災で震度6強の揺れを経験しましたが、寝ていた布団のすぐ頭の上にあったピアノの椅子にとっさに頭を突っ込んで揺れが収まるのを待ったのを覚えています。
地震が起きたら…と考える時に、なかなか寝ている時のことは頭に浮かばないかもしれません。
寝ている時だととっさに身を守る行動も取りにくいので、寝ている場所のまわりには極力家具を置かず、落ちてくるものもないようにしておくことをオススメします。
お子さんが隣で寝ているという場合には、親の心理として「子供を守らなきゃ!」と子供に覆いかぶさってしまいたくなるかもしれませんが、これはかえって子供を押しつぶし、窒息させたりしてしまう危険があります。
子供には落ち着いて頭を守りギュッと丸くなるように伝えて、隣で自分も丸くなって身を守るようにしましょう。
赤ちゃんがベビーベッドで寝ているという場合にはすぐそばに行きたいところですが、なかなか動くことが出来ないと思います。
普段からベビーベッドのまわりには何も置かないようにして、ベッドに取り付けるメリーなども(電動の重たいものは特に)万が一外れてベッドの中に落ちても赤ちゃんに影響がないような位置に取り付けるようにしましょう。
揺れている最中にベビーベッドのそばに行けたとしても、抱き上げるのは危険です。
地震で大きく揺れている最中だと赤ちゃんを落としてしまう可能性があるので赤ちゃんの頭のまわりをクッションなどで守る程度にして、抱き上げないようにしましょう。
【お風呂トイレに入っている時】すぐに出口を確保しよう
お風呂やトイレといった狭い空間は比較的倒壊の危険は少ないのですが、揺れによってドアが歪んでしまって閉じ込められてしまう可能性が高くなります。
揺れ始めたら頭を守り体を低くしながら、すぐに扉を開けましょう。冬場は寒いですが体が冷え切ってしまうほど長く揺れるわけではないので、まず浴槽の蓋などで頭を守ってじっとしましょう。
お風呂・トイレのどちらでも窓が割れて破片で怪我をする可能性があります。窓から離れた出入り口近くで身を守るのがいいでしょう。
【離れた部屋にいる時】自分の身を守りつつ子供に大声で状況を確認!
家の中ではお子さんと別の部屋にいる時に地震が起こることが十分に考えられます。すぐにでもお子さんの元へ駆けつけたくなりますが、ちょっと待って!
揺れている最中に移動するのは本当に危険です。特に震度6以上の大きな揺れの中では歩くことはもちろん、立っていることすらできません。
お子さんが心配で一刻も早く側に行きたいな気持ちは当然なんですが、まずは自分の身を守りましょう。
その上で言葉がしっかり分かるお子さんなら大声でじっとしているように指示をして、可能ならお子さんがどこでどうしているのかを伝えさせましょう。
ただ、本当に大きな地震の場合にはかなり近くにいないと声は聞こえないかもしれません。(私の母親が「飛行機が突っ込んできたのかと思った」と言っていたほどです。大地震では大きな音と衝撃があります…)
それでも声を掛け続けるようにしましょう。お子さんが自分でむやみに動いてしまうのを防ぐためです。
突然の地震!すぐに子供の元へ駆けつけようとして自分が命を落とすことになってしまった場合、お子さんを助けに行くのは誰でしょうか?お子さんを守るべき存在だからこそ、自分の身を守ることを大切に考えてください。
そこで普段からお子さんが過ごすことの多い場所は特に、家具を置かない、落ちてくるものが無いようにする、吊り下げ型の照明にしないなどといった対策を取っておきましょう。
ママの脚の上に子供を座らせてグラグラ揺らして「グラグラ揺れたらどうする?」とダンゴムシのポーズを反射的に取る練習をしておくと安心ですね。
地震の時はお子さんは何が起こったか分からないと思いますが、練習しておくと体が反応するはずです。
急に揺れた場合に子供はパニックになって動こうとして怪我をしてしまうかもしれませんよね。そうならないために「揺れたらダンゴムシ」をしっかり体に刷り込んでおきましょう。
家の中のどこが安全?普段から確認し気を付けておきたいこと
いざという時に落ち着いて身を守る行動ができるかどうかは、やはり普段の生活の中でどれだけ意識出来ているかにかかっています。
ではどのようなことに気を付けておけばいいでしょうか?
「ここなら安全」という場所を何カ所も作っておこう!
家の中全ての場所が安全ならいいんですが、そういうわけにはいきませんよね。リビングならここ、寝室ならここ、廊下ならここというように、落ちてくるものも倒れてくるものもない安全な場所を何カ所も作っておくようにしましょう。
子供には普段の遊びの中で安全な場所を一緒に考えて、揺れた時はここで丸くなるということを頭と体にしっかり覚えさせておくといいですね。
閉じ込められないためには、扉のまわりをチェックして
地震で困ってしまうのが、揺れが収まったからと避難しようとすると扉が開かないという場合です。
実際、私が被災した時にも部屋に置いていたアップライトピアノ(約200㎏)が30cm近く移動してしまって、内開きのドアが開かなくなってしまいました。
その部屋はベランダを通れば他の部屋に行くことが出来たので大丈夫だったのですが、もし2階のお子さんの部屋にピアノがあってドアをふさぐことになってしまい、窓からの出入りも出来ないとなると大変ですよね。
こういった重くてドアをふさいでしまう可能性のあるものは出入り口の近くに置かないことが大切です。
また、ドア自体が歪んでしまうこともよくあります。特に高層マンションなどで出口がふさがってしまうと避難できなくなってしまいますよね。
隣や階下へベランダから避難できるかどうか、玄関のドアが歪みにくい構造になっているかどうか確認しておきましょう。
もしすぐ避難できそうにないという場合には、ドアに取り付けることのできる耐震器具を付けておくと安心です。
例えば、このようなものがあります。
▼貼るだけで耐震ドア アケルくん
http://www.akerukun.com/index.html
火災や津波が迫っている時には一刻も早く逃げる必要がありますので、しっかり対策を取り避難できるようにしておきましょう。
【屋外】まわりの危険を瞬時に判断!落ち着いて行動して
では次にお子さんと一緒に出掛けている最中に地震が起こった場合を考えていきましょう。
【道を歩いている時】落ち着いて危険なものから離れよう
道を歩いている際には、倒れてくる、飛んでくるもので怪我をしてしまう可能性が大いにあります。危険なものは後でご紹介しますので、地震の時にはそれらのものからすぐに離れるようにしましょう。
歩けるお子さんなら手をつないで自分のすぐ前を歩かせて、ママは上半身をお子さんにかぶせるようにしながらカバンなどで頭を守って危険な場所から離れましょう。
歩くことが難しいほどの揺れの場合でも、頭を守りながら少しずつ危険な場所を離れるようにしたいですね。
お子さんがベビーカーに乗っている場合には、抱き上げるのではなくベビーカーが倒れないようにママは身をかがめてベビーカーをしっかり押さえるようにします。ママが自分の頭を守りながら片手で抱っこするよりはよっぽど安全です。
こんな場所が危険!普段から歩く道をチェックして
では外のどのような場所が危険なのか挙げていきますね。普段から気を付けて見ておいて危険な箇所、そうでないところを頭に入れておきましょう。
- ブロック塀のそば
- 自動販売機、電柱のあるところ
- お店の看板の下・広告看板のそば
- 普段から道がへこみやすい箇所
- 古い家屋の側
- 大きな木が立っているところ
- 大きなビルがあるところ
ブロック塀が崩れやすいというのはご存知の方が多いかもしれませんが、自動販売機や電柱、大きな木などはあまり危険と感じないかもしれません。大きなものなので倒れてきたら大変なことになりますので、速やかに離れるようにしましょう。
また、何度も道路工事をしてもボコッとへこんでしまいやすいようなところは、大きな地震で陥没してしまう可能性があるので近づかないようにしておきましょう。
古い家屋は倒壊して瓦やエアコンの室外機などが飛んでくる可能性があります。地震が来た途端に崩れるということはないでしょうから、倒壊する前に速やかに離れることを心がけましょう。
大きなビルは一見安全なように思えますが、ガラスが割れた場合に高いところから降ってくると落ちてくるまでにスピードが上がって非常に危険です。頑丈そうな建物なら中に入り、出入口付近で身を守るようにしましょう。
逆に普段お子さんと行くことの多い公園などは比較的安全(木が周りにない広い場所は特に)だと思われます。
大きな地震の後はすぐに余震が来る可能性もありますので、急いでそこから動こうとせずに落ち着いて情報を集めて次にどうすればいいのかを見極めましょう。
【買い物中】パニックにならないことが2次災害を防ぐ
お子さんとの生活ではスーパーなどに買い物に出かけている時間も結構ありますよね。そういう時はどうすればいいのかを覚えておきましょう。
【お店の中】陳列棚から離れてお店の人の指示に従う
まずお店の中で商品を見ている時に地震が起きた場合。陳列棚が倒れてくる可能性もないとは言えないので、頭を守りながら速やかに陳列棚から離れましょう。
狭いお店は特に注意が必要ですね。お子さんは背が低いですから、下の方に陳列してある重いものが飛んできて怪我をする可能性もあるので、買い物かごをかぶるなどして頭を守るようにしましょう。
揺れが収まったらパニックにならずお店の人の指示に従うこと。早く逃げようと出口に殺到するようなことになってしまうと2次災害の危険もありますので落ち着いて。
お店の人はこういった場合の訓練をしっかり受けているはずですから、指示に従うのが一番安全だと考えましょう。
【階段にいる場合】とにかく動かないで!手すりがあればつかまろう
階段を上り下りしている可能性もありますね。特に上り下りが上手になったお子さんは、エレベーターがあっても階段を使いたがるものです。
ママが重い荷物を持ちながらお子さんと一緒に長い階段を上っているなんていう時にグラッときたら危ないですよね。すぐにその場に伏せるようにして、頭を守ってじっとしましょう。
階段から転がり落ちてしまうことが無いように手が届くなら手すりを持つと安心ですが、移動しなければ届かないならその場でじっとしている方が賢明です。
揺れが収まっても油断は禁物。長い揺れの後は平衡感覚を失っている場合がありますので、少しでもフラフラすると思ったらその場でもう少し座っておく方が安全です。
ただ、火災などですぐ逃げる必要がある場合には手すりをしっかり持って落ち着いて逃げるようにしましょう。
【エレベーターの中】全ての階のボタンを押し体を低くする
エレベーターに乗っている時には何かが倒れてくるといった危険はないのですが、恐いのは閉じ込められる可能性。
出来る限り早く脱出できるように、素早く全ての階のボタンを押します。これはマンションなどのエレベーターでも同じです。
そして転倒して怪我をすることが無いように身を低くして頭を守ってじっとしましょう。お子さんがカートに乗っていることも多いと思いますが、ベビーカーの時と同じく倒れないように支えておいてください。
エレベーターがどこかの階で止まったら、落ち着いてゆっくり下りましょう。
もし途中で止まってしまった、ドアが開かないといった場合には非常用の救助ボタンを押して救助を待ちます。
この場合は長期戦になる可能性がありますがお子さんが不安にならないようにママがまず深呼吸して落ち着くようにしましょう。
普段からの心がけが大切!シミュレーションを習慣付けて
いろいろとご紹介してきましたが、いかがでしたか?こうするんだと頭では分かっていても、実際に揺れた時には固まってしまうかもしれませんね。
ただ、普段から「今地震が起きたら」と何度も何度も頭の中でシミュレーション自分も子供にもさせておくことで、体が身を守るように反応出来るようになるはずです。
ダンゴムシのポーズを常日頃から子供には教えておきましょう。
大きな災害を目にしても、どこかに「自分は大丈夫」という気持ちを持ってしまうのが人間。地震が起こるなんて考えたくないのは当たり前です。でもお子さんの大切な命を守るためにも、いつも心がけるようにしておきましょう。
「もっと真剣に考えておけばよかった」と後悔することのないように、親としてできることを考えておき、子供にも伝えておけるようにしたいですね!
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