子育てのイライラはアンガーマネジメントでコントロール!
子育ての中でついイライラし、声を荒げてしまったり、思い通りに行かずに欝々とした気分に陥ってしまう。
そんな毎日を、後悔すると分かっているのに繰り返してしまうママも多いでしょう。
誰にでもある子育てのイライラをうまくコントロールしてプラスの力に変える方法のひとつに、アンガーマネジメントというものがあります。
最近では企業の研修やセミナーでも利用されているようです。
いったいどういった内容なのかご紹介するとともに、子育てへの応用方法を見ていきましょう。
アンガーマネジメントっていったい何?
そもそも、アンガーマネジメントとは何なのかをまずは知る必要があります。
アンガーマネジメントの意味を説明します。
- アンガー(anger):怒り
- マネジメント(management):上手に付き合うこと
この2つの単語の組み合わせで出来た言葉で、1970年代にアメリカで始まった心理教育です。
「怒り」を「モチベーション」に出来るアンガーマネジメント
アンガーマネジメントは、怒りと上手に付き合いながら怒りをモチベーションに変えることができます。
その際に考えることとして、「怒り」のメリットがあります。
「怒り」と聞くと、後から後悔してしまったり相手と気まずくなったりと、デメリットを考えがちでメリットには考えが及びにくいのです。
しかし、「怒り」のメリットを考えてみると、一度ガツンと怒ることですっきりしたり、相手に曖昧ではなく意志を伝えられるといったことが挙げられます。
その中で一番に力を発揮するメリットが「モチベーション」につながるという点なのです。
悔しいから頑張ろうと自分を奮い立たせたり、負けたくないから努力しようとする、といったモチベーションは、そもそも怒りのエネルギーから始まったものです。
つまり、怒りを向上心やモチベーションにつなげられると言えるのです。
色々な場所で注目されるアンガーマネジメント
アンガーマネジメントは子育ての分野だけでなく、様々な分野で利用されています。
アメリカでは、職業にとらわれず様々な人達がよりよい生活や仕事や人間関係を手に入れるために技術を取得し、「アンガーマネジメント」を実践しています。
アンガーマネジメントは以下のような場面で効果的に実践出来ます。
- 人間関係のトラブル回避
- 子育てのイライラ回避
- 職場のイライラ回避と仕事の効率化
- 学校教育
- 対人ストレス対策
- 部下のマネジメント
- 常に冷静なパフォーマンス
これらはほんの一例にすぎず、アンガーマネジメントの実践は、人によって様々な理由を伴う怒りのコントロールをより有益に行うことができるのです。
日本アンガーマネジメント協会 初めての方へ
https://www.angermanagement.co.jp/about
詳しいアンガーマネジメントの内容は、日本アンガーマネジメント協会の公式書籍やセミナーで学ぶことが可能です。
日本アンガーマネジメント協会
https://www.angermanagement.co.jp/
日本においてもアンガーマネジメントを導入する学校機関や企業が増えています。例えば、岡山県の中学校ではアンガーマネジメントのプログラムを試験的に導入しています。
アンガーマネジメントの考え方に基づいて、「怒り」の感情への対処の仕方、自分の怒りの傾向の分析を中学生自身が自発的に行うワークショップを行い、その成果と課題を研究しています。
このプログラムを導入した学級の中には、器物破損や喧嘩などのトラブルがなくなったという報告もあります。
中学校におけるアンガーマネジメントの試み
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/study/02kiyoPDF/02watanabe.PDF
アンガーマネジメントを子育てに応用する6つの手順
では、実際にアンガーマネジメントを子育てで応用する場合はどのように実践するべきでしょうか。
- 怒りの点数化と順位づけ
- 怒りの内容を文章で書きだす
- 怒鳴る前に深呼吸
- グレーゾーンを認める
- 脱完璧主義
- 放置する
これらをひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.イライラの点数化と順位づけ
自分がなぜイライラしているのか、どれ位怒っているのかを10段階評価で点数をつけてみましょう。
子どもが言うことを訊かないから、時間がないから、夫が家を空けがちだから…などなど、なんでも良いです。
すると、自分が一体何に対して強く怒っているか、その強さも同時に客観的にわかります。
さらに、本当は怒る必要もないことに怒っている場合にはそれを自覚することもでき、必要のない怒りにいちいち振り回されずに済むようになるのです。
また、それぞれの怒りにどの程度のエネルギーと労力を配分するかの優先順位をつけることもできます。
優先順位をつけると、優先順位の高い怒りから大きな対策を立て、低いものは無視をしたり沈静化するという選択もできます。
2.イライラの内容を文章で書きだしたり叫んでみたりする
何に対してなのか分からないけれどなんとなくイライラする、気分が落ち着かない…という時、漠然とした怒りに対して文章で書きだす作業はとても効果的です。
怒りについて具体的な文章として書くことで、漠然とした怒りを正確に理解し頭を冷静にできるだけでなく、怒りに対しての対処法を考えることも可能です。
また、書くことで自分の怒りを客観的に見つめ、怒りの記録を回顧することで自分がどんな時に怒りやすいのかパターンをつかむこともできます。
文章で書きだす際に、既存の育児日記を上手に活用するのもおすすめです。
また、内に溜まったストレスを大声で叫ぶという方法で吐き出すのもとてもおすすめの解消法です。
イライラするなぁ、と感じたらちょっと大きな声で叫ぶことが出来る場所を確保し実行してみましょう。
3.怒鳴る前にちょっと待って!深呼吸をする
「怒り」のことを「頭に血が上る」とも表現するのは、ご存知の方も多いでしょう。
これは医学的にもその通りで、人間はイライラしたり怒ったりすると体全体が危険対処の準備を行い、頭に血が上りやすく緊張状態に陥ります。
そのような状態で言葉を発すると感情的で攻撃的な言葉になりやすく、いわゆる「怒鳴る」という状況になることも少なくありません。
怒鳴ってしまう前に鼻から息を大きく吸い込んで頭の中で約5秒数えた後、口から大きく吐いて約5秒数えてゆっくり呼吸をするようにすると、身体の緊張をほぐすことができます。
身体の緊張をほぐすことで頭に上っていた血が体全体に巡り直り、冷静になって言葉を発することができるようになります。
4.白黒だけではない、グレーゾーンが大事
子育てのみに限らず何か理不尽な目に遭ったり、口にするのが難しい「暗黙の了解」に出会った際、なぜはっきりと言えないのかとイライラした経験はありませんか?
世の中の多くのことは白黒がつかないグレーゾーンの上に成り立っているというのが現実であり、それを受け止める必要があります。
全ての物事に対して完全に白黒つけようとしてしまうと、考え方にもゆがみを生じさせてしまいます。
どんなに理不尽な事実であっても、それが現実であることの理解につなげられると、グレーゾーンに対する怒りというのは収めることができます。
また、自分と他者との比較を行っていく中で、本来自分の無理解から来ていた怒りの責任を他人のせいにしてしまい、余計に怒りを増長させてしまう場合があります。
怒りの原因と責任が自分にあることを認め、自分で沈静させるように努めることで、怒りをコントロールすることに繋げられるのです。
5.自分を80点でもうんと褒める
「どうしてこれしか出来ないのだろう」という怒りは経験しやすいものです。
しかし、「~しか出来ない」という怒りは「~も出来る」という表現と紙一重です。
「こんなにも出来た!」と肯定するだけで、現状に満足することができます。
自分がダメママなのだとマイナス思考になって完璧な100点を求めて、何が足りないかばかりに目を向けるのではなく、今何ができているのかに目を向けて自分を褒めましょう。
6.その場を離れる勇気も大事
「子どもとずっと一緒にいて息が詰まり、イライラしてしまう」というのは母親失格、ダメママなのではないか…。
そう自分を責めてしまうお母さんも少なくありません。
しかし、「母親だから24時間子どもと一緒にいないといけない」「子どもと一緒にいない母親なんて無責任だ」ということは一切ありません。
子どもの安全を確保した上で、5分~10分でもいいので子どもと少し離れてみるだけで、心が落ち着くこともあります。
少しの間だけ隣の部屋に移動する、というのも効果的です。
4か月~2歳位までの赤ちゃんから、ベビーゲートやサークルで安全確保の上、少しの時間だけ離れてみましょう。
ただし、ベビーモニターや近くの部屋などで必ず赤ちゃんの声が聞けるようすることが前提となります。
誤飲や転倒などの事故が起こりやすい時期となりますので、長時間離れるのは危険ですので絶対にやめてくださいね。
「怒りの根本」と考えられているものと距離を取ると、冷静になることができます。
また、子育てを頑張っている時ほど「託児」を避けてしまいがちですが、保育所や託児所に子供を預けるのは決して悪いことではないのです。
子どもと離れての息抜きをしたい時は、信頼出来る一時保育などはどんどん利用していきましょう。
過去と未来は考えず、今の子どもと向き合おう
「昔お前はこうだったから…」「いつか大きくなったら仕返ししてやろう」といった、もう戻れない過去やこれからの未来に怒りを持ち越すのは無意味なことですので絶対にやめましょう。
今の子どもと向き合うことだけを意識すると、急に怒りが収まって笑顔で子どもに接することができることもあります。
「今、この瞬間の君をきちんと見るよ」と子どもに話しかけ、子育ての力に変えてみましょう。
また、子供にばかり目を向けるのではなく、たまにはママ自身にも目を向けてみましょう。
ちょっとの早起きで自分の時間を持って好きなことをしたり、子供と一緒に寝て睡眠を沢山取るなどするだけでも、イライラを多少でも減らすことができますよ。
日々の怒りがマイナスのパワーでなく、プラスのパワーとして働いていくのではないでしょうか。
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