3歳までではない幼児の育脳!本能や心を鍛える方法ややめたい習慣
赤ちゃんが生まれてすぐに早期教育をお考えの親御さんも多いと思いますが、子供の脳は成長に特徴があることを踏まえて、年齢に見合った教育をすることが大切です。
幼児の育脳は0~3歳、3~7歳、7~10歳に分けて考えると成長に見合った教育の参考になるのではと思います。
子供の育脳で知っておきたい医学的な指針について、わかりやすくお伝えします。
この記事の目次
子どもの育脳は0歳から10歳過ぎまでが大切
幼児教育に熱心な親御さんが増え、生まれてすぐ音楽を聞かせたり、語学学習映像を見せたりすると聞きます。
脳が年齢によってどのような発達状態なのかを知って、それに見合った適切な教育を与えることが一番いい方法なのです。
より良い育脳は医学的に「0~3歳」「3~7歳」「7~10歳」の3つの成長ブロックに分けて考えるのが良いとされています。発達過程に見合った脳の育て方が重要だということですね。
▼脳の基礎作りのポイントについてはコチラも参考にしてみて!
脳は五感からの情報を元に機能している
「頭のいい子に育ってほしい!」もちろん親なら誰もが願うことですが、この場合、記憶力や理解力、判断力や思考力が優れているといったイメージがあります。
でも、脳の機能が十分に働いていないと「頭の良い子」へ繋がらないんですね。機能がしっかり働くためには五感からの情報をちゃんと受け取れているかが問題なんです。
一般的に感覚機能のことをさしますが、視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚のことを言ったりたりします。
脳は生まれながらに人間に備わっている本能には逆らえないことから、本能について知ることがはじめの一歩だということです。
才能を育てるためには、まず本能と心を高める
人間力があるかないかという評価で人の優劣を語ることがあります。脳の機能がよく働く人は、機能と共に本能、心が三位一体となっているということなんです。
将来才能を遺憾無く発揮できる子どもは、0~3歳の頃に本能と心を鍛えてちゃんと準備を備えているのです。
子どものやる気「意欲」や考える力「思考」をコントロールする「心」もとても大切な役割を持っているのです。
せっかくのやる気も自分のことしか考えない、あるいは大人で言うところの損得勘定でしか考えないようなものだとしたらどうでしょうか。
心が正しく働いていないですよね。過剰な本能を上手く抑えながらコントロールすることは子どもの成長過程の中で学ばなければならない大切なことです。
良い心を育てるタイミングは0~3歳なのです。脳機能の基盤となる本能を磨き、鍛えて大人になって才能を発揮できるベースを作ります。
子どもの脳の発達の不思議、興味や感動が育脳の鍵
3歳までに発達してきた脳神経細胞の中には、残念ながら不要なものもあるのです。変なたとえですが、野菜を作るときに間引きをしていい苗だけを残しますよね。
これと同じで、良くない細胞は死んでいく自然のシステムになっているんです。適切にこの間引きが行われて整理され、脳神経伝達回路網の基礎固めがなされます。小さな子どもの脳の中ではとても神秘的な成長が日々進んでいるのですね。
また、子どもが保育園や幼稚園に通う頃、子どもの言葉や行動に注目しましょう。
そんな時は、親や先生など周りの大人が「本当は面白いよ」「楽しそうだからママにやらせて」と関心を持たせるように頑張らないといけません。
この年頃では興味を持ち感動したり喜んだり、集中できたり真面目に丁寧に生活できるポジティブさが脳にいい影響を与えます。
自ら学ぶ、才能を発揮する脳は10歳以降
小学校に上がる頃には自主的に勉強させる…これって理想的ですよね。ですが0歳から段階を踏んで発達に応じた育脳をしていけばスムーズに勉強に取り組めるはずなのです。
小学生になったら自主性や主体性といった自分自身で頑張る力を発揮させます。10歳を過ぎればどんどん勉強させてもいい脳に成長しているはずです。
子どもの自尊心を刺激しながら親は上手く指導しなければなりません。子どもの脳の発達に応じた教育とはママ、パパ自身もタイミングを学ばなければなりませんね。
更に具体的にどんなことに気をつけながら子育てすればいいのか、年齢ブロック別に詳細に紹介していきますね。
0~3歳の未熟な脳には本能磨き
早期教育で頭の良い子に!と詰め込み学習に躍起になるのは、生まれてから3歳までは脳にはよくありません。
無駄なく的確に脳を育てることを育脳といいます。医学的にも3歳までの脳はまだまだ未熟で神経回路が発達していません。
0~3歳の子どもに親はどうすればいいのでしょう。将来才能を活かせる脳作りには、「本能を鍛える」ことがポイントです。
脳神経細胞が持つ本能というのは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つだそうです。
脳には「興味を持つ」「好きになる力」はとても大切になってきます。お母さんからたくさんの愛情をもらうことで本能がよく働きます。
【本脳を鍛えるための10のポイント】については下記となります。
- 1.笑顔で接し、愛情をたっぷりに育てる
- 「生きたい」本能を鍛えるには赤ちゃんの愛されたい、認められたいという欲求を十分満たしてあげることです。愛情が不足すると脳が過剰に自分を守ろうとして失敗を怖がったり、攻撃的になったりする良くない反応が出ることがあります。笑顔で話しかけスキンシップをたくさん行いましょう。
- 2.失敗しても認めてあげる、よく褒める
- 0~3歳といえば何もかも初めての経験で失敗のオンパレードです。失敗して当たり前と思って叱らずに励まし勇気づけてあげてください。ママが嬉しい顔で褒めてくれると子どもは人のためにも頑張れる良い心が育ちます。叱ってばかりだと失敗を隠したり、挑戦することをやめたりと良いことがありません。
- 3.どんどん競争させる
- 子どもは基本的に競争することを好みます。遊びの中で競争して全力投球することは育脳にとても良いのです。時には競争相手によってハンディをつけてぎりぎり勝てるという設定がおすすめです。勝つか負けるかといった必死になれる状態が理想的です。
- 4.ベビーカーに乗せず歩かせる
- 歩くペースが遅く危なっかしいからという理由でベビーカーに乗せてばかりいませんか?歩きたい欲求をを満たすことは生きたい本脳を鍛えます。足腰を鍛えるためにもどんどん歩かせましょう。
- 5.興味を持ってやることは自由にさせる
- 0~3歳は知りたい欲求が強く何でも口に入れてみたり、段があればよじ登ったりします。危険なものは片付けるなどして子どもが関心を持ってしようとすることは、できるだけダメと言わずに見守りながらさせましょう。
- 6.挑戦しようとしている行為をすぐ手助けしない
- 自分で靴を履こうとしたり、窓を開けようとしたりなんでも自分でしようとするのは知りたいという欲求からです。上手くいかなくても何度も挑戦することは子どもの考える力を成長させます。「すごいすごい!」と褒めたり「頑張って!」と声をかけやる気スイッチが入るよう働きかけましょう。
- 7.夢中になって楽しんでいることを応援する
- 子どもはお気に入りのおもちゃや、大好きな漫画・アニメなど特別こだわることがあります。子どもの「好き・楽しい」という気持ちは脳にプラスの感情で重要な役割があります。満足できるまで好きなことをさせてあげてください。興味のないものを無理やりさせたりしても意味はありません。
- 8.子どもが話す時はちゃんと受け止めて聞いてあげる
- 忙しい最中だからと適当に返事したり、後でねとやり過ごしたりすると、子どもも「もういいや」と中途半端で放ってしまいます。話は「そうなんだ」「よかったね」と受け止めてあげるのがいいですね。気落ちでちゃんと聞いてあげましょう。
- 9.遊ぶ時は子どもと同じ目線になって遊ぶ
- 親子で一緒に遊ぶことは仲間になりたいという欲求を満たす行動です。子どもと一緒になって遊ぶのは面倒な気もしますが、大人と遊ぶことは本脳を鍛えるためにもとても良いことなのです。親も子どもの遊び方から様々な情報を得られると思います。どんなことに興味があるのか、難しい事が出来るようになったかなど、じっくり観察するいい機会です。
- 10.まだ話せなくても笑顔でコミュニケーション
- 言葉がまだわからない赤ちゃんでも笑顔で接することはとても重要です。明るいママの声や周りの笑い声などは仲間になりたい本脳を鍛えます。目を見て話しかけたりスキンシップをとりながら話しかけるととてもいい影響を与えます。
3~7歳は脳の基礎固め!育脳に良くない習慣
3~7歳の脳は大人の脳へのステップで基礎固めと言えます。発達成長した脳神経細胞が整理整頓され、必要のない細胞は淘汰され必要なものだけが残り脳神経伝達回路のベースができてきます。
注意したいのが、この時期の知識の詰め込みやテクニック的な学習は教えるタイミングではないということです。それはもう少し後になります。
勉強、スポーツができるための脳を準備をする時期なのです。0~3歳で本脳や心を磨くことを中心にした育児について紹介しましたが、次に、成長した脳機能、本能、心を一緒に働かせるために大切なこと。
「絶対やめるべき育脳にとっての悪い習慣」についてお伝えします。育脳の中でも特に重要な内容だということです。
【やめるべき脳に良くない10の習慣】については下記となります。
- 1.無関心、無感動
- ちょっとおませな子は口癖のように「どうでもい」「面白くない」と言ったりしていませんか?いつも冴えない表情でこんな言葉を口にしているようなら要注意です。脳の発達を妨げますので、無理にでも笑顔を作り「楽しい、面白い」という環境作りが必要です。ママパパが率先して笑顔で「面白いね!」とムードを盛り上げてください。子どももつられるように顔がほころぶはずです。
- 2.疲れた、出来ないなど否定的な発言
- 脳は言葉に敏感に反応します。否定的なやる気のない言葉を言うことは、脳に動くな、やるなと言っていることと同じです。これでは脳は成長できません。自分で出来ないやらない脳を作っていることになりますね。肯定的な言葉が望ましいですが、子どもが「出来ない」など否定的な言葉を使うようでしたら、「ママは出来ると思うよ。出来るまで頑張ってみよう!」「僕は出来るって言ってごらん。信じて頑張れば必ず出来るようになるよ」と明るく勇気づけてあげてください。
- 3.後でやるよと後回し
- やりたくないなあと思っている時とりあえず言い訳じみた言葉ですが「後でやる」と言ったりします。これも「自分から進んでやっている」という意欲的な脳の機能が働きません。子どもがだらだらテレビを見ていて頼みごとをしても「後で」と適当な返事をしたら、親は「今見てる番組が終わる8時からやってくれる?」など上手く誘導して「後で」と言わせない工夫をしてあげましょう。
- 4.あれこれ気が散り集中しない
- 集中力が大切なことは誰もが知るところですが、脳は繊細で、ちょっと気が散る、他の事を考えるなどで集中力はダウンします。ですからテレビが付いた状態で勉強するなどそのような習慣はよくありません。勉強するときにはテレビを消す、ゲームや漫画はそばに置かないといった集中できる環境づくりが大切です。子どもの学習スペースを親子でちゃんと整えましょう。
- 5.中途半端なところでやめてしまう
- 人はつい楽をしたいと思う動物です。脳がそうさせるのかもしれませんが「大体出来たからいいや」「まあまあわかった」といった甘えは脳によくありません。宿題も最後までできているか確認してあげてください。「まだわからないところがあるならどこ?」と勉強も遊びも最後まで終わらせる習慣を付けさせてください。
- 6.人の話を適当に聞く
- なんとなく聞く、適当に相槌を打つなど、人の話を集中して聞けないのは、学年が上がっても先生や指導者の話、親の話も結局きちんと聞けません。話して聞かせる時には「ちゃんとママの顔を見なさい」と注意を向けさせ、話を聞き流す習慣をつけさせないようにしましょう。また「あなたはどうしたいの?」など質問して答えさせるのもしっかり聞かせる一つの方法です。
- 7.人をバカにしたり見下したりする
- 人としての正しい気持ちや心を育てるには他の人ことを大切に敬う気持ちが大切です。人を蹴落すような考えや自分さえよければいい自己中心的な考え、あいつはダメだなど人をバカにしたりする態度は慎まなければなりません。わかりやすい例を挙げるならママがパパのことを具体的に褒めるといいですね。「毎日お仕事頑張ってくれてるね」「パパの笑顔が可愛いよね」など子どもに恥ずかしがらずに言ってみましょう。きっと子どもも友達の良いところを認めその人を褒められるような尊敬する心が育つと思います。
- 8.自分の失敗を誤魔化す
- 失敗は恥ずかしいことでも何でもありません。失敗するからこそ弱点がはっきり見つかるのです。次のステップが分かり才能を伸ばすきっかけになります。子どもの失敗を非難するのではなく「次はここに気をつければ成功するよ」と、新しい課題に挑戦するチャンスとばかりに子どもの気持ちをサポートしてあげるといいですね。失敗を怖がらず何度も立ち直ることができるようになります。
- 9.復習・確認しない
- 人は時間が経つと重要なこと以外は覚えたことを忘れるものです。一度脳に入った情報や学んだことを復習し繰り返すことで理解が確実になります。教室での勉強も家庭での復讐が育脳の大事なポイントなのです。一度正解しただけでは不十分なのです。同じ問題を何回も繰り返し正解することでしっかり脳に刻まれますので、予習も大切ですが家での復習をしっかり取り組ませましょう。
- 10.損得勘定でズルをし手を抜く
- 才能を発揮させるためには損得勘定で行動する習慣は明らかに損です。何事も必死で頑張る姿勢が脳に良いのです。得にもならないなどと思いながら行動していたのでは「自らやる」行動とは脳に与える刺激は大違いです。例えば自分は出来ることでも出来ない友達のために一緒に手伝ってあげるとか、試合の時だけじゃなく影で自主的に練習も一生懸命することは脳にとてもいい刺激になるのです。
7~10歳は自主性・主体性を育てるのがポイント
7~10歳の育脳は自ら考え、自ら行動する力を育てる時期です。この頃の脳は、あれしなさい、これしなさいと言いつけられるとやる気を失い拒絶反応を示し逆効果となるようです。
「今やろうと思っていたのに!うるさい!」と子どもが怒るのは脳が発達している証拠です。「可愛くないわ」と嘆くより「脳が正常に発達してる!」と喜ぶべきなのです。(笑)
先回りして支持したりしてはいけないということは、任せてしまえばいいのか放任でいいのかというとそういうことではありません。
子どもだけでは判断に迷うことも当然ありますし、わからなくて困ることもあるでしょう。そこは人生の先輩である親が上手く誘導してあげるといいですね。
子どもの良い導き方は質問すること
子どもの主体性を伸ばしつつ嫌がられないよう導くためには、「良い質問をする」ことだそうです。
少し難しい選択なら「時間を置いて明日もう一回考えてみようか」など本人が納得できる方法で考えさせてみましょう。
本当の意味で自分で考えることの出来る、頭が良い子に成長できます。自ら学ぶ。楽しみながら行動する、興味を持ってどんどん取り組む、そんな脳に育てる時期と言えます。
10歳以降はどんどん勉強させてOK
10歳くらいになると、個人差はあるもののほぼ大人の脳と同じになります。本格的な勉強はここからです。ガンガン勉強させても大丈夫です。
勉強に打ち込むことの出来る脳に育てたはずです。自分からやる気を出して集中できる脳になっているはずです。
あくまでも自分で進んでやる気持ちで勉強することが大切です。「やらされている」状態での勉強は身につきにくいでしょう。
育脳とは勉強できる脳を育てるだけではないことを理解しよう
子どもの才能を開花させるための準備として育脳についてお伝えしてきましたが、勉強できる脳を作るだけではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
3歳刻みで脳の発達には違いがあり、それに合わせた教育がちゃんとできるかどうかで、子どもの将来が随分変わってきそうな話です。
幼児期に順を追って、生まれながらに持っている本能や心の部分にちゃんと注目して子育てをし、人としての考え方や集中力を養い、生活習慣を整え、それから勉強に励ませると良いという流れです。
10歳で大人の脳とほぼ同じ程度になるというのは驚きですが、その10年間で目覚しい脳の発達があるということです。
明るく朗らかな家庭環境、家族関係が大切なのも言うまでもありません。たくさんの経験値の積み重ねが脳に良いこともわかりましたね。
医学的に育脳に良いことがどんなことか分かっても、実践するとなるとなかなか難しいかもしれません。
私も子育て中にこのような情報があれば、育児の仕方が少しは違ってたのになあと思います。
特に、子どもに主体性を持たせるために「質問する」子育て対応がもっとできたのではないかと思ったりしています。
0歳から10歳迄の子育ては、子どもの将来に影響する大切な時期だということを知り、脳と心を育てる子育ての参考になればと思っています。