赤ちゃんの風邪は水分補給で早く治そう!与える間隔や飲料の種類
風邪をひいたときには、水分補給をすることが大切です。それは脱水症状を防ぐという目的があるからです。
大人でも、風邪を引いたら水分をしっかり取ることが大切ですね。だから赤ちゃんも同じことです。
赤ちゃんが風邪をひいたときに、脱水症状にならないためにはママにできる対処法はどんなものがあるでしょうか。
赤ちゃんの水分補給はどんなやり方があるのでしょうか。お水が飲めない月齢の時なども合わせて考えていきましょう。
この記事の目次
赤ちゃんが風邪をひいたら脱水症状に要注意
赤ちゃんが風邪をひいて、高い熱が出るなどの症状が現れると、普段に比べて一層栄養や水分の補給が大変になります。
赤ちゃんは体が小さいので熱は大きな負担です。高熱が出ると体が大量の汗をかいて熱を下げようとするので、すぐに脱水の状態になってしまいます。
脱水とはどのような状態かというと
- 脱水症状
- 体全体に栄養や酸素を行きわたらせて、老廃物と二酸化炭素を排出するように働いている体液が失われていっている状態。
体液の中には水と電解質であるイオンが含まれていて、イオンは体内で細胞の浸透圧をコントロールしたり筋肉や神経の働きにふかくかかわっている。
イオンとは、ナトリウムなどのミネラル成分が体に吸収されて分解され、微量の電気を帯びている状態のこと。
脱水症状になるとこのイオンが体から失われていくので、体を制御している神経の働きが鈍くなり手足がしびれる、力が入らなくなるなど危険な状態になる。
脱水症は血液の電解質、からだの水分がおかしくなって起きる。種類は二つあって、血液中のナトリウム(塩)などが不足する低張性脱水と呼ぶ状態と、単に水分が不足している高張性脱水と呼ぶ状態です。低張性は、下痢や嘔吐が続いているときなどに、塩分が足りなくなるような状態です。発熱や口の渇きよりも、だるい、頭痛、吐き気、けいれんなどの症状があります。
引用…総合南東北病院
このように体から水分、体液とイオンが失われてしまうと、体はとても心配な状態になるのですね。
特にインフルエンザに罹った場合には、汗で体液が失われるだけでなく、下痢や嘔吐などでも水分が体から失われてしまいます。
そのような状態になると、早めの病院受診が必要になります。でもその前に、家庭でも出来ることがあるので、ママは上手に対処してあげてください。
風邪を引いたとき下痢や嘔吐があったら、水分補給に気を付けて
風邪で発熱や下痢、嘔吐が続くと、体から水分が失われて脱水症状に陥りやすいと書きました。脱水になると並行して様々な症状が合われます。
脱水症状の時に起こる体の変調を挙げます。
- 体液が失われるので口が渇きます
- 血流が悪くなるので体温が下がります
- 血流の悪化に付随して頭痛やめまいが起こります
- 脱水の状態が進行すると吐き気を伴います
それを防ぐためには、どのようなポイントに気を付けて水分を補給すればいいいのでしょうか。
また生後間なく、飲料水が飲めない赤ちゃにはどう水分を取らせればいいのでしょうか。
嘔吐があるときはミルクや母乳も無理にのませない
ベビー用品のコーナーには、0か月から飲める赤ちゃん飲料などが売られていますが、保健師さんたちはあまり推奨していません。
それに赤ちゃん自身もあまり飲みたがらないことがあります。完全母乳で子育てをしているママは、哺乳瓶を持っていないこともあるのではないでしょうか。
そのような場合には、ベビー用の麦茶やイオン飲料を赤ちゃんに飲ませることはできませんよね。
となると、基本は母乳などで水分を補給することになりますが、ぐったりしてしまってなかなかお乳を飲んでくれないということもあるでしょう。
そんな場合は無理に飲ませようとしないことが大切です。発熱して体力が失われている状態で無理をさせると逆に体力を失ってしまうことになります。
また嘔吐があるときは特に授乳量や授乳間隔に気をけましょう。嘔吐があるときの注意点として以下の3点が挙げられます。
- 嘔吐することによって汗をかく以上に体から水分が失われる
- 嘔吐したからと言って急いで授乳しようとすると逆に嘔吐を促進する
- 急いで授乳することによってまた嘔吐してしまう危険性がある
ということが挙げられます。
0~2か月の赤ちゃんには、脱水の時無理にミルクや母乳を飲ませるのではなく、おもちゃなどで機嫌を直すことをおすすめします。
気分が良くなってこないことには、落ち着いてミルクやお乳を飲んでくれませんからね。
下痢や嘔吐が続いている時は、赤ちゃん本人も苦しくて機嫌が悪くなります。そして泣くので一層辛くなります。ミルクどころではないですね。
基本的に赤ちゃんが熟睡している時には、無理に起こさない方が良いです。授乳時間が空いてしまっても、自然に起きるのを待ちましょう。
まれに超熟睡型の赤ちゃんが居て、生後2か月程でも10時間近く眠って脱水になってしまうことがあります。
しかしそんな例はめったにありませんし、病院からもらう薬には眠らせて体力を回復させる目的もあります。
気分が少し落ち着いてきたら、徐々にミルクや母乳、あるいはお白湯などを赤ちゃんが飲める量、焦らずに与えます。
3か月以降の赤ちゃんは、少しずつ内臓の形が整ってくるので、麦茶やベビーイオン水などを与えてるのもいいですね。
飲み物を口に入れてすぐお腹がぐるぐる言うようでは、胃腸が活発に動きすぎています。
お腹のぐるぐる音を目安に、胃腸を刺激しない少量の水分から飲ませていきます。働きすぎているお腹を休ませる目的です。
脱水が気になる時の長風呂はNG
また風邪を引いて熱が高いときに、赤ちゃんに長い入浴をさせることは、お勧めできません。
熱が出て汗をかいているので、お風呂でさっぱりさせてあげたいと思いますよね。
発熱している時には、体温を下げるために汗がたくさん出ますね。その分体からは体液が失われています。
なおかつお風呂で汗をかいてしまうと、心配な脱水の症状をさらに進めてしまうのです。
熱が高いときには、無理にお風呂に入れずに、体を蒸しタオルで拭いたり、こまめに着替えるなどの対応を取りましょう。
これだけでも充分すっきりします。体の不快感が取れれば、赤ちゃんも機嫌が良くなってミルクを飲みやすくなるでしょう。
下痢、嘔吐が続くときには柑橘類や乳製品は避けましょう
風邪をひいて下痢が続いている時に、クエン酸を含んだ食べ物は出来るだけ与えないようにしてください。
離乳食の前段階としてみかんなどの果汁を与える方もあることでしょう。ですが嘔吐が続いて弱っている胃に柑橘系はよくありません。
柑橘系植物のみかんやオレンジ、レモンなどに含まれるクエン酸は、腸管と呼ばれる部分を刺激して一層下痢しやすくなってしまうのです。
腸管とは、体の中の消化器官の総称で、大腸と小腸を合わせてこう呼びます。消化器官はクエン酸の影響で活発に動くようになります。
- クエン酸と腸の関係
- クエン酸は胃に入ると胃酸の出を刺激して消化活動の活発化を促します。抗することによって食べたものをスムーズに消化できるようになります。
梅干し食べて食欲が湧くのは、このようにクエン酸の刺激によって胃酸が分泌されて胃が活発に動いてるからです。
またクエン酸は腸に入ると酸性からアルカリ性の性質を変え、このことから腸を健康にする善玉菌を増やす働きを持つのです。
そのため一般的にはクエン酸を多く含む食べ物は胃腸の働きを良くするために効果的なのです。
クエン酸は「クエン酸回路」または「クエン酸サイクル」といわれるシステムの中で重要な働きをします。「クエン酸回路」は食べ物をエネルギーに代える、エネルギー代謝機能です。
胃や腸で消化・吸収された食べ物は、各細胞内で「ピルビン酸」となってクエン酸回路へ取り込まれます。
もともとクエン酸回路の一部であるクエン酸やリンゴ酸などの「果実酸」を直接摂取すると、クエン酸回路の働きが活発になることは良く知られています。引用…栄養医学研究所
しかし風邪を引いている赤ちゃんは、ウイルスに刺激されて普段よりも胃腸の働きが活発になってしまっています。
ですからこれ以上胃腸の働きを刺激しないように、クエン酸を含む食べ物は与えないようにすることがたいせつです。
赤ちゃんの風邪のほとんどは、ウイルスが原因である可能性が大きいです。体の中に入ったウイルスによって、腸が刺激されて下痢が起こるのです。
同じく乳酸菌飲料や乳製品も下痢の時には与えてはいけません。乳糖不耐症という症状が出る心配があるからです。
乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)が下痢やガスの原因になる事が多いです。と言うのは、乳糖不耐症といって、乳製品の中の乳糖を腸の中で分解しきれずに下痢を起こしてしまう方が、多いのです。
引用…自律神経研究所
柑橘系の飲み物、牛乳やヨーグルトなど、普段よく与えている食べ物でも、風邪で下痢が続くときには避けてください。
風邪の時の上手な水分補給は?赤ちゃんの要求に合わせる事
赤ちゃんが風邪を引いてしまっている時は、脱水の心配があるため、慎重な水分補給が欠かせません。
汗や嘔吐や下痢によって、体からはすぐに水分が失われてしまうからです。重傷な場合には命の危険も考えられます。
だからと言って、むやみに口から水分を与えてもいいのかというと、そうではありません。あくまで赤ちゃんのペースに合わせて飲ませることが重要なのです。
胃腸が活発に動いている時は水分の取り過ぎは危険です
先にも書きましたように、風邪の時はウイルスを体の外に出そうとする働きで普段よりも胃や腸が活発に働いています。
そんな時に水分補給のためだと思って、スポーツ飲料などのようなものを多く与えてしまうと赤ちゃんの体が受け付けません。
余計に嘔吐を促して、脱水状態を加速させる原因になってしまいます。水分の補給は、あくまで赤ちゃんが欲しがる程度にとどめておきましょう。
水分は時間をかけてゆっくりと与えましょう
活発になっている胃腸の働きをこれ以上刺激しないためにも、風邪の時の水分の取り方はゆっくりと時間をかけて行うことが重要です。
まずは、水分を取ってからどれくらいの間隔で下痢や嘔吐が起こるのかを良く観察してみましょう。
先にも書きましたが、口から取った水分がすぐにぐるぐるっと下痢になってしまうようでは、腸の働きは相当活発な状態です。
また、お腹が苦しいときに無理に飲ませようとすると、赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまいますね。
病気の時は、どんな時でも赤ちゃんの機嫌を最優先しましょう。泣いて嫌がる時は無理に飲み物を進めないことがポイントです。
一度水分を与えて下痢が来ないか様子を確認して、機嫌が良く飲み物を嫌がらないようでしたら、徐々に量を増やしていきましょう。
赤ちゃんの風邪におすすめイオン水
風邪を引いたときの水分補給には、乳児用イオン飲料やベビー麦茶などを使って体から失われた電解質を補うことも必要です。
ただし一般的な大人用のミネラルウォーターは避けましょう。ミネラルウォーターは電解質を補給できますが、赤ちゃんの体には負担です。
体の未発達な赤ちゃんは、まだ口から取り込んだミネラルを分解吸収する力が備わっていないのです。
赤ちゃんの身体はまだまだ弱く、大人なら平気なレベルのミネラル成分でも赤ちゃんの場合は胃腸や腎臓にかなり負担がかかってしまう可能性が高いようです。
ミネラル成分の中のマグネシウムなどは下剤の成分ともなってしまうので、身体の小さい赤ちゃんは下痢になりやすくなってしまうようです。
赤ちゃんが風邪を引いたときに、飲ませやすくミネラル分を手軽に補うことの出来る飲料水を紹介します。
イオン飲料は汗で失われたミネラルを補ってくれる
電解質は、体の中で神経どうしの伝達を行う物質として働きます。ですから汗で電解質、つまりミネラルが失われてしまうと危険です。
よく使用されているイオン飲料は、「アクアライトりんご」という商品です。赤ちゃん用のイオン飲料として有名なのでベビーコーナーに良く置かれています。
アクアライトのイオンの濃度は、赤ちゃんの体液のイオン濃度の合わせて作られています。だからこそ下痢で失われるイオンを効率良く補うことが出来るのです。
母乳やミルクばかりを飲んでいる赤ちゃんにとって、味気ない真水はなかなか受け付けないものです。
その点、アクアライトりんごはほんのんりとしたりんご味がついているので、食欲を刺激して、体力の落ちている赤ちゃんでも飲みやすくなっています。
糖分が心配な時は自家製イオン水や麦茶で対応
市販のイオン飲料では糖分の濃度が必要だと心配されている場合は、自家製のイオン水を作って対処しましょう。
乳児健診などでもよく言われますが、市販の乳児用飲料水にはゼロか月から可能、と書かれていてもかなりの量の糖質を含んでいることがあります。
糖分の過剰摂取が不安だというママは、家庭でも作れる簡単イオン飲料を用意して脱水に備えましょう。
- 自家製イオン飲料の作り方
-
材料
水 200cc、
砂糖 ティースプーンに半分
塩 1つまみ- 水200ccは沸騰させて砂糖と塩を良く溶かす
- 常温のまま保存して少しずつ飲ませる
これならば、砂糖がどれだけ入っているのか自分の目で確かめることが出来ますし、塩を入れることでミネラル分の吸収を補う働きもあります。
それに市販のイオン飲料は一回買ってしまうとなかなか飲みきれず、残ってしまうことがありますが、自家製イオン水ならばその都度作れます。
また同じように糖分の取り過ぎが気になる方は、ベビー麦茶などでもミネラルを補給することが出来ます。
麦茶にはカリウムやマンガンなどのミネラル分が豊富で、しかもノンカフェインなことから、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く健康に飲める完全飲料とも言われています。
早く風邪を治すためにも上手に水分を補給しましょう
赤ちゃんが風邪を引いてしまった時の水分の取り方は脱水との微妙な駆け引きが必要になってきます。
そうなるとせっかく水を飲ませてもまたすぐ吐き出して、余計に脱水が進んでしまいます。
風邪を引いている時には焦って必要以上の水分を取らせないことが重要なのです。
基本的には、赤ちゃんが欲しがっているペースに合わせて与えるように心がけましょう。下痢が続いても機嫌がいいようなら急いで水を飲ませることはありません。
ただ、なかなか熱が下がらなかったり下痢の症状が落ち着かない場合には、体重の減少や栄養補給の面にも不安が出てきます。
そういった場合のため赤ちゃんでも飲めるやさしい味のイオン飲料は数種類市販されていますから、状況にあわせて使い分けてみてください。
基本的に風邪の時の自宅療養は、大人も赤ちゃんも同じです。しっかり体をあたためて無理はしないこと。