いい子症候群とはどんな子ども達のこと?症例と親にできる対策
「いい子症候群」と言われる症状を見せる子供が増えていて、教育関係者の間で問題視され始めています。
どのような子をいい子症候群というのでしょうか。いい子症候群になりやすいのはどんな子どもか、対策はどうすればいいのか見てきましょう。
この記事の目次
いい子症候群とは「いい子」を演じている子供
一般的にいい子とは、親の言うことをなんでも聞く、反抗しない、おとなしい、そのため子育てに手がかからない子を指して言いますね。
親としてはとても有り難い事で、自分の子をいい子にしようと思って子育てしているママは多いことでしょう。
しかし、ここでいういい子とは、親とのコミュニケーションの結果自然に素直さ、前向きさの備わった子の事なのです。「いい子症候群」とは違います。
いい子ではなく、親の顔色をうかがっている子
「いい子症候群」の子がいい子に見えるのは、いい子に見えるように親の顔色を常にうかがって、期待に応えられるように演技をしているからです。
こんな子は心に問題が無いとは言えません。いい子症候群の子どもの特徴です。
- 親の愛情を求めたがっている
- 親の愛を得たいという欲求が過剰である
- 親の言う習い事や勉強はなんでもする
親の身としては子供に愛情を注いでいる、認めていると思っていても、それはいい子を演じているからこその結果かもしれないのです。
いい子症候群におちいると様々な心のトラブルが起きる
いい子症候群だと考えられる子供の心の特徴の例です。
- 親の指示を待っていて、自発性がない
- 何事も自信を持てない
- 失敗すると立ち直れない
- 常にびくびくしている
- コミュニケーションが苦手
- 感情表現が乏しい
もし、自分のお子さんがいい子に育ったと思って安心しているママがいたら、改めてお子さんにこんな特徴が無いかどうか見直してみてください。
特に、失敗や挫折に弱いというのが最も警戒すべきものです。いい子症候群の子どもは常に親の言うことを聞いてきたので、いざという時に自分で考えることができないのです。
心の発達に必要な反抗期がない
10歳~17歳ごろに見られる第2反抗期で子育てに苦労する親御さんはとても多いと思います。何を言っても反抗して、ちっとも言うことを聞いてくれない。
ひどい場合は家庭内暴力に発展してしまうことも有り、子育ての一番つらい時期でもあります。ここを乗り越えるために疲労困憊してしまいます。
でも、この「反抗」とは「自己主張」なのです。反抗期が起こる時期は、子どもが自我、自分自身とは何かに目覚め始める大切な時期です。
自我に目覚めて自分の意思というものが出来て来るので、それと衝突する両親に反発するようになるのです。これは精神の成長の大切な一段階です。
そのため親と衝突することはありませんが、心の中では自我が育っていない、意思の目覚めが無いなどの問題が埋もれているのです。
いい子症候群がもたらす「新型うつ」
いい子症候群になった子どもは、後の成長過程で新型うつを発症する例が多いとされています。新型うつは青少年に増えてきた新しいうつ病の事です。
- 新型うつ
- 否定形型うつとも呼ばれる新しい形のうつ病。従来のうつ病の様に中高年ではなく若者に多いことが特徴。
問題があるとそれを人のせいにして自分は逃げたがる、仕事や勉強など自分の嫌なことをするときに症状が出て、好きなことすると治るなどの症状がある。
新入社員や新入生に見られやすく、周囲との摩擦を起こしやすいのが問題視されている。現代病と言える。
いい子症候群の子ども達は、「自分は今まで親の言うことを聞いて失敗をしなかった」というプライドがあります。
勉強もスポーツも、親が口を出すままに従ってきたので、本当は自分の力で乗り越えた訳ではないのに、それが自分の実力だと過信してしまっているのです。
自主性が無く、失敗に弱いので、それを乗り越える力に乏しく、トラブルを人のせいにして自分は悪くないと頑なになってしまうのです。
いい子症候群の親の特徴
子どもがいい子症候群になってしまうのは、幼少期からの親子の接し方が問題だと考えられています。
次の様な特徴が当てはまるママやパパは要注意です
- イライラしやすく感情的になりやすい
- 子どもには規律を守ることを強要する
- 子どものせいで自分が犠牲になっていると感じる
- 子どもに手を上げる
- 子どものことは叱らない
- 子どもが興味を持っていることに、興味を持てない
こうした特徴は、すべて親子の円滑なコミュニケーションを阻害する物です。子どもに興味を持てない、自分を優先したい、と思っていると、子供からのメッセージを見落とします。
そのことが、子どもへの愛情不足になってしまい、子供が過剰に親の愛を求める原因となってしまうのです。
いい子症候群になってしまった子どもへの対策方法
自分の子どもがいい子症候群になった、と思ったら、すぐに対応しましょう。まずは親が今までの自分の態度を改めることから始めます。
子どもが言うことを聞いてくれるから安心していた、その心を改善しましょう。そのための具体的な方法を紹介します。
子どもが自分から意見を言えるよう促す
いい子症候群の子どもの特徴に、意思が弱く、自分の意見が言えないというものがあります。今までずっと親の意見の影に隠れていたからです。
先ずはここから直していきましょう。そのために、子どもが自分で意思なり意図なりを表現できる習慣を作っていくことが大切です。
- 会話を増やす
- 子どもの友達や趣味について興味を持つ
- 自分は意見を控える
- 自分がしたいことを選ばせる
最初はなかなかうまくいきません。でも、「あなたの思っていることが知りたい」という姿勢を貫きましょう。子どもにとっては、それが親に認められることになるからです。
子どもの人格を認める
いい子症候群になる子の親の中には、子どもを自分の所有物のように考えて、そのためになんでも口出しをしてしまう場合もあります。
そのため子どもは言うことを聞かないと愛してもらえないと思い、親に従順な「いい子」になってしまうのです。
子どもには独自の個性と人格が備わっています。このことを、親は案外見落としがちなのです。小さなころから自分が育ててきた自負があるので、つい自分が手をかけないとと思うのです。
親の過干渉は、この「生きる力」を阻害する物です。子どもの人格を認め、生きる力を伸ばしてやることが、いい子症候群の対応策となります。
親が変われば子どもも変化して行きます
いい子症候群とは、心のトラブルの1つです。小さい頃からなんでも言うことを聞いてれると言ってそれを放置していると、成人後に問題を起こすことになります。
特に心配されるのが新型うつです。この症状に陥った人は社会にうまく溶け込んでいくことができず、ニートや引きこもりになってしまうと懸念されています。
早くに対応出来れば、子どもも少しずつ変化します。本当の意味でのいい子になってくれるよう、先ずは子どもとの向き合い方を変えていってください。
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