産後に働きたい主婦の味方!求職者支援制度を賢く利用するコツ

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2017/05/02

妊娠・出産で第一線を退いたけれど、子育てが落ち着いてきたら「もう一度社会に出て仕事をしたい」と考えているママは多いと思います。

しかし実際に就職活動を始めると、出産・育児のために社会から離れていた時間が長いため、自分のスキルが今でも通用するのかということを不安に感じてしまいます。

ブランクが心配で躊躇している子育てママたちにおすすめなのが、厚生労働省が行っている「求職者支援制度」です。

求職者支援制度は、早期就職を実現させるために、国が職業訓練を応援してくれる制度です。上手に利用するコツと、実際に訓練を受けるときのポイントを紹介します。

子育てママに求職者支援制度をおすすめする理由

すぐにでも仕事に就きたいと考えているママは、訓練は時間の無駄と考えるかもしれません。しかし、子育てママにこの制度をおすすめするには理由があります。

子育てママの多くは雇用保険の受給者ではないケースが多く、仕事への熱意もあることから、特定求職者の要件を満たしやすい状態にあります。

就職活動中にも空き時間は必ずできます。せっかくなら、その時間を使って技術を習得してしまいましょう!その他にも以下のようなおすすめポイントがあります。

必要な知識が無料で学べる
新しい知識を得るための費用がかからないのは何よりも魅力です。講師は現役の方が多いので、その業界の「今」の情報を得ることができます。
保育園に通わせる準備ができる
いきなりの長時間を保育では、子供に大きな負担がかかります。まずは訓練時間の5~6時間だけ保育園に預け、徐々に慣らしていくことができます。
一日の時間の流れを予習できる
毎日同じ時間に起き、お弁当を作り、子供を保育園に連れて行き・・・というような、実際に仕事を始めたときの時間の使い方を練習することができます。
家事の協力を得やすい
訓練に通いながら共働きを疑似体験することで、何を手伝ってもらうと効率が良くなるかを見極めることができ、家事の分担をお願いしやすくなります。
自分自身の現状を確認できる
残念ながら、妊娠・出産で様々な能力が減少しています。訓練に通うことで現在の自分を知り、体力・集中力・会話力・ビジネスの勘などを取り戻すことができます。
いろいろな人に就職相談ができる
ハローワークの担当者はもちろんのこと、訓練施設の講師や職員さんに話を聞くこともできるため視野が広がり、様々な角度からアプローチできます。
訓練施設からも就職情報を得ることができる
施設内の掲示板などには、訓練施設が独自に開拓した求人情報も公開されているため、より多くの情報を得ることができ、早期就職につながります。

ただしこの制度は早期就職を支援するための制度ですので、ハローワークが認めた場合を除いては、連続して受講することはできません。

一度受講すると次の受講まで1年以上空けなければなりません。受講コースを決める時は、よく考えてから決定するようにして下さい。

世帯収入によっては職業訓練受講給付金を受給できる可能性も

子育てママに求職者支援訓練をおすすめする理由の一つに、「職業訓練受講給付金の支給」を受けられる可能性があることがあります。

これは訓練を受けている期間中、毎月10万円の給付金と交通費を受け取ることができるというものですが、残念ながら希望者全員が受給できるものではありません。

支給してもらうための条件はとても厳しく、生活を一にしている世帯全員の収入や財産を、事細かに審査されます。

収入の中には、税引き前の給与・児童手当・年金・仕送りなどの全般が含まれます。そのため世帯人数が多いほど、収入面での条件に当てはまりにくいのです。

しかし「夫の給料が大幅に下がった」「両親との同居を解消した」など、直近の間で急激に収入が減った場合などは、給付金の対象要件を満たす可能性があります。

審査とは言え、家庭内の事情を他人に話すことは抵抗があります。しかし、生活を成り立たせるために利用できる可能性があるのなら、相談してみる価値はあります。

育児ママが訓練コースを選ぶときのコツ

求職者支援制度は、ハローワークが中心となって就職支援をしてくれる制度です。そのため、制度を利用するための手続きはハローワークで行います。

訓練コースは、ハローワークに置いてあるパンフレットの他に、高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページからも検索することができます。

まずは希望する訓練の内容を探していきます。同じような訓練がいくつかある場合は、訓練期間・訓練時間・訓練実施場所・自己負担額などを比較します。

毎日通うことが可能であれば、お住まいの都道府県以外でも選択可能です。千葉県在住であっても、東京都の訓練を受けることができるということです。

子育てママにとって、毎日同じ時間に通うことは思った以上に大変です。実際の交通手段をシミュレーションし、時間と場所をよく比較することがコツです。

施設によっては、訓練している様子を見学することもできます。授業風景を実際に見ることができるので、コースを選ぶ参考になります。なお、強制ではありません。

訓練の申し込みから受講開始までの流れ

訓練の受講を決めてから実際に訓練が始まるまで、何度かハローワークに出向く必要があります。以下は申し込みの流れです。

受講の申し込み
ハローワークの窓口で申し込みをします。その場でハローワークの受付印が押印した受講申込書が渡されますので、ご自身で訓練実施機関に提出します。

郵送するケース、事前に持ち込むケース、選考試験の時に持参するケースなど、訓練実施機関によって様々違います。

職業訓練受講給付金の給付を希望する場合は、このときに事前審査の申請を行いますので、必要書類を用意しておきます。

選考試験を受ける
訓練実施機関から選考試験の連絡があります。面接のみの場合、筆記試験と面接の両方を行う場合などがあります。

面接は5~10分程度です。このコースを選んだ理由や、休まず真面目に受講できるか、訓練中の就職活動はどうするのか、などを聞かれることが多いようです。

面接時の服装に決まりはありませんので、スーツでなくとも大丈夫です。ただし、あまりにもラフな格好・露出の多い格好は避けて下さい。

支援指示を受ける
訓練実施機関からの合否通知は郵送で自宅に届きます。合格の場合は通知を持ってハローワークへ行き、「就職支援計画書」の交付を受けます。

職業訓練受講給付金の事前審査の結果についても、ハローワークから通知があります。該当となった場合は必要書類を受取り、申請のための説明を受けます。

就職支援計画書の交付を受けることを「支援指示」と言います。支援指示を受けなければ訓練の受講も・職業訓練受講給付金の受給もできません。

支援訓練の開始
訓練実施機関から指示された日から訓練が開始します。訓練中および訓練後3ヶ月間は月に一度ハローワークに行き、職業相談を受けなければなりません。

毎月ハローワークに通うことを負担に感じるかもしれません。しかし訓練受講者に対して、職員さんは親身になって応対してくれます。

職員さんとの雑談も程よい気晴らしになりますよ!職員さんを味方につけることも、早期就職を実現させるために大切なことです。

ママにとって厳しい条件も上手に利用!仕事復帰への第一歩

子育てママが求職者支援訓練を利用する時に最も注意が必要なのは、訓練への出欠確認がとても厳しく行われるということです。

訓練は基本的に全日程の出席を求められます。そして、出席日数が訓練実施日数の8割を満たさなくなった場合は、その時点で退校処分になることがあります。

ママになってから、「子どもがいるから仕方ない」と子供を言い訳の道具にしていませんか?仕事をするために社会に出たなら、それは通用しません!

働き始めたときにも、出勤・欠勤の事情には悩まされることが多くなります。訓練期間を利用して、甘やかせていた自分の精神を引き締めましょう。

遅刻・欠席・早退がNGなのは訓練も仕事も同じ

訓練を欠席するやむを得ない理由・訓練実施日から除外できる欠席理由について、ハローワークでは細かく定められており、自己判断は許されません。

やむを得ない理由で欠席する場合は、その都度、訓練施設とハローワークの両方に連絡し、必ず証明書などを提出します。以下はやむを得ない欠席理由の例です。

  • 本人の病気または負傷のため
  • 家族の傷病についての看護
  • 列車遅延・交通事故その他天災
  • 暴風雨など災害発生の恐れがある場合
  • 親族の葬儀
  • インフルエンザなどの感染症に感染した場合   など

この通り、働き始めてからの遅刻・欠勤理由とほぼ変わりません。ただし訓練の場合は、口頭説明のほかに証明書を提出する必要がある、という点が違います。

子供がいると、どうしても休まなければならない日は出てきます。訓練での報告の仕方を覚えておくと、正しく簡潔に欠席理由を説明できるようになります。

保育園の利用はママだって不安!訓練は慣れるための準備期間

仕事を始めるという自分の都合で子供を保育園に預けることについて、罪悪感を感じてしまうママは多いようです。

いつかは手を離れていってしまうのですから、「それが少し早いだけ」と前向きに考え、準備を進めていきましょう。

仕事を始めてしまうと保育園を探すのも苦労します。訓練期間中に複数の保育園の一時保育を利用し、お子さんに合う園を探したというママもいました。

また、今後本格的に仕事をする時のことも考え、「病児保育」についても調べておくことをお勧めします。

お住いの地域の市役所や保健センターで、病児保育を実施している施設を紹介してくれます。わからない時は、全国病児保育協議会のホームページからも検索できます。

訓練によっては託児可能な講座もありますし、訓練施設の近くに保育園がある場合もあります。ご自身の希望に合わせて探してみて下さい。

国の支援で職業訓練!求職者支援制度について詳しく知ってから!

内閣府男女共同参画局によると、出産前に就業していた女性の約6割が出産後に離職しているそうです。

仕事内容や勤務地などの事情から、出産後に同じ企業へ復職できるケースはとても少なく、他の企業への転職やパートなどの非正規に切り替える方がほとんどのようです。

就職活動にハローワークを利用するママは多いと思いますが、「求職者支援制度」という黄色いパンフレットを見たり、職員さんから紹介されたことはありませんか?

求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者などを対象に、ハローワークを介して就職訓練を実施することで早期就職を支援する制度です。

地域の特性やニーズなどから決定した「就職に役立つ訓練」を、厚生労働大臣が認定した民間の機関が実施してくれる制度で、以下の特徴があります。

  • 「求職者支援訓練」または「公共職業訓練」を、原則無料で受講することができる( ただしテキスト代などは自己負担)。
  • 訓練期間中も訓練修了後も、ハローワークが積極的に就職支援を行ってくれる。
  • 一定要件を満たせば、訓練期間中「職業訓練受講給付金」が支給される。

なお、「公共職業訓練」は雇用保険(失業保険)の受給者が対象、「求職者支援訓練」は雇用保険未加入者や雇用保険の支給が終了した方が対象という違いがあります。

求職者支援訓練は期間が2ヶ月~6ヶ月の講座が多く、ほぼ毎月のように様々な講習の募集がかけられています。なお、訓練には2つのコースがあります。

基礎コース
社会人としての基礎的な能力や、短時間で習得できる技能等を習得するためのコースです。「基本」「はじめて」「初心者」などの名前がつけられていることが多いです。

パソコンの基礎やビジネスマナーの基本を学ぶコースが多いため、事務職未経験の方・会社勤めをしたことがない方におすすめです。

実践コース
就職を希望している職種について、職務をよりスムーズに行うために必要とされる、実践的な技能や知識を習得するためのコースです。

Webデザインなどパソコンを使うコースのほかに、ネイルなどの美容系・介護やフードビジネスなど、様々なコースがあります。

自分の実力が一般社会で通用するか不安な方・今よりも一歩踏み込んだスキルを身に付けたい方・資格取得を目指す方におすすめです。

なお、訓練は希望者全員が受けられるわけではありません。実施機関による筆記試験や面接などの選考があります。

また、募集人数に対して申込人数が極端に少ないときには、その訓練は開講されないことがあります。

子育てママは支援の対象になりやすい!特定求職者の要件

求職者支援制度は誰でも利用できるわけではありません。支援の対象となる人を特定求職者と呼びますが、以下の4つの要件に全て当てはまる必要があります。

1.ハローワークに求職の申込みをしていること
ハローワークで求職申し込みをしていることが大前提です。ハローワークインターネットサービスで求人情報を検索しているだけでは対象になりません。
2.雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
雇用保険に加入できなかった方・雇用保険を受給中に再就職できないまま支給が終了した方など、雇用保険を受けられない方が対象です。
3.労働の意思と能力があること
今すぐにでも仕事をしたい・いつでも仕事ができる状態にある、ということが必要です。ケガや病気ですぐには就業できないような場合は、対象になりません。
4.職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
自営業を廃業した方・就職が決まらないまま学校を卒業した方など、ハローワークが認めた場合は対象者になります。

たとえ在職中であっても、週20時間未満の勤務の方は雇用保険が受けられないため、この制度の対象になります。

なお、パートやアルバイトのみを希望される方、老齢年金の受給者の方などは、原則として該当しません。

要件に当てはまるなら検討する価値あり!賢く利用を

平成28年現在、子連れで利用できるマザーズハローワークは全国に21カ所・マザーズコーナーは168カ所あります。

せっかくハローワークに行くのでしたら、置いてあるパンフレットや壁に貼ってあるポスターをよく見てみて下さい。選択肢が広がるかもしれません。

そして求職者支援制度について、少しでも興味のある訓練を見つけたら、まずは職員さんに聞いてみることをお勧めします。

求人情報を見るためだけにハローワークに通うのはもったいないです!その他にも、自分に合う制度があるかもしれませんので、上手に利用してみて下さい。

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