アタッチメント育児は赤ちゃん期から!愛着形成の方法

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2017/06/02

アタッチメント育児を取り入れているママ

子どもにとって、親との愛着が重要で、その関係制が子どもの自己肯定感に繋がることは何となく理解出来る。…でも、じゃあ、親にとっては何で大切なの?と思われるでしょうか。

それは子どもとのアタッチメントの形成が、子どもを育てることを実感し、親が親として成長していくことに繋がるからです。

そして、親が親として成長していくことが、子どもが自立した大人になっていくこととセットになっているからです。

子どもに「自立して幸せになって欲しい」と思う親は多いもの。その親の思いを叶えるために、アタッチメントは重要なのです。

まずは、子供が0~3歳までの赤ちゃん期である場合、どういった接し方をしていくのがいいのか見ていきましょう。

赤ちゃんは「愛着の土台」を、親は「赤ちゃんを感じる力」を育もう

アタッチメントの形成段階でもご紹介したとおり、赤ちゃんにとって、この時期はアタッチメントの土台を形成する重要な時期です。

一方、親にとっては、「赤ちゃんを感じる力」を育むことが重要な時期となります。「赤ちゃんを感じる力って?」と思われる方もいるでしょうか。

赤ちゃんは言葉を発せません。それでも、ママは「あ、おなかがすいたんだな」、「あ、うんちをしたのかな」など、泣き声で察することが出来るようになっていく人が多いですよね。それを、「赤ちゃんを感じる力」と呼ぶのです。

元々、母親にはこの力が備わっているものなのですが、現代では、そういうママばかりではなくなってきました。

「何で泣いているのかわからない…」とストレスを感じてしまったり、「育児本通りじゃないと不安」と、マニュアルやネットの情報頼みになってしまったりしている人も、少なくはないのではないでしょうか。

また、パパはこの「赤ちゃんを感じる力」を意図的に身につけていくものです。

出産を経験しないパパは、ママとは違い、「自動的に」パパにはなれません。出産後、「いつまでも父親らしくなってくれない!」と不満を持ったことのあるママもいるのではないでしょうか。

そのため、「赤ちゃんを感じる力」が弱いママでも、アタッチメント育児をしていく中で、力を養っていくことができるのだといえますね。

ベビーマッサージは立派な「アタッチメント育児」

ベビーマッサージをご存知のママは多いと思います。実際にしたことがなくても、言葉だけは知っているという人も多いでしょう。

ショッピングモールや育児支援センターなどで行われるレッスンに参加したことのある方もいるかもしれませんね。

でも、実際にベビーマッサージを習慣的に取り入れました、という人は、実はあまり多くないのではないでしょうか。

私自身、習ったそのときだけ、になりがちでした…。

でも、このベビーマッサージが、赤ちゃんのアタッチメント育児にはとても有効なのです。

「やり方や順番が覚えられなくて…」、「方法が間違っていたらと思うと不安で…」と思われますか?

そんな心配はご無用です。ベビーマッサージは、医療行為ではありません。何か治療を目的としているものではないのです。

目的は、ママと赤ちゃんのリラックス。赤ちゃんとの肌の触れあいで、赤ちゃんに「ママを感じて安心する原体験」を与え、ママとのアタッチメントを形成することなのです。そのため、堅苦しく考えることはないのですよ!

アタッチメント育児協会が提案する「かんたん3分間ベビーマッサージ」

ポイントは以下の3つです。

  • 毎日おこなう
  • 楽しんでおこなう
  • 対話しながらおこなう

難しいことはありませんが、以下の点に注意しましょう。

時間帯に気をつけよう
ベビーマッサージは赤ちゃんにとって「運動」です。空腹時、満腹時は避けましょう。
安全なマッサージオイルを選ぼう
オイルを使用した方が手を動かしやすく、マッサージを行いやすいです。赤ちゃんに使用するものなので、植物原料100%の天然オイルを選びましょう。開封後3ヶ月以内の安全なものを使用しましょうね。
マッサージ前にはパッチテストを!
赤ちゃんの上腕の内側に直径2㎝ほどオイルを塗り、15~20分ほどおいて、肌に異常が見られないかチェックしましょう。敏感肌の子の場合は24時間様子を見た方が安心です。
水分補給はしっかりと
マッサージ中でも、赤ちゃんが母乳を欲しがったら、授乳を行ったり、水分を補給したりしてあげましょう。
マッサージ後はゆっくり休息を
マッサージと言っても、赤ちゃんにとっては運動です。終わった後はゆっくり休ませてあげましょう。なお、マッサージ中に寝てしまった場合は、中断して寝かせてあげましょうね。

順番を間違えても大丈夫!マッサージの手順

  1. 赤ちゃんの目を見て、「マッサージしようね」と伝えましょう。
  2. オイルを手に取り、擦り合わせて温める
  3. 頭からつま先に向かって、全身をなでるようにマッサージ
  4. 頭の両側から腕、指先にかけてマッサージ
  5. 脇の下からつま先まで、体の側面を両側ともマッサージ
  6. 片腕ずつ肩から手首にかけてマッサージ
  7. 両足を足の付け根から足首までマッサージ
  8. 頭(生後1ヶ月~)、顔:髪の生え際から耳の後ろを通り、あごにかけてなでおろす。
  9. あご:耳の後ろからあごにかけてなで、リンパの流れを良くしましょう。あごの下は汚れやすいため、キレイにしてあげましょう。
  10. 耳のふち:耳の上部から耳たぶにかけて、親指と人差し指で挟んでくるくる動かしましょう。
  11. 赤ちゃんの目を見ながら、両肩、胸、おなか、両脚を順番になでおろして、終了

以上の手順になりますが、順番を間違えてしまっても、問題はありません!

あくまで、赤ちゃんとママがリラックスして気持ちよくなることが重要です。気負わず、気軽に取り入れてみましょう。

たまにはお昼寝のときにもカンガルーケアで「アタッチメント育児」

出産後、カンガルーケアをしたという経験をお持ちのママは、いるでしょうか。

カンガルーケア:発展途上国で産まれた、低体重児の赤ちゃんをママの肌に触れさせ、体温を維持しようと始まった取り組み。

産まれてすぐ、直接肌を触れあわせて赤ちゃんとママが過ごすことで、母子間のアタッチメントをスムーズに形成させられるとして、日本でもよく行われるようになりました。

発達心理学の観点から見ても、利点が多くみられます。

  • 赤ちゃんの発育
  • 脳神経系の発達
  • 情緒の安定を促進

また、ママもリラックスすることにつながり、アタッチメントを育むことができるのです。

このカンガルーケアを、日常のお昼寝のときにも行おう!というのが、「アタッチメント・カンガルーケア」です。

カンガルーケアのやり方

  1. ママは上半身裸になり、直接肌の上に赤ちゃんを縦抱きにして寝かせます。
  2. 赤ちゃんを綿の布で包んで、落ちないようにします。
  3. カーディガンなど、前開きの服を着て、赤ちゃんの体温が下がらないようにします。

イメージとしては、腰掛けた状態でするカンガルーケアでしょうか。

アタッチメント・カンガルーケアをしていると、赤ちゃんは安心して、長い間寝てくれることも多いです。その間、ママは「自由時間」。

「自由時間って言っても、赤ちゃんを抱っこしたままで何が出来るっていうの?」と思われるかもしれません。

私は上半身裸など、肌の触れあいを意識してはいませんでしたが、偶然、このような体勢で昼寝をさせていた経験を持っています。

すややかに寝ている姿を見ながら、コーヒーを飲んだり、雑誌を読んだりしていたものです。

他、音楽を聴く、縫い物や編み物をするなど、出来ることはあるものです。

大切なことは、赤ちゃんがリラックスして寝られるよう、ママもリラックス出来ることをすること。

こっそり甘い物を食べるなど、赤ちゃんが起きていると落ち着いて出来ないことをする時間にしましょう。

赤ちゃんが寝ているときこそ、家事をしないと!と思うママもいるでしょう。

もちろん、赤ちゃんをベッドに寝かせて、やるべきことをやる時間も必要です。でも、時には「今日の昼寝時間はリラックス時間にするぞ!」と決めて、息抜きをすることも、ママには大切なことだと思います。

赤ちゃんは密着が大好き!抱っこもおっぱいも、欲求を満たしてあげよう

「抱っこばかりしていると抱き癖がつく」、「もうすぐ2歳なのに、まだおっぱいを飲みたがるんだけれど、大丈夫?」、このような心配をされてはいませんか?

赤ちゃんはママと密着することで、安心することが出来ます。

アタッチメント育児では、ママの心臓の音や血流の音が聞こえるくらい密着して育児をすることを、「密着育児」と呼び、推奨しています。

抱っこひもやスリング、おんぶひもなど、それぞれの発達段階やママに向いているものを選び、目一杯抱っこやおんぶをして過ごす時間を多く持ってあげたいですね。

また、おっぱいについて。アタッチメント育児では、赤ちゃんそれぞれの「やめる!」というタイミングを大事にすることを提唱しています。

母乳育児が推奨されていますが、アタッチメント育児で重要とされているのは、「飲むこと」ではなく、「吸うこと」、「触れること」。

そのため、上手く母乳が出ない…というママでも、ただおっぱいを吸わせてあげるなど、赤ちゃんにおっぱいと触れあう時間を設けてあげることが大切なのです。

「飲ませないと!」と力まず、「触れあいタイム」だと割り切って吸わせているうちに、母乳が出るようになった!というママもいるようですよ。

あまりにも長期に渡り、本人から「おっぱい卒業」の意志が見られない場合は、断乳や離乳を考える必要がある場合もあるでしょう。その際は、ママの判断に自信を持って、ゆっくりと行いましょう!

我が家の3歳になった息子は、卒乳は1歳過ぎと早かったものの、いまだに寝るときなど、胸元に手を突っ込んで寝たがることが多いです。安心できるのでしょうね。

飲むわけではないので、「赤ちゃんじゃないんだからー」とだけ笑って言い、好きにさせています。

絵本は「対話式」で読み聞かせてみよう

「絵本を読んであげたい!」と張り切っていたけれど、当の本人がちゃんと聞いてくれない、ページをどんどんめくってしまう…と悩んだことはありませんか?

そんな赤ちゃんにも、絵本を読んであげることは良いことです。赤ちゃんが言葉を獲得していくためには、対話が何より重要だからです。

日常的な対話ももちろん大切ですが、絵本を使うと、より幅広く対話をする機会を得ることができます。

そのときにアタッチメント育児が提案しているのは、「対話式読み聞かせ」

通常、読み聞かせというと、絵本に書かれた文字を、文字通り「読み聞かせ」てあげるものですよね。

「対話式読み聞かせ」は、そうではありません。ストーリーを読んであげるのではなく、絵本の絵を通じてコミュニケーションを取る読み方をするのです。

たとえば、犬の絵が出てくる場合は、「わんわんだね!」、「黒い色をしているね」など。実際に外を歩いているときに犬に出会うと、そのように言葉をかけますよね?それと同じイメージです。

1つの絵でさまざまな対話をすることで、赤ちゃんは1つの物事をいろいろな面から考えよう、見ようとする経験を積むことになります。

ただし、1点注意しておきたい点があります。

それは、ママが張り切るあまり、「反応して!」というオーラで語りかけてしまうこと。気合いを入れすぎず、赤ちゃんと楽しもうという姿勢で、ゆったりと行いましょうね。

成長するに従い、従来のストーリーを読み聞かせる「読み聞かせ」も行えるようになっていきます。どちらも子どもの発達には大切な要素を持っているものです。

子どもの成長の度合いや興味関心に応じて、絵本や読み聞かせ方法を選んでいきましょう。

対話読み聞かせにオススメの絵本

我が家でも読んでいて、親子で楽しめた絵本をご紹介します。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

じゃあじゃあびりびり
作・絵: まつい のりこ
出版社: 偕成社 600円(本体価格)

ロングセラーの赤ちゃん絵本。ブックスタートでもらう自治体もあるかもしれませんね。

パキッとした原色のイラストに、「いぬ ワンワンワン」、「みず じゃあじゃあじゃあ」など、イラストの名前と擬音だけが書かれたシンプルな絵本です。

「赤色だね」、「ワンワンだね」と話ながら読む対話式読み聞かせにはぴったりではないでしょうか。

ヘレン・オクセンバリーの「はじめてのえほん」シリーズ
作・絵: ヘレン・オクセンバリー  訳: かわばた つよし
出版社: 童話館出版 2,400円(本体価格)

「みる」、「きく」、「できる」、「さわる」の4種類が出ています。

こちらも1ページに「すわる」「あるく」など、シンプルな言葉とイラストが見開きで描かれていきます。

少し大きくなったあとは、「ジャンプできる?」などと対話しながら読むのも楽しいですよ。

正解はない!それぞれの親子に合ったオリジナルの「アタッチメント育児」をしよう

何でもマニュアルがあり、多くの情報を手軽に手に入れられる時代です。そのため、育児に関しても、子どもが可愛いあまり、「失敗したくない」と力んでしまうことは、無理もないことです。

育児本や雑誌を見ても、「これはNG」、「あれはダメ」という記載があり、追いつめられてしまっているママもいるのではないでしょうか。

でも、果たして育児に「たった1つの正解」があるものでしょうか?

アタッチメント育児に、「これが絶対正しい」、「間違っている」ということはありません。親も、子どもも、すべてが同じ人間でないように、育児もその親子の数ほどあって当然ですよね。

なので、「マニュアル通りにやらなくっちゃ」と力む必要はありません。自分の子どもをしっかり見つめて、オリジナルのアタッチメント育児を楽しんでやってみませんか?

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