クラインフェルター症候群の症状は?男の子特有の先天性疾患
もしも子供がクラインフェルター症候群だったら…。あまり聞いたことのない病名に驚くかもしれません。
クラインフェルター症候群とは、染色体異常の一つです。男の子にのみ起きるというのが最も大きな特徴です。
どのような症状が現れるかについてや、予後について紹介いたします。
クラインフェルター症候群とは?男の子に起こる染色体異常
クラインフェルター症候群とは、男の子に起こる染色体異常になります。
男の子の性別を決める染色体は、通常XYという染色体です。ところが、クラインフェルター症候群の場合、XXYと、通常の染色体にXがさらに増える形になります。
その症状は、個人差がかなりあるのも特徴で、書かれている症状が全て現れてくるとは限りません。
見た目は健常者とあまり変わらない人もいますし、検査をするまで気が付かない方もいます。
クラインフェルター症候群とわかった場合、根治は難しいですが医師の診断のもと、症状を改善する治療を進めることも可能です。
症状は第二次成長あたりからみられる
クラインフェルター症候群は、子供のころはあまり目立たない子も多くいます。ですから、生まれてから11歳ごろまでは、周りの子供と変化を感じない親も多いでしょう。
個人差はありますが、成長とともに体に変化が現れるのが一般的です。
- 人より手や足・首の長さが長めの場合
- 体毛が薄い
- 声変りがない
男の子に起こる思春期の成長が未発達という症状が現れる場合もありますが、中には見た目が普通の人と変わらない方もいます。
女性的な成長は、身体だけでなく心に現れることも。人によっては、女装に興味がでるなど、女性的な心を持つ場合もあります。
クラインフェルター症候群は、特に周りの理解が必要で、本人一人では思い悩んでしまう傾向もあります。
最も多くみられる症状。言語障害
クラインフェルター症候群の方によくみられる症状の一つが、言語障害です。51人中33人。つまり全体の65%がこの障害を持っているという事になります。
ストレスがたまる状態でもありますので、周りの理解やサポートが必要になるケースもあります。
ADHDの症状をもっていたのは、63%
ある調査では、クラインフェルターである51人の子供のうち、63%がADHDであったとの報告があります。
ADHDとは、別名を注意欠陥多動性障害ともよばれる病です。症状としては、集中力が保てなかったり気が散りやすく、多動性・衝動性の傾向があります。
他にも自閉症スペクトラム症が27%・精神病性障害は、12%という結果が出ています。つまりクラインフェルター症候群は、精神面でも症状がみられることがあることが分かっています。
スウェーデンで行われた860人のクラインフェルター症候群の方の調査によると、健常者と比べ、ADHDや自閉症スペクトラムの発症リスクはおよそ6倍という事が報告されています。
自閉症スペクトラムの場合、社会生活で他人と関係を形成するのが困難で、目を合わせたり会話をすることが苦手です。
よって言語の発達の遅れがよくみられます。また、興味や関心が無いこと以外は無関心で、強いこだわりがあるのも、一つの傾向です。
体が女性らしくなることも
小さい頃は健常な男の子と変わりがないのですが、人によっては成長とともに体つきにも変化が表れることがあります。
例えば、胸が膨らんできたり体が丸みを帯びたり…女性らしい体つきになることがあります。時に女の子と間違えられることもあるようです。
成人期になれば、男性乳がんや性腺外胚細胞腫も高い確率でみられる傾向があります。
また声変りが起こらないこともありますし、性器が未発達だったり、体毛があまり生えないという男性特有の成長が見られないこともあります。
これらは、男性ホルモンの分泌が著しく少ないために起こる症状です。
男の子として育ってきたのに、体の変化に心がついていかないこともあり、思い悩んでいる方も多くいるようです。
心が女性的になることも
心が女性的になる、中には「なんとなく女装に興味がある…。」という気持ちになったという場合も。
症状には個人差があり、もちろん全くそのような症状が出ないケースもあります。
症状によっては、自然妊娠が難しい場合も。
クラインフェルター症候群の症状の一つとして、不妊傾向というものがあります。
精子の数が著しく少ないという事が関係しているようです。この場合、自然妊娠が難しくなります。
そのため障害を持った方の中には、結婚して子供がなかなかできず、不妊治療の過程でご自身がクラインフェルター症候群だった。とわかるケースもあります。
今は、体外受精などを利用して、実際にお子さんを作られている方もいるようです。
体外受精についてはこちらに詳しく載っています。
染色体異常が原因で起こる主な合併症
染色体異常により、病や合併を引き起こしやすいという事も知っておきましょう。
- 悪性腫瘍
- 骨粗しょう症
- 自己免疫疾患
- 糖尿病
- 軽度の知的障害
医師と体調管理をしながら、治療を進めていくことが必要になります。
治療はホルモン治療が一般的
男性ホルモンの不足によって現れる症状があるので、治療方法の一つとしてホルモン剤治療があります。
ホルモン注射は、自分で定期的に打てるものではありませんので、必ず病院へ足を運ばなくてはなりません。
費用もややかかりますが、ホルモン剤を投与することで、体つきが女性的になるのを防いだり、男性的な肉体にするという効果が期待できます。
言葉の言語療法は、小さいうちから
発達障害や自閉スペクトラムを患っている場合、2歳~3歳で作業療法。4歳~5歳で言語療法によって治療を行います。
- 言語療法…会話・コミュニケーションのための言葉の療育
- 作業療法…社会で自立できるよう、動作や能力を身に着ける訓練
小さいうちは、まだじっとしていられないので遊びを通して、その中で言葉を促し訓練していくのが一般的です。
作業療法をすることで、遊びを通して興味を広げ、生活に必要な適応能力の回復を目指していく治療を行います。
言語治療や作業療法は、年齢や子供の症状によって使い分けがされます。
治療をすることで、コミュニケーションが取れるようになってきた。という経験者の声もあります。
適切な時期に適切な治療を行うことで、改善が期待できる言語の治療になります。
寿命は短いわけではない
クラインフェルター症候群の場合、染色体異常が原因で短命になる。というわけではありません。
そのため、クラインフェルターが原因で…というよりは、合併症による病を患う危険性があるという事になります。
ですから日常生活において、健常者より体調管理には気を配る必要がある場合があります。しっかりとその点については、医師から話を聞いておきましょう。
まずは、親の理解が必要
クラインフェスター症候群の方の中には、症状が体に現れず、心だけが女性的になってしまったり。体が女性的になってしまうことで、悩んでしまうケースも少なくないようです。
ダウン症と比べてあまり知名度が無いことからも、周りの理解が少ないのも本人にとってはとても辛いことだと思います。
その時に夫婦で大きなショックを受けてしまうケースも…。
実際に先天性の病だと分かることで、前向きになり医師とともにホルモン治療を開始することができる場合もあります。
先天性の遺伝子疾患の場合何は、何よりも親の理解がある事が子供にとっては救いになります。
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佐藤さん
クラインフェルター症候群と性自認は関係ないはずですが、それを理解された上での記事なのでしょうか?それとも、関係性が認められるという研究結果が発表されたということでしょうか?
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齋藤さん
これは勝手な記事ですね。
性に関する部分については、一般のそれとは特段変わりはないはず。
間違った情報は、関係者に誤解を与えます。
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