職場へはいつどうやって伝えたらいい?妊娠報告のタイミングと方法
現代は結婚後も働く、働きたい女性が多くなっている時代です。妊娠出産を経たあと職場に復帰したい、働き続けたいと考えている方もどんどん増えています。
『誰からどのように』伝えれば、気持ち良く報告することができるのかを考えてみませんか?
この記事の目次
まずは直属の上司に報告をすることが鉄則!
妊娠したら、まずは「直属の上司」に伝えることが肝心です。
報告&相談のタイミングは早めが大事!
「安定期に入るまでは何が起こるかわからないし…」と、早めに伝えることに抵抗感のある方もいるでしょう。
産休・育休についての相談や、妊娠中に行なうことが難しい業務の調整、休む間の引継ぎのタイミングや内容など、早めに取りかかっておきたい事柄はさまざま。
一般的なタイミングとしては、産婦人科に行き心拍の確認ができたあと、初期流産の心配が減る12週頃には報告するようにしたいものです。
あくまで謙虚に&希望や意思表示はしっかりと
妊婦には、業務に対する配慮や産休・育休など、法律で定められた権利が数多くあります。
あくまで低姿勢・謙虚な姿勢で臨むことで、相手も話の内容を聞き入れやすくなるものですよね。
ただ、低姿勢の中でも、自分の希望や意思は明確に表示することも大切です。
- 「復帰したいと考えているけれど、産休・育休はどの程度もらうことができるのでしょうか」
- 「復帰後、しばらくは時短勤務を希望したいと考えていますが、仕事の進め方をどのようにさせていただくことがご迷惑を少なくできるのでしょうか」
…など、具体的な希望をあげて相談するようにしたいですね。
上司が困ってしまう報告の仕方は、「妊娠しました!」という報告のみで、「今後どうしていくか」について、何にも伝えてこない場合です。
「じゃあ、私はどうしてあげれば良いのだろう?」と上司も困ってしまいます。そのため、以下のポイントについて、事前に考えてから報告をするようにしましょうね。
- 出産予定日
- 現状の体調や経過
- 妊娠中の業務内容について
- 産休・育休期間の希望予定
- 引継ぎのタイミング・内容
- 復帰後の働き方の希望
- 出産予定日と産休・育休期間の希望予定
- 国の規定や会社の規則により、産休・育休期間が定められています。
労働基準法の中の「母体保護規定」には、女性が請求した場合、出産予定日より前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、出産後は8週間、女性を働かすことはできないとされています。
その後の育休の取得可能期間は、会社によって規定が異なります。
労働基準法で定められている内容は、「子どもが生後満1年以内の間は、1日2回、少なくとも30分ずつ育児時間を請求することができる」というもの。
ただ、生後1年の間は育休を取得する女性が多いでしょう。
会社によっては、さらに前後に長く産休・育休を取得できる規定がある場合もあります。1度確認しておきましょう。
- 現状の体調や経過
- 健診で順調だと言われているのか、何か特別に配慮をしてもらわなければいけない指示が出ているのかなども、しっかり報告しておきましょう。
「切迫流産」と診断された場合は、自宅安静や入院となり、出勤が不可能となるケースもあります。
無理をせず、包み隠さず知らせておくことが大切です。
- 妊娠中の業務内容について
- 接客業など、立ち仕事が多い職種であったり、重いものを持ち上げたりする状況が発生する仕事内容の場合、部署の異動が必要となります。
休憩時間を多く取らせてもらう、同部署でも体に負担のかかる業務内容は同僚に担ってもらうなど、相談してすり合わせを行ないましょう。
- 引継ぎのタイミング・内容
- 自分が請け負っている仕事内容が現在どれくらいの量となり、引き継ぐ必要がある仕事はどのような内容で、どのくらいの量なのか。
引き継ぐ相手は誰で、いつから引継ぎを開始するのかなども、直属上司と相談しておくべき大切な内容です。
- 復帰後の働き方の希望
- 出産を機に退社を希望するのか、育休を経て復帰したいのかという希望もしっかり伝えましょう。
育休後の働き方のスタイルの希望も相談をする必要があります。
- 時短勤務を希望するのか
- リモートワークが可能な場合、出社と在宅のどちらを選びたいのか
復帰のタイミングに、無事に保育園に入園できるかどうかも不透明です。もし入れなかった場合は育休の延長が可能なのかも、合わせて相談をしておけると良いですね。
先輩女性社員に相談する場合は要注意!
部署や役職が変わったり、転職して間もなかったりするタイミングの妊娠の場合、直属上司との関係性も築けていないため、余計に伝えづらいですよね。
直属上司が独身者であったり、男性であったりすると、さらに「どういう姿勢で報告すればスムーズにいくだろう」と迷ってしまうでしょう。
そのような際は、同じ女性で産休・育休を経験している先輩ママ社員に相談をしてアドバイスをもらうと、伝えやすくなるケースもあります。
事前に相談をしたい場合も、1人だけに絞り、相談後はすみやかに直属上司に直接報告する場を設けましょう。
間違っても、「風の便りで先に上司の耳に妊娠の話が入ってしまった」ということにならないように気をつけましょうね!
妊娠中の体と心の変化も報告しておこう
妊娠中に起こる心身の変化、きちんと把握していますか?
妊娠中に体に起こる変化は、女性によって差が生じます。また、「今」大丈夫でも、「ずっと」順調だとはいえません。
妊娠中、心身に起こる変化には以下のようなものがあります。
- つわり
- 切迫流産
- 過度な眠気
- 便秘
- 切迫早産
- 足のむくみ
- 逆子
- 妊娠高血圧症候群
- マタニティブルー
つわりの程度や種類は人によっても違いますし、同じ人であっても妊娠のたびに異なる場合があります。
水も飲めず、点滴の必要がある重度のつわりもあるため、つわり中は欠勤せざるを得なかったという妊婦もいるのです。
切迫流産や切迫早産は、「流産・早産しかかっている状態」のこと。妊娠を継続させるため、医師から自宅安静や入院を指示される状態です。
これらのトラブルは、妊婦の行動のせいで起こるとは限りません。医師から安静や入院の指示が出た場合は、「大丈夫」と過信して出勤はNG。
会社任せ・上司任せにしない!自分が持っている権利は自分で確認を
上司によっては、妊産婦が使える制度や権利などを知らない場合もあります。
女性本人も正しい権利を知らない場合、理不尽なことを言われた際、泣く泣く受け入れざるを得ない状況に陥ってしまう可能性も。
せっかく女性のために設けられている権利です。上司任せにするのではなく、自分自身でも事前に規則をリサーチしておきましょう。
同僚や先輩・後輩への伝え方のポイント
直属上司への報告が済んだら、ほかの先輩社員・同僚・部下にも順次報告をしておきましょう。
ここで大切なポイントは、「相手の立場に立った報告」を心がけるということです。
いつ言う?それぞれのメリット&デメリットを考慮した判断を
上司以外の人への報告のタイミングは、上司に伝えたあと間を置かない人や、安定期まで控える人まで、判断はさまざま。
早めに報告しておくと、つわりや切迫流産などで急に欠勤をせざるを得なくなった場合でも、事情を知ってくれているため、カバーを頼みやすいというメリットがあります。
ふだんの業務中でも、内容によっては分担・交代をしてもらえることも。
デメリットとしては、経過が順調な妊婦の場合、「過度な気遣いをされたくない」と感じる人もいるということ。
また、1度流産を経験している女性の場合は特に、報告後の流産を恐れることが多いです。
どちらも考慮した上で、上司とも相談し、報告するタイミングを決めましょう。
重要な相手には1対1で伝える機会を設けよう
いざというときに協力を仰ぐ必要がある人など、「この人にはきちんと話を通しておきたい!」というキーパーソンになる先輩社員や同僚には、1対1で話せる機会を設けておきましょう。
ランチやお茶の場で、直接話をすることで、「産後も働き続けたい」という気持ちを伝えることができます。
なかなか直接会って報告する機会が設けられない場合は、メールで伝えても良いでしょう。
舞い上がらないで!相手の境遇を想像&配慮した伝え方を
「妊娠できた!」ということは、やはり嬉しいことです。「やっと授かった」という場合であればなおさら、気持ちが舞い上がってしまいますよね。
しかし、報告する際は気持ちを落ち着かせて、冷静に伝えるように意識することが大切です。
会社内には多くの人がいます。人それぞれに、異なる考え方や意識、境遇があるものですよね。
時代に合ってない!という反論をしたくなるかもしれませんが、会社には幅広い年代の人がいるため、「そういう人がいるかもしれないんだな」と思っておきましょう…。
境遇や考え方はふだん、なかなか口にしない人が多いため、同僚たちが抱えているバックボーンは、知らないと思っておいた方が良いでしょう。
そのため、嬉しさに舞い上がらず、まずは冷静さを意識して、さらりと事実のみを報告するようにしましょうね。
報告の漏れが起きないように気をつけて!必ず報告を
社内の人に報告する際に、気をつけておきたいことが、「情報の抜け漏れ」。
「え、私だけ聞いてないんだけれど?」というようなことは、人間関係のトラブルの元になってしまいます。
会社によって報告の必要な範囲や、報告の方法には違いがありますが、必要な人たちには漏れや極度のズレが起きないように意識しておきましょう。
復帰後もがんばりたいという気持ちを周囲に伝えておけると良いですね。
取引先へは急がなくて良し!状況に応じて報告時期を判断しよう
会社内の人たちには引継ぎや業務の内容から早めに報告をした方が良いですが、取引先の場合、必ずしも急がなければならないわけではありません。
体調によっては早めに報告をした方が良いケースも
つわりが重いなど、妊娠の経過によっては、取引先にも早めに事情を説明しておいた方が良いケースもあります。
理由もわからず相手の体調不良が続くと、取引先としても心配になるもの。
そういった際は、きちんと「実は妊娠していまして、体調によってお休みをいただいている状況にあります」と理由を説明しておくことが大切です。
引継ぎのタイミングまで報告を控えるという判断も
妊娠の経過が順調な場合、引継ぎのタイミングギリギリまで報告を控える人もいます。
あまり早めに報告してしまうと、取引先に心配を過度に掛けさせてしまうことがあるからです。
ただし、妊娠の経過がずっと順調にいくとは限らないため、そのことは念頭においておきましょう。
仕事内容&体調によって最善策はそれぞれ。迷惑をかけない対応を意識しよう!
取引先への報告は、受けている仕事の内容や自分自身の体調によって、タイミング&方法の最善策は異なります。
どうすることがベストか決めかねる場合は、直属の上司に「このような報告をしても良いでしょうか」と確認を取っても良いでしょう。
1番大切なことは、取引先へかかる迷惑を最小限にすること。引継ぎのタイミングも含め、良い方法を考えていきましょう。
妊娠はおめでたいことだけど…客観的で冷静な報告姿勢で!
職場や取引先への報告をする前には、1度客観的な意識を持つことが大切ではないでしょうか。
冷静になってから、真摯に相手と向き合い報告をすることで、妊娠中・復帰後の仕事環境の良さを自分で整えていくことにもなります。
妊娠中・復帰後は、何かと周囲の助けやサポートが必要です。体調によってできなくなる業務もありますし、子どもが体調を崩したら早退や欠勤を余儀なくされることだって多くなってしまいます。
卑屈になれというわけではありません。しかし逆の立場で考えると、ちょっとした気遣いの「一言」や姿勢が受け手に与える感情は理解できるのではないでしょうか。
「この人なら、復帰後もしっかり仕事を任せられるな」、「がんばっているな。応援してあげたいな」と思ってもらえるような人でありたいですね!
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