園選びの参考に!「認定こども園」と保育園と幼稚園の違いと特徴
保育園や幼稚園に加えて、認定こども園がここ5年ぐらいでぐっと増えました。園選びの選択肢の1つとして認定こども園がどんなところなのか気になっている方もいらっしゃると思います。
平成27年4月に新子ども・子育て新制度がスタートし、政府も認定こども園の設置を推奨しています。
認定こども園の最大の特徴として「親の就労の有無に関わらずどんな子でも入園できる」というのを聞いたことがあると思いますが、実際にどんなところなのか、保育園と幼稚園との違いを比較しながらご紹介します。
まずは自分の子供が「何号」になるか、「認定区分」の確認を
子ども・子育て支援制度では、自治体が決める3つの認定区分に応じて施設の利用先が決まります。自分の子供がどの認定区分に入るのか確認しておきましょう。
1号認定:子どもが満3歳以上で教育を希望する場合(幼稚園、認定こども園)
2号認定:子どもが満3歳以上で保育が必要の場合(保育所、認定こども園)
3号認定:子どもが満3歳未満で保育が必要の場合(保育所、認定こども園など)
こうしてみると認定こども園はすべての認定区分を受け入れてくれることになります。実際に1,2,3,号認定すべての子どもたちを受け入れている認定こども園も多くあります。
「認定こども園」と「保育園」と「幼稚園」の1番の違いは目的
子どもを預かることはどこも一緒ですが、それぞれの施設によって仕組みや目的が違います。
保育園の目的は「保育する」こと
保育園または保育所の管轄は厚生労働省です。保育園の根拠法令は「児童福祉法に基づく児童福祉施設」と位置付けられています。
児童福祉法第39条により、「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は乳児を保育すること」と定められており、保育所は子供を「保育する」ことが大きな目的です。
しかし、保育園によっては独自の特色を出そうと、習字や体操教室などのカリキュラムを盛り込んでいる園もあるので、気になる園があるときは実際にどんな取り組みをしているのかチェックしてみて下さい。
利用料は子供の年齢や園によってバラバラですが、認可保育園の場合、月々2~5万円。無認可保育園の場合は月5万円~というところが多いようです。
無認可保育園のほうが保護者の保育料の負担が大きいため、自治体によっては月1万5000円から補助金を出るところもあるので必ずチェックしましょう。
それから、保育園を希望する場合、まず保育が必要かどうか自治体が審査します。例えば、共働き家庭や下の子の妊娠・出産、親の介護などといった理由の場合です。
ちょっと前までは共働き家庭の子どもを保育することが基本でした。しかし、変わりゆく時代の中で、新制度によって保育園を利用できる対象の幅が広がりました。まずはチェックしてみましょう。
『子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK』13-14ページ
(内閣府・文部科学省・厚生労働省 )
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/event/publicity/naruhodo_book_2609.html
また、これに加えて、仕事が理由で保育が必要な場合、フルタイムなのかパートなのか、何時間働いているのかなどによってどのぐらいの保育時間が必要なのかが設定されます。
さらに、母子又は父子家庭なのか、子どもの障害の有無や程度など家庭環境によっては優先的に保育を利用することができます。
しかし、保育園の設置が追いついていないのが現状。それがいわゆる「待機児童」や「保活」の必要性などの問題になっているのもまた事実なのです。
幼稚園は実は学校扱いなので「早期教育」が目的
幼稚園の管轄は文部科学省です。用珍の根拠法令は「学校教育法に基づく学校」という位置づけです。
つまり、義務教育ではありませんが幼稚園は学校という扱いになるので「幼児を教育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること」(学校教育法第22条)により、保育よりも「教育を受ける場」ということになります。
どんな取り組みをしているのかはこれも園によって異なってきますが、幼稚園教育要領に沿ってカリキュラムが組まれています。
幼稚園は基本的にどの家庭の子でも入園できます。国公立の場合だと、小学校や中学校の学区を中心として、地域に根差した幼稚園が多く、”地元の子”が通っていることが多いです。
私立幼稚園に関しては基本的にどの地区の子でもOKとしている場合が多いです。しかし、人気の高い私立幼稚園では希望者が多くて定員オーバーになることもあり、そのときは抽選になることもあるそうです。
幼稚園の場合でも、私立のほうが保護者の保育料の負担額が大きいため、「私立幼稚園就園奨励費補助」(所得制限あり)があります。
希望する園が施設型給付を受けているか否かによって変わってくるので、各自治体のホームページで必ず確認しておきましょう。
「認定こども園」は保育園と幼稚園のイイとこ取り!?
認定こども園の管轄は文部科学省と厚生労働省の2つです。最大の特徴は4時間利用の子でも11時間利用の子でも保育を実施し、さらにどの子でも幼児教育が受けられることです。
「教育と保育の一体化」というふうにも言われます。また、地域に合わせた子育てのサポート的役割も担っています。
地域のサポート的役割としてどのように機能しているかというと、例えば、プールを解放したり、人形劇の鑑賞を行ったり、教室を解放して遊べるスペースを提供するなど様々な取り組みを行っています。
また、親が仕事を理由に子供が保育を受けていたが、何らかの理由で働けなくなったなどの場合、保育園ですと子供は退園となりますが、認定こども園の場合、継続して利用が可能になります。
地域によってニーズが異なることやその他多くの事情から、認定こども園は4つの型に分類されます。
- 幼保連携型:保育園と幼稚園が連携して運営される
- 保育所型:保育を必要とする子どもを保育し、さらに3歳以上の保育を必要としない子どもも保育する施設
- 幼稚園型:3歳以上の保育を必要とする子どもを保育し、さらに3歳以上の保育を必要としない子どもも保育する施設
- 地域裁量型:上記以外の施設(企業や認可外保育所が多数)
既存の保育園・幼稚園が認定こども園に移行するのがほとんどなので、どうしてもこのような4つの型に分類されることになります。
しかし、「認定こども園」ですから、幼稚園型でも預かり保育などの長時間保育を利用できますし、保育所型でも幼稚園のような教育を受けられます。
少しややこしいところですが、どの子でも教育と保育が同時に受けられるという点には変わりありませんので、そこは押さえておきましょう。
利用方法は基本的に各認定こども園と直接契約ですが、保育が必要な子の場合は自治体から保育が必要である旨が通知されるシステムになっています。
利用料も基本的には各認定こども園で決定します。しかし、あまりに高額な保育料が設定されないように自治体が審査します。
保育料は基本的に所得に合わせた「応能負担」
保育園でも幼稚園でも認定こども園でも、保育料は自治体又は園が、国が定めた保育料を上限として、それを参考にして決めます。
そして、新制度に移行した園の場合、保護者の所得に応じた保育料を支払う「応能負担」になります。
生活保護世帯は無料、年収270万円以下は月3000円までなど国が定めた保育料を元に、自治体が各家庭に合わせた保育料を審査・決定・通知を行います。
しかし、園独自で行っている保育や教育のための費用。例えば、習字や体操教室などのカリキュラムで発生する教材費等は別途徴収してもいいとされています。つまり、”追加料金”、”上乗せ料金”です。
上乗せ部分については各園によって金額が大きく異なるので、希望する園は保育料の他にどんな上乗せ料金があるのか事前にリサーチしておきましょう。
どうして今認定こども園が設置させるようになったの?
そもそもどうして認定こども園の設置が進んでいるのかというと色々な背景がありますが、簡単にまとめるとこんな感じです。
- 2000年に幼稚園園児数と保育所入所児童数が逆転
- 男女雇用機会均等法や産休育休の見直しと法整備
- 「三歳児神話説」(3歳までは家庭で保育すべきという考え)の崩壊
- 不況やひとり親家庭などによる家庭事情
さまざまな要因や家庭のニーズに応えていくためには従来の幼稚園や保育園の制度では時代に合っていないということで「認定こども園」の検討を開始しました。
その先駆け的な感じで1997年から幼稚園の「預かり保育」がスタート。通常の4時間保育のあとも子供も預かってくれる制度です。
このような状況を受けて2003年に「就学前の教育と保育を一体として捉えた総合施設の設置」を可能にすることを閣議決定し、2006年に制度が本格的にスタートしました。
そして、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」を2006年6月に施行。ガイドラインを告示し、園が一定の基準を満たし、各都道府県が認定して「認定こども園」が誕生という流れになります。
どんな教育・保育が我が子に合っているかを軸に選びましょう
「認定こども園」と保育園と幼稚園の特徴や違いについて少しでも参考にしていただけたでしょうか?
利便性も大切ですが、子どもが日中多くの時間を過ごす場所なので、少しでも我が子にとって良い所を探したいと思いますよね。
「認定こども園」・保育園・幼稚園とそれぞれ特徴や違いがありますが、実際のところどんな教育か保育か、かかる費用やPTA活動の負担の具合などは結局のところそれぞれの園によって方針が異なります。
仕組みを知ることは大切なことですが、園選びの際は子どもに合っていそうな所、自分が利用しやすそうな所をいくつか比較してから選ぶようにしましょう。
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