チャイルドシートの選び方。子供の命を守る重要なポイント
6歳未満の子供が車に乗る際に使用が義務付けられているチャイルドシート。生まれて初めて病院から自宅へ帰るときから、自家用車を使用する場合は必要になります。
しかし安い買い物ではない上に、あまりにたくさんの種類のものが販売されているので、何を基準に選べばいいのかわからなくなってしまいますね。
ここでは、チャイルドシートの選び方について紹介します。
対象年齢に合わせて、乳児用・幼児用・学童用から選ぼう
チャイルドシートは万が一の事故に備えて、我が子の大切な命を守るために使用するものです。
- 装着の義務
-
法律でも規定されています。2000年に道路交通法が改正されて、6歳未満の子供にはチャイルドシートを装着することが義務付けられています。
違反すると反則金はありませんが、シートベルトの非着用と同じ、免許停止などの行政処分対象となる点数が1点減点となります。
より安全性を高めるためには、正しく選び、正しく使用することが非常に重要です。
チャイルドシートを選ぶ上でまず考えなければならないのが、対象年齢です。いつからいつまで使用したいのかをしっかりイメージしておかなければなりません。
チャイルドシートは大きく分けると3つに分類されます。
- 乳児用
- 幼児用
- 学童用(ジュニアシート)
それぞれが対象とする年齢や身長、体重などを見ていきます。
- 体重:13kg未満
- 身長:70cm以下
- 年齢:新生児~1歳ぐらい
生まれてすぐに使用する場合は新生児から使用できるタイプであるかを必ず確認してください。
新生児から1歳頃まで使用できる乳児専用のものを選ぶとだいたい1年間しか使用できません。
1年で買い替えるのがもったいないと感じる方は、乳幼児兼用タイプを選んでおくと良いでしょう。
しかし、乳児専用のものを選んだとしても、まだきょうだいが生まれる可能性がある場合はそのときにまた使用することができます。
どちらを選ぶかはご自身のライフスタイルを考慮して選びましょう。
- 体重:9~18kg
- 身長:65~100cm
- 年齢:1歳~4歳くらい
子供の成長に合わせて、ヘッドサポートや肩ベルトを調整しながら長く使用します。
シートが洗えるものを選んでおくと、おもつ漏れや食べこぼしなどで汚れたときに安心です。
あると便利なドリンクホルダーが付いているものもあります。
- 体重:15~36kg
- 身長:135cm以下
- 年齢:4~10歳くらい
学童用のチャイルドシートは、座席を上げて背の高さを補ったり、腰ベルトの位置を子供の臀部に合わせ、大人用のシートベルトを使えるようにするためのものです。
シートベルトは身長140cm以上の方の使用を想定しているので、それ以下の子供が使用すると、事故が起きた際に首が締まったり、内臓を圧迫する危険性があるからです。
目安の年齢だけで判断せず、身長や体重なども参考に!
6歳以上になるとチャイルドシートの使用義務はなくなります。
しかし小柄なお子さんの場合は、シートベルトを使用できる体格になるまではチャイルドシートを使用した方が安全です。
チャイルドシートはサイズが合っていないと本来の機能を発揮できません。
チャイルドシートの使い分けは目安の年齢だけで判断せず、お子さんの身長や体重を参考にしてください。
またチャイルドシートを選ぶ際は、以下の点に注意するとより安全性が高いものを選ぶことができます。
- サイドサポートが高い
- 座る位置が低い
- 肩ベルトの調整がしやすい
- 背もたれが高い
- 底面が広い
- 軽量である
▼チャイルドシートの種類についてはコチラも参考にしてみて!
対象年齢の広いものを選んでおくと、長く使用できる
子供の成長に合わせて買い替えるのではなく、幅広い年齢で使用できるものを選んでおくと長く使用することができ経済的です。
兼用タイプのチャイルドシートには以下のものがあります。
- 新生児・乳幼児兼用チャイルドシート(0歳~4歳前後)
- 幼児・学童兼用チャイルドシート(1歳~10歳前後)
- 新生児・幼児・学童兼用チャイルドシート(新生児~7歳前後)
▼チャイルドシートの使用年齢についてはコチラも参考にしてみて!
対応車種も必ず確認して選ぼう
チャイルドシートを選ぶ際には、対応車種も必ず確認しなければなりません。車にきちんと固定できなければ、使用する意味がなくなってしまいます。
ほとんどのチャイルドシートはどんな車にも設置できるように作られていますが、ご自宅の車がレトロカーや外国車の場合は注意が必要です。
気に入ったチャイルドシートがあっても、対応車種を確認せずに購入してしまうと使用できないこともあります。
必ず安全基準を満たしているものを選ぶ
チャイルドシートを購入する場合は、必ず既定の安全基準を満たしているかを確認しましょう。大切な我が子の命を守るものなので、安全性はとても重要です。
チャイルドシートを選ぶときは、「Eマーク」が付いているかを確認してください。
「Eマーク」は、現行の安全基準に適合しているチャイルドシートに与えられるものです。
2012年6月30日より前に製作されたチャイルドシートには、改正前の古い基準に適合していることを証明する「自マーク」が添付されている場合があります。
チャイルドシートであれば何でも良いというわけではなく、今の日本で使用が認められているのは、この2つのマークが与えられているもののみとなっています。
購入する際は、このマークを必ず確認してください。
安全性を証明するチャイルドシートアセスメント
国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構では、市販されているチャイルドシートに対して「前面衝突試験」と「使用性評価試験」という試験を行っています。
そしてその結果を公表することで、安全性能の評価を示しています。
この「チャイルドシートアセスメント」を活用することで、より安全性の高いものを選ぶことができるようになっています。
- 前面衝突試験
時速55kmで前面衝突した際に、ダミーの頭部や胸部に与える影響などを、「優」、「良」、「普通」、「推奨せず」で評価しています。
- 使用性評価試験
チャイルドシートの誤った使用を防止するために、以下の項目を点数で評価しています。
- 取扱説明書等の記載内容
- 本体表示内容
- 機構の性能
- 座席への取付け
- 着座性
高価なものほど安全性が高いわけではない
チャイルドシートの価格帯は、1~8万円ほどとかなり幅があります。
高価なものは、機能や安全面に優れている傾向はありますが、値段に比例してどんどん安全性が高まるというわけではありません。
値段だけではなく、これまでにご紹介した項目を確認しながら、最も適したものを選んでください。
便利など機能性で選ぶ
これまでご紹介したのは、安全面を考慮した基本的なチャイルドシートの選び方ですが、最近のチャイルドシートには、より便利な機能が備わっているものがあります。
ママが1人でも装着しやすいISO-FIXチャイルドシート
一般的なチャイルドシートは、自動車のシートベルトを使って固定します。
しかし現在は、車のシートベルトを使わずに、座席に直接装着する「ISO-FIXチャイルドシート」というタイプも販売されています。
「ISO-FIXチャイルドシート」は2012年7月以降に発売されたほとんどの車に装着可能で、コネクターを差し込むだけで設置ができるので非常に簡単です。
チャイルドシートを小まめに取り外す習慣があったり、ママとお子さんだけで外出する機会の多い方はこのタイプがおすすめです。
設置が簡単なこのタイプであれば、ママの外出の負担を軽くできるかもしれません。
乗り降りさせやすい回転機能
チャイルドシートの中には、360度回転するタイプのものもあります。
回転するタイプを選ぶと、子供を乗せたり降ろしたりするのがとても楽になるので人気を集めていますが、このタイプは非常に重いのがデメリットです。
チャイルドシートそのものが重いと、車から取り外す頻度が高い方には負担となるかもしれません。
チャイルドシートは車に付けたまま滅多に外さない、という方には回転機能は非常に便利でしょう。
赤ちゃんのストレスを軽減する「エッグショック」
Combi(コンビ)から、「エッグショック」という機能を搭載したチャイルドシートが販売されています。
まだ柔らかい赤ちゃんの頭を守ったり、赤ちゃんのストレスとなる振動も軽減する機能があります。
大人であれば何でもない振動でも、赤ちゃんにとっては大きなストレスとなることがあるので、防ぐことができるのであれば防いであげたいですね。
▼チャイルドシートのレンタルについてはコチラも参考にしてみて!
大切なのは、安全性の高いものを選び、正しく設置すること
子供の命を守るために、どのような点に気を付けてチャイルドシートを選べばいいのか紹介してきました。
子供の車での移動を安全なものにするためには、チャイルドシートそのものの安全性の高さはもちろんのこと、正しく設置することが重要です。
JAFのある調査によると、実に約45%の方がチャイルドシートを正しく設置できていないようです。
安全なチャイルドシートを購入したら、正しく設置できているかどうかも必ず確認してください。
▼チャイルドシートから抜け出さないための対策についてはコチラも参考にしてみて!
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