妊娠中に発熱…赤ちゃんへの影響を防ぐために妊婦が出来る対処法
妊娠中でも風邪をひいて熱を出たり下痢で体調を崩すこともあります。病院に行くのも大変ですし、普段使っている薬を服用していいのか不安にもなりますよね。
お腹に赤ちゃんが居るときに熱がでてしまったら、どのような注意点があるのでしょう。赤ちゃんに悪影響の出ない方法を考えていきましょう。
この記事の目次
妊娠中の発熱には安静にして水分を取ることが第一
妊娠中はお腹の赤ちゃんのことを第一に気にかけなくてはなりません。ママも自分の体調管理に注意しなくてはいけません。
特に冬場はインフルエンザなどの感染症をもらいやすい時期です。風邪気味の時の外出は避けるべきです。
また少しノドが痛い…という時には、マスクをしたり首にマフラーを巻くなどして温めることで、風邪がひどくなることを予防することが出来ます。
しかしどんなに気を付けていて手も高熱が出てしまうこともあるでしょう。そんな時はどう対処をすればいいのでしょうか。
妊娠中に風邪をひいてしまう原因…免疫力が落ちているから
生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんからもらった免疫細胞に守られています。自分の力で病気から自分を守るのではありません。
そのため、妊娠中は生まれた後に赤ちゃんを守るために胎盤と通して血液から赤ちゃんへとママの免疫細胞が伝わっていきます。
風邪の予防法としては下記のような方法があります。
- 普段からのうがい手洗いを欠かさない
- 寒気を感じたら一枚多めに服を着る
- 生姜湯などを使って体を温める
または大根をはちみつ漬けにしたものをお湯で割って飲むのも、風邪の時に効果があると言われています。
- 生姜、大根のはちみつ漬けのレシピ
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材料…生姜なら一塊、大根なら3分の1本、はちみつ適量
- 生姜は薄切り、大根は薄いいちょう切りにする
- 密閉できる容器に生姜または大根を入れて、ひたひたに浸かるくらいまではちみつを入れる
- 1日から2日おくとシロップが浮いてくるので、大匙1程度をお湯で割って飲む
体が冷えてしまうと唯でさえ落ち込みがちな免疫力をさらに下げることにつながってしまいます。なので体を温めることはとても重要です。
体を温めるコツは「首」のと名前の付くところを暖かくするのがよいと言われています。昔からの民間療法の考え方です。
- 家に居る時でも首に一枚タオルを巻いておく
- 足首までしっかりカバーする靴下を履いておく
- 腹帯や腹巻を使ってお腹が冷えないようにする
このような対策を用いることで十分風邪予防の効果を期待できます。女性は冷えに注意しなくてはならないと言われていますから妊娠中は特に重要です。
血流の多い処を冷やすことで効率よく熱が下げられる!
万が一妊娠中に38度以上の高熱が出てしまったら、出来るだけ早く熱を下げるように工夫してください。
高熱が続くと体力が奪われてしまいますし、食欲も落ちて食事がとれなくなってしまいます。お腹の赤ちゃんに栄養を送ることが出来なくなって心配ですね。
治療法としては、血管が多く通っている場所を冷やすのが効果的です。血管が多くっている場所は血流も多いので一度に大量の血液を冷やすことが出来ます。
すると冷やされた血液が全身をめぐるので、自然と熱が治まっていくのです。風邪の時はおでこを冷やしがちですがこの方法はあまり適切とは言えません。
具体的な場所は下記のような箇所です。
- 脇の下
- 足の付け根
- 首の回り
この場所をアイスノンや氷嚢などを使って冷やすのがよいです。これは熱中症の時にも行う方法です。
妊娠中に高熱が続くと危険!胎児にも負担が掛かる
妊娠中に高熱が出てしまうとママの体もつらいですが、加えて心配なのはお腹の中の赤ちゃんです。
あまり高い熱が何日も続いてしまうと、様々な理由から胎児の体にも影響が出てしまうのです。ですから妊娠中の風邪予防は本当に大切なのです。
最悪の場合には切迫早産になってしまう可能性も考えられます。そうならないために赤ちゃんにどのような負担が掛かるのかしっかり見ていきましょう。
羊水の温度が上がることにより赤ちゃんの心拍数が上がってしまう…
妊娠中のお母さんの体とお腹の赤ちゃんは深く連動してします。お母さんの体に変化があると赤ちゃんにもそれが影響するのです。
ママが風邪をひいて高い熱を出したりする場合、お腹の中の羊水の温度も上がってしまいます。
大人の人でも気温や体温が上がると心拍数が上がるように、羊水の温度が上がるとお腹の中の赤ちゃんの心拍数も高くなってしまいます。
胎児の心臓や体はまだ不完全な状態ですので、あまり心拍が高い状態が続くことは赤ちゃんにとって良いこととは言えません。
ただ胎児の体に負担が掛かっていることには違いが無いので、高熱が続く場合には注意が必要なのです。
咳が続くと腹圧が掛かって赤ちゃんが酸欠状態に!
妊婦さんが風邪をひいて咳が止まらない場合には、お腹に力が入って腹圧が高くなってしまいます。
これはとても心配な状態です。赤ちゃんはお母さんの血液から胎盤を通して酸素をもらっていますから
- 咳が続くことで腹圧が強くなる
- 赤ちゃんに送られる血流が少なくなる
- 胎児は酸欠状態になってしまいます。
このような不安があるのです。
そうなると胎児は発育不全になってしまったり、最悪の場合脳に障害が出ることも考えられます。
あるいはそんな場合胎児はお腹の中で自分の「非常事態」を感じ取り、早く外に出ようとします。早産につながってしまうのです。
妊娠中に具合を悪くしたら自己判断で自宅にいるのは危険です。少しでも異常を感じるときは早めに病院に相談しましょう。
妊娠中に市販薬を使用するときは成分に気を付けて
妊娠中に風邪をひいても病院を受診するのは負担です。お腹が大きくなって移動が大変ですし、病院でほかの菌をもらってしまう不安もあります。
そこで市販の風邪薬や解熱剤を使って症状を緩和させたいところですが、妊娠中は服薬にも気を遣わなくてはいけません。
市販の薬を使ってもいいのか?そしてどのような点に注意する必要があるのでしょうか?
妊娠中に摂取してはいけない「アセチルサリチル酸」
薬の成分の中には胎盤を通り抜けてしまうものがあります。胎盤を通り抜けてしまう薬品は胎児の体に直に届くので、摂取するときに注意が必要です。
特に解熱鎮痛剤によく含まれていて、妊娠初期には飲んではいけないのが「アセチルサリチル酸」、いわゆるアスピリンです。
アセチルサリチル酸が含まれている解熱剤を妊娠初期に大量に摂取してしまうと
- 急な出血
- 胎児の奇形
- 妊娠予定日の大幅な超過
などの危険があります。
妊娠中の発熱などで家にある市販薬を使う場合にこのアスピリンの成分が含まれていたら、絶対に使用してはいけません!
効き方は緩やかですが漢方薬は胎児にとって安全です
妊娠中の風邪に使う薬として漢方薬という選択肢もあります。漢方は人によって効き目も様々なのが難点ですが、副作用の面ではほかの市販薬より穏やかです。
ですから胎児への影響が心配な場合には、漢方医さんや薬局を訪ねて症状を相談し、的確な処方をしてもらうこともおすすめです。もちろん婦人科の先生に飲んでも大丈夫かどうかの確認をしましょう。
妊娠中には、母体の健康管理と、安胎目的(流産の予防)のために漢方薬を使います。それは、2000年以上前に記載され、今なお漢方の専門家(医師や薬剤師)たちに活用されている教科書「金匱要略(きんきようりゃく)」の妊娠病篇にも記載され、現在も応用されています。
引用…漢方のけやき堂薬局
市販されている漢方薬を選ぶとしたら、風邪のひき始めに飲むものとしてポピュラーな葛根湯がまず思いつきます。
体を温めて熱を出し、細菌やウイルスを圧迫するとともに汗を出して熱を下げる効果があります。効き方は穏やかです。
胎児の影響については、やはり病院の先生に必ず尋ねておきましょう。
また鼻水が酷い場合や症状が重くなった場合には小青竜湯という漢方薬もあります。
花粉症が治ったというケースもあるそうです。これは体のホルモンバランスを整えてくれる効果があるものとなります。
できるだけ病院を受診して処方された薬を使うことがすすめ
市販薬の効果や危険性などについてみてきましたが、妊娠中の発熱はやはり病院を受診することが一番です。
熱が高くなってしまってからでは一人で病院まで移動するのも大変です。体力に不安を感じたら早めに産婦人科を受診しましょう。
その際はマスクをして体を冷やさないようにするなど、他の病気をもらわないようにする工夫を忘れないでください。
病院を受診して妊娠中であることを相談したら、市販薬の項でもあげたような比較的胎児に影響の少ない薬を処方してもらえます。
薬局にも薬剤師さんが居て相談に乗ってくれますが、やはりお医者様の診察を受けることが重症化しないためにも一番良い方法と言えるでしょう。
赤ちゃんに影響が出ないためにも服薬や生活リズムに注意して過ごして!
妊娠中に風邪をひいて高熱が出てしまうとママの体に大きな負担であると同時に、お腹の中に居る赤ちゃんにも多大な影響を与えます。
そうならないためにも妊娠したら今まで以上に風邪対策に気を付けて、どんな病気が流行っているのかにも注意しておきましょう。
冬場にかけてインフルエンザなどが流行するときには外出に気を配り、あまり体調が良くない時には思い切って家で養生してください。
また食事で栄養のバランスに気をつけたり、早寝早起きの規則正しい生活をすることによっても風邪をひいたり病気にかかるリスクを減らすことが出来ます。
穏やかな気持ちで過ごしてストレスをためないようにすることでも免疫力を高めることが出来ます。
また妊娠中に心配な病気を挙げておきますね。
- 麻疹
- おたふく風邪
成人がこれらの感染症にかかると重症化しやすいうえに、妊娠中なので治療も難しくなります。
あらかじめ麻疹予防接種や、おたふく風邪予防接種について医師に相談しておきましょう。
お腹の赤ちゃんのためにも、普段以上に体調管理を心がけて寒い妊娠中の寒い季節や夏風邪を乗り切りましょう。
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