たくさん歩くと心が豊かに賢く育つ効果が!子供の歩育の始め方進め方
子供に歩かせていますか?
お出かけする時はベビーカー、保育園の送り迎えは自転車…と振り返ってみるとゆっくり子供と歩く機会が少ないなと感じるママも多いのではないでしょうか。
毎日忙しいのに子供に合わせて歩いていると時間がかかって大変!だからといって歩く機会が少ないと運動能力の低下だけでなく、脳の発達にも関係してきます。
歩くことは、運動だけでなく心を健やかに育て脳を鍛える事にも繋がります。賢い子供に育てるために「歩育」を始めてみませんか?
体にも心にも良い効果がある「歩育」の効果とその方法をご紹介します。
現代の子供の運動能力低下とその影響
文部科学省の資料によると子供の運動能力は昭和中頃から毎年低下傾向が続いている状態です。また、運動する子としない子の二極化も拡大していると言います。
原因としては、勉強を重視する傾向が高まることで外遊びが減少し、交通手段や機器の発展による労力の軽減、都市化や少子化も影響していると言われています。
子供の運動能力の減少によって体力が低下するのは勿論のこと、肥満傾向や生活習慣病の危険性を高め将来的にも悪影響が続くと指摘しています。
そして、運動能力低下は精神面にも大きく関係しています。意欲や気力の減少を及ぼし、学習能力の低下やストレスに対する抵抗力も衰えてくるようです。
現代の子供は歩育が必要!
家庭の生活スタイルを見直してみましょう。下記の項目に当てはまるものがあれば改善の必要があるかもしれません。
- 共働きで子供と遊ぶ時間が少ない
- 忙しくてイライラする事が多い
- 公園にはいつも自転車かベビーカーで行く
- 休日は車で買い物に行く事が多い
- 冷暖房の効いた室内で遊ぶ機会が多い
- 外は危ないので1人で歩かせていない
- 子供の夜更かしが多く寝つきが悪い
- 子供はテレビやスマホが好き
いかがでしょうか。忙しさにかまけて親子でのコミュニケーションが減少してしまっていたり、休日は親中心の過ごし方になっていませんか。
子供が賢く育つ、歩育6つの効果
「歩育」は親子で外に出てゆっくり歩く事。歩いて運動能力の向上だけでなく脳の発達を促す事も目的です。その歩育の6つの効果についてご紹介します。
五感を育てて脳を鍛える
生き物や草花を観察する、土や水に触る、匂いを嗅ぐ音を聞く…子供は小さな事でも興味を示し強い刺激を受けます。
好奇心旺盛な子供にとって外は最高の遊び場。自由気ままに歩けば発見の連続です。水たまりを覗き込んだり、草引きをしてみたりと遊びの発展性があるのも歩育の魅力です。
五感を使い脳が刺激されると、記憶力・創造力・発想力・頭の回転を良くし学力を大きく伸ばす事ができるのです。
五感を刺激するには「裸足」で遊ぶのも効果的。その際は怪我をしない安全な場所を選びましょう。
さらに、裸足で遊ぶと土踏まずの形成促進や足指の力を付け、体の動きが活発になるなど総合的に運動能力を高める事もできます。
親子の会話で言語機能を高める
時間がかかるのは覚悟の上で、歩育を楽しんでみましょう。毎日忙しいママも散歩をすればリラックス効果もあり、子供とのコミュニケーションを増やす事ができます。
親と子供が相互に反応する事で、言葉のスキルや知識を上昇させ言語理解を深める事ができます。特に親子の会話は、言語機能発達に効果が高いと言われています。
家でテレビを見せている時間が多かったり、家事や仕事に忙しくコミュニケーションが少ない場合は、子供とゆっくり向き合う時間を設ける事を意識してみましょう。
外を歩けば「見て!ありさん何してるの?」と、家の中ではできなかった会話ができてコミュニケーションの幅も広がります。
運動機能の発達、生活リズムの改善
外に出ると歩く他にしゃがんだりジャンプしたりと全身運動ができます。
ちょっとした段差を乗り越えてみたり、時には転んでしまったり。室内ではできない動きを取り入れる事ができるので、運動神経を高めるにはとても効果的です。
また活発に運動する事で成長ホルモンの分泌を促します。成長期の適度な運動は体の発育にも必要な要素です。
また運動する事で、食欲増進や質の良い睡眠にも繋がります。「食べる量が少なくて心配」「夜の寝つきが悪い」など悩みがあれば、運動させる事を意識してみましょう。
生活リズムが整うとさらに自律神経が整ってくるのでいい循環が生まれます。規則正しい生活に改善するには運動から始めるとスムーズにいくかもしれませんね。
外で遊ぶと心の安定にも繋がる
冷暖房の効いた室内にいる事が多く体温調節機能が衰えると、セロトニンというホルモンの働きが弱くなるため、イライラしたり感情のコントロールが効かないといった問題に繋がる恐れもあります。
体温を調整する機会がないと、自分で熱を生み出したり汗をかいたりする事が少なくなるので、低体温になったり自律神経の働きが弱くなっていくからです。
すると、免疫力が低下したり疲れやすくなるなど体調不良の原因にもなります。
外で遊ぶ時は冬でも寒そうでなければ薄着でOK。夏は着替えを持ち、水分補給に気を配り思いっきり汗を掻かせましょう。日差しが強い時には熱中症に気を付けて、休みながら遊んだり帽子をかぶるなど対策も忘れずに。
地域交流や人との関わり合いを経験できる
近所をゆっくり歩いていると人との関わり合いも増えます。小さい子が一生懸命歩いているとよく話しかけられますよね。
交通ルールを学べる
家の中やお店の中では学ぶ事ができない交通ルールを教えられるのもお散歩ならでは。
絵本や言葉でも教える事はできますが、想像力には限界がありますよね。子供に教えるには体験して学ばせるのが一番です。
外で道路を歩かせるのが危険な行為だと思って避けてばかりいると、必要な年ごろになっても交通ルールの知識を得る事ができません。小さいうちから習慣づけていくと良いですね。
子供の心を育てる上手なお散歩4つのコツ
上手な歩育のポイントは子供中心で進める事です。親が率先してしまうとせっかくの効果を最大限に発揮する事ができません。ゆっくりペースで自由気ままにが合言葉です。
子供のペースでゆっくりと
歩育は子供のペースで進み親はそっと見守ってあげましょう。道の草花を観察したり、虫を触ってじっと見てみたり。子供が満足するまで付き合ってあげます。
子供が感じたり発見するには個人差があるので、あっちもこっちも動き回る子もいればじっと何かを見つめたまま考え込む子もいるでしょう。
集中している時は話しかけない
子供が集中して観察している時は話しかけないのがポイントです。知らないものを見て新しい発見をする度に自分の頭で考えています。
汚い!はダメ。興味があれば触らせる
普段の生活では、地面に座り込んだりいろんな所をベタベタと触らせるのは避けたいところ。
しかし歩育では五感を刺激させる事が目的なので、触覚を使うのが大切になってきます。この時ばかりは少し大目に見て、いろいろな物を触らせてあげましょう。
怪我の危険性がある物、病原菌が心配な物(ゴミ置き場や動物の糞)などは触らないように見守ります。散歩の時はウェットシートを持ち歩くと安心でしょう。
疲れた!帰らない!には柔軟に対応しよう
「疲れた~抱っこ!」「ヤダ!まだ帰らない!」と散歩が上手くいかない事も多々あるでしょう。子供が小さいうちは少し歩くだけでもすぐに疲れてしまいます。
効果的にお散歩をする手順と流れ
歩育は、子供が自ら進んで歩く意欲が湧くように工夫をしてみましょう。お散歩プランを一緒に考え、経験や発見の成果を形にしてあげましょう。
すると歩く事の楽しさはもちろん、自主性を鍛えながら達成感を味わう事ができます。では、どういった流れで歩育を進めるのかをご紹介します。
プランは子供と一緒に考えよう
「どこまで行く?」「お散歩の道を考えてみて」と子供と一緒に散歩道を考えてみましょう。自ら発想し提案してもらう事で、自主的に行動できるようになります。
基本はご近所散歩でいいと思います。あまり遠くにいくと戻るのも大変なので、少しずつ距離を伸ばす事に挑戦してみましょう。自然に親しむために公園や川、海、農道、森林などがいいでしょう。
- ゴールを設定しよう
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ゴールを設定すると目標が見えるので子供の意欲向上にも繋がります。
- 「線路があるところまで歩こうか」
- 「消防署が見えたらゴールだよ」
- 「大好きなお花屋さんまで行こう」
子供がお気に入りの場所や見るのを楽しみにしてくれそうな場所をゴールに設定すると良いでしょう。Uターンして帰宅する事を考え、あまり遠くにならないように設定します。
- 帰る時間を約束しよう
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プランを立てる時には帰宅する時間を設定します。「時計の針が3になったら帰ろうね」と簡単な設定でいいでしょう。時計の見方が分からなくてもしっかり約束する事が大切。
夕方近くであれば「お空が赤くなったら帰るお約束ね」と伝えると小さい子供も分かりやすいですね。
事前に交通ルールを確認しよう
外に出る前は交通ルールを事前に教える事が大切です。その場で教えるのもOKですが、事前に教えておくと実践の場で自分で考える事ができます。
できなければ反省させ、反復学習する事で理解力と記憶力を高める事ができます。
- 「車がきたらどうすればいいかな?」
- 「道を渡るときはどう渡ろうか?」
- 「歩くときはどこを歩けばいいかな?」
そして、車が通る道では手をつなぐ事、道路に飛び出さない事をお散歩前にしっかり言い聞かせましょう。
出発したら子供のペースが基本
出発したら、子供のペースに合わせます。話しかけられたら答えますが、基本は子供の思考を優先させます。
子供が飽きてきたら「これなんだろう?」「あれ見て」と興味を持ってもらう声掛けをしてみましょう。
お散歩の時の靴はなるべく運動靴にしましょう。長靴やサンダルは歩きにくく怪我をする事もあります。なるべく長く歩く事が目的なので、歩きやすい靴が良いですね。
帰ったら発見ポイントを振り返る、疑問を解決する
帰宅後は発見した物体験した物を振り返り、記憶があるうちにもう一度思い出してみましょう。散歩の途中で答えられなかった質問があれば、きちんと調べて教えてあげます。
「花はなんで綺麗な色なの?」「石はなんで硬いの?」と聞かれると「…なんでだろうねぇ」と上手く説明できずに困ってしまう事もありますよね。
その場合は帰宅してからでもいいので、子供にも理解しやすい言葉で説明できるように努力しましょう。子供の疑問に答えるのは大切な事。子供は疑問を見つけ、考える事で脳を成長させていきます。
ちなみに質問の返答を簡単に説明してみます。
「花はなんで綺麗な色なの?」
→
返答例
「花は虫さん(ミツバチ)に助けてもらわないと生きていけないの。だから、虫さんが『花がここにもあるよ』ってすぐ分かるように花には綺麗な色がついてるんだよ。」
上記は「学研キッズネット」を参考に記述しています。子供への説明時にはぜひ使ってみてください。
- 発見スタンプカードを作ろう
-
成果を形にする事で達成感や充実感をより感じてもらう事が目的です。発見スタンプカードを作ると楽しく学ぶ事ができ、次のステップへの意欲向上にも効果がありますね。
発見した事を記入する欄とスタンプを押す欄があると便利でしょう。後日も確認でき、成果を見える形で蓄積する事もできます。
発見した物は簡単な記入でいいと思います。
- チューリップの花
- ありの巣
- 像の形をした石
- 大きな水たまり など
親が後から見ても分かるように書き記しておきましょう。
歩育を積極的に取り入れよう
歩育は親があれこれと気を使う事はほとんどありません。基本は子供のペースに任せ、歩く子供をそっと見守ればいいのです。
子供は親の手助けがなくても、機会を与えるだけで勝手に成長していきます。しかし、その機会を用意してあげるのは親の役目。忙しい中でも時間を作り、積極的に歩育を取り入れていきましょう。
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