受診後も子供の咳が長引く時の放置は危険…主な原因と再受診の必要性

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2018/09/29

お子様の咳が長引いて心配な時もありますよね。夜中に咳込んで熟睡できないと体力も消耗してしまいます。

いつまでも続く咳は苦しそうで早く治してあげたいですよね。

病院で風邪と診断された後でも、症状が治まらない場合は風邪以外の原因も考えられます。放置しておくといつの間にか重症化してしまう場合もあります。

子供の咳が長引く場合に考えられる原因と再受診の必要性を説明します。

【咳の種類】いつもと違う咳をしている…危険な咳に注意して!

咳にもいろんな種類があります。咳の状態によって、危険な咳に気が付くことができます。

一日にたくさん咳をしているという、咳の回数なども心配ですが、子どもが苦しそうかどうかに注目してみてみましょう。

  1. 咳で小児科・耳鼻咽頭科医を受診するポイント
  2. 軽いコンコン、ケホケホという乾いた咳(乾性咳嗽)
  3. ゴホンゴホンという痰が絡んだ咳(湿性咳嗽)
  4. ケンケンという苦しそうな乾いた咳(犬吠様咳嗽)

この4つについて説明しますね。

咳で小児科・耳鼻咽頭科医を受診するポイント

子どもの症状が熱がなく、咳だけだからと安易に考えるのは危険です。咳だけでも重症度の高い場合もあります。

  • 子どもが口を開けて息をしている
  • 肩で息をしている
  • 咳込んで顔が真っ赤になる

苦しいとたくさん息を吸おうと思って口を開けて息を吸いますよね。また、肩を上下してハァハァと息をします。

  • 咳の回数が多くても元気で苦しそうでない…少し様子を見る。
  • 咳だけの症状でも苦しそう…小児科を受診する。

軽いコンコン、ケホケホという乾いた咳(乾性咳嗽)

軽いコンコン、ケホケホという乾いた咳の場合は細菌やウイルス、埃などの異物、また、寒さによる刺激によってもおきます。

外部から刺激や異物によって、上気道(鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭)に炎症が起きるために出る咳です。痰も少なく、気管の炎症も軽い場合が多いです。

みやけ内科・循環器科ー町医者の「家庭の医学」によると、昼間に咳の症状が多くみられる場合のほとんどが、喉の炎症によるもので、普通感冒(風邪)の可能性が高いようです。

ゴホンゴホンという痰が絡んだ咳(湿性咳嗽)

風邪が少し長引くと乾いた咳から、ゴホンゴホンという痰を絡んだ湿った咳に代わってきます。

気管にある異物を取り除くため、分泌液(痰)が多く発生してきます。痰や副鼻腔炎(ふくびくうえん)の後鼻漏によって溜まった鼻水を、取り除くために出る咳です。

下気道(気管、気管支、細気管支・肺胞)の炎症による咳で、上気道炎より苦しそうな咳になります。

痰や鼻水の色が緑色や濃い黄色で、長引く場合は気管支炎や肺炎などを起こしている可能性もあるので、医療機関を受診しましょう。

ケンケンという苦しそうな乾いた咳(犬吠様咳嗽)

犬が吠えるようなケンケンという音やオットセイの鳴くような咳が出ている場合は、クループ症候群(急性咽頭炎)である場合が高いです。

殆どの場合がウイルス性で、風邪症状から始まり、咽頭が炎症を起こすと気道が狭くなり急な呼吸困難や、吸気性喘鳴(吸うときにヒューッと音がする)が起こります。

咽頭から声帯まで炎症が起きると、声が出ない咳が出ることもあります。

特にアレルギー体質の子どもは感染により、喉が腫れやすいため、クループ症状群になりやすい傾向があります。

特徴のある咳で聞いたことがないような咳が出ている場合は、急に呼吸困難になる可能性もあるので、迷わず近くの医療機関を受診しましょう。

重症化しやすいインフルエンザ菌b型(Hib)による急性咽頭炎は、ワクチンにより予防できます。

咳が長引く場合は迷わず医療機関へ…考えられる主な原因は?

長引く咳には風邪以外の病気、または風邪ウイルスによる合併症を起こしている可能性があります。

1週間以上症状が続く場合は、小児科・耳鼻科などの医療機関を受診することをお勧めします。

  1. 【副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎】後鼻漏による咳
  2. 【肺炎】咳だけでなく4日以上続く熱
  3. 【気管支・細気管支炎】乳幼児の細気管支炎は急激に症状悪化
  4. 【小児喘息】ヒューヒュー・ゼイゼイと音がする咳が続く
  5. 【百日咳】乾いた咳だけが続く

次に子どもの咳が長引く主な原因のうち5つを説明しますね。

【副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎】後鼻漏による咳

咳に加えて、鼻水の症状を起こしている場合は、気道に鼻水が落ち込んでくる後鼻漏(こうびろう)によって、咳が引き起こされている場合があります。

長く続いている場合は、副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎の可能性もあります。

副鼻腔炎の症状
副鼻腔炎は風邪の原因となるウイルスや細菌が、鼻の周囲にある副鼻腔と言われる空洞に入り込み炎症を起こし、鼻水や鼻詰まりの症状が現れます。

  • 粘り気のある緑色や濃緑色の鼻水がでる
  • 鼻水に血が混じったり悪臭がする場合もある
  • 粘膜が腫れて鼻詰まりをおこす
  • 鼻水がのどに流れておきる後鼻漏により、咳や痰が出る
  • 目の奥、鼻の付け根、額や歯が痛くなることもある
アレルギー性鼻炎の症状

大人はさらさらとした鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどアレルギーの症状が分かりやすいですが、子どもの場合ははっきりわかりにくい場合が多いです。

アレルギーの原因は花粉、埃、ダニなどのアレルギー源により症状がでます。

  • 通常はさらさらとした透明の鼻水がでる
  • 副鼻腔炎や感染と合併している場合にはねばねばした鼻水がでる
  • 起きた時にくしゃみがでることが多いが、通常のくしゃみは少ない
  • 鼻すすりや鼻をかく、鼻血が出やすい

喘息などのアレルギー疾患がある場合は、アレルギー性鼻炎を起こしやすい傾向にあります。

【肺炎・細気管支炎】咳だけでなく4日以上続く熱

普通風邪の場合は3日以内の発熱の場合が多いのですが、4日以上熱が続いている場合は、肺炎や他の病気が疑われます。

肺炎はレントゲン検査により、すぐに診断が確定されます。

ウイルス性肺炎
ウイルス性の肺炎は子どもに多くみられる病気です。自然回復する場合が多いのですが、細菌による2次感染を防ぐ目的として抗生剤が処方されます。

【 子どもの肺炎の原因となる主なウイルス】

  • インフルエンザウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • RSウイルス
  • アデノウイルス
  • 麻疹ウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
細菌性肺炎
細菌性肺炎は胸部レントゲンを撮ったときに、はっきりとした陰影が認められる場合が多いです。

細菌性肺炎は早期の抗生剤治療により、症状が回復していきます。肺炎の治療が遅れると、肺のまわりや肺の中に膿が溜まっていくことがあります。

【子どもの肺炎の原因となる主なウイルス】

  • インフルエンザ菌
  • 肺炎球菌
  • ブドウ球菌
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は子どもの疾患として良く耳にします。幼児から年長児に多く、普通の抗生剤が効かず、マクロライド系・テトラサイクリン系の抗生剤が有効です。

マイコプラズマ感染症は頑固な咳が特徴です。 初期は熱が持続して出ず、時々出るという症状で、普通の風邪として処理され、治療が遅れることが多いです。

高熱が持続して出始めて、初めて肺炎を疑われる場合が多いです。最初に風邪と診断されてしばらくしても、咳の症状が治まらい場合は再診しましょう。

我が家の事例…3歳の息子が肺炎になった時
最初は夫の咳と軽い熱から始まりました。夫が治りかけた時、息子のコンコンという咳が立て続けにおきるようになりました。

  • 1日目…ひどい咳と高熱だが元気
  • 2日目…咳がひどいので受診・インフルエンザ・RS検査陰性
  • 咳がひどく喘息症状が出ていたので吸入治療・帰宅
  • 3日目…昼夜問わずひどい咳・食欲なし・睡眠できず・休日なので様子見
  • 4日目…高熱・激しい咳・食欲なし・水分取れず小児科へ

胸部レントゲン検査で肺炎と診断され、原因のウイルスはヒトメタニューモウイルスでした。

2泊3日の入院で、点滴と吸入、抗生剤投与で退院時には食欲も戻り、元気に遊んでいました。初めての症状で心配と戸惑いばかりでした。

肺炎診断されても、早期治療で回復します。辛い症状から解放してあげるためにも、風邪と思われる症状が長く続く場合は早めに受診しましょう。

【気管支炎】乳幼児の細気管支炎は急激に症状悪化

咳がなかなか治まらない症状の中で、気管支に炎症が起き、咳や痰などが頻発する気管支炎も原因の一つに挙げられます。気管支炎にもいろいろな原因があります。

子どもの気管支炎について
特に乳幼児は気管支が細いため、ウイルス感染により気管支が腫れてゼーゼーやゼロゼロといった喘鳴が起きやすいです。

小学生くらいの子どもだと気管支炎で重症化することは少ないですが、気管支の細い赤ちゃんは重症化することもあるので注意が必要です。

急性気管支炎
急性気管支炎は通常の風邪症候群を引き起こすウイルスや細菌によって引き起こされる場合が多いです。煙草の煙や大気汚染などの環境要因によるものもあります。

風邪症状の他に、強い咳や痰の症状によって判断されます。咳の回数が多く、咳が長く続きます。

子どもが感染しやすいマイコプラズマ菌によって引き起こされる、マイコプラズマ気管支炎も急性気管支炎の一種です。

マイコプラズマによる気管支炎は激しい咳が特徴で、高熱になることもありますが、微熱で比較的元気なことが多いです。

細気管支炎
乳児(生後18ヵ月未満)が、風邪ウイルスによって細気管支炎を起こす場合があり、その場合は入院治療が必要になります。

軽い風邪症状→急激な症状悪化(激しい咳・呼吸困難・チアノーゼ)

細気管支炎を引き起こすウイルスとして有名なのはRSウイルスです。細気管支炎はレントゲン撮影によって診断されます。

その他にも喘息性気管支炎・アレルギー性気管支炎・1年のうちに3ケ月以上続く症状が2年以上続いている場合に慢性気管支炎と診断されるものがあります。

【小児喘息】ヒューヒュー・ゼイゼイと音がする咳が続く

ゴホゴホに加えて、ゼイゼイや息を吐く時にでるヒューという喘鳴が聞こえてくる場合は喘息の可能性あります。

子どもの喘息の90%がダニやほこりなどによりアレルギー反応とされています。喘息の子どもは常に慢性的な炎症が気道にあり、少しの刺激でも敏感に反応します。

冷たい空気を吸ったり、風邪を引いたり、激しい運動をすると発作を起こしやすくなります。喘息は夜間から明け方にかけて症状が悪化しやすくなります。

煙草の煙や喫煙後の呼気は子どもの喘息を悪化させる原因にもなるので、家族の方は禁煙を心掛けて下さい。

喘息と思われる症状が出やすい場合は、早めに小児科やアレルギー専門の先生に相談しましょう。

喘息の治療には「環境を整える」・「軽い運動で自律神経と整える」・「状況に併せて薬による治療(抗アレルギー剤・吸入ステロイド薬・気管支拡張薬)」が行われます。

【百日咳】乾いた咳だけが続く

百日咳は百日咳菌という菌に感染することで起こる病気です。名前の由来通り、咳が長く続くことが特徴です。

大人や年長児がかかっても咳のしつこい風邪という症状だけで、自然治癒する場合が多いですが、乳幼児がかかると重症化する場合があります。
咳の特徴
コンコンという短い咳が連続して出るのが特徴で、激しく咳込んだ息を吸うときにヒューッと音がする特徴的な発作がおきます。

生後6ヵ月以内の乳児では、咳込んだ後に息が吸えずに呼吸困難になり、チアノーゼ状態になることもあり、命の危険がある病気です。

百日咳脳症により、痙攣や意識障害を起こし、脳障害が起きる可能性もあります。百日咳は3種混合ワクチンにより予防できます。

初診では風邪診断・咳が続いている場合は再診を

初診では熱・鼻水・咳などの症状の場合で、特に周囲で流行している病気がなければ、問診と診察で風邪なので様子をみましょう言われることが多いですよね。

また、軽い風邪症状だったら病院へ行かず、家で様子を見ている方もいますよね。

咳は治まらず症状を持続、または悪化していく場合は小児科・耳鼻咽頭科を受診しましょう。
  1. 最初の診断は確定ではなく経過観察
  2. 風邪という診断での安心から重大な症状を見逃す可能性も!
  3. 子供の様子を細かくチェック…経過を伝えるために経過メモを取る

この3つについて見ていきましょう。

最初の診断は確定ではなく経過観察

風邪は万病のもとという言葉をよく耳にしますよね。これは、いろいろな病気の始まりが風邪症状に似ているために言われている言葉という説もあります。

何か病気が流行していれば、その線を疑って検査をする場合はありますが、最初からレントゲン検査、血液検査などをする先生は少ないですよね。

風邪症状以外に症状が見られ無い場合は、風邪と診断されて少し様子をみましょうと言われる場合が多いです。

「様子をみましょう」とは経過観察ですので、風邪と確定されたわけではありません。そのため、受診してからの様子はきちんと確認しておくことが大切です。

風邪という診断での安心から重大な症状を見逃す可能性も!

ウイルス性の一般的な風邪なら、安静にしていれば3・4日もすれば、症状が治まってきますがそれを超えて、症状がある場合は違う病気の可能性も出てきます。

抗体を持った大人であれば大した症状が出ないウイルス性の風邪でも、抗体の少ない子どもでは悪化する場合もあります。

元気なので様子を見ていたら、小さな子供だと一気に調子が悪くなる場合もあるので注意が必要です。

風邪という診断で安心をせずに、症状が長引いたり、容体が悪化したりした場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

子供の様子を細かくチェック…経過を伝えるために経過メモを取る

再診を受ける場合に重要なのは、症状を出来るだけ正確に伝えることです。

  • 咳の出ている日数
  • 咳の出やすい時間帯
  • 咳の種類(乾いた咳・痰の絡まった咳・吸うときにヒューッ・吐く時にヒュー)
  • 熱が出たか出なかったか
  • 熱が出た場合はいつどのくらい
  • うんちの状態
  • しっこの回数と状態
  • 食欲
  • 水分は取れているか
  • 持病・アレルギーや以前にかかった病気
  • 飲んだ薬

気になる症状があれば、それも加えてメモしておくようにしましょう。言葉でいざ説明しようと思っても、限られた時間の中では伝えられないこともあります。

診察だけでは原因が分からない場合もあります。家での様子を伝えることでより正確な診断ができます。

風邪なら自宅療養でよくなる?家で様子を見ても良い場合

パパやママの風邪なら症状で、病院へ行った方が良いのかどうか、なんとなく分かりますよね。ただの風邪なら3・4日無理せず自宅で休んでいれば良くなります。

風邪をひいたからといって咳や鼻水だけだと、病院へ行かずに家で様子をみる方が殆どなのではないでしょうか?

子どもの場合、高熱があれば、幼稚園や保育園を休ませなくてはいけません。でも、症状が咳や鼻水だけの場合は、仕事を休んでまで病院へ連れていかないことが多いですよね。

年齢が小さいお子様だと、自分の状態を説明するのは困難です。どんな症状かは大人が聞きだすか、注意深く様子をみて判断する必要があります。

    軽い咳や鼻水などの症状だけの場合で、食欲もあり元気もある場合は少し様子を見ても良さそうですよね。

  1. 咳・熱・鼻水などの風邪の症状は体の防御反応
  2. 風邪薬は風邪を治す薬ではない…治すのは子供の自浄作用

この2つの項目を説明しますね。

咳・熱・鼻水などの風邪の症状は体の防御反応

風邪の代表的な症状と言えば、熱、咳、鼻水ですよね。どれもウイルスや細菌などの外部からの刺激が体内に入ってきたために起きる防御反応です。

咳について
咳は気道に入り込んだ、ウイルス、細菌、埃などを排出するために起きる体の防御本能です。

また、鼻水が喉にたまる後鼻漏(こうびろう)でも、喉に溜まった鼻水を取り除こうとして咳が出る場合もあります。

痰は気道に入った異物を取り除きやすくするためにが出ます。無理に咳や痰を止めようとするのは、自分で治す力を阻害することにもなり、咳が長引く原因にもなります。

鼻水・鼻づまりについて
鼻水・鼻づまりはウイルスや細菌などの侵入を阻止する役割をしています。鼻水・鼻づまりを起こすと鼻呼吸が出来ずに苦しそうですよね。

咳の原因にもなりますので、鼻水は出来る限り、取り除いてあげてくださいね。蒸気や蒸しタオルをあてると少し鼻水が柔らかくなり鼻水を取りやすくなります。

発熱について
熱は体の中に入り込んだウイルスや細菌を増やさないようにするために高くなります。また、熱が上がると体の中の免疫細胞が活発になり、自己回復力が高くなります。

熱が高いと心配になり、解熱剤を使いたくなりますよね。でも、熱が出ることでウイルスや細菌と戦うことができ、結果的に早く風邪が治ることが期待できます。

  • 食欲がある
  • 水分がとれている
  • 夜眠れている

上記の場合は様子を見ても大丈夫です。40度近い熱が出た場合も解熱剤をむやみに使わないようにしましょう。病気を長引かせる原因になります。

発熱・咳・鼻水は体を防御するために、脳が指令を出したためにおきる反応です。

一般的なウイルスによる風邪であれば、3・4日で改善される場合が多いので慌てないようにしましょう。

風邪薬は風邪を治す薬ではない…治すのは子供の自浄作用

病院に連れて行かずに家で様子を見るときに、市販の風邪薬や常備薬で治そうと考えられているママたちもいますよね。

風邪薬は症状を緩和させるために使用するもので、風邪を治す薬ではありません。風邪は安静にしていれば、2~3日で自然治癒する場合が殆どです。

寝付けないなどの症状がある場合に、薬で症状を緩和させるために使用するのは良いですが、3日を超えて症状が続く場合は別の病気が考えられます。他の病気が隠れている可能性も否めません。

市販薬や常備薬の使用は止めて、病院へ行くことをお勧めします。病院を受診した際は市販薬を使用したことを告げ、使用した薬を持って行ってくださいね。

解熱剤
解熱剤は熱を一時的に下げて、楽にしてあげる薬で熱を治す薬ではありません。なので、解熱剤の効能が切れる6~8時間前後に再び熱が上がってきます。

熱はウイルスや細菌の増殖を防ぎ、自己免疫力を高める働きをしています。そのため、安易な解熱剤の使用は症状を長引かせることに繋がります。

そのため、熱が出て24時間の間は極力解熱剤の使用を避けた方が良いです。

解熱剤の使用は熱の高さではなく、眠れているか、苦しくないかというところにあります。熱が高くても眠れているようで元気であれば使用する必要はありません。

咳止め
2歳以下の乳幼児に咳止め入りの風邪薬を飲ませることを中止している国もあります。また、6歳以下の子どもでも、原則使用しないように警告しています。

痰が絡んでいる咳では咳止めを使用することで、痰が排出できずに苦しくなる場合があります。また、喘息の場合は市販の咳止めは効きません。

症状を和らげるための薬ですので、使用限度は2日間として下さい。子どもに舐めさせる市販薬の浅田飴にも2日間と明記されています。

2日間経っても良くならない、眠れないほどの咳が出ている場合は、早めに小児科を受診しましょう。

抗生剤
市販薬や常備薬ではないですが、抗生剤は「抗生物質」「抗菌薬」とも呼ばれ、細菌に効く薬です。

風邪気味なので抗生剤をもらいに病院に行くと言われる方がいますよね。でも、風邪症候群の多くはウイルスによるもので、ウイルスには抗生剤は効きません。

医者が菌による症状と判断した時に処方される薬です。また、最近では抗生剤が効きにくい菌が増えてきているようです。

抗生剤が処方された場合、指定された期間は止めずに飲むことが大切です。途中で止めると耐性菌が生まれやすくなってしまいます。

鼻水止め
鼻水止めで良く使われるのが抗ヒスタミン剤です。喉や鼻の粘膜の分泌を抑えて鼻水の量を少なくする薬です。

副作用としては、鼻水が粘っこくなって鼻が詰まりやすくなる、眠くなる、喉が渇く、稀ですがけいれんを起こす、中耳炎などの症状の悪化などなどがあげられます。

もともと、異物を追い出すために自然治癒能力として、鼻水が出るので、逆に風邪を長引かせるという意見もあります。

風邪の症状は自浄作用です。安易に薬を使用した結果、本当の症状が見えにくくなったり、症状が長引く原因になることもあります。

元気であれば、症状があっても薬を使用しない、症状が辛そうなときに一時的に使用するなどにとどめた方が良さそうですね。

症状が辛そうで2・3日様子をみても、改善されない場合は小児科・耳鼻咽頭科の先生に診てもらうことをお勧めします。

咳を緩和するために自宅でできるケア

咳が出ている時に少しでも症状を和らげるために家で出来ることを考えてみましょう。

  1. 適度な湿度と温度を保つ
  2. こまめに鼻水を取る
  3. 掃除をして埃やダニなどのアレルギー源を取り除く
  4. 水分をこまめにとり、ハチミツなどで喉を潤す
  5. 禁煙をする
  6. 咳込んで眠れない時は上体を起こす

この6つの方法を紹介しますね。

適度な湿度と温度を保つ

冷えた空気を吸ったり、湿度が低くなりすぎると咳が出やすくなります。適度な湿度を温度を保つことで、咳の症状を緩和する効果が期待できます。

【理想的な湿度と温度】

  • 室温は22~25℃
  • 湿度は50~60%

加湿器を使用したり、部屋の洗濯物やバスタオルを干すなどして、湿度を調整してみましょう。

加湿器にユーカリラディアータ、真正ラベンダー、ティートリーを1~5滴垂らしてしようするのもお勧めです。呼吸を楽にする成分が含まれています。

加湿器を使用する場合は、雑菌が繁殖しないように手入れをしたものを使用し、ミネラルウオーターなどは使用せず、水道水の使用をお勧めします。

こまめに鼻水を取る

鼻水が気道に入ると、気道に入った鼻水を排出しようと咳が出やすくなります。

鼻水をすするとウイルスや細菌を含んだ鼻水が、鼻の奥まではいり、耳にまで達すると中耳炎になる心配も出てきます。

鼻水は吸い込まずに出すようにすると、咳を緩和できます。

【吸引器を使用する】
  1. 蒸しタオルなどで鼻の付け根を温める
  2. 奥まで入れず、吸引器の先を鼻先に入れる
  3. 心持ち吸引器の先が水平になるように持ち上げる
  4. 一気に吸わずに少しずつ角度を変えながら小刻みに吸う

嫌がった場合は恐怖心を植えつけて、吸引できない可能性があるので、少しおいてから挑戦してくださいね。

【鼻をかむ】
  1. 片方の鼻を押さえる
  2. 口から息を吸って、口を閉じる
  3. 小刻みに鼻から息を出して噛む

最初に、ママやパパが見本を見せてあげましょう。

両方の鼻を押さえて、一気に噛むと風圧で細菌やウイルスなどの異物が鼻の奥まで移動し、副鼻腔炎になる可能性があるので注意してくださいね。

掃除をして埃やダニなどのアレルギー源を取り除く

ダニやほこりは、アレルギー性の咳をおこす原因にもなっています。部屋や布団はこまめに掃除機をかけるようにしましょう。

また、本棚や家具についた埃が部屋に舞うことも考えられますので、拭き掃除もするようにして下さいね。

水分をこまめにとり、ハチミツなどで喉を潤す

水分をこまめにとることで、痰を柔らかくし、咳の症状を和らげてくれます。冷たい水だと咳を誘発する可能性があります。

白湯など温かい飲み物、室温の水などを飲ませてあげて下さい。

咳でむせて吐いてしまうこともあるかもしれませんが、その後 元気なようでしたら心配はないです。痰も一緒に吐き出せると少し楽になります。

2歳以上のお子様で、アレルギーがないようでしたらはちみつを舐めさせてあげるのも良いですよ。

はちみつには殺菌作用があり、舐めると水分を逃しにくいので、咳の症状には有効とされています。

【はちみつを舐める上の注意事項】

天然のはちみつには「ボツリヌス菌」という危険な細菌混入している可能性のあります。

1歳未満の乳幼児は腸が未発達なため「幼児ボツリヌス症」を発症する可能性があるため、絶対になめさせないでください。

禁煙をする

煙草の煙は咳を誘発します。お家の方は禁煙を心がけましょう。子どもの前で吸わないのはもちろんですが、分煙でも吸った後の吐く息からも有害物質が排出されます。

たばこの煙を吸い込むのも害がありますが、呼吸数の多い子どもは、呼気に含まれる有害物質だけでも大きく影響を受けます。

特に喘息を持っている子どもの前で吸うのは禁忌です。

咳込んで眠れない時は上体を起こす

寝始めや、寝入った夜間に咳が出るときもありますよね。咳込んで眠れない時は少し上体を起こしてあげると寝付きやすくなります。

私は授乳枕や大き目のクッションを利用して、リクライニングチェアのように座らせる感覚で寝かせていました。

座らせる感覚で寝かせてあげると、肺や気管の圧迫が少なく、痰が出しやすいので呼吸が楽になります。

長く続く咳は家庭でのケアと専門家の治療により改善

ママも自分の子供の様子がどのくらいだったら、病院に連れて行けば良いのかなんて分からないですよね。嫌な風邪症状も体の自浄作用によるものです。

  • 咳や高熱が出ていても、元気そうなら安静にして様子を見る
  • 軽い症状でも不安がある、咳だけでも苦しそうであればすぐに医療機関を受診する
  • 咳が一週間以上または熱が4日以上続く場合は医療機関を受診する
  • 医療機関を受診する場合は、家庭での子どもの様子などを詳細に伝える
  • 医療機関を受診後、症状が治まらなければ再診をする

いつも子どもと一緒に過ごすママの勘は意外に当たるようで、最初は分からなくても経験を積むごとに異常に気付くことが出来るようになる場合が多いようですね。

でも、症状が続く場合は自己判断せずに専門家に診てもらうことが、症状を楽にしてあげるためには早道です。

自宅でのケアと専門機関での治療とアドバイスで、お子様の長く続いて心配な咳を緩和してあげて下さいね。
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