子供が溶連菌感染症に!知っておきたい登園停止期間や治療
溶連菌感染症は、子どもに流行する病気のひとつです。幼稚園や保育園に通う年齢の子どもにはポピュラーな病気です。
溶連菌感染症にかかったとき、「園を休まなければならない」ことはママにとって大きなお悩みポイントですよね。
そこで子どもが溶連菌感染症にかかってしまったとき、何日くらいお休みしなければならないかをチェックしてみましょう。
さらに治療の内容やどんな経過をたどって治っていくか、その他溶連菌感染症について知っておきたい点についてご紹介していきます。
この記事の目次
子どもが溶連菌感染症にかかった…登園停止期間について
溶連菌感染症は幼稚園や保育園をお休みしなければならない病気です。ママにとっては、何日休まなければならないのか不安ですよね。
溶連菌感染症は、抗生物質を飲んで24時間内は登園停止
溶連菌感染症は「学校保健安全法」という法律で定められている、流行を防ぐために幼稚園や保育園への登園・学校への登校が停止される病気のひとつです。
こうした病気にはインフルエンザや水疱瘡などがあり、「学校伝染病」「学校感染症」とも呼ばれています。
溶連菌感染症は第3種に分類される病気で、出席停止期間は医師の判断に任されることになっています。そのため、一概に「何日出席停止」とは言えません。
小児科を受診し「溶連菌感染症」と診断されると、抗生物質が処方されます。この薬を飲むと、24時間で感染力が弱まり他の人にうつらなくなるといわれています。
つまり、抗生物質を飲んで24時間は確実に登園・登校の許可は出ないと考えられます。受診した日・翌日はお休みとなります。
インフルエンザと異なるのは、発症・解熱から日数を割り出すわけではないという点です。
抗生物質を飲み、つらい症状がおさまっているという状態がであることが登園のポイントです。
登園できるようになる基準について…医師の許可と子どもの体調
抗生物質を飲んだ後、登園できるようになるには3つのポイントがあります。
- 医師の許可…他の子への感染力がなくなったという判断
- 子どもの症状…発熱やのどの痛みなどが無くなる
- 子どもの状態…普通の食事が食べられる
医師が登園を許可すれば、幼稚園や保育園に行けるようになります。また子どもの症状が落ち着き元気になれば登園できるようになります。
登園できるようになる日に関しては、「こういう症状になったらOK」と言われる場合と「再度受診してから判断する」と言われる場合があるでしょう。
子どもによっては、のどの痛みやかゆい発疹などが残り登園停止が多少延びることもあります。
だいたい2~3日待てば症状は改善してくるでしょう。
少しでも早く登園できるためのコツ!週末は早めに受診して
医師によって判断は異なりますが、働くママに理解がある医師ならより相談しやすいですよね。親身になってくれるかかりつけ医を見つけておくと良いでしょう。
どうしても再診する必要がある場合、その日の状態が良ければ登園の準備をして朝一番に受診しましょう。そのまま登園許可がおりることもあります。
早めに抗生物質を飲み始めればそれだけ早く回復します。様子が良くタイミングが合えば、抗生物質を飲み始めてから24時間経過後には登園できることもあります。
金曜日に高熱が出るなど発症したら、土日をはさまず急いで受診がおすすめです。抗生物質がきちんと効けば、月曜日の朝再診してそのまま登園できるかもしれません。
溶連菌感染症は早めに気付いて投薬することで、早く治すことができる病気です。早く登園できるようになるためにも、早く受診し治療をスタートしましょう。
保育所・学校(出席停止期間):高熱の期間は他人への感染力がありますが、抗生剤を24時間以上内服すれば、他人への感染力はなくなります(ただし合併症を予防するために、10~14日間は内服しなければなりません)。
抗生物質1~2日内服後、発熱や発疹が治まり元気があれば、登校・登園してもかまいません。引用…にのみや小児科・ひふ科
溶連菌感染症とわかったら、医師・園に確認しておきたい書類
ここで注意しておきたいのが、二種類の書類です。これは医師に相談すると同時に、幼稚園や保育園にも確認しておく必要があります。
- 登園を許可する書類への記入(医師に書いてもらいましょう)
-
園によっては、「登園許可証」など登園許可に関する書類を医師に記入してもらう必要があるところもあります。
溶連菌感染症とわかったらすぐに園へ連絡を入れ、書類が必要なら医師に記入をお願いしておきましょう。
- 投薬依頼に関する書類の記入(自身で記入。医師のサインがいる場合も)
-
溶連菌感染症は、決められた期間中忘れずに薬を飲む必要があります。そのため、登園許可がおりても薬を飲み続けなければなりません。
園指定の投薬依頼書を薬に添付して持たせなければなりません。保護者の署名のみでOKの園が多数派ですが、医師のサインが必要な場合は初診時にお願いしましょう。
園によっては、所定の書類にママが記入すれば診断書は必要ないケースもあります。必ず感染の連絡の際に、園に問い合わせておきましょう。
登園できるようになったら、様子を見ながら忘れずに服薬を
医師の許可が出て普通の生活が送れるようになれば、幼稚園や保育園に登園できます。
でも、治療が終わったわけではありません。
幼稚園や保育園に登園できるようになった後も忘れずに薬を飲ませ続けましょう。お昼に飲ませる分は、投薬依頼書を添付して必ず持たせてくださいね。
詳しくは後述しますが、溶連菌感染症の治療では2~3週間後に再診が必要になります。元気に登園していても、忘れずに再診しましょう。
溶連菌感染症の治療…どんな経過をたどって治るか知っておこう
溶連菌感染症は、どんな治療が必要なのでしょうか。主な症状と治療・経過についてご紹介していきます。
溶連菌感染症の主な症状は、突然やってくる発熱とのどの痛み!
溶連菌感染症はすぐに病院へ行って薬を処方してもらうことで、早く完治させられる病気です。
しかし、放置すると怖い合併症が起きることもある病気です。「おかしいな」と感じたらすぐにかかりつけの小児科を受診しましょう。
そのために知っておきたい、溶連菌感染症の主な症状をご紹介します。症状は初期に出るもの、そして症状が進んでから出るものがあります。
初めに出る症状
- 突然の高熱…38~39度以上の熱が出る
- のどの痛み(咽頭痛)
- 嘔吐
- 全身の倦怠感
特に注意しておきたいのが、これら初期に出る症状です。インフルエンザととてもよく似ていることもあるので、早めに受診しましょう。
これらの症状はすべて出るとは限りません。特に3歳以下の子供は顕著な症状が出にくいといわれています。
突然の高熱が出たら、溶連菌感染症の可能性も含めて早めに医療機関を受診しておきたいですね。
病気が進んでから出る症状
- かゆみのある発疹
- リンパの腫れ
- いちご舌
- 手足の皮がむける
これらの症状は「川崎病」にもみられるものです。川崎病も高熱をはじめイチゴ舌などの症状が出る病気で、心臓など全身の血管に炎症が起きる怖い病気です。
インフルエンザや川崎病という可能性もあります。これらの病気の早期発見のためにも、高熱をともなう病気には充分注意しましょう。
溶連菌感染症の診断は検査で10分!すぐに感染がわかる
溶連菌感染症の診断は検査ですぐにわかります。ただし、検査前に勝手に薬を飲ませてしまうと、正しい診断ができなくなります。
突然高い熱が出るとママは焦ってしまいますよね。解熱剤や以前の病気でもらった風邪薬などを飲ませたくなるかもしれませんが、それは絶対にやめましょう。
溶連菌感染症の治療…基本は抗生物質と対処療法
溶連菌感染症の治療の基本は、医師から処方される抗生物質です。処方された薬は、必ず最後まできちんと飲み切りましょう。
抗生物質は10日間から2週間ほど処方されます。この薬を飲み切ることで、体の中の病原菌を確実に退治することができます。
実は溶連菌感染症を放置すると、急性腎炎やリウマチ熱といった怖い合併症が起きることがあります。
これらの合併症を防ぐためにも、抗生物質を確実に飲んできちんと病気を治すことがとても重要なのです。
同時に解熱鎮痛剤などが処方されることもあります。のどの痛みなどがつらいときは、溶連菌感染症で処方された鎮痛剤を指示された方法で服用させましょう。
抗生物質を飲みはじめて24時間経過すると、発熱などの症状もだいたいおさまります。逆におさまらない場合は抗生物質が効いていない可能性があります。
抗生物質を飲みはじめてから24時間経過しても症状に変化がない・悪化している場合は、放置せず必ず再診しましょう。
登園許可をもらうために再診する必要がある場合は、指示された日時にもう一度受診しましょう。書いてもらう書類なども忘れずに持参してくださいね。
再診…怖い合併症を防ぐために2、3週間後にもう一度チェック
溶連菌感染症は合併症を防ぐために、登園許可とは別に再診するよう指示されます。再診はだいたい2~3週間あとになることが多いでしょう。
溶連菌感染症の後に注意が必要とされている合併症は、次のふたつです。
- リウマチ熱
-
溶連菌感染症のあと数週間後に心臓の炎症や関節痛・発熱などの炎症反応が出る。心臓に後遺症が残る場合もある。
- 急性糸球体腎炎
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溶連菌感染症のあと10日前後で起きる急性腎炎。血尿やむくみなどが起きたらすぐに受診。長引いて腎機能障害が残る場合もあるので要注意。
主にこれらの合併症に注意が必要です。しっかりと抗生物質を飲んでも充分注意して子どもの様子を観察し、必ず指示された時期に再診を受けましょう。
また、普段からアトピー性皮膚炎を持っている子は重症化しやすいといわれています。
アトピー性皮膚炎を持っている子は初診の時に医師に伝え、治療中・再診までの期間中も注意しながら様子を見守りましょう。
その他知っておきたい溶連菌感染症の特徴…冬や春夏に流行の兆し
そのほか、早く治すためにも家族への感染を防ぐためにも知っておきたい溶連菌感染症の特徴についてご紹介します。
溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌という細菌が原因で起きる感染症です。
気を付けたい ポイント |
溶連菌感染症の特徴 |
---|---|
主な症状 | 突然の高熱・全身倦怠感・のどの痛み・嘔吐 発疹・いちご舌・リンパの腫れ・手足の皮のむけなど |
原因 | 溶連菌の感染 |
溶連菌感染症 の種類 |
咽頭炎・扁桃炎・しょう紅熱・中耳炎・副鼻腔炎・肺炎・骨髄園・髄膜炎など多数 |
注意すべき 合併症 |
リウマチ熱・急性糸球体腎炎 |
感染経路 | 飛沫感染…せきやくしゃみの飛沫でうつる |
流行しやすいシーズン | 冬…のどの症状が出やすい 春夏…発疹など肌の症状が出やすい |
流行のしやすさ | きょうだい間では25~50%でうつるとされる。 免疫力が下がっていると大人も20%ほどの確率で感染する |
潜伏期間 | 2~5日程度 |
同時感染の可能性 | ある。インフルエンザなどと同時感染することも。 |
診断 | 医療機関での検査ですぐにわかる |
治療法 | 抗生物質が効果を発揮する |
予防法 | ワクチンはない。マスク・手洗い・うがいなど |
入浴の可否 | 発熱・発疹がおさまればお風呂に入ってもOK |
特に家族への感染の有無は気になりますよね。溶連菌感染症は感染しやすく、きょうだい間ではかなりの確率でうつることがわかっています。
潜伏期間は2日から5日程度なので、兄弟・パパママはその間充分体調に注意しておきたいですね。
飛沫感染する病気です。マスクをつけることは効果的な予防法です。かかった子、看病する親、そして兄弟もマスクでしっかり予防しましょう。
サイト内にも子どもの溶連菌感染症の症状やケアに関する詳しい記事が掲載されています。そちらも参考にしてみてくださいね。
【子供に多い溶連菌感染症の症状は発疹や発熱…すぐ対策を!】
http://kosodate-march.jp/wp/yourenkin-kodomo49865/
溶連菌は感染しやすい病気のひとつ!身近なママにも伝えて
溶連菌感染症に感染したことがわかったら、すぐに幼稚園や保育園に伝える必要があることはご紹介しました。
そのほかに、一緒に遊ぶ・習い事をしているなど接触が濃厚な子どもがいればママに「溶連菌感染症にかかった」ことを伝えると親切ですね。
症状が強く重い合併症が起きる可能性がある病気なので、幼稚園や保育園では感染状況をお知らせしてくれるところも少なくありません。
園のサイトや掲示板などをこまめにチェックし、日ごろから流行に敏感になっておくと予防のためにも役立ちます。
溶連菌感染症は早く治療をスタートするほど早く登園できる!
溶連菌感染症は発熱・のどの痛みといった症状がおさまるまで登園できません。
抗生物質が効いてくれば、24時間くらいで症状が改善されてきます。
早く治療ができればそれだけ早く登園できるようになります。お仕事の関係であまり休めないママは、早めの治療と確実な服薬を心がけましょう。
きょうだいやママ・パパにも感染することがあります。マスクや手洗い・うがいなど基本の予防を心がけ、うつされないよう注意してくださいね。
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