妊娠初期に出血…慌てない為に原因や生理と違う症状を知ろう
妊娠の喜びでいっぱいな時期に、もしも突然「出血」をしてしまったら、不安と動揺でパニックになってしまうかもしれませんよね。
もしもの時に慌てずに行動が出来るように、出血の原因を知っておきましょう。
元気な赤ちゃんに早く会いたいという期待と、無事に出産できるのかという不安。多くの妊婦さんが両方の想いを抱くと思います。そんな時、突然の出血に見舞われたら…。
赤ちゃんが出来た喜びに突然の出血!でも落ち着いてください!
妊娠初期は子宮の粘膜が充血しているので、出血がみられる妊婦さんが少なくないこと知っていますか?
出血の原因を知って、いざという時の役に立ててください。
初期の出血…まずは出血の状況を確認!
臨月以外の出血は、自己判断はせずにまず産院に連絡することが大前提です。
出血は、妊婦の約30%が経験すると言われていますが、自分がいざ出血を経験すると不安や心配が膨らんでストレスとなってしまいます。血の色や量に関わらず、医師に相談しましょう。
特に妊娠初期の出血は心配のいらない出血も多くありますが、その一方で、異所性妊娠(子宮外妊娠)などのトラブルの可能性もあります。
まずは落ち着いて行動しなければいけません。落ち着くために必要なこと・自身で把握しておくべきことを挙げます。
- 現在の週数
- お腹の張りの有無
- 血の色や量
- 血に塊が混ざっているか
特に出血の色と量は、メモしておくといいかもしれません。
お腹の張りは、妊婦さんによっては自覚症状がないこともありますので、分からない場合は「分からない」と正直に伝えることも大切です。
ただし激しい腹痛が伴う場合は胎盤がはがれてしまっている可能性もあるので、大至急産院を受診しましょう。
妊娠初期の出血で考えられる主な6つの症状
それでは妊娠初期の出血によって考えられる症状を、原因とともに紹介します。
病名 | 出血の色 | 症状 |
---|---|---|
子宮膣部びらん | 鮮血またはうす茶色 | 内診を受けた後や性行為など外的な刺激によっておりものに少量の出血がまざる。 お腹の張りや痛みを伴わない。 |
月経様出血 | 生理の同様、または通常の生理よりも薄い色 | 通常の生理の時よりも出血が短く2,3日でおさまる。 |
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ) | 鮮血(赤) | 出血やおなかの張り、下腹部の痛みを伴うこともある。 出血は、鮮血が大量に出ることもある。 後に胎盤として残るものなので、胎盤が完成する5カ月頃には症状がなくなると言われている。 |
子宮頸管ポリープ | 赤褐色または茶褐色 おりものに交じる程度のものもあり | ポリープからの出血はあるものの、痛みなどの症状はほとんどない。 |
胞状奇胎(ほうじょうきたい) | 茶色がおりものに混じったような色 時には長く続くこともあり | 通常よりも強いつわりのような吐き気と嘔吐の症状も出ることがあるが、通常のつわりと区別が難しいので自己判断はできない。 |
異所性妊娠(子宮外妊娠) | ピンク色のおりものや少量の出血 | 少量の出血や下腹部のけいれんや痛みを起こすことがあるが、初期症状では自覚がないことが多い。 |
原因とともに詳しく見ていきましょう。
子宮膣部びらん(膣内が膨らんでいる状態)
名前だけを聞くと病気のような気がしますが、これは病気ではありません。
「びらん」というのは、「ただれている」ことを意味します。
しかし本当にただれているのではなく、ホルモン分泌によって膣内が膨らんでいる状態がただれているように見えることから、この名前が付いたようです。
妊婦さんに限らず、一般女性にも多く見られる症状なんですよ。
「子宮膣部びらん」と診断されたら、病気ではありませんよ。と言われているようなものなので、安心してくださいね。ホルモンによる影響なので、多くの場合は放置しても問題がありません。
出産後も出血するようであれば、電気治療、冷凍治療、レーザー治療など、びらん面を除去し出血を起こしにくくすることも出来ます。
膣部びらんの発症を度々繰り返す人も少なくありません。 困った症状が無ければそのままにしておいて何等差し支えありません。
月経様出血(着床しましたよというサイン)
月経様出血は、受精卵が着床する際に起こる刺激によって出血すると言われています。
ホルモンの影響によるものなので、過度に心配する必要はありません。
月経様出血は、「着床出血」と言われることもあるように、比較的早い段階、つまり通常の生理と勘違いしてしまうような時期に表れます。
おりものに混ざっているような出血や期間が短く少量の場合は、月経様出血の可能性があります。
基本的には自然の経過を観察する、様子を見る事になります。念のため安静を指示されることもありますが、過度に心配する必要はありません。
絨毛膜下血腫(血液の塊が出来てしまう状態)
この症状は、切迫流産の症状の一つです。着床すると、絨毛という血管が母体とつながろうと根っこを張り巡らせます。
その際に血液の塊ができてしまうことを絨毛膜血腫と言います。
出血の量が多くなってしまい血が固まって塊になってしまうので、検診時のエコー検査で発見されることも多くあります。
自然に吸収されて妊娠を継続している妊婦さんがほとんどなので、胎盤が完成する時期が来るまでの辛抱です。
対処法としては、心穏やかに安静にすることが第一の治療法ですよ。
子宮頸管ポリープ(粘膜から派生したいぼ)
子宮頸管の粘膜が増殖し、突起物が子宮口から垂れ下がっている状態をいいます。実は、子宮頸管ポリープの切除に関して、医師の間でも意見が分かれています。
- 批判的な意見
- 切除をすることで、子宮に刺激になり流産や破水を起こす可能性があるという意見。
- 肯定的な意見
- ポリープがあることで細菌に感染する可能性があるので治療を進める方がいいという意見。
手術で取り除く場合、胎盤が完成する4カ月を過ぎたころに行われますが、妊娠に悪影響を及ぼすと判断された場合は、4カ月を待たずに切除することもまれにあります。
基本的には子宮頸管ポリープは、良性の腫瘍なので、すぐに対応しなければならないという、緊迫した悪影響はないといわれています。
切除に関しては、家族や主治医としっかりと相談して決めて下さいね。
胞状奇胎(絨毛組織が異常増殖してしまう状態)
胞状奇胎は、「ほうじょうきたい」と読みます。胎盤をつくる絨毛が異常増殖することで、子宮内を圧迫し赤ちゃんが成長できない状況です。
受精卵自体に問題があることが多く、残念ながら妊娠を継続することはできません…。母体にも悪影響を及ぼす可能性もあるので、診断をされたら、なるべく早い堕胎処置が必要となります。
また、治療後も他の臓器に転移していないかなどの経過観察が必要となります。次の妊娠まで再発防止のため、半年~1年程避妊しなければなりません。
原因として染色体異常と考えられています。胞状奇胎は「全胞状奇胎」と「部分胞状奇胎」と2種類あります。
いずれも、10代の若年妊娠と40歳以上の高齢妊娠で発症率が高くなっています。
異所性妊娠(子宮外妊娠)
子宮内以外の場所に着床してしまう妊娠です。卵管に着床してしまうケースが多く、尿検査などでは陽性反応が出ます。
こちらも残念ながら妊娠を継続することはできません…。そればかりか、そのままにしてしまうと卵管が破裂するなど、母体が危険にさらされるので、早めに受診しなければなりません。
クラミジア感染症との関係性が強いことが分かっています。心当たりがある場合、早急に受診して医師に伝えましょう。
妊娠初期の出血と切迫流産の関連性
出血の理由は様々ですが、時に上記に記したような原因が特定できないケースもあります。切迫流産です。
切迫流産と判断される二大症状
- 下腹部の痛み
- 出血
この場合の出血は子宮内膜の血管からの出血で、胎盤ができる過程で起きる症状と考えられています。
もし切迫流産と診断されたら!やるべきことは「安静第一」です
切迫流産は、安静に過ごすことで妊娠継続がかなり高い確率で可能です。不安に思ってママが神経質になり過ぎると赤ちゃんにも伝わってしまいます。
ホルモンのバランスが崩れているので、落ち込んでしまうことが多い時期です。でも、お母さんが安静にすることは、お腹の赤ちゃんとゆっくり話を出来る大事な時間と捉えましょう!
もし入院を余儀なくされた場合も、見えているゴールに向かっていることを忘れずに、赤ちゃんとの対面に向けてポジティブに捉えましょう!
妊娠初期の出血は様々!ママとして心の強さを持ちましょう
パニックになってしまいがちな突然の出血。
まずは、落ち着いて行動することが大切です。時には救急車を呼ぶことも選択の一つとして考えておきましょう。
登録制の妊婦さん専用の「陣痛タクシー」もありますよね。妊婦さん専用ダイヤルがある会社もあるので、是非利用しましょう。もしもの為に登録しておくのもいいかもしれませんね。
出血イコール流産と考えてしまいがちですが、出血にはいろいろな原因があり、妊娠を継続するに問題のない出血も多く見受けられます。
これくらいで受診をしていいものかと考えてしまうこともあるかもしれませんね。でも、出血があったらまずは受診をして、原因をしっかりと調べてもらいましょう。
お腹の赤ちゃんを守れるのはお母さんしかいません。小さな命はお母さんだけを頼りにしていますよ。
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