妊娠したいなら生理不順の放置はNG!不妊に関係ある理由と受診目安

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2017/06/07

生理不順が不妊の原因になっているのかもと悩んでいる女性

生理不順(月経異常)の状態では妊娠しにくいと言われているため、生理不順であることに悩み、不安を抱えている女性は多いです。

そして不安に思いながらも、日々の生活に追われて生理不順を放置したままという方もいらっしゃるのでは?

将来的に妊娠を望んでいるのであれば、生理不順の放置はNGです。婦人科を受診し、妊活中に生理不順の改善をすることが大切です。

生理不順の状態を放置してはいけない理由と、婦人科を受診すべき状態の目安を説明します。

月経のタイプを確認…放置してはいけない生理不順の状態とは

生理不順(月経異常)には月経周期の乱れ、経血量の異常、月経日数の乱れなどが挙げられ、「月経の正常な状態」から外れている場合は生理不順と言えます。

月経の正常な状態
  • 月経周期…25日~38日
  • 月経期間…3~7日
  • 低温期…12日~15日程度
  • 高温期…14日くらい
  • 高温期と低温期の差…0.3℃以上
  • 経血量…20~140ml

毎月、生理が来る日がずれているため、自分は生理不順だと勘違いをしてしまう場合もありますが、月経周期が短いと月に2回来ることもあります。

最初に自分がどのタイプの生理不順なのか確認してみましょう。生理不順を簡単に説明すると、下記の7つのタイプに分かれます。

生理不順(月経異常)のタイプ
  • 稀発(きはつ)月経…月経周期が長い(39日以上)
  • 頻発(ひんぱつ)月経…月経周期が短い(24日以下)
  • 過短月経…月経期間が短い(1~2日)
  • 過少月経…経血量が極端に少ない
  • 過長月経…月経期間が長すぎる(8日以上)
  • 過多月経…経血量が多すぎる(レバーの塊のような血が混じることもある)
  • 無月経…3ケ月以上生理がこない(妊娠していない状態で)

出産後・授乳中・更年期などは生理不順になりやすい状態と言えますが、心当たりがなく上記の状態に当てはまる場合は、放置せずに改善することが大切です。

月経の状態を正確に知るために、基礎体温をつけることをお勧めします。月経周期の問題や月経異常の早期発見にも繋がりますよ。

生理不順だと妊娠しにくい…生理不順を放置してはダメな理由

次に生理不順を放置してはいけない理由を見ていきましょう。

  1. 月経周期が毎月違う…バラついていると妊娠しにくくなる理由
  2. 低温期と高温期の差が少ない無排卵…妊娠できない状態
  3. 生殖機能の休息が必要…無月経は生命維持を優先させる体のサイン
  4. ホルモン分泌異常や不正出血…頻発月経を放置してはいけない理由
  5. 稀発月経は卵巣機能障害の可能性…排卵が遅延している状態
  6. 過少月経・過短月経を放置で無月経になることも!甲状腺の病気にも注意
  7. 月経期間や経血量の異常は放置NG…原因によっては不妊の可能性も

この7つについて説明します。

月経周期が毎月違う…バラついていると妊娠しにくくなる理由

月経周期が乱れは珍しい事ではなく、ストレスや環境的要素が起因することが多いです。

多忙な仕事、引越し、旅行、退職、結婚などでも、女性ホルモンの分泌をコントロールしている視床下部・下垂体は、その影響を受け、月経周期の乱れに繋がります。

月経周期が不安定=妊娠できないというわけではありませんが、月経周期がバラつく状態が続いていると下記のように、妊娠しづらい状態になっていると考えられます。

  • 排卵のタイミングを掴みにくい
  • 「卵巣機能低下症」や「多嚢胞性卵巣症候群」の可能性もある

月経周期が不安定だと、いつ排卵しているのか分かりにくいため、妊娠できるタイミングが掴みにくい状態と言えます。

また、「卵巣機能低下症」や「多嚢胞性卵巣症候群」によって排卵障害を起こしている場合もあるので注意が必要です。

卵巣機能低下症
卵巣機能が低下して、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体)ホルモンが正常に分泌されず、生理不順や排卵障害の原因になっている状態をいいます。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣は、卵巣の中に小さく未熟な卵胞がたくさんでき、排卵しづらい、または排卵障害を起こしている状態を言います。

▼多嚢胞性卵巣症候群についてはコチラも参考にしてみて!

2~3ケ月くらいの一時的なものは、さほど気にしなくても良いですが、月経周期が不安定な状態が長く続く場合は注意が必要です。

低温期と高温期の差が少ない無排卵…妊娠できない状態

無月経の場合は無排卵であることがすぐに疑われますが、生理不順だけで生理が来ていれば、排卵しているだろうと考えてしまい、無排卵を見逃してしまう場合があります。

卵胞期は低温期、黄体期は高温期と呼ばれ、卵胞期と黄体期の基礎体温差が0.3℃以上あれば排卵されていると考えられます。

月経周期39日以上の稀発月経、月経周期24日以下の頻発月経の状態でも、無排卵の可能性があります。

月経周期は卵胞期(月経期を含む)、排卵期、黄体期に分かれています。生理が来ていても、卵胞期と黄体期の体温の差が少なければ無排卵の可能性があります。

生殖機能の休息が必要…無月経は生命維持を優先させる体のサイン

無月経はホルモンの分泌異常や病気などの要因により、妊娠できない状態になっていて、長く放置することで改善が難しくなっていきます。

月経には、たくさんのエネルギーと血液が必要です。体が無理をしている、病気を抱えていると判断した場合は、生殖機能よりも生命維持を優先させることがあります。

無月経は体が悲鳴を上げている状態とも考えられますので、原因を究明して改善、場合によっては治療してあげることが大切です。

下記の表は無月経の主な原因についてまとめたものです。

主な無月経の状態 特徴
体重減少型無月経 ・性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌低下
・過度なダイエットや拒食症
・ 3~6ヵ月以内に元の体重の15~20%以上体重が減少
運動性無月経 ・性腺刺激ホルモンの分泌低下
・スポーツ選手に多い
・強い肉体的・精神的ストレス、過度な運動による
シーハン症候群 ・性腺刺激ホルモンの分泌低下
・分娩時の大量出血による下垂体前葉血管の梗塞
高プロラクチン血症 ・プロラクチンの分泌量過多による
性腺刺激ホルモンの分泌低下
・下垂体腫瘍
・薬の長期服用(向精神薬、制吐薬など)
・下垂体機能低下症
・過度なストレス
早発卵巣機能不全
(40歳までに卵巣機能が低下)
染色体異常・自己免疫疾患・卵巣腫瘍などが関与が考えらている
多嚢胞性卵巣症候群 ・卵巣の男性ホルモン分泌過剰
・甘いものや脂肪分の多い食生活
・不規則な生活リズム

また、無月経には第1度無月経と第2度無月経があり、第1度無月経は第2度無月経と比べると比較的軽度な状態です。

第1度無月経
卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌は正常だが、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌に異常があるために起きている
第2度無月経
卵胞ホルモン・黄体ホルモンの両方の分泌に異常があるために起きている
無月経を半年から1年以上などの長期間放置することで、第2度無月経の状態に移行すると、改善や治療が難しい状態になってしまいます。

ホルモン分泌異常や不正出血…頻発月経を放置してはいけない理由

月経期間が24日以下の状態を頻発月経と言います。頻発月経の原因と、不妊に関係する理由について、表にまとめてみたので参考にして下さいね。

月経期間が短い原因 特徴 不妊に関係する理由
黄体期機能不全 ・頻発月経の主要因
・黄体ホルモンの分泌不足
・高温期が9日以下
・着床しにくい
・流産しやすい
卵胞期が短い ・低温期が12日未満
・卵巣機能低下
・エストロゲンの分泌不足
・卵胞の未成熟
無排卵 ・低温期と高温期の差がない
・少量の出血がだらだら続く
排卵されていない
不正出血 ・子宮の炎症や腫瘍など
・月経周期に関係なく出血
病気の進行により不妊になる可能性もある

※月経が始まる2週間くらい前に少量の出血がある場合がありますが、排卵出血によるものと考えられるため、特に問題はありません。

頻発月経が長期に続くと鉄分不足に陥いり、不妊の原因にもなります。もともと頻発月経の原因には、妊娠しにくい状態もありますので注意が必要です。

稀発月経は卵巣機能障害の可能性…排卵が遅延している状態

稀発月経は頻発月経とは逆に、月経周期が長くなる場合(39日以上)を言い、排卵性と無排卵性の場合があります。

女性ホルモンのコントロールをしている脳の視床下部という部分は、ストレスを受けやすく、ホルモンの分泌異常が稀発月経の主な要因と考えられています。

多嚢胞性卵巣症候群、また、肥満や糖尿病なども稀発月経の要因となっています。他にも甲状腺異常や卵巣、子宮の病気が隠されている場合もあります。

稀発月経は排卵がスムーズに行われていないことのサインで、排卵遅延や無排卵の可能性もあります。放置から不妊に繋がることも考えられます。

月経期間や経血量の異常は放置NG…原因によっては不妊の可能性も

月経周期だけでなく、月経期間や経血量に異常を感じている場合も放置はNGです。それぞれの理由を説明します。

過短月経・過少月経
月経が1~2日で終る、出血量が極端に少ない場合は、月経なのか不正出血なのか分かりにくいです。子宮の異常、ホルモン分泌異常の可能性もあります。
過長月経
無排卵や、子宮筋腫や子宮内膜にポリープがあるための不正出血の可能性もあります。少ない経血がだらだら続いているだけなら問題がない場合が多いです。

子宮内膜症により卵管や卵巣が癒着すると、卵子が通りにくくなり、不妊の原因にもなります。

過多月経
出血量が多いので貧血にも注意が必要です。子宮筋腫や内膜症、無排卵性月経の可能性もあります。子宮筋腫や内膜症は生理痛や腰痛を伴った症状が多くみられます。
ホルモン分泌異常や不正出血などの様々な原因が隠されていて、放置すると妊娠しづらい状態になってしまう可能性があります。

▼子宮内膜症と不妊との関係についてはコチラも参考にしてみて!

ベストは定期健診…絶対に受診が必要な生理不順の状態の目安

妊活に入る場合は定期健診をして自分の体の状態を確認しておくことがベストです。とはいえ、急な場合でないと婦人科には行きにくいと考えている方もいますよね。

生理不順の症状だけで婦人科に行くのはちょっと…と思われる方は、受診前に一度相談の電話を入れておくといいですよ。

おかしいなと思ったら先延ばしせず早め早めに受診しましょう。あらかじめ聞かれそうなことや伝えることを準備しておくと安心です。

婦人科に行く時に準備しておくと安心な内容
  • 最後に生理が来た日(生理期間)
  • 初潮の年齢
  • 相談したい症状をまとめたもの
  • 妊娠を望んでいる時期
  • 基礎体温をつけたもの

生理中は検査できることが限られてしまうので、出血が止まらないなど緊急な症状がない場合は、生理が終わりか、終わってから受診するようにしましょう。

服装は着替えに手間取らず、腰回りが覆われているスカートやワンピースがお勧めです。検査着に着替える場合もあるので予約の時に確認してみて下さいね。

放置によって不妊の可能性も出てきますので、単なる生理不順で片づけず、気になる症状がある場合は婦人科を受診しましょう。

生理不順は体の異常を知らせるサイン!婦人科受診は妊活の第一歩

毎月来る月経は煩わしく感じてしまうこともありますが、女性にとっては大切なものです。

生理不順だと思っていても、どこからが異常なのか案外分かりにくく、明かに異常だと感じた時は妊娠しづらい状態になっている可能性もあります。

生理不順を軽視せず、体の異常を知らせるサインと考えて、早めの婦人科受診と改善をすることから妊活を始めてみてくださいね。

▼生理不順を改善する方法についてはコチラも参考にしてみて!

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