孤食や個食の子供への悪影響を防ぐ!簡単で喜ばれる愛情の伝え方
日本では、子どもを育てるために多額の教育費が必要になると言われています。今の生活を維持しながら子どもの将来に備えるために、夫婦共働きで頑張っているパパママも少なくありません。
女性の社会進出が進み、ママが要職に就いていたり、残業や出張があることも珍しくありません。夫婦で分担しても、家事や育児の負担は重いですよね。また、ひとり親家庭も増加し、親の帰りを待たずに夕食を食べる子どももいます。
こうした背景を持つ子どもたちの食生活が、問題視されています。「個食」や「孤食」などが注目を浴びている今、取りざたされている悪影響から子どもを守るために、できることを考えてみましょう。
個食・孤食って何?他にも色々ある「コ食」について
現在の日本の食卓が危機的状況になっている、と聞いたことはありませんか。特に「子どもが個食・孤食になっている」と言われています。それって、本当に悪いことなのでしょうか。
注目されている個食・孤食とは…どんな問題や悪影響があるの?
そもそも、個食・孤食とはなんでしょうか。個食とは家族それぞれがバラバラに好きなものを食べること、孤食とは家族がいない食卓でひとりで食べることです。園や保健センターで、聞いたことがあるママも多いでしょう。
「コ」がつく「コ食」は個食・孤食だけでなく、他にもあります。「固食」や「小食」「粉食」「濃食」なども問題になっているようです。「こしょく」と検索するといろいろ出てくるので、ママは不安になってしまいますよね。
固食は好き嫌いなどがあって固定されたメニューしかたべないこと、小食は少食すぎることです。粉食はパンやピザなどで簡単に食事を済ませ、ご飯とおかずをきちんと食べないことを指しています。
濃食は、味の濃いものばかり食べてしまうことです。ファストフードやスナック菓子など、大人の味覚に合わせたものは、子どもにとって濃食になることも少なくありません。
これらの「コ食」のなかで最も注目されているのは、個食と孤食でしょう。そして、特に改善することが難しく、ママやパパを悩ませるのもこの問題かもしれません。では、どんな悪影響があると言われているのでしょうか。
- 個食
- 家族それぞれが自分の好きな物を食べ、バラバラな内容の食事になるため、栄養がかたよるとされています。偏食が悪化したり、周囲に合わせる協調性が育たないと言われています。
- 孤食
- 食卓にひとりぼっちで食べるため、好きな物ばかり好んで食べて嫌いなものは残したり、マナーやコミュニケーション能力が育たないと言われています。
このような悪影響が指摘されています。でも、個食や孤食にはその家庭の事情があります。すぐに改善しろ、と言われても難しいことが多いですよね。
【個食について】好き嫌いやわがままを助長させないコツ
家族それぞれが違うものを食べる個食は、好き嫌いやわがままを悪化させるとされています。では、どうすれば悪影響を防ぎ、子どもに親の愛情を伝えることができるのでしょうか。
個食は悪いことばかりじゃない!好き嫌いに柔軟に対応しよう
我が家は、ときどき個食です。家族それぞれの好みが全く異なっており、私と二男は肉を食べません。パパだけ家族とは違った一品が夕食につくため、メニューによっては家族全員が違うものを食べることもあります。
そのかわり、「個食」がエスカレートして、「固食」にならないよう、気をつけています。好きなメニューばかりになったり、使う食材が極端にかたよらないようにいろいろな工夫をしています。その工夫をご紹介しましょう。
- 調味料・ソースやタレ・味付けが苦手
- あんかけの代わりにトマトソース、マヨネーズの代わりにフレンチドレッシングやごまだれなどを使う。味付けだけ変えて、料理自体は食べられるように工夫する。
中華あんかけはケチャップではなく黒酢ベースで作ってみたり、甘酢ではなく白湯ベースの味付けにしてみたりと、だんだんステップアップさせていくと、ほとんど変わらない味が食べられるようになることも
- 似たメニューを作る
- 「鶏のトマトソースパスタと鶏のトマト煮込みライス」、「グラタンとドリア」のように、できる限り似たメニューになるように心がけ、全然違うものを食べているという意識にならないようにする
- 苦手な野菜や食材がある
- ハンバーグのような料理に練り込んだり、混ぜ込んだりして食べさせる。また、その子の大好物を作った時に、付け合せとして少し食べさせる
嫌いなもの、苦手なものはまったく食べなくてもいいんだ、と考えるようになることは良くありません。本当に苦手なものは食べやすいようにチャレンジさせ、「つらい我慢はしなくていい、でも少しずつ頑張ろう」という気持ちを育てましょう。
我が家のある日のランチのメニューをご紹介します。
二男は肉を食べないので、具にソーセージを加え、パパと三男は肉焼きそば、二男はソーセージ焼きそばを食べる。ママは肉類を一切食べないので、野菜焼きそばを食べる。
メニューによっては完全に個食になってしまうこともあります。
「子どもの偏食やワガママを許しているダメ親だ」と言われるかもしれません。でも、嫌いなものを無理に食べることは、体や心の成長のために本当に役立つのかな?と思うのです。
嫌いなものを食べるストレスはけっこうつらいものですよね。また、子どもが食事を楽しく食べられないと、時間がかかったりだらしない食べ方になったりして、親のイライラもつのります。
せっかく家族で食卓を囲んでいるのに、イヤイヤ食べる子どもとガミガミ叱る親のせめぎあいでは、団らんになりません。「家族で食事をするのは楽しい!」というイメージも作れなくなってしまいます。
子どものわがままを通すために完全な「個食」になってしまうのではなく、家族のメニューと子どもの栄養バランスを考えた結果、個食を選択することは、別に悪いことではありません。
成長して外食でいろいろな味に触れ、食べられるようになることも少なくありません。誰にでも苦手な風味はあるもの。あまり気にし過ぎず、「この子はこんな味付けがあまり得意ではないんだな」というくらいの意識で見守ってあげましょう。
個食は子どもの個性に寄り添う「愛情表現」と、子どもに伝えよう
手間や時間をかけて食事を用意したり、工夫して大嫌いなものを回避してあげても、子どもにその熱意や愛情が伝わらないとママも悲しいですよね。そこで、こうした工夫はきちんと子供にも伝えましょう。
「給食で頑張っているから、今日は好きな物を作ったよ」「大嫌いってわかっているから、1つだけにしたよ」「みんなはトマト風味だけど、あなただけお醤油味にしてみたよ」…ちょっとした言葉かけだけで、愛情はしっかり伝わりますよ。
特に、給食で苦手なものを食べられた日は、ご褒美メニューにしてあげても良いのではないでしょうか。その際は子どもの前で家族に「苦手な食べ物を頑張って食べた」ことを報告し、しっかり誉めてあげたいですね。
個食にすると、ママの負担が多少増えることもあるでしょう。トマトソースなど、冷凍できるものは小分けで保存するなどして、毎日の負担が重くならないように工夫したいですね。
【孤食について】コミュニケーション不足にならないコツ
個食と並んで、悪影響が心配されているのが「孤食」です。孤食は良くないといわれても、そうならざるを得ない家庭も少なくありませんよね。どうすれば悪影響を防ぐことができるのでしょうか。
孤食になってしまう現代日本の生活事情と、子どもの成長
我が家では、ひとりぼっちではありませんが、孤食です。パパの帰宅が深夜になることもあるため、基本的に夕食は子どもだけで食べるからです。私はパパを待って一緒に食べますが、待ちきれずに子どもが寝た後ひとりで食べてしまうこともあります。
子どもは9時の就寝時間を中心に生活リズムを整えているので、食事の時間は動かすことができません。子どもが産まれて以来ずっと、パパが休みの日以外は、家族が一緒に食卓を囲むことが一切ないのです。
残業を少なくしようという試みはいろいろな企業で行われているようですが、それでも深夜近くにならなければ帰宅できない企業も少なくありません。単身赴任だったり、ひとり親家庭の場合もあるでしょう。
我が家は子どもが多いので完全な孤食ではありませんが、パパもママも帰りが遅い家庭の場合は、子どもが完全にひとりで食べることもあるでしょう。我が家も長男が成長していけば、帰宅時間が遅くなって完全な孤食になるかもしれません。
孤食だと、好きな物ばかり食べるくせがついたり、コミュニケーション不足といった悪影響が出やすいと言われています。また、家族で住む家でひとり食卓につくと、寂しさがつのるものです。
孤食の「コミュニケーション不足」と「食のかたより」を防ぐ方法
子どもひとりで食事を食べなければならないことは確かに寂しいと思いますが、子どもを育てるために働いているパパママを責めても現状は変わりません。そこで、コミュニケーション不足を解消するための工夫をしてみましょう。
- 交換日記
- 古典的な方法ですが、ノートを用意してメッセージを残しましょう。イラストやシールなどで可愛くアレンジしましょう。アナログなので、いつまでもコミュニケーションを思い出に残せます。
- タブレットにメッセージを残す
- 現在はiPadなど、動画を残せるツールがあります。動画なら、何度でも声を再生できますね。
- メールやLINEで「いただきます」「ごちそうさま」
- 子どもも携帯電話を使用しているなら、メールやLINEなどで「いただきます」「めしあがれ」などのやりとりができれば、リアルタイムにつながりを感じられるのではないでしょうか。
「孤食」せざるを得ない家庭でも、子どもを大切に思う気持ちや愛情はいくらでも伝えることができます。特にアナログな交換日記や付箋のやりとりは、長く残して貴重な成長記録にできますよ。
我が家のように子どもたちだけで食べさせる場合、家にママやパパがいるときは、忙しくてもある程度そばに寄り添ってあげる時間を作ってあげたいですね。ずっとついていることは難しくても、「いただきます」に「めしあがれ」は返してあげましょう。
家事や仕事の手を休め、一緒に食べることができなくても食卓についてあげたり、キッチンから見守ってあげましょう。食欲が無かったり、ため息が多いなど、子どもが不調やストレスのサインを出してくれるかもしれません。
「家族ご飯の日」を大切に!様々なコ食の悪影響を予防
個食・孤食を防ぐためのさまざまな工夫は、固食や粉食、濃食などを防ぐことにも役立ちます。子どもが成長してくると、肥満を恐れたり、体型維持にこだわるあまり極端に食べなくなる「小食」になってしまうこともあります。
極端なダイエットを防ぐためにも、幼児期からご飯と野菜の多いおかずというバランスのよい食事に慣れることは効果的です。おかずを冷凍しておくなどの工夫をして、できるだけ「菓子パンだけ」「ファストフードのセット」ではない食事を心がけたいですね。
夕食にどうしても手間や時間を割くことができない場合は、朝食でバランスをとってもよいでしょう。果物やヨーグルト・トマトやきゅうりのように調理が必要ない野菜などを上手に取り入れて、手を抜きながらバランスをとりましょう。
そのかわり、家族で一緒に食べられる「家族ご飯の日」を大切にしましょう。毎日一緒に食べることに、とらわれ過ぎなくても良いと思います。
- 家族みんなが食べられるメニューにする
- 全員がそろって食卓につく
- テレビは消し、スマホ・新聞などを片付ける
- 写真を撮る
全員が一緒に食べられる貴重な時間に嫌いなメニューだと、親も子どももストレスがたまります。普段は栄養バランスを考えて個食になっていても、この日は好きな物を笑顔で食べられるようにしたいですね。
また、この日は食事マナーのおさらい日でもあります。パパママもスマホや新聞、テレビから離れて、きちんと食卓を囲みましょう。親のお手本を見せて、食事のマナーや食事中のコミュニケーションの取り方を学ばせましょう。
子どもは、楽しかった「思い出ご飯」をしっかり記憶するものです。できれば団らんの様子を写真に撮り、折に触れて家族で見ながら思い出を語り合いましょう。団らんしつつ美味しく食べた記憶が、子どもにしっかり焼き付いていきますよ。
放置しなければ悪影響は残らない!「家族ご飯の日」を大切に
個食・孤食も、放置しなければ子どもの心に傷は残りません。また、いろいろなコ食は、個食や孤食を防ぐ工夫の中で、幼児期から少しずつ防いでいくことができます。
大切なことは、子どもとコミュニケーションをとりながら食事を食べさせることです。普段は忙しくてバタバタと食事が終わってしまったり、ずっとそばで見守ってあげられないかもしれません。
だからこそ、家族で一緒に食べる日は、テレビを消し、スマホを片付けて、家族の団らんの時間を大切に過ごしましょう。子どものちょっとした変化も、リラックスしていれば気付きやすくなりますし、子どもも親に話がしやすくなります。
家族で過ごした愛情あふれる「思い出ご飯」が楽しい記憶として残っていけば、「食事って楽しいことなんだ!」「食べるって大切なことなんだ!」という意識を育てることにつながります。
個食も孤食も、放置しなければ子どもの心に傷を残したり、悪影響をおよぼすことはありません。パパもママも育児期は働き盛り。忙しい時期ですよね。でも、育児期はあっという間に過ぎ、子どもが中高生になると団らんの時間はますます取れなくなります。
幼児期の子どもの食事につき合うのは大変ですが「今しかしてあげられないことなんだ」と割り切り、一緒に食べる「家族ご飯」に集中してあげましょう。幼児期にまいた愛情ご飯の種は、子どもの中に「食育」の芽を育ててくれますよ。
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