妊娠中に眠くて眠くて仕方ない…眠りつわりの原因
妊娠してから、昼間眠くてしかたがなくなることがあります。寝ても寝てもなかなかすっきりしなくて、いつもうとうとしてしまう。
そんな状態だから家事もなかなか手に付かなくて、周囲からは怠けていると思われるのが辛い…。
眠りつわりになってしまう原因はなんなのでしょうか。妊婦さんの体に起こっている変化について見て行きます。
初期の眠気は「妊娠したことの兆候」かも
多くの妊婦さんが妊娠すると同時に強い眠気を感じ始めます。しかしまだ妊娠かどうか分かりづらい時期なので、周囲に理解されず悩む方が多いようです。
特に仕事をしている女性は、作業中に居眠りしてしまうことを同僚から理解してもらえずにトラブルになることも多いようですね。
妊娠中はなるべく落ち着いて過ごしたいので、余計なストレスを抱えたくないものです。このような眠気はどうして起こるのでしょうか。
妊娠初期の眠気は、女性の体が妊娠をした、ということを示すサインのようなものです。急に眠気を感じ始めて、どうしてだろうかと思ったら妊娠が分かったケースもあるようです。
お腹に赤ちゃんがやってくるということは、自分以外の何かが体の中に入っているというイレギュラーな状態でもあります。
妊婦さんは赤ちゃんが育っていく上でたくさんのエネルギーを消費することとなるため、疲労が溜まりやすくなり、生理前に感じる眠気よりも強い眠気を感じるようになります。
そこで、今までに無かった強い眠気を感じるようになったら妊娠を疑ってみるべきです。その後の対応が大きく変わってきます。
眠りつわりの原因はプロゲステロン
眠りつわりの症状の主だったものはこちらです。
- 日中の眠気が取れない
- 倦怠感が続く
- めまいがする
- 思考や判断力が落ちる
- 夜なかなか眠れなくなって昼間眠くなる
多くは妊娠初期を過ぎて安定期に入るとおさまって行くようです。しかし中には妊娠中期から妊娠後期まで続く場合も。
症状が重くなると酷い眠気に毎日悩まされることになる『眠りつわり』ですが、原因はまだ確定されていません。
しかし数ある仮説の中で、特に女性ホルモンのプロゲステロンが関わっているでは、という考え方が主流になって来ています。
プロゲステロンの作用で体が眠くなる
女性ホルモンの一種である黄体ホルモンのプロゲステロンは、妊娠を維持するために必要な働きをします。
黄体とは、卵子が排出された後に卵胞が変化して起きる一時的な内部構造の事です。プロゲステロンはそこから分泌されるので、黄体ホルモンと呼ばれます。
- プロゲステロン
- 生き物の体の中のエネルギーを活用するために働くステロイドホルモンの一種。ステロイドホルモンは生殖腺や副腎などから分泌される。
プロゲステロンは妊娠の中盤以降には胎盤からも分泌されるようになる。その働きは女性の体を妊娠に導くことにある。
自然妊娠を促すために月経周期を作り出し、卵子が着床できるように子宮内膜を柔らかくしたりする作用を持っている。
また乳腺を発達させたり、血糖値を正常にさせて体脂肪を減らす事にも力を発揮している。そのためサプリメントなどにも利用されている。
仮説ではありますがその根拠として挙げられるのが、プロゲステロンには体温を上昇させる作用があるということです。
体が温まると、体内の血液の温度が上がるので脳に送られる血液の温度も上がって行きます。その結果脳も温まってボーっとしてきます。
脳がヒートアップしたままでは危険なので、人の体にはそれを防ぐために上がった体温を下げようとする働きが備わっています。
つまり常に体温が高い状態が続いているのですね。そのために体温を下げようとする働きもフル回転しているので、眠気が強くなると言う訳なのです。
眠りつわりに関するその他の原因
眠りつわりの原因はプロゲステロンが大きいと考えられていますが、ホルモンの影響以外にもいくつか仮説があります。
そもそもつわりの原因自体がまだよくわかっていないのです。つわりは個人差が大きく、重症妊娠悪阻になるひとや、全く感じない人もいます。
その理由には諸説ありますが、まだ結論と言えるものは出ていません。今後の研究結果に期待したいですね。
眠りつわりにもホルモンバランスの乱れ以外にいろいろな理由が上げられています。それを知ったうえで、妊娠中の過ごし方を工夫して行きましょう。
胎児を育てるためにエネルギーを消耗するから
赤ちゃんがお腹にいる時に、お母さんの身体からは赤ちゃんを育てるためにエネルギーが失われていきます。
私が妊娠していた時は、「これから80年生きる命を産むんですからね、大変ですよ。」と産婦人科の先生に言われました。
確かにそう聞くと、人一人の体を作り上げるのは大変な仕事の様に感じます。文字通りママは自分の命を削って赤ちゃんを育てるのですね。
その赤ちゃんのために割かれるエネルギーですが、人の体には心臓や血管が動くための代謝、つまり生命維持のために毎日消費されている基礎代謝というものがあります。
この基礎代謝が、妊娠中は普段よりも1割~2割ほども高くなるのです。基礎代謝は何もしていなくても消費されていくエネルギーです。
妊娠中はその割合が更に1.2倍ほどアップしているのですね。これは妊婦さんの体に非常に堪えます。
このように妊娠しているということが体力を削っていることにつながるので、失われる体力を補うために体が眠ろうとしているのです。
夜熟睡できないから昼間寝てしまう
妊娠後期に入ると、お腹が大きくなることから夜に熟睡することが難しくなります。仰向けで寝ると息苦しいですし、寝返りを打つのも大変です。
赤ちゃんが大きなって来て周囲の内臓を圧迫することによって、体の血の巡りも悪くなりやすいですから、常にどこかが苦しい状態になります。
そんな状態では夜の睡眠を充分に取ることが出来ません。そのた、昼間に眠気が強くなってしまうという訳なのです。
また、妊娠していることで女性ホルモンのエストロゲンの分泌も増えて行きます。このホルモンは子宮を大きくしたり乳腺を発達させたりする作用を持っています。
その他には自律神経の働きを調整する役目も持っているので、脳の緊張を抑えてくれます。このため寝不足の体が余計に眠りに導かれやすくなるのですね。
赤ちゃんを守るために体を休めようとする
昔から妊娠中に無理をするとお腹の赤ちゃんによくないと言われてきました。反対に、妊娠は病気ではないので普段通りに生活しても大丈夫と考える人もいます。
でも眠りつわりの時は酷い眠気のために日常がままならなくなることも。それはお腹の赤ちゃんのために体が自然と無理をさせないようにしてるのかもしれません。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中でも守られている弱い存在なので、お母さんの身体の変化は赤ちゃんへダイレクトに伝わってしまいます。
過度な労働で疲労を溜めることは母子ともに負担になります。もっとも危惧すべきことが流産や切迫早産になってしまうことです。
そうならないように、ママに無理をさせまいとして、体が眠ろう眠ろうと休息を促しているのです。
これは妊娠している事の自然な反応です。赤ちゃんがお腹にいる時は何を置いても赤ちゃんのことが最優先。そういう体になっているのです。
しかしすべての妊婦さんにこのような強い眠気が現れるわけではありません。やはりこれも仮説の一つという見方として捉えてください。
妊娠中の眠気は自然な反応。上手に付き合っていきましょう
眠りつわりの原因ははっきりしたことがまだ分かっていません。これはつわり全般に言えることで、妊娠という現象自体がまだまだ謎に満ちているからなのですね。
しかし、女性ホルモンの乱れが大きく関わっている事が解明されつつあります。妊娠すると子宮が大きくなったり生理が止まったりと体は大きく変化して行きます。
その変化をコントロールしているのが女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの働きなのです。
妊娠するとこの二つのホルモンの働きがそれ以前と格段に変わってしまいます。それはママの体に大きな負担を強います。
そうした体への強い負荷に対抗するために、眠気を催すことで体はバランスを取ろうとします。眠ることは休息することですからね。
なので妊娠中の強い眠気は、赤ちゃんがお腹にいる事の自然な反応と言うことも出来ます。周囲の理解を得られないと言う人は、一度病院に相談してみましょう。
仕事をしている方は診断書を書いてもらうことで職場の方とうまくコミュニケーションが取れるようになるかもしれません。
眠りつわりの具体的な対策法についてはこちらの記事に詳しく載っています。
▼眠りつわりの対策方法についてはコチラも参考にしてみて!
元気に出産の日を迎えるためにも、体が出しているサインに敏感になって、それに素直に答えてあげてください。
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