アトピーは治るの?サプリを試して大丈夫?子供のアトピー性皮膚炎
毎晩かきむしる子どもを見て心が痛いお母さんは多いと思います。早く治したいが為にサプリを試してみたいと思うお母さんも多いかもしれませんね。
サプリは体にいいイメージが先行して、なんだか今ある悩みを改善できる魔法の薬のような感覚を持って購入してはいませんか?
元健康食品会社勤務の筆者から、一言注意喚起させていただきます。
※最近は健康食品の中でカプセルや錠剤など、形態が薬に近いものが一般的にサプリと呼ばれる傾向がありますので、本著でもそのように扱わせていただきます。
この記事の目次
皆さんはサプリ(健康食品)を試してみたくなることはありませんか?
アトピーに限らず、身体に不調を感じてサプリを飲んでいる方も沢山いると思います。
販売会社も社員の生活がかかっていますから、あらゆる心理テクニックを駆使して広告をしていますので、欲しくなるのは当たり前です。
しかし、口コミや体験談が素晴らしくても、それはあくまで個人の体験談であって臨床試験の結果ではありません。
たいていの商品が体験談を前面に押し出して宣伝されているのは、インパクトで勝負をする為です。
子どものアトピーと大人のアトピーは少し違う…未熟な発達が原因
まず、子どものアトピーの体質改善に効果があるようなサプリを選ぶ前に、アトピーについて簡単におさらいしましょう。
子どものアトピーに多い、食物によるアレルギー反応
アトピーとは、アレルギー反応と関係して起こる皮膚の炎症のことですが、大人は環境が原因の場合が多いのに対し、子どもは消化機能や皮膚の発達が未熟な為に起こる事が多いと言われています。
例えば、卵アレルギーの子が卵を食べてしまった時の体内の反応を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 卵のタンパク質を敵(病原菌など)と勘違いし、体外から排除しようと免疫細胞(リンパT・B)が抗体を作る
- 抗体が卵のタンパク質(抗原)の形状と合致
- 肥満細胞からヒスタミン(かゆみの素)などの化学物質が放出される
- ヒスタミンが原因となるたんぱく質(アレルゲン)を追い出すために粘膜細胞を刺激
その結果、かゆみなどのアレルギー反応が起こります。
症状が軽かったり、2歳頃に症状が治まる子供もいるため、気付かず成長してしまうケースもあります。
しかし、子どもの場合は胃や腸が発達してくると、卵のタンパク質がそのままの形で吸収されるのではなく、消化してバラバラに分解できるようになり、いままで作った抗体に反応しなくなります。
ただし、「完治」というよりは「寛解」といった感じで、治ったと思ったアトピーが後に再発という場合もあります。
乾燥肌やバリア機能の弱さから、過敏になってしまうかゆみの神経
もう一つの主な原因として、子どもの皮膚は薄くてバリア機能が弱く、一度皮膚にアレルギー反応を起こしてしまうとかゆみの悪循環が始まってしまい、なかなかかゆみと炎症が収まらなくなるという点が挙げられます。
- アレルゲンを追い出そうと肥満細胞がヒスタミンを出す
- 白血球が肥満細胞を応援する際、皮膚の細胞まで手当たり次第攻撃
- 細胞が傷つき、湿疹などの炎症が発生する
- 炎症に触発されて肥満細胞が増殖
- 増えた肥満細胞から更にヒスタミンが放出
健康ならば皮膚の深い部分にとどまっているはずのかゆみ神経が、アトピーに多い超乾燥肌の場合には皮膚の表面にある表皮の部分にまで伸びてきて、非常に敏感になってしまいます。
少しの刺激でもかゆくなってしまうので改善には根気が必要ですが、病院で適切な処置をして、生活習慣を改善していけば、成長による皮膚の発達に伴い症状が軽減されていきます。
つまり、子どものアトピーは成長に伴い症状が緩和される可能性があるのです。
サプリを考える前に日々の生活習慣の見直しをしてみよう
よく○○健康法と銘打って食品の効果を紹介する番組が流行りますが、例えば海苔数枚やバナナ一本でもいろいろな栄養素をとることができます。
高いお金を払わなくても少し何かを取り入れたり、現状を見直すだけで改善できる部分がたくさんあります。
では、どんなところを見直せばよいのでしょうか。
アトピーの基本的な知識を親が勉強する…偏った情報には注意
まず、アトピーのことを知らなければ対策の立てようがありません。
自分があまりよく知らないと思ったら、できたら最初は商品の絡んでいない書籍や記事を選んで読み、アトピーの基礎知識と治療の現状を知ってください。
自分たちが信頼できる医師を探し、治療方針を決める
今治療を受けている医師を信頼できていますか?
口コミで評判が良くても自分や子どもが合わないと思ったら他の病院も受診してみるべきです。
アトピーについて自分がよくわからないことを伝えて、わかりやすく説明してくれるかどうかも判断材料にしてみて下さい。
正しい薬の使い方を実践する…間違った使い方では効果が出ない
最初に診察を受けた病院が説明不足だった為に、「塗っても効果がない」とか「良くなったりぶり返したりしてステロイドは信用できない」と思っている方も多いです。
今は画像などでも説明されているものがありますし、面倒でも一度はきちんとした使用法を確認してみましょう。
また、保湿剤を面倒に思いついさぼってしまう方もいますが、2016年4月に理化学研究所が「ワセリンを塗ることでアトピーの発症を予防できる可能性がある」とする研究結果を発表しています。
睡眠時間や衣類の素材、石けんの変更など、身近なところから改善してみる
肌細胞の新陳代謝(ターンオーバー)には睡眠が不可欠です。また、肌への刺激を減らすことも重要になります。
- 下着だけでも汗を吸収しやすい綿や自然素材のものに替える
- 室温・湿度の見直し
- 弱酸性で低刺激の石けんやシャンプー・洗剤への変更
上記のように、サプリに頼らなくても少しの意識で自己免疫力を高めたり、変えられる部分も沢山ありますので、探してみて下さい。
声かけに気を付けてみる…「かいちゃダメ」が子どものストレスに!
「かいちゃダメって何度も言っているでしょう!」と親が怒りの気持ちで叱ると子どもはストレスを感じて余計にひっかいてしまい逆効果になります。
強いかゆみを我慢するのは大人でもなかなか難しいことです。
親が優しく教えてあげると、子どももだんだん自分からかいちゃダメだった…と意識できるようになっていきます。
特に夏場は腕や足の関節部分に汗がついてかゆくなりますから、洗えなければ濡れタオルなどで刺激物である汗やほこりを取り除き、冷やすとだいぶかゆみは和らぎます。
そして、子どもが自分で対処することができたらしっかり褒めてあげて下さい。
食生活を見直してみる…まずは普段使っている油から
食生活のすべてを見直すのはかなり大変です。
あれもこれもアトピーにとって良いものにしようと思ったら、手間もお金も相当かかります。
健康食品の分野でここ数年特に注目されているのが油ですので、どこにお金を回そうかと迷ったら、まず普段使う油を変えてみてはいかがでしょうか。
- 炒め物など、加熱して使う場合はオリーブオイル・椿油などのオメガ9系(オレイン酸)の油にする。
- ドレッシングなど、生で食べる油はアトピーの緩和に効果があると言われる亜麻仁油・えごま油などのオメガ3系(αーリノレン酸)のものに変える。
- アトピーを悪化させるといわれるオメガ6系(リノール酸)のサラダ油・コーン油などはできるだけ避ける。
代表的なものを挙げましたが、どの種類に分類されるかを意識して油を選んでみて下さい。
多量に含まれているスナック菓子や菓子パンなど、子どもは大好物なのでなかなかすぐにはやめられないと思いますが、できるだけ減らしてあげて下さい。
「アトピービジネス」という言葉を聞いたことはありますか?
「アトピービジネス」この言葉は金沢大学医学部皮膚科の竹原和彦教授が提唱された造語ですが、アトピー性皮膚炎の患者をターゲットにする悪徳業者を指す言葉です。
こんな造語が提唱されてしまうほ、どアトピー患者を狙った悪徳ビジネスは横行しやすいのです。
医薬品医療機器等法(旧:薬事法)によりだいぶ誇大広告は減ったものの、アトピーに関しては驚くほど情報が氾濫しているので、何を信じたらよいのかわからない方も多いと思います。
1990年代にマスコミ報道により拡散してしまったステロイド外用薬に対する悪いイメージに振り回される前に、今一度そのサプリは本当に子どもに必要かどうかを考えてみてください。
子どものために買ったものが、子どもの健康や成長を阻害してしまったら本末転倒です。購入前に正しい情報を仕入れて、成分表示や販売会社をチェックする癖をつけましょう。
定義の広い健康食品…あれもこれも「健康食品」です
厚生労働省のHPでも説明されている通り、健康食品には法律上の定義は無く「広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの」全般を指しています。
そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」があります。
- 特定保健用食品(トクホ):国に科学的根拠を示して、有効性や安全性の審査を受けたもの
- 栄養機能食品:一日当たりの摂取目安量が、国が定めた栄養基準の上限・下限に適合しているもの(国への届け出は必要なく、自己認証制)
- 機能性表示食品:事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を示した食品
- いわゆる「健康食品」:上記以外で「健康補助食品」など、特に国に許可や届け出をしていないもの
ついつい「一日一粒で驚くほどの違いが!」「今、お買い得です!」などという文句を見ると、体験談や値引きの情報ばかりに目を奪われてしまいますが、購入前に一呼吸おいて考えてみて下さい。
- その商品は上記のどれに分類されているのか
- 子どもの体が現在必要としている(不足している)栄養素は何なのか
- その成分は一回の使用量に対してどのくらい含まれているのか(一日に必要な量と普段の食事でとれる量から考えて、わざわざとる必要があるのか)
- わけのわからない成分や添加物でかさ増しされていないか
- 臨床データはどうなっているのか
- 厚生労働省HPで問題になっている成分は配合されていないか
常にチェックする癖をつけて賢い消費者になってください。
誰でも商売できるのがインターネットの怖いところです
ネットの向こうで商品を扱っているのはどんな方かわかりません。
本当に患者さんやその家族の為に商品を広めたい方もいるでしょうが、悪質な会社もあります。
食育への影響も考えましょう…サプリ依存にならないように
子ども用サプリメントというものもありますが、どちらかというと「お子さんが飲みやすい味つけや形状や小さなカプセルにしてあります」という意味で使われているようです。
「子どもが摂取しても安全な臨床試験を行っています」と明記されているか、パッケージの隅から隅まで確認してみて下さい。
これも「子ども用って書いてあるから子供が飲んでも大丈夫」と思い込んでしまう言葉のマジックです。
また、子どもがサプリを飲んでいないと体調が悪くなってしまう気がして、飲むのをやめられなくなってしまうサプリメント依存に陥ってしまう可能性もあります。
子どもが小さいうちから、足りない栄養素は全てサプリに頼って補えばいいという考え方にとらわれてしまうのはとても危険です!
食育という意味でも子どもに対するサプリの使用は慎重にしたいものです。
「アトピーには体質改善が重要」…でも、サプリは薬じゃないんです
子供のアトピーの原因として、特に問題視されているのは以下の二つの点です。
- 表皮が薄くて皮脂の分泌量が少ない為、肌のバリア機能が低く乾燥や刺激に弱い
- 腸が未熟な為不十分な消化酵素の働きにより、食べ物を異物として免疫が働いてしまう
「お医者さんが皮膚と腸が問題だって言っているのだから、皮膚の為にビオチンや腸の為に乳酸菌サプリとかを使えばいいんじゃないの?」と思ってしまう方もいるかもしれません。
宣伝で消費者が受ける印象ほどの効果があるなら、とっくに薬になって病院で使われているはずです。
また、食品だから多く摂っても薬害は起こらないわけではないのです。
そして、処方された塗り薬や保湿剤を正しく使うことから始めてみましょう。
サプリを使いたい方へ!サプリが本当に子どもに合っているかの見極め方
ここまで読んで、サプリはやめておこうと思ってしまう方もいるかもしれませんが、豆乳やハト麦茶などの身近な食材も広い意味では健康食品です。
昔の人の知恵が科学の力で裏付けされて、健康食品やサプリとなっているのもありますので過剰に怖がりすぎることはありません。
上手に使えばサプリにもメリットはある…親のストレス軽減にも
最近は食育ブームと情報の氾濫でしんどい思いしている方も多いと思います。
「体質改善のために、なんとか毎日栄養バランスのとれた手料理を三食食べさせなきゃ…。」
真面目なママは子どもがアトピーということで、より一層追い詰められた気持ちになってはいないでしょうか。
サプリ依存になるほど頼ってはいけませんが、今はいろいろな種類があって子どもがサプリだと思わない形態の物もありますし、注意点をしっかり守って使えば大丈夫です。
給食が始まったら一日一食は栄養バランスのとれた食事を食べられるようになりますし、好き嫌いを克服できる子も沢山います。
また、栄養素は単独で摂取するよりも相乗効果で吸収率が上がるものもあります。
例えば、オリゴ糖はビフィズス菌(善玉菌)のエサになりますので、セットで取ると腸内環境を整えるのにとても効果的ですし、どちらもトクホとして認められています。
野菜が苦手で便秘がちの子どもに食物繊維を取らせようと、365日工夫したメニューを作るのは大変だと思います。
そんなに手間や時間をかけられない時や心に余裕がなくなってきた時は、一時的に試してみるのもよいのではないでしょうか?
新陳代謝の周期を知って、続けるかどうかの判断材料にしよう
人間の体の細胞は日々新しくなっていますので、サプリを使い始めると少しずつ体調は変化すると思います。
肌の細胞が入れ替わる周期は約28日、胃腸は約5日、これも年齢によってだいぶ差があるそうですが、サプリがどこの部位に作用することを見込んで摂取しているのかを意識して子供の様子を見てください。
- オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)…アレルギー反応抑制効果
- 亜鉛・ビタミン・ミネラル…皮膚の新陳代謝
- オリゴ糖・乳酸菌…腸内環境の改善
数か月使い続けても狙った効果が現れないのなら、それは自分の子どもには必要のない成分であるか合っていないかのどちらかですので使用を中止しましょう。
また、亜鉛中毒など怖い症状もありますので、複数組み合わせて使う際は成分表示をよく見て、摂取したい成分以外のものも過剰摂取にならないようお気を付けください。
できれば記録をつけておくと本当に子どもに合っているのかを判断する材料になりますし、健康被害に遭った時に報告しやすいです。(パッケージをスマホで撮影しておくのもオススメです)
しかし、国立健康・栄養研究所のHPには健康被害に遭っても、「同様の被害を防止するために保健所に報告してください」と書いてあるだけで、子どもが受けた被害が保証されるかどうかは何も書いてありません。
地元自治体や公共機関の子育て相談などを上手に利用しましょう
日本人が普通に三食食べていて、栄養不足になることはほとんどないと言われています。
サプリは、摂りたいと思う特定成分を大量に摂取することがメリットでありデメリットです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ましてやまだ成長段階にある子どもの体です。
あまりに偏食がひどいようなら小児科や信頼できる機関で栄養士さんや保健師さんに相談に乗ってもらうのも一つの手です。
利害関係が絡まないので、偏らないアドバイスがもらえると思います。
- 「この子は一週間こんな感じの食事です。この成分が足りないからアトピーが悪化するのでしょうか?」
- 「偏食がひどくて食べないのですが、栄養を補ういい方法はありますか?」
- 「こんなサプリを試してみたいと思うのですが、どうですか?」
など、こちらも何が聞きたいかを具体的にメモして行き、使える機会は有効に使いましょう。
最新の情報集めと観察でサプリと上手に付き合おう
使ってみたい成分が決まったら、複数の製品を比較してみて下さい。
商品によって含有量以外にも、相乗効果を狙っていろいろな成分が入っていたり、加熱や消化酵素で効果がなくならないようカプセルに入れてあったり、様々な違いがあります。
各社のHPや製品情報を見て、最適な商品を選ぼう
最近はアトピーには腸内環境の改善ということで、乳酸菌サプリがたくさん販売されていますが、種類によって狙っている効果が違います。
ピロリ菌の抑制や大腸がんの予防など、一口に乳酸菌と言っても沢山の種類がありまり、効果も様々です。
アトピーに関して言えば、KIRINの「KW乳酸菌(KW3110株)」やオハヨー乳業の「L-55株」はアトピー性皮膚炎モデルマウスで、アサヒカルピスウェルネス(株)の「L-92乳酸菌」は乳幼児で、それぞれアトピー症状の緩和に効果があったとする実験結果を公開しています。
また、乳酸菌は腸内で留まることができるという研究結果が今のところないので、効果が実感できた後も継続して摂取しないとまた腸内環境が悪化してしまします。
続けられるような値段の商品を選ぶことも重要なポイントです。
子どもに与えるなら、特に日々の情報チェックを欠かさないようにしよう
薬は厳しい試験を経て製造され、難しい国家試験をクリアした医師や薬剤師が処方してくれるものです。
しかし、サプリは素人がイメージだけで選んで買えてしまい、摂取量も自分で調節してしまえるいわば無法地帯です。
後で「その成分は効果が無かった」ならまだましですが、「他の部位には有害な作用を引き起こすものだった」となったらそれ以降不安な日々を送らなければなりません。
自分が信じられると思った専門家の指導の下、サプリを使った療法を試すのがベストだとは思いますが、居住地域や費用の問題もあってなかなか難しいと思います。
きちんとした臨床データを示した医師や中立的な研究機関の情報をまず仕入れた上で、自分の子どもに合っていると思われる商品を選んで下さい。
子どもと一緒に服用して使用感を確認してみるのもいいと思います。
また、漢方薬や減感作療法など今はいろいろな方法がありますから、ステロイドの使用が心配な方も自己判断でいきなりサプリだけに切り替えてしまうのではなく、担当医に相談してみて下さい。
サプリの使用を誤ると、健康・お金・時間…いろいろなものが失われてしまいます。

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