妊婦のサウナは注意!胎児への影響の有無と妊娠中NGである理由
デトックス効果やダイエット効果を期待して、サウナが好きな女性は多いと思います。
しかし、妊娠すると気を遣う事も多く行動範囲が狭まり、妊娠前のように楽しめないのが辛いところです。サウナだけでなく岩盤浴やスーパー銭湯、温泉やマッサージも以前と同じようにはできません。
そのため、妊娠中は出来るだけサウナは避けたほうが良いとされています。絶対NGという事ではなく短時間の使用なら問題はないとされ、使用したからといったすぐに影響がでるという事でもありません。
今回は、サウナ利用によって妊婦さんに起こり得る危険性の他、胎児への影響についてもご紹介します。
この記事の目次
妊婦さんがサウナを避けるべき理由6つ
妊娠中であればサウナは使用しない事が望ましいでしょう。仮にサウナを利用する時は短時間である事が前提です。なぜサウナは避けたほうがいいのかその理由をご紹介します。
1.肌への刺激が大きい
サウナは血行を促進し代謝を高めることで、肌のターンオーバーを正常にしてくれるため美肌効果があるとされています。
妊婦さんはホルモンバランスが変化し肌が敏感になっています。肌に過剰な刺激を与えると、妊娠前は起きなかった肌トラブルが発生する事もあります。
体を温めて少し汗をかいてリフレッシュしたいなと思う時は、自宅のお風呂がおすすめです。40℃前後のお湯で10分程度の入浴なら、体の負担が少ないので比較的安全に楽しめます。
2.脱水症状が起きやすい
サウナは汗をかくことで効果を発揮します。しかし妊婦さんは汗をかく行為には慎重にならなければいけません。
妊婦さんが脱水症状になると、胎内の水分量が減る事で血液が濃縮し胎盤を伝って胎児に血液が廻りづらくなります。
血液は胎児に酸素や栄養分を与える役割があるため、血液循環が悪くなると胎児への影響が心配です。故意に汗を大量にかく行為は避けたほうが安心でしょう。
3.貧血になりやすい
妊婦さんは、日ごろから貧血になりやすい体質になっています。
めまいや疲れに伴い、気分が悪くなることが頻繁な妊婦さんは、サウナ内でも倒れてしまう可能性があるため注意しなければなりません。
日常生活では貧血症状を感じない妊婦さんでも、サウナで汗をかいて水分量が少なくなると、安定した血液量が確保できなくなり貧血になることがあります。
また、妊婦さんは貧血の状態に慣れてしまっていることもあって、悪化しないと自覚症状がないケースもあります。
体調が良いと感じていても、思わぬタイミングで貧血症状を引き起こすことがありますので無理な行動は避けたほうが安全です。
4.短時間でものぼせてしまう
「のぼせ」とは頭が熱くなりぼーっとしてしまったり、フラフラしてしまう症状です。サウナはお風呂よりも高温である上に、頭部も熱に晒されているためのぼせやすくなっています。
万が一のぼせた時は、熱くなった血液を冷やす事が重要です。冷たいタオルで太い血管のある首の両サイドや脇の下を冷やします。
頭をふったり無理に動いたりしないようにします。
5.サウナ内と外部の温度差で血圧を急変させる
サウナを出た直後に接する外部との温度差で血圧が急変する事があります。
妊婦さんは血液量が多くなっているため血圧の変動には気をつけたいところです。さらに、サウナの出入り時にめまいがして転倒してしまう危険性もあります。
サウナを利用する際の温度差は避けられないため十分に気を配る必要があります。
6.動悸・息切れが起きやすい
サウナで血管が拡張すると血流が良くなり、心臓の負担が大きくなります。バクバクして息が苦しくなる事があります。
そのため、妊婦さんはただでさえ動悸・息切れが起きやすい状態なので、サウナに入るとさらに体の負担は大きくなります。
ほとんどは一時的なもので安静にして治まるケースがほとんどですが、重症化すると呼吸困難・意識障害・失神に繋がる可能性もあるので注意が必要です。
赤ちゃんも熱くなる?サウナによる胎児への影響について
サウナで妊婦さんの体温が上がる事が理由で、胎児に何らかの影響を与える事はないとされています。
例えば、母親の体温が低くなっても羊水によって胎児の体温は一定に維持されています。また胎児自身も代謝による熱を産生させていますが、羊水を通じて熱を外部に放出しています。
仮に母親が高熱を出すと羊水温度が上昇し胎児の体温も上がっていきますが、胎児を保護するために酸素摂取量が増えるようになっていたりと、母体は適切に胎児を守る働きをすると言われています。
胎児に影響を及ぼすので、サウナは反対!という意見もアリ
一方で、サウナの熱は胎児に影響するとしている意見も少なからず存在します。
妊娠初期に胎児が高温になると無脳症や二分脊椎のリスクが高まるという見解もあります。
一部の病院ではサウナの環境は赤ちゃんへ影響を与えるとし、サウナは短時間で済ませるようにと指示をするところもあるようです。
また、サウナ大国フィンランドでは出産予定日が近づいた妊婦さんは、サウナで陣痛を促す習慣があるそうです。サウナで体を温めると子宮の収縮運動が活発になり前駆陣痛のようになるそうです。
普通に生活していても妊娠初期は流産の可能性を否定できませんし、妊娠後期は早産の危険性が高まってきます。無理はせず刺激の少ないライフスタイルを心掛けたほうがいいですね。
サウナ施設での感染症への対策!
サウナ内で起こり得る感染症の事例について詳しい資料は見当たりませんが、日本産婦人科医会の資料によると「共同浴場による感染症の可能性」については否定されていません。
特に脱衣場では感染症に気をつけたほうがよいとされています。妊婦は免疫力が低下しているため、普段の生活よりも衛生面を意識しましょう。
菌やウイルスなどの病原体は、温度が暖かく水分が停滞している場所に発生しやすい性質があります。病原体の種類にもよりますが、温度が20℃~50℃で増えやすくなると言われています。
タオルやクシ、剃刀などは共有しない
共同浴場でタオルを使用する時は自分のタオルだけを使用してください。心配であれば自宅から持ち込んだほうが安心です。
脱衣場に置いてあるクシは必ず消毒してあるものまたは自分のものを使用し、剃刀は新品のものを使用してください。
椅子は洋服を着てから腰かける
脱衣場の椅子は裸のまま座らないようにしましょう。他人が腰かけていた後に水分がそのまま停滞しやすい場所です。
脱衣場ではすぐに着替えられるようにロッカー内を整理してから入浴したり、髪の毛はまとめておくなどして整えておきましょう。
体に傷や炎症がある場合は施設利用を控える
体に傷があると病原体が侵入しやすくなります。サウナだけではなく一般的な共同浴場の使用は避けましょう。
清潔な共同浴場を選ぶ
共同浴場へ行くときは、こまめに清掃していて見た目にも清潔感がある施設を選びましょう。清掃管理者が常に巡回している施設や、清掃スケジュールを公表している施設が良いです。
サウナ以外で温まる方法・ストレス発散法を探してみよう
妊娠前ならサウナや銭湯でストレス発散をしていた妊婦さんは、違う方法でリラックスできる時間を作ってみましょう。
お風呂はサウナよりも体の負担が少なくリラックスできます。とはいっても、入浴も短い時間で済ませるほうが良いので、湯船にアロマオイルを垂らしたりと工夫をして楽しんでみてください。
軽い運動をして気分をすっきりさせる方法もあります。お腹に負担をかけないようにストレッチを行ったりマタニティヨガに挑戦してみるのもいいでしょう。
また、リラックスできる音楽や音色を聞きながら瞑想してみると心が落ち着く感覚があります。スマホアプリでも充実していているのでぜひ活用してみてください。
【ストレス発散方法】
- アロマ、ハーブティ
- 軽いウォーキング、お散歩
- マタニティヨガ
- 軽いストレッチ
- 瞑想
- 音楽を聴く
- 旅行に行く など
妊婦さんのサウナは避けるのがベスト!
妊婦さんのサウナ入浴は禁止事項ではありませんが、避けておくのがベストです。
サウナが身近なノルウェーやフィンランドでは、妊婦さんも積極的にサウナを利用しているそうですが、日本国内ではサウナ利用を推奨している医師は少ないように感じます。
万が一のトラブルに見舞われないためにも、安心安全な生活を心掛けましょう。
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