児童虐待から子供を守る!虐待を防止して私たちが今すぐできること
児童虐待は年々増え続けています。毎日小さい子供が犠牲になるニュースが後を絶ちません。このようなニュースのたびに心を痛めている方も多いのではないでしょうか。
もう少し早い段階で児童虐待が発覚していれば幼い命は救えたのでは…?虐待を防ぎ小さな命を守るために力になれることはないのでしょうか?
社会で取り組む問題として、私たちも母親としてこの問題に真剣に考える必要性を感じます。虐待から小さな子どもたちを守るためにできることはないか?について考えていきましょう。
この記事の目次
児童虐待には主に4つの種類がある!
虐待をする親はどこか特別な親なのでは?と感じることがあります。親自身が精神的に不安定であったり暴力的であるなどです。
しかし実は「特別」でなくとも起こりうることなのです。
児童虐待の定義は以下の4つに分類されています。
- 身体的虐待:主に殴る、蹴る、切りつける、やけどを負わすなど、暴力によって体や頭、顔にケガを負わしたり、ひどい場合は亡くなってしまうことも
- 性的虐待:子供へ親や親族、周りの大人が性的な行為を見せたり、行為の強要、体を触る、実の親からの性的行為の強要などを指す
- ネグレクト:親の育児放棄(食事を与えない、着替えをさせない、子供を家において長時間の外出をする、車内に放置など)
- 心理的虐待:兄弟姉妹間で比べたり差をつける、大声で怒鳴り委縮させる、子供が話しかけても無視、傷つける言葉を発するなど(大嫌いや産まなければよかったなど)
近年、心理的虐待が大幅に増加しているようです。「面前DV」と言い子供が見ている前で家族が暴力をふるう(例:母親が父親から暴力を振るわれる)なども心理的虐待とされいます。
子供には、「しつけ」も必要です。小さなお子さんがいると、つい大きな声で注意したりイライラして怒鳴ってしまうこともあります…。
「しつけと虐待の境界がわからない」という悩みを抱えるママやパパも多いのではないでしょうか?
児童虐待が起こってしまう要因
どうして児童虐待が起きてしまうのでしょうか。いくつか要因があります。
- 望まない妊娠や低年齢での妊娠出産であった
- 育児にストレスや不安を感じている
- 親自身が幼い頃虐待にあっていた
- マタニティーブルーや産後うつの状態
- 親の性格や人格が攻撃的、暴力的
- 親が精神疾患やアルコール依存症など
- 病気や障がいがある
- 低月齢や未熟児の子供
- 親が育にくいと感じる子供
- 親が未婚、または内縁関係の父や母がいる
- 子連れの再婚の家庭
- 親族が遠方、近所付き合いが希薄で孤立している家庭
- 親の失業や転職など経済的に不安定な家庭
- 母または父が、どちらか配偶者から暴力を受けている
- 病気をしても受診をしない、定期健診を受けないなど
児童虐待が起こる要因は1つではありません。いくつかの要因混ざり合ったり、親自身が苦痛を感じている、頼る人がいなくて社会的に孤立していたり、経済的に困難な場合に起こりやすいとされています。
必ずしも上記の要因が当てはまるからといって児童虐待につながる訳ではありませんが、虐待に転じる可能性があるという点は注意してください。
児童虐待は早期発見がカギ…虐待かも?と思ったら通告も視野へ入れて
1990年の児童相談所へ通告件数は約1000件でしたが、2015年の通告件数はその100倍の10万件に増加しました。
虐待を見た、昼夜問わず子供の泣き声が聞こえる、体にケガや傷の跡がある、何日も体や服装が汚れて世話をされていないようだ…何かおかしいな?虐待かも?と感じたら児童相談所へ通告を!と呼びかけています。
子供の体にケガや傷の跡がある、親から暴力を受けているかもしれない…といった医療機関や保育施設、定期健診従事者から児童相談所への通告により発覚することも!
児童虐待は、「早期予防・早期発見」がカギになってきます。
通告を受けた児相は、原則48時間以内に虐待を疑いのある子供の安全確認をすることが決まっています。警察と連携し子供の小さな命を守るために動きます。
では、個人からの通告はどうでしょうか?「虐待かな?」と疑わしくても、児童相談所への通告には下記のようなことが交錯して躊躇してしまうのではないでしょうか。
- 「間違いかもしれない」
- 「余計なおせっかいであとで恨まれるかも…」
- 「通告したら親子が離ればなれになってしまうのでは…」
あなたの勇気が虐待で苦しんでいる子供を救うことになるかもしれません…。虐待をして実は苦しんでいるかもしれな親の支援にも繋がります。
児童相談所の問題としては、通告件数が多いので後回しになってしまったり、人員不足であったり、48時間ルールの徹底化がされていなかったり、警察と上手く連携が取れていなかったなどが挙げられます。
『児童虐待』は社会全体の問題として捉えるべきなのです。
私も児童虐待しているかも?と不安を抱えている親も多い
「大声で怒鳴ってしまった」「子供の泣き声が外まで聞こえて通告されるかも」「私も実は子供に虐待してしまっているのでは…」「いつか一線を超えて虐待してしまうのでは…」と不安に思っている親。
そんな場合は、早期予防のために親自身が児相に相談することもOKなのです。
親を責めるのではなく、親に何か不安や心身の疾患、養育の環境が悪くないか?など解決策や支援策を取ってくれます。
核家族化が進み、育児に孤独を感じている母親も少なくありません。一人で悩み、うつ状態になり育児放棄や暴力をふるってしまう…。
ママ友がワンオペ育児などで困っている…何か助ける方法はないか?と悩んだら、「児相にそうだんしてみたら?」と伝えることも助けることに繋がります。
児童相談所=子供の安全や健康を守る施設 ということを認識しましょう。
児童虐待を防ぐ!私達もできるさまざまな取り組み
児童虐待をなくすために国や様々なな団体が取り組みを広げています。
国や厚生労働省の取り組み…社会全体で虐待防止を
厚生労働省は、妊娠中から産後まで、ママに対して途切れることなく支援が受けられるように取り組んでいます。
- 妊婦検診:ママと胎児の状態を確認
- 新生児が誕生:個別に自宅に訪問(こんにちは赤ちゃん事業)
- ◯ヶ月検診:子どもの成長を見つつママの状態も確認
- 愛の鞭ゼロ作戦について
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一昔前のしつけに対しての考え方…しつけのために怒鳴ったり体罰を与えることを「愛の鞭」と言って肯定していました。しかしそれは間違っています。
愛の鞭を捨て、子供目線で寄り添って罵声や拳を上げず子育てをしましょうという働きが「愛の鞭ゼロ作戦」です。
幼い頃に怒鳴られたり、体罰をあ与えられると、脳が傷つき容積が減少したり変形するなど悪影響を及ぼすという研究結果が報告されています。
親は子供の為と思っていても、人格形成や自己否定など子供の将来まで影響を及ぼす危険性があります。
親から叩かれて育ったから…という人もいるかもしれませんが、それは間違った風潮だと理解し同じように繰り返さないようにしてください。
次男を出産した産院から「愛の鞭ゼロ作戦」のリーフレットを受け取りました。
私が子供の頃は、良く父親が怒鳴り声をあげて恐怖を感じたり、悪いことをすると叩かれることもありました。
虐待をされたという認識はありませんが、怖かったなと記憶には残っています。
いざ、自分が子育てをしると子供にイライラしてしまい大きな声で叱ることもありました。思わず手も出そうになり感情を抑えたことも…。
- 2020年4月から親から子供への体罰が法律で禁止される!
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「しつけのつもりで叩いた」体罰による虐待が後を絶たないことから、改正児童虐待方法が成立されされます。
法律化することで、体罰は良くないことだと社会全体で認識し虐待をなくす働きかけに期待できます。また、乳幼児が泣き止まず揺さぶり続けたり、口をふさいでしまった…という虐待も報告されています。
厚生労働省の虐待対策では、赤ちゃんが泣き止まない時の心構えや対処法を動画で紹介しています。
赤ちゃんは泣くのが仕事、焦らなくても大丈夫!みんな他の子どもも泣いているよとゆったりとした気持ちで接するようにしましょう。
「赤ちゃんが泣いているよ!」とパパや家族がママに泣き止ませを押し付けず家族全体で赤ちゃんのお世話をすることも虐待防止になります。
- 周囲の人や子育てに理解ある環境作りが今後の課題
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赤ちゃんが外で泣くと視線の注目を受けることが多くあります。ママは今すぐ泣きやませないとと焦ってしまいます。
周囲の人たちも赤ちゃんは泣くのが仕事、元気に泣くのはいい事だと理解し、温かい目で見守れる社会になる必要があります。子育てしやすい社会作りがとても大事なのです。
支援団体やグループも積極的に虐待防止の活動をしている
虐待のニュースや報告を受けて、国以外も支援団体やグループが虐待をなくそうと取り組んでいます。また、親達も虐待のない社会にしようと積極的に学んでいる人が多くいます。
- 東京都世田谷区の虐待防止センター
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一人で子育てを担っているシングルママ、シングルパパにも1人で子育てに悩まずまずは電話相談をと呼びかけています。
「このままでは虐待をしてしまうかも…」と不安な気持ちで育児をするよりも、誰かに話して気持ちにゆとりをもって育児をすることが虐待防止にもなります。
- サッカーJリーグの柏レイソル
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「サッカーも子育てもフェアプレー」とスローガンを掲げ、叩かない怒鳴らない育児を推進。子供を尊重し子供の目線で、将来どのように育ってほしいか子育てを長期的な目標を決めて取り組む応援をしています。
「サッカーも子育てもハンドはダメ!」筆者自身の戒めにしたいと感じました。
- 市区町村で行っている虐待防止のセミナーや勉強会などへの参加
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虐待防止について考える機会になります。虐待は自分に関係ないと思っていても、自分が当事者になるかもしれません。
また知識があれば、虐待を受けている子供や親、誰かの手助けになることもできます。子育てに悩んでいる人の話を親身に聞いてあげることも、余裕をなくして育児をしている気持ちを理解し心を和らげる手助けにもなります。
社会全体で覚えておきたいこと
児童虐待は子供のいる家庭だけの問題ではなく、社会全体の問題となっています。社会全体で意識して取り組むことで虐待を防ぎ、子育てもしやすい社会にもなります。
- 「虐待かも?」「なんかおかしい」と感じたら迷わず連絡
- 体罰、罵声「しつけのつもり」は言い訳
- 一人で抱え込まない
- 親の立場よりも、子供の立場で子供を尊重する
- 虐待は身近なまわりでも起こりうることだと認識する
育児の孤立化を防ぎ、近隣に話せる人を持つようにすることが大事です。
小さな子供がいる家庭には挨拶や声かけで「何かあったら相談してください」と外に逃げ場や安心できる場があると知らせておきましょう。
児童相談所への通告や相談は「おかしい」と思ったらすぐに!です。
オレンジリボンの活動を通じての支援もできる
2004年、ある幼い兄弟が父親の知り合いから何度も暴行を受け、一時は保護されたものの適切な措置が取られず再び酷い暴行を受け最終的に橋から川へ投げ込まれ命を失ったという事件が起こりました…。
翌年、栃木県小山市の「カンガルーOYAMA」という団体が、二度とこのような事件が起こらないように願い立ち上げたのがオレンジリボン活動の始まりです。
現在、この活動は『児童虐待防止全国ネットワーク』により全国に広まり、個人や団体、企業がサポーターとなって活動しています。イベント会場や街頭で虐待防止を呼び掛けも行っています。
虐待について知ること、子育て中の家庭には優しいまなざしで見守ること、悩みは1人で抱えず相談することなどがサイトでも紹介されています。
個人でできる活動としては、寄付やオレンジリボンのグッズを購入して支援する方法もあります。小さなことでもこの活動に参加することで虐待防止のサポーターになることが可能です。
子ども虐待防止オレンジリボン運動
http://www.orangeribbon.jp/
小さなことでも児童虐待を防止や支援ができる!
虐待に対し、何かできることはないか?虐待のない世の中にしたい!と願うママやパパも多くいるでしょう。
まずは、悩みを抱えている身近な友人がいたら話を聞いてあげることが虐待防止に繋がります。そして何かを察したらすぐに「連絡する」などの行動に移すことが大事です。
また、自分が虐待をしてしまいそう…という場合も同様に誰かに自分の状況を伝えることで防止してください。
もはや児童虐待は家庭だけの問題ではありません。社会全体で児童虐待をなくすという考えを持つようにしたいですね。
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かんさん
ありがとうございます
助かりました‼
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