子供に名前につかう「漢字」は意味や組み合わせに気をつけて選ぼう!

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2018/06/07

赤ちゃんの名前の漢字を色々と調べているママ

子供の名前には「こんな子に育ってほしい」という願いや「周りの人にこんな風に呼ばれて愛されてほしい」という思いが込められています。

名付けの際には、漢字や言葉の持つ意味を確認しながら選んでいくのが一般的です。しかし、中には呼び方にこだわるあまり”音の響き”だけで漢字を選んでしまう人がいるのも事実です。
  • ”音”だけで選んだ漢字に、実は残念な意味があるとしたら?
  • 良さそうなイメージの漢字を並べたのに、実は全然意味の違う単語だったとしたら?

将来子供に悲しい思いをさせないために、名付けの漢字で気をつけるべきポイントをおさえておきましょう。

名前に使える漢字は決まっている

日本には約18万字の漢字があります。そのうち名前に使えるのは2999字(2017年9月25日現在)と戸籍法で定められています。

日常的に使われていて皆さんになじみのある漢字でも、意外と人名として使えない漢字がありますので注意しましょう。

たとえば植物の『薔薇』は、薔も薇も名前として使うことができません。

タレントの中川翔子さんのご両親は、彼女が生まれた時に本当は「薔子(しょうこ)」と届け出たかったそうですが、常用漢字・人名漢字いずれにも当てはまらないため受理されなかったそうです。

子供の名前に使える漢字は、法務省のホームページより調べることができます。
参照:法務省 子の名に使える漢字

名前に使わない方がいい漢字

人名として使える漢字であっても、漢字そのものが持つ意味が人名にふさわしくない場合があります。

以下にあげるのはいずれも法務省の定める常用・人名漢字に含まれている文字です。

命の終わりに関する漢字

【逝・故】
「逝」という漢字は一般的に「逝去(せいきょ)」「夭逝(ようせい)」といった単語で使われ「人が死ぬ」という意味があります。「故」という漢字には「死ぬ」「死んだ」という意味を含みます。
【葬・弔】
「葬」は「くさのなかに死者をほうむる」ことを表した漢字で、ほうむる・死体をおさめるという意味があります。「弔」は「とむらい」とも読み、人の死を悲しみいたむ意味を持っています。
【冥】
「冥土(めいど)」「冥福(めいふく)」という言葉でも知られる通り、あの世・死者の行く世界という意味があります。その他、くらい・光がない・おろかという意味もあり、総じて人名にふさわしい字とは言えません。

悪や不吉さにまつわる漢字

【鬼・魔・霊】
いずれも悪や恐怖をもたらすとされる架空の存在です。象徴的であり広く知れ渡っているため、文字だけで恐ろしい・不吉といった印象を持たれます。
【悪・邪】
「悪」はわるいという意味のほかにも、正しくない、みにくい、ひどい、にくむという意味を持っています。「邪」は「よこしま」と読み、心がねじれている、人に害を及ぼすものという意味を持ちます。
【災・凶・呪】
「凶」「災」はいずれもわざわい、よくないできごとを意味します。「呪」は悪魔や災難を追い払うおまじないの意味もありますが、一般的にはのろい、のろうことを表します。

劣等や弱さを連想させる漢字

【劣・弱】
「劣」はおとる、力や技量がおよばない、質が悪いという意味を持ちます。また「弱」と同様によわいという意味も持っています。
【虚】
「虚」は「うつろ」と読み、むなしい、中身がない、うわべだけの、よわよわしいという意味を持ちます。

その他、避けたほうがいい漢字

ネガティブな感情にまつわる漢字(怒・悲・哀・諦・怠・恐・怖・嫉・妬・蔑など)や、衰えを表す漢字(老・衰・枯・萎・凋・頽・廃など)は子供の名前に使うのにふさわしいと言えません。

また、体の部位(鼻・耳・毛・尻)や内臓・体液にかかわる漢字(臓・胃・腎・糞・尿・洟)も生々しい、汚らしいイメージを持たれがちです。

名前に取り入れると素敵な意味になる漢字

上記「使わない方がいい漢字」とは反対の意味を持つおすすめの漢字をご紹介します。

いのちの尊さを感じさせる漢字

【命・生】
「命」は一文字だけで「みこと」と読むことができ、男女ともに受け入れられやすい音の響きです。「生」という字を使った名前の有名人では、高橋一生(いっせい)さんや豊崎愛生(あき)さんなどがおり、男女を問わず使える漢字であることがわかります。

心の豊かさや美しさを感じさせる漢字

【愛・勇】
「愛」は愛する・愛されるという意味を持ち、周囲の人との豊かな関わりを表します。「勇」は男の子らしい心の勇敢さやいさましさを表し、人生を乗り越えていく力強さを感じます。
【望・夢】
「望」は遠くを見る、こうありたいと願う、という心持ちを表しています。一方で満月を表す漢字でもありますので、豊かで希望多き人生を予感させます。「夢」も同様に、理想や自分のやりたいことを思い描きながら、のびのびと成長していく様子が連想できます。
【純・清】
いずれも澄み切って汚れのない心を表します。生まれたばかりの赤ちゃんを見て、いつまでも無垢なままでいてほしいと願うのが親心です。

強さや優れた能力を連想させる漢字

【優・賢】
「優」はやさしいという意味の他に、他よりもすぐれている・上等の意味を持ちます。「賢」も同様にすぐれたという意味を持ち、一般的には勉強などがよくできる様子を「かしこい」と言います。
【勝・将】
いずれも上記と同様に「まさる・すぐれる」という意味を持ちますが、よく一般では「勝利」「勝算」「武将」「将棋」など戦や駆け引きに関する単語が使われるため、より能動的で力強い勇ましさを感じさせます。

組み合わせると違う意味になってしまう漢字

漢字を組み合わせることで既存の単語になり、本来の意図とは違う意味を持ってしまう名前があります。「海月ちゃん(クラゲ)」「心太くん(トコロテン)」などは有名どころですが、それ以外にも以下のようなお名前が実在します。

【海馬】(読み方例:かいま・みま)
夏生まれの男の子らしい勇ましさを感じる名前ですが、セイウチやトド、ジュゴンなどの海獣を表す「海馬(カイバ)」と同じです。またタツノオトシゴも海馬と呼ばれ、形が似ている脳の器官としての「海馬」が一般的には有名です。
【心空】(読み方例:ここあ・みそら)
空のように広い心でのびのびと育ってほしいという願いが込められた名前ですが、古語で「うわのそら」という意味になります。
【空音】(読み方例:そらね・くおん)
空に響くのびやかな音の響きをイメージした名前ですが「うそ・いつわりの言葉」という意味があります。
【沙弥】(読み方例:さや)
仏教用語で「しゃみ」と読み、若くて未熟なお坊さんという意味になります。
【春歌】(読み方例:はるか)
一見かわいらしい名前に見えますが「しゅんか」と読み、性的なことを露骨に表現した歌のことを指します。

その漢字、我が子に本当にふさわしい?

基本的なことですが、名前は苗字とあわせて使うため、苗字との兼ね合い・バランスを考えることも大切です。

たとえば、苗字に使われる漢字が名前にかぶってしまうと、妙なリズム感が生まれて四字熟語のようになってしまいます。

また使われる漢字が子供の性別に合っているかもチェックするべきポイントです。

「姫」「妃」「后」は高貴な女性を表す漢字であり、男児の名前にはあまり使われない傾向にあります。

よく調べて納得のいく名前を付けてあげよう

名付けは子供の一生を左右するかもしれない大切な儀式です。

「そんなつもりじゃなかった」「こんな意味があったなんて…」と将来後悔しないように、漢字の意味や組み合わせをよく調べてから出生の届出をしましょう。

現在はインターネットで手軽に調べることができますので、候補の漢字や名前を一度検索してみることがおすすめです。

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