13トリソミーの症状。重い先天性疾患の原因と予後

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2017/08/24

13トリソミーの子供に愛情を注いでいるママ

13トリソミーは、出産前に調べることができる赤ちゃんの染色体異常の一つです。出生率も低く、大変重篤な状態で生まれてくる可能性のある先天性の遺伝子疾患になります。

13トリソミーの赤ちゃんは、生まれてくること自体が奇跡的だと言われるほどです。

実際に生まれてきた場合、どのような症状を患い、その症状に対して、どのような治療をすることができるのでしょうか?

症状やその原因・予後について紹介します、

13トリソミーとは?5000人から12000人に一人の割合で発症

13トリソミーとは、別名パトウ症候群ともよばれており、13番目の染色体に異常がみられる先天性の遺伝子疾患になります。

そもそも遺伝情報をもつ染色体は、46本あります。通常XXなど、2本の染色体が対になっていますが、13トリソミーの場合は、13番目の染色体が1本多く3本になっている状態になります。

それにより、身体的に様々な症状を引き起こします。

13トリソミーは染色体異常の中でも重篤な症状を伴うことが多く、ほとんどの赤ちゃんが生まれてくる前に、流産という運命をたどってしまいます。

しかし、中には無事生まれてきてくれる赤ちゃんもいます。

小児慢性特定疾病情報センターによると、5000人~12000人に一人に発症する確率があるようです。

超音波で気が付くことも

13トリソミーの確たる原因はまだわかっていません。

ただ、ママの年齢が高くなるにつれ、発症するケースが高くなると考えられています。

ママの中には、13トリソミーの赤ちゃんを妊娠してしまうことで、ご自身を責めてしまう方もいるようですが、決してママの責任ではありませんし、誰の責任でもありません。

予め防ぐことができない疾患なのです。

13トリソミーは、生まれる前から超音波検査や母体血清スクリーニング検査で異常を発見できる可能性を持っている疾患でもあります。

確定的な検査は、染色体の検査を行わなくてはわかりませんが、予め知ることで妊娠中の生活を考えたり、生まれてからの対応を予め考えておくことも可能です。

流産の危険性の無い、新型出生前診断

確定的な検査となる、「羊水検査」や「絨毛検査」では、赤ちゃんの流産のリスクを伴いますが、近年では、流産の危険性のない「新型出生前診断」という検査ができるようになりました。

この検査は、ママから採取した血液から13トリソミーかどうか?を調べることができます。

従来の検査のように、羊水を採取したり、絨毛を採取するなど赤ちゃんに危害が加わる事が無いので、安心して受ける事ができる検査です。

出生前検査の技術は確実に進歩しています。

検査を受ける事で心の準備や命を迎える時間ができますが、結果によっては逆にママが不安になり、結果を受け止めきれなくなる危険性もあります。しっかりと夫婦で話し合いをしてから検査を受けるようにしましょう。

出生前検査についてはこちらに詳しく載っています。

13トリソミーの症状は、赤ちゃんの体にも現れる。

13トリソミーの症状は見た目ではっきりとわかるような症状が体に現れます。

唇が裂けてしまっていたり、耳の位置がずれてしまったり。耳の形が奇形となっている場合もあります。また重度の難聴を患いケースもあります。

中には、頭蓋骨の一部分が欠損していたり、小頭症を患う事もあり、知的障害を伴います。

その症状は多岐にわたり、呼吸発作を伴うこともありますので、医療器具を外すことができないという赤ちゃんもいます。

現れる症状は、赤ちゃんによって様々です。ですから、赤ちゃんの様子に合わせた生活や治療をすることになります。

口・耳・眼に現れる症状

顔に現れる症状として、生まれながらにして上唇が分かれてしまっていたり、耳が奇形になる場合もあります。

また、耳の位置が下がっていたり、眼も小さく光彩が欠けているという赤ちゃんもいます。

症状

  • 口唇口蓋裂
  • 高口蓋
  • 耳介形態異常
  • 耳介低位
  • 小眼球症
  • 虹彩コロボーマ
  • 網膜異形成

頭蓋骨や脳に見られる症状

頭の頭蓋骨事態に症状がみられることもあります。生まれつき頭が小さいケースや、頭蓋骨が一部欠けている状態で生まれてくる赤ちゃんもいます。

また、頭皮の一部が欠損してしまっている場合もあります。脳にも障害を持っている場合があり、脳症や、全前脳胞症・水頭症を患っている場合もあります。

症状

  • 小頭症
  • 頭皮欠損
  • 頭蓋骨部分欠損
  • 脳症
  • 全前脳胞症
  • 水頭症

内臓に見られる症状

13トリソミーの赤ちゃんが患う疾患として、心臓疾患はよく見受けられます。特に重度の先天性心血管異常を合併することが多く、中でも右胸心が多くみられます。

右胸心とは、正常とは反対の位置。つまり右側に心臓がある事を言います。

生殖器などにもみられることがあり、ソケイヘルニアなどを患う事もあります。

症状

  • ソケイヘルニア
  • 心室中隔欠損症
  • 小陰茎
  • 停留精巣

手や足に見られる症状

手や足の指の数が多かったり、手足の関節が曲がってしまっていたりする場合も。足や手に症状が現れるケースもよくあります。

症状

  • 単一手掌線
  • 第5指単一屈曲線
  • 手指の屈曲拘縮・重なり
  • 軸後性多指趾症
  • 踵の突出
  • 幅の狭い凸型の爪

生殖器に現れる症状

赤ちゃんの中には、停留精巣、陰嚢異常の症状を持っている子供もいます。

一般的には、胎児のときはお腹の中に精巣があります。お腹の中にあった精巣は、出産ごろまでに下降してくるのが、通常の成長です。

ところが、停留精巣、陰嚢異常これらの症状を持っている場合、何らかの理由により下降しきらない。という症状が見られます。

合併症の危険性

症状が多岐にわたっているため、合併症を患う可能性も高く、こちらも多岐にわたっています。

重度の成長遅れや発達の遅れが見られたり、循環器の合併症による先天性の心疾患を患っているケースも少なくありません。

他にも呼吸器系の合併症・消化器系の合併症・尿路生殖器の合併症・内分泌の合併症・血液学的異常などが見られることもあります。

赤ちゃんによって異なりますが、治療も大変難しく、医師と相談しながら進めていくことになります。

治療方法は無く、改善治療は難しい

残念ながら、今の医学では改善が見込めないのが現状です。

ですから、症状に合わせて身体を傷つけないような対症療法でサポートすることになります。

治療の方針は、病院によって異なる場合があります。

「赤ちゃんの様子に合わせて積極的に治療をする。」という病院もあれば、「基本的に延命治療は行わない。」という病院もあります。

これは難しい問題で、病院や医師の考え方。症状の違いによって治療方針が変わってしまう。という事があるのです。

「赤ちゃんをとにかく守ろう!」という考えであれば、どんな治療でも行いますが、医師の中には治療にはそれなりの苦痛が伴い、その治療によって母親から赤ちゃんを離してしまう可能性もでてきます。

また、治ったとしても新たに両親に負担をかけることになる可能性もあるため、積極的な治療を行わない。という病院もあるようです。

在宅治療を行うことも

赤ちゃんの様子によっては、赤ちゃんと自宅で生活しながら様子を見る場合もあります。

その際は、地域の医師に主治医となっていただき様子を見る事となります。

両親が自宅で見ることとなりますので、胃管が抜ければご自身で入れなくてはなりませんし、呼吸が止まれば酸素バックを押す。という事もしなくてはなりません。

調子が悪い場合は、すぐに大きな病院へ連れていくという事になります。

在宅医療は両親にとっては大変なこともありますが、生まれた赤ちゃんが一生を病院で過ごすのではなく、自宅で家族として過ごしてくれることに、喜びを感じる方もいらっしゃいます。

もちろん、心臓や脳に疾患を持っていて体調が悪い場合は、在宅医療が難しいケースもあります。

また外の世界に出ることになるので、親の意向によっては、口蓋口唇裂・多指の手術を行う場合があります。

症状が重く、長く生きることが難しい

13トリソミーのほとんどが、お腹の中にいる間に流産してしまいます。生まれてきたとしても、治療が難しく1年以内に90%の赤ちゃんが、亡くなってしまいます

平均寿命も、わずか3~4か月と短いのが特徴です。

短命ではありますが、医師やご両親の愛情に囲まれ、平均寿命をはるかに上回る年月を生きる事ができた方もいます。

長い方では、国内では19歳まで。また、アメリカにおいては、30歳まで生きることができた方もいます、

多様性の症状を持ち合わせている13トリソミーの赤ちゃんです。その症状によって、治療方針もかわりますし、寿命も変わってきます。

ママの心のケアも大切。周りのサポートに頼って!

13トリソミーの子供が育つには、ママやパパのサポートが必要不可欠です。

いつ起こるかもしれない異変に対し、常に気を配る必要があります。赤ちゃんの症状や様子によっては、精神的にも体力的にもとても大変なことだと思います。

赤ちゃんのケアとともに、パパやママの心のケアもとても大切になってきます。

特にママ。ママは常に赤ちゃんに寄り添い、命と向き合っている状態になります。そのため、気持ちが落ち込んだり…前向きになったり…時には赤ちゃんが心配で心配で頑張りすぎてしまう事があるかもしれません。

赤ちゃんにとって、ママの存在はとても大きな太陽のような存在です。ですから、一人で頑張って倒れてしまっては大変です。

ママやパパの笑顔が赤ちゃんの笑顔にもつながります。不安な時は、医師や看護師のサポートをかりて赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。

みんなのコメント
  • Mちゃん母さんさん

    もうすぐ3歳になる13トリソミーの女の子の母親です。
    Mちゃんは10ヶ月を迎える頃に気管切開をし、呼吸器をつけました。
    在宅での生活は不安と緊張の連続でしたが、なんとかここまでやってこれたという感じです。Mちゃんを産んでしばらくは、何故私がこんな目にあわないといけないのか?と何もかも受け入れられなかったのですが、今は、Mちゃんの可愛い笑顔に癒されています。短命とわかっているので、1つでも多く笑顔が増えればいいなと日々思っています。

  • ひめたんママさん

    この前5か月を迎えたひめたんのママです。
    出産してから13トリソミーであることを知り、しばらくは現実を受け入れることができませんでした。
    私のせいで…と自分を責め毎日悪い考えばかりが浮かび、この子が今後つらい人生を歩むならいっそ一緒に…と死を考えたことも何度もありました。
    まだ入院中ですが、2か月の時に気管切開をしたのが彼女には合っていたらしく、容体もだいぶ安定して今では元気に手足を動かして暴れてます(笑)
    いまだに私自身の気分の上がり下がりはありますが、目は見えないし耳も聞こえないだろうと言われているのに面会に行くと私がいるほうを見るひめたんが可愛くて毎日元気をもらってます。
    大変なこともいろいろありますが、これからもひめたんと一緒にたくさんの思い出を作っていきたいと思います。

    • 無記名さんさん

      はじめまして。Mちゃん母さんです。コメントを読ませてもらって涙が出ました。お気持ちお察しします。短命と言われる13トリソミーですが、よく考えてみると子供より親の方が長生きする保証はないので、私は最近は子供の寿命のことは考えなくなりました。それより、今一緒にいることを、何というか…、大事にしたいですよね!一生懸命産まれてきはったんだと思います。それと、ひめたんは目も見えるし音も聞こえてると思いますよ!私はそう信じています。一緒に子育て楽しみましょ〜!

  • ドナちゃんママさん

    長女は前全脳胞症でした。妊娠18週で分かりました。生まれない確率の方が高いから流産の兆候に気を付けて、と言われたのに39週までおなかの中で頑張り、帝王切開で生まれました。生後3か月で呼吸器も外れ、可愛い声も聞かせてくれました。5か月ごろからはあやすと笑いました。意識はない、呼吸しているだけという予測を大きく裏切りました。経管栄養でしたが母乳を浸した綿棒を吸うのが大好きで、泣いてねだりました。
    7か月の命でしたが私たちにとって大きな意義のある命でした。体重が増えた、笑った、ウンチした、おなかすかせてる、抱っこすると寝るね・・・ほかの多くの赤ちゃんと何ら変わらない幸せな7か月間に恵まれました。
    つらい時期もありましたが、10年たって、あの7か月間がいとおしい。それは子育てする皆さんに共通のことではないかと思います。どのママもみんな幸せになってね。

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