子供を暴力から守るオレンジリボン運動!親は一人で悩まずSOS
子どもをあらゆる暴力から守るための「オレンジリボン運動」をご存知でしょうか?様々な形の虐待から子どもたちを救うための全国的な取り組みです。
子どもたちはか弱く無力です。大人たちから、また友人からの暴力で命を落とすケースが絶えません。
毎年11月は児童虐待防止推進月間となっています。「オレンジリボン運動」の意味を知り、暴力に悩む親や子どもたちの助けになる内容になるようお伝えしたいと思います。
この記事の目次
オレンジリボンは子供たちの明るい未来の色
幼い子どもたちがしつけと虐待の合間で苦しんでいるニュースをよく見ますよね。悪質なものは問題外ですが、ついキツくあたってしまった…。という経験は誰もがあるのではないでしょうか。
ついキレて感情的になってしまった…。勢い余って弾みで…。明らかな虐待というものでなくても、子どもにとって耐え難い状況であればその可能性があります。
オレンジリボン運動は子育ての支えと知っておいて!
オレンジリボン運動の意味は「子どもの虐待のない社会の実現」を目指している全国的な市民による取り組みです。
女性がよく目にする機会の多いピンクリボン運動は、乳がんから女性を守るための取り組み。パープルリボン運動はVDや暴力根絶の取り組みです。
オレンジリボンのスタートは、2004年栃木県で3歳と4歳の兄弟が父親の友人からひどい暴力を受け息も絶え絶えの状態で橋の上から川に投げ込まれ命を奪われるという事件がきっかけになりました。
この事件以降、オレンジリボンが全国各地に広がっていきました。このオレンジリボンを身に付けたり、バスのボディに描いたりして様々な形で啓発活動がされています。
私も仕事柄ピンバッジを使用していますが、賛同者は個人だけでなく、行政、企業など、子ども虐待の関心を広げる社会貢献活動として理解されています。
<画像3-1>ピンバッジ
オレンジ色には子どもたちの願いがこもっている
オレンジ色にも意味があります。愛情を欲しているだろう施設の子や里親家庭で育った子どもたちが、「明るい未来をイメージした色」として選んだそうです。
フレッシュなみずみずしい香りと暖色系の明るい色合いが、希望や優しさを感じさせますよね。
また、そんな辛い状態の子どもたちだけを救うのではなく、ともに同じ家庭で苦しむ親も助けたいという意味もあります。
虐待と躾の違いの見極めは子どもが苦しんでいるかどうか
虐待事件の当事者の保護者は一様に「躾の一環だった」と言います。どこまでが躾でどこからが虐待なんでしょうか。
このラインは個人の解釈で違いが出ますからはっきりしたラインというのがぼやけてしまいます。
虐待と躾のボーダーラインについて、様々な事例にあたってきた福祉関係者、小児科医、精神科医が出した答えは子どもの側からの判断になっています。
「子どもが耐え難い苦痛を感じていれば、それは虐待」とまとめられています。でも、子どもが上手く本当の気持ちを話せるかどうかも問題です。
多数の事例に関わってきた福祉、保健関係者や精神科医、小児科医などが言うように「子どもが耐え難い苦痛を感じることであれば、それは虐待である」と考えるべきだと思います。オレンジリボン運動公式サイト
保護者がただただ愛情のつもりで「子どものために」と過剰で行き過ぎた教育や躾を行う場合虐待と言えるんでしょうか?
あくまでも子どもの立場に立って考えてみて、「子どもの心も体も傷つき発達が阻害されている」こうなっていれば虐待という判断が下されます。
親の歪んだ愛情表現ということになるんでしょうか。おそらく親はまさか自分たちの行為が虐待になっているとは信じられないかもしれませんね。
虐待の裏に保護者の貧困や病気が原因となっていることも
虐待に至ってしまう家庭はどんな家庭なんでしょう。はた目には全く普通にしか見えない家庭もありますが、多くの場合裏側で問題を抱えています。
まず挙げられるのが働くことができず貧困につながっている。親に精神疾患がある、何らかの依存症である、夫婦関係に問題があるなどです。
親自身もどうにもできず苦しんでいる場合が多いようなんです。家庭に一度問題が発生してしまうとそこから正常な元の家庭に戻すことは難しいと思われます。
本人たちだけではどうにもならないと気づいて、早めに相談するべきところに連絡を取るのが虐待防止につながります。
近頃では幼稚園や学校の担任も校長先生も、子どもが犠牲になる前になんとかしなければと、教育委員会や関係箇所と連携を取って虐待につながる前に対処しようと積極的に行動してくれます。
暴力だけでなくネグレクト・心理的虐待の増加に注目
児童相談所で対応する虐待相談件数は24年間で80倍になっています。以前に比べ虐待に気づいた近隣の方が連絡しやすくなったこともあると思います。
それにしても子供の数は減少しているのですから、明らかに虐待事案が増えていると思われます。
グラフを見てもわかるように、ネグレクト(育児放棄)の増加が顕著です。心理的虐待増加については言葉や態度での虐待についても認知されてきたからではないでしょうか。
<画像3-2>児童相談所における児童虐待相談対応の内容
オレンジリボン運動公式サイト参照
長期にわたって心身に悪影響を及ぼし、痛めつけられ蔑まれて育った子は、虐待がトラウマとなり人間関係がうまく築けなかったりもします。
怯えて育っていますから対人恐怖症になるかもしれませんし、逆に思春期になれば外で攻撃性を持って発散しようとするかもしれません。
最近増えている、発達障害や学習障害のお子さんの場合、親がそれと分からないまま躾と称した暴力・暴言がエスカレートしてしまう可能性も高いと思われます。
また、ネグレクトで適切な教育を受けられないまま成長すると、社会で全く適応できず、仕事にもつけず人間関係も築けずかなり生きにくい状態となります。
子供にとって、どんな虐待であっても一生に関わる重大なことなのです。社会全体で子供たちを見守り助けることが必要なのです。
離婚・再婚などで複雑化する子どもの家庭環境
子どもにとって自分の親は二人だけなのが理想ですが、現実には離婚・再婚でお母さんが知らない人に変わった。お父さんじゃない人がずっと家にいる等…。
残念ながら、実の両親だけに限らず養父や養母に虐待されて死亡に至るケースもあるのです。加害者も複雑になってきています。
<画像3-2>死亡した子どもの主な加害者
オレンジリボン運動公式サイト参照
http://www.orangeribbon.jp/about/child/data.php
子どもには理解できない大人の都合に翻弄されているように感じられます。非常に複雑な環境で子どもは頑張っているのです。
母子家庭、父子家庭も増えています。子どもも親には言えない苦しさを抱えています。そんな子どもたちのために相談できるSOSホットラインも開設されています。
親にはなかなか言えないことを相談できる電話ですから、心配があれば、お子さんに教えておいてあげるのもいいと思います。
【24時間(じかん)子供(こども)SOSダイヤル】
0120-0-78310(なやみ言(い)おう)
詳細サイト 文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1306988.htm
【チャイルドライン】
0120-99-7777
詳細サイト チャイルドライン
http://www.childline.or.jp/
一人で悩まないで!しんどくなったらSOSを出しましょう
私も経験がありますが、特に一人目を子育て中は子どもと母親二人きりで密室関係になる状態が長く、いつも一緒で気持ちも煮詰まってきます。
夫は会社へ行ってしまえば、完全に子どもから離れて大人の社会で仕事ができますが、母子はそうはいきません。
大人同士のコミュニケーションがしたくて友達と長電話になってしまうなんてこともありましたね。
子どもと見るテレビは、アニメや子ども向け教育番組など…。「私は韓流ドラマが見たいのよっ」なんてママもいるかもしれませんね。(笑)
とにかく生活すべてが子ども中心ですからストレスを溜めるなという方が無理があります。
いつもの穏やかな自分か冷静に見つめてみて
人間誰でも精神的に疲れてくるとすぐ興奮したり、逆に落ち込んでなんにもやる気が起きなくなったりするものです。
理由もなく怒りっぽくなり大声を出してしまったり、暴言を吐いて旦那さんに八つ当たりしたなんて経験は皆さんありませんか?
そんな状態ならもう「SOS」を出していいんです!出さないと心が潰れてしまいます。
どうでしょう、まず身近なところから両親に連絡してみるのも一つの方法です。
力になってくれるかもしれません。身内より他人の方が話しやすければ、児童相談所など電話で相談に乗って対応してくれるところがいろいろあります。
冷静に、客観的に自分のことを見つめてみましょう。「いつもの穏やかな私かしら?」「いや、トゲトゲしているかな?」今どんな状態か確認しましょう。
悩んでいないでSOS!社会は子どもも親も優しく見守っている
子どものためにも両親が穏やかに楽しく子育てしていてくれることが一番なんです。親が安定していれば子どもも心配ありません。
でも、毎日の育児で何かアドバイスが欲しいとか、カウンセリングを受けてみたいとかであれば躊躇しないで「SOS」を出しましょう。
世間では子育て中の親御さんに対して冷たいだとか、批判的な話をも聞きますが、手助けしようとしている民間NPOやボランティアなどもたくさん存在しているんです。
虐待防止につながる専門機関もたくさんありますし、病院などにも医師や看護師さんが相談を受けてくれるところもたくさんあります。
また、オレンジリボン運動の賛同者も気になる親子に気が付けば、見守りながらも適切な声かけや機関へ状況を連絡をするなど行動に移すことが親子を助けることにつながります。
相談窓口をご紹介しておきますね。
http://www.mhlw.go.jp/support/jidousoudan/index.html
【民間の常設相談窓口一覧】オレンジリボン運動公式サイト
http://www.orangeribbon.jp/counter/
親しいママ友への相談やSNSへの投稿はちょっと待って!
家庭内での虐待かもしれないような話は安易にママ友に相談するのは控えたほうがいいでしょう。
いくら信頼し仲良しだと思っていても、虐待という言葉にはかなりハードな印象がありますし、相手も動揺するかもしれません。
良好な人間関係も少しよそよそしくなるなんてことも考えられます。あまりプライベートなことを話すのは普段から慎む方が良いのではないかと思います。
ママさんネットワークは、誰がどこでつながっているかしれませんし、悪意はなくとも尾ひれのついた話になって広がってしまっては子どもにも影響が出るかもしれません。
フェイスブックなどのSNSへの安易な投稿もやめましょう。知らない人からいわれのない悲しい言葉を書き込まれ、やっぱり悩むあなたを傷つけるかもしれません。
SOSを出して相談することが大切ですが、どこの誰に相談すればいいかは冷静に判断しましょう。
専門機関は必要に応じて内容に見合ったアドバイスや、さらにこれから何をしたらいいのかを指導をしてくれますから安心ですよ。
PTAでオレンジリボン作成に挑戦!みんなで児童虐待防止の啓発を
保育園や幼稚園、小学校など、低年齢の子どもたちが虐待の被害者になりやすいのは容易に想像できます。
虐待については母親なら決して他人事には思えないのではないでしょうか。PTAなどでも虐待を身近に考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。
PTA活動の一つに人権学習などに取り組んでいるところも多いと思います。講師を呼んで話を聞くのも良いのですが、オレンジリボンを自分たちで作ってみるのはどうでしょう。
児童虐待の学びに合わせてオレンジリボンの意味を皆さんで話し合うプログラムも親同士交流が持てていいと思いますよ。
市販の布製リボンテープ(もちろんオレンジ色)と接着剤、安全ピンがあれば簡単に作れますのでご紹介しておきますね。
用意するもの… リボンテープ(幅6ミリ程度)
接着剤(乾くと透明になるボンドや両面テープ)
安全ピン・ハサミ
①10~14cmの長さのリボンを幅に対して斜めに切ります。
②切ったリボンを、正面から向かって右側が上になるように輪にします。
③輪の交差するところに接着剤少しつけ止めます。(接着剤の量が多いと、乾いた後固くてピンを刺しにくくなります)
④接着剤が完全に乾いたら安全ピンで留めてください。
これで完成です。かばんや洋服の襟元などに付けて使用してください。
他人事ではない子どもへの虐待に関心を持とう
誰にでも何かのきっかけで起こりうるかもしれない児童虐待。決して他人事で済まさず皆で関心を持つことが大切です。
子育てに悩んでいるママは抱え込まずに誰かに相談しましょう。子育て中の親子を優しく見守り支援できる社会にしていきましょう。
虐待は子どもへの暴力だけではありません。言葉の暴力や精神的な追い込み、育児放棄や性的虐待など多岐に渡っています。
気になる問題行動はないか客観的に振り返ることが、虐待してしまわないための対処法です。
マーチの記事の中に虐待について詳しく書かれたものがありますのでこちらも参考にしてみてくださいね。
「虐待など子供の人権侵害について!子育て中ママ知っておいて」
http://kosodate-march.jp/wp/015/
MARCH(マーチ)では、妊娠や子育ての先輩たちが、ためになる情報を毎日配信しています!新米ママ&パパはぜひご覧ください♪
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