妊婦さんも局所麻酔で虫歯の治療が可能!治療方法と通うメリット

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2017/12/22

歯医者さんに通っている妊婦さん

歯に気付いたら、妊婦さんでも歯科に治療に行きましょう。妊娠中なのに歯医者に通えるか心配になった妊婦さん、大丈夫です。

治療時期は体に負担がかからないよう、安定期がオススメです。また虫歯がなくても妊娠中は歯周病になりやすい時期なので、歯科検診をうけておくといいでしょう。

プラークは48時間で歯石になってしまい、虫歯や歯周病の原因となります。「つわりで歯磨きをサボってしまった」そんな日々が重なってしまうと、虫歯リスクが高まります。

毎日の歯磨きを丁寧にしながら、妊婦さんもできる虫歯の治療方法のご紹介です。

妊娠すると赤ちゃんにカルシウムが取られて歯が弱くなるというのは迷信…

妊娠すると体は通常よりカルシウムをたくさん必要とします。しかし、妊娠中にカルシウムが不足しても、すぐに歯のカルシウムが使われるわけではなく、先に骨のカルシウムが使われます。

さらに、虫歯菌は最初に歯のエナメル質を溶かしますが、エナメル質はカルシウムをほとんど含んでいない無機質でできています。よって、体内のカルシウムが不足したからと言って、突然わたしたちの歯を脆くしてしまうことはありえません。

妊娠中の本当の虫歯の原因は歯の不衛生と唾液の成分の変化!

妊娠をすると、多くの方がつわりを経験します。つわりには個人差がありますが、歯ブラシを口の中にいれることがだめになってしまったり、歯磨き粉の味やにおいがだめになってしまったりしてしまいます。

それに加えて、食べつわりという常に何かを口に含んでいないと気持ち悪くなってしまう種類のつわりになってしまう可能性もあり、常に口のなかに食べカスがたまっているという大変不衛生な口内環境となってしまうのです。

また、妊娠中は、唾液が酸性に変化します。唾液が酸性に変化すると、虫歯菌が出す酸を殺す力が弱まってしまい、結果的に口内が不衛生になります。よって、虫歯や歯肉炎になりやすくなってしまいます。

虫歯の治療方法の流れ!ほとんど普通の時と変わらない

歯科で治療を受ける際は、妊娠していることを伝えておきましょう。お腹が大きいので姿勢の配慮や、治療が苦しくないかなど気にかけてもらえます。

妊婦といっても、治療方法は普通の時と変わりません。歯のレントゲンを撮影したり、歯茎に局所麻酔をして治療が可能です。

虫歯の治療方法

  1. 産科の医師に、歯の治療可能な時期を確認しておく
  2. 歯科で予約をとる、同時に妊娠していることを告げておく
  3. 歯科での治療を始める、母子手帳持参
  4. レントゲン撮影での診断
  5. 麻酔
  6. 虫歯を削る
  7. 詰め物をする
  8. 虫歯がひどいときは神経の治療をする

普通の治療の時と違うのは、産科の医師に歯の治療が必要なことを伝えることです。確認してから歯科の予約をとりましょう。

治療の際には母子健康手帳を忘れずに!
歯科医師が内容を確認することがあります

虫歯がひどくなっている場合、激痛があります。その際は神経を抜く治療をすることがあります。虫歯に気付いたら、ひどくなる前に治療を始めましょう。

歯科のレントゲン撮影は安全性の高いものを使用しています。ただ、安定期に入るまでは念のためレントゲンの使用を控えたほうがいいかもしれません。

医師の説明を受け相談をしたうえで、レントゲン検査をするかどうか決めると安心です。検査では防護エプロンでお腹を守っての撮影してもらいましょう。

安定期に治療が終わるようにしよう!妊娠後期は治療が難しい

安定期の妊娠5ヶ月から7か月の間に治療が終わるようにしましょう。妊娠後期は治療が苦しくなって、早産を引き起こす可能性があります。

お腹が苦しい時の対処法

  • すぐに医師に「苦しい」と伝える
  • 体の姿勢を変えさせてもらう
  • 休憩させてもらう

お腹に赤ちゃんがいるので無理は禁物です。トイレが近い時は治療直前にすませておくとスムーズです。

赤ちゃんとママの健康を守る!治療には母子手帳を持参しよう

母子手帳には「妊娠中と産後の歯の状態」を記録するページがあります。歯科で記録してもらい、ママの歯の健康を守っていきましょう。

虫歯だけでなく、歯周病もあれば治療しておくと安心です。歯周病は早産の原因となることがあるので、母子手帳でも注意喚起されています。

妊婦健診では歯科がありませんが、歯の健康も重要だと考えられています。

自治体によって妊婦さんの歯科検診に助成があります。保健所や市役所で助成がないか確認しておきましょう。

自己管理は大変ですが、ぜひ母子手帳の歯の記録ページを利用してくださいね。歯科の受付で母子手帳を開き「記入をお願いします」と言えば大丈夫です。

つわりや仕事、家事などでなかなかゆっくり出来ないという妊婦さんも多いと思います。そのように忙しい中でも、後々のことを考えて母子手帳を持参して歯科健診を受けましょう。

妊婦さんが虫歯治療をすることメリット!

通院時期は、体への負担が少ない安定期に通うことをおすすめします。妊娠期の虫歯を「子育てがひと段落してから」などと放置せず、しっかり治療していきましょう。

妊娠中でも歯医者さんに通いたくなる、通院するメリットのご紹介です。

子供の母子手帳に自分の歯の記録が残る

今までに歯医者さんに通院していても、歯の記録が残るということはなかったのではないでしょうか。

子供の母子手帳を開くと「妊娠中と産後の歯の状態」というページがあります。歯科に通うときは持参して、受付で記入をお願いしましょう。母子手帳を出すのと同時に妊娠中だと伝えておきましょう。

健全歯・むし歯・処置歯・喪失歯と、全ての歯1本1本の状態を記録することができます。

治療結果が把握できて「歯を大事にしよう」という意識を高めてくれます。

虫歯以外でも、歯周病がないかなど口内環境を診てもらえる

虫歯は自覚がありますが、歯周病は自覚がないことがあります。歯医者さんで見てもらうことによって発見・治療してもらうことができます。

歯周病は早産の原因になることあるので、発見されたらすぐ治療してもらいましょう。

放っておくと口からニオイがしてしまったり、歯を失う可能性があります。また、歯周病をきっかけに他の病気の原因になってしまうことがあります。

歯周病が引き起こすかもしれない病気

  • 早産
  • 肺炎
  • 動脈硬化
  • 心疾患
  • 糖尿病  など

お口の健康が全身の健康にも繋がっています。歯のトラブルを解決して、健やかな毎日を目指しましょう。

また、歯周病で歯を1本でも失うと今までのかみ合わせが微妙にズレてしまい、違和感を感じてしまいます。たった1本だからと思わずに、1本でも調子が悪ければ治療して大事にしていきましょう。

歯医者さんに診てもらうから、歯磨きをサボれない

つわりの時期は、歯磨き粉を気持ち悪く感じたり、歯ブラシを苦しく感じることがあります。つい「歯磨きをサボってしまおうか」という考えもよぎります。

そんな時でも、定期的に歯医者さんに通院していると「お医者さんに診てもらわないといけないから」とサボりたい心にストップをかけてくれます。

妊娠・出産で歯を悪くしてしまったという女性は身近に多いです。お医者さんに診せるというプレッシャーで、妊娠中も歯磨きを頑張ることができます。

歯ブラシが苦しいという妊婦さんは、電動歯ブラシに変えてみたり、ヘッドが小さい歯ブラシを利用してみましょう。

夜の歯磨きが重要

  • 寝ている間にプラークが増殖しやすい
  • 睡眠中は、起きている時よりも唾液が少ない状態になっている
  • 磨き残しがあると「脱灰」といって歯の成分が出て行ってしまう

また「食事中よく噛む」と、唾液がでて「再石灰化」を促し、虫歯予防になります。歯磨きと合わせて普段から意識してみましょう。

出産後の生活は大変…定期的に通うならやっぱり妊娠中!

出産後は当然ですが赤ちゃんの世話に追われます。初めての妊娠の方はピンとこないかもしれませんが、5分も休まる暇もないくらい慌ただしくなります。

また赤ちゃんと出かけるのも困難です。チャイルドシートに乗せて赤ちゃんとドライブが出来たり、ベビーカーに乗せて散歩に行くことは出来ます。

しかし預けることのない限り、ママに自由な時間はありません。ゴミ出しに行くのも一苦労するぐらいです。

出産後はこのような生活になるので、歯医者に治療で定期的に通うことは難しくなります。妊娠中に虫歯が見つかったことは「早く発見できて良かった」と前向きにとらえて治療を進めましょう。

妊娠中に口腔環境を整えておくことで、出産後育児に専念できます。

また、虫歯を治療しておくと虫歯菌の数が減少し、子供に虫歯菌をうつしてしまうリスクを減らすことができます。

子供に虫歯菌をうつすリスクが減少する

生まれたばかりの赤ちゃんは、虫歯菌を持っていません。身近な大人とのコミュニケーションを通じて、虫歯菌をもらってしまうのです。

ママが虫歯のままだと、虫歯菌をうつしてしまいます。口の中が虫歯菌でいっぱいのママと、虫歯菌がいないママ、子供に菌をうつしてしまうのは後者です。

こどもに虫歯菌をうつしてしまうNG行動は、大人が使った箸・コップなどを子供が使ってしまうことです。

一緒に過ごしていると避けるのは難しいかもしれませんが、子供が触れないように出来るだけ気を付けましょう。

ママの健康は赤ちゃんの歯にも影響する!早めの治療をしよう

忘れてはいけないのは、赤ちゃんの歯のことです。ママが虫歯を直すことは、赤ちゃんにとっても虫歯菌感染のリスクを減らせるのでいいことです。

生まれたときの赤ちゃんには虫歯菌がありません。虫歯になってしまうのは、虫歯菌に感染してしまったからということになります。

やはり一緒にいることが多いパパママが感染させてしまうことが多くなります。乳児・幼児の頃はパパママとのスキンシップが大事なのでより近くにいます。

親が気を付けていても、赤ちゃんが親のコップをパッととって飲んでしまったりと、なかなかうつさないようにするには注意が必要です。

なるべくうつさないようにするためにも、ママは虫歯を治療しておきましょう!

そして、妊婦さんは虫歯の治療が終わったら「虫歯予防」に力を入れてみませんか。

予防の観点から、3ヶ月から6ヶ月1回のペースで歯医者さんに通院することをおすすめします。虫歯や歯周病がなくても、歯石除去など口のなかのお掃除をしてもらうことができます。

歯医者さんに通うか迷っている妊婦さんは、このようなメリットを踏まえて通院するかどうか決めてくださいね。

また、歯の治療も大事ですが、妊婦さんは栄養をとることも忘れずに!胎児の頃から乳歯と永久歯の準備が始まっています。もととなる歯胚ができ始めるので栄養も大切です。

ママも赤ちゃんも、手間をかけてよりよい口腔環境を目指しましょう。

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