子供のりんご病の症状ってどんな感じ?発症の見落としに注意
りんご病という病名を聞いたことはありませんか。りんご病はパルボウイルスB19というウイルスが原因で起きる感染症の一種です。発疹が出る病気で、昔は風疹の一種と考えられていたそうです。
1980年代になってパルボウイルスというウイルスが起こしている風疹とは違う病気だとわかりました。子どものころに感染することが多い比較的軽度な病気のひとつですが、現在注目が集まっています。
実はりんご病に妊婦さんが感染すると流産などの原因となることがわかったのです。危険な合併症を防ぐためにも、我が子が感染した時の症状や感染経路などをしっかり理解しておきたいですね。
りんご病(伝染性紅斑)の主な症状や感染経路・合併症
りんご病は正式な名前を「伝染性紅斑」といいます。「伝染する、赤い発疹がでる病気」という意味で特徴的な症状は赤い発疹です。
ほっぺがりんご色に染まる!全身にも発疹が出る、りんご病の症状
りんご病に感染するとくっきりとした赤い発疹が出ます。特に顕著に出るのはほっぺで、まるで蝶が羽を広げたように見えます。
ほっぺがりんごのように染まるため、一般的には「りんご病」と呼ばれています。
発疹は水ぼうそうのような単独のブツブツではなく、細かい発疹がレース状に広がります。広がり方は人それぞれで網目状に見える子どももいます。ほっぺの発疹はほてりをともない、発疹がかゆくなることもあります。
発疹が出るのは顔だけではありません。胸や背中、お腹、お尻、腕や脚、手にも出ることがあります。ほっぺはかなり真っ赤に染まりますが、体に出た発疹はまさに「レース状」に見えることも多いようです。
細かな発疹が最初から現れるのではなく、体の発疹ははしかのようなブツブツが次第に広がっていき、細かな発疹がびっしりと出るレース状に変化していくようです。
「のこぎりの歯のような発疹」とも言われています。
発疹は出始めてから3,4日くらいが一番はっきりとした状態になります。だいたい1週間くらいで自然と消えますが、長引く子もいます。また、一度消えた発疹が再度出ることもあります。
りんご病は発疹が出る1週間から10日ほど前に熱が出たり、だるさや筋肉痛など風邪気味のときと同じ症状が出ることがあります。
実はこの時期がりんご病のウイルスが最も活発に活動している時期で感染力も強くなります。
ほっぺが赤くなる時期には、ウイルスの感染力はほとんど失われています。風邪かなと思っていたらしばらくして発疹が出て、はじめて「りんご病」とわかるということが多いでしょう。
高熱などの特徴的な症状が少なく、発疹だけなので見落とすことも少なくありません。
特に冬場は寒さでほっぺが赤くなったりかゆくなる子もいます。室内で落ち着いてもほっぺが赤い、いつもより元気がないなどの症状に注意してあげましょう。
大人が感染した場合は風邪の諸症状にくわえ、関節痛や頭痛などが起きることがあります。痛みが数日続きつらい思いはしますが、ほとんどの場合はそのまま治り後遺症などは残さず軽く済みます。
りんご病はくしゃみやせきといった飛沫感染、もしくは接触感染でうつる病気です。しかしインフルエンザや水ぼうそうのように強力な感染力を持っているわけではないので爆発的な流行はあまり見られません。
幼稚園や保育園では接触が濃厚なので、小さな流行が起きることはあります。現在日本ではだいたい5年前後に一度ちょっとした流行が起きるといわれています。
一度りんご病に感染すると、体の中に抗体ができるのでそれ以降は感染することはありません。
抗体の有無は血液検査で確認することができます。
りんご病はいつ頃が1番かかりやすいの?
りんご病は子どもに多い病気です。
5歳から9歳くらいの子どもがもっともかかりやすく、ついで0歳から4歳の乳幼児に多く発症します。幼稚園・学校に通い始めるとかかりやすくなるようですね。
季節的な流行はあまり起きないといわれていますが、1月から7月上旬くらいに徐々に患者数が増えて秋には落ち着くという傾向があります。
全国規模の大流行ではありませんが、小さな集団のなかでの流行は起こります。
子どもの病気ですが大人でも感染します。
大人の場合はよりつらい症状が出ることもありますが、特に注意したいのは妊婦さんの感染です。死産や流産など胎児への深刻な影響が出ることもあるため注目されています。
インフルエンザなど、他の感染症と同時感染するケースもある!
りんご病は10日~20日間と、潜伏期間が長めの病気です。また1月くらいから感染者が増え始めるため、インフルエンザなどの病気とダブル感染することもあります。
インフルエンザは潜伏期間も短く、短期間で強い症状が出ますが、早めにタミフルやイナビルなどの薬を処方することで症状が長引かないようになってきました。
インフルエンザに感染して治ったあとにほっぺが赤くなり「りんご病にも感染していたんだね」とわかることもあるようです。
しかし発疹が出る時期にはすでに一番強い感染力はなくなってる場合が多いようです。
重症化や合併症について…もっとも注意したいのは妊婦さん
ウイルス感染の病気には、重症化や合併症などの不安があります。でもりんご病ではあまり重症化することや合併症が出ることはありません。ただし子どもよりも大人が感染した時の方が、関節痛など症状が重くなることはあります。
関節痛や筋肉痛が強いため、大人が感染した際は膠原病やリウマチといった重い病気と間違えられることもあるようです。またはしかや風疹、薬による蕁麻疹の「薬疹」とも間違えられやすいので周囲で流行している場合はそのことを医師に伝えましょう。
ごくまれですが脳炎や血管性紫斑病、貧血などの合併症が出ることもあるようです。意識障害や嘔吐を伴う激しい頭痛が起きたり、発疹の状態がおかしい場合はすぐに診察を受けましょう。
ただし問題視されている妊婦さんの感染よりはリスクが少ないようです。
りんご病の治療とケア・予防法…感染・周囲で流行した時の対処
実際にりんご病に感染してしまったときの対処とお家ケア、そして周囲で感染が増えているときの予防法について調べてみました。
ママが妊娠中だったり、周囲に妊婦さんがいる場合は特に注意したいですね。
特効薬はありません!対処療法が基本…発疹だけなら通園はOK
りんご病はウイルス性の感染症で、パルボウイルスB19というウイルスによって引き起こされる病気です。このウイルスに特効薬はないため、治療は対処療法のみになります。
かゆみが強くなければ特になんの治療も行われないことがほとんどです。りんご病は典型的な顔の発疹が出ないと診断が難しいようです。また発疹が出たときには病気の急性期はすでに終わっています。
でも大変似ている病気に「はしか」や「風疹」「薬疹」といった怖い病気もあります。ほっぺが赤くなる前数日間に前駆症状がなかったか、逆にほかの病気の特徴は出ていないかをチェックしましょう。
放置せず、怖い感染症ではないことを確かめるためにも病院で一応診察を受けておきましょう。
特にママが妊娠中の場合は、感染をしてしまうと大変です。子どもがりんご病ですと診断された場合はうつってしまっている可能性もあるため、すぐに医師に相談しましょう。
保育園・幼稚園は休む必要はありません
ほっぺの発疹が出てりんご病とわかった時点ではすでに感染力がないため、基本的には保育園・幼稚園はお休みする必要はありません。発疹のかゆみが強かったり、だるさや筋肉痛が強いなど他の症状がある場合は休ませて様子を見ましょう。
ただし保育園・幼稚園で集団感染がおこり、お休みする子が増えた場合は園長先生の判断で学級閉鎖などの処置がとられる場合はあるようです。ママ友や先生と連絡をとり、流行の状態をよく把握しておきたいですね。
発疹は刺激を与えると再発・かゆみが強まる!お家ケアのポイント
風邪に似た症状が出た時期は無理をせずに安静にしましょう。周囲でりんご病が流行している場合は「発疹が出るかもしれないな」と注意しておくとよいですね。早い段階で感染に気付いても治療薬はありません。
発疹が出始め、かゆみがつらいときは医師に相談しましょう。一度発疹がおさまっても刺激を受けると再び出始めたり、かゆくなったりします。しばらくは下記のような刺激には十分注意してあげましょう。
- 日光にあたる
- 泣く・汗をかく
- ひっかく・摩擦する
- 寒さ・暑さ
- 精神的なストレス
口には発疹が出ないため、特に食欲が落ちることはないようです。一般的に風邪をひいたときや疲れがたまっているときなどに用意する、消化がよく栄養価の高い食事を食べさせてあげましょう。
お風呂は入っても大丈夫です。
ただし熱いお湯につかったりすると発疹が再発し、かゆみが強まることがあります。ぬるめのシャワーでさっと洗い流し、肌を清潔に保つ程度が良いですね。
手洗い・うがい・マスクが予防の基本!ワクチンはありません
りんご病にはワクチンがないので、予防接種で防ぐことはできません。
あまり重症化することのない病気なので積極的な予防策がとられていないのです。
飛沫感染・接触感染でうつるため、やはり手洗い・うがいが予防の基本です。妊婦さんなど感染をどうしても避けなければならない場合はマスクもおすすめですね。
園ではやり始めた、仲の良いお友達がりんご病になったという情報を早めにチェックすることも予防に役立ちます。流行時は特に手洗い・うがいを徹底し、前駆症状となる風邪の症状に注意してあげましょう。
子どもがりんご病に感染したら、妊婦さんへの接触を防ごう
かわいい名前のりんご病ですが、妊婦さんへの影響などから注目を集めています。子どもが感染しやすいため、子どもの症状や流行を常にチェックしておくことが大切です。気になるほっぺの赤みが出たら感染を疑い、妊婦さんとの接触を防ぎましょう。
予防接種や治療薬がないため、毎日の生活習慣が予防のかなめになります。また感染してしまってもおうちのケアで治るまで様子を見ていくしかありません。
不顕性といって症状がはっきり出ない場合もあります。流行している場合は「もうすでに感染しているかもしれない」と考え、子どもが妊婦さんと接触しないよう注意してあげるとよいですね。
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あいなさん
すごくたすかりました!
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まいままさん
小学生の娘が頬が赤く、保健の先生から「もしかしたら」と言われ自分はなったことは無かったので、詳しく知ることができ助かりました♪
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無記名さんさん
勉強になります!
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無記名さんさん
すごい!!
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無記名さんさん
本当にそう!!!!!!!!!!
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無記名さんさん
助かりました!
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りゅうちえるさん
不安なき持ちが和らぎました。感謝です。
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みゆさん
7歳の長男の頬が赤く この季節なのでしもやけを疑いましたが足にも発赤がでたので自己判断ですがりんご病だと思いました。そしていま次男の頬も赤い気が…
私は妊婦なので感染が怖いですが感染のピークは過ぎてるし、子供との隔離も無理なのでこのまま何もないことを祈るばかりです。 -
無記名さんさん
勉強になりました!
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さゆままさん
めっちゃ不安でしたが記事を読んで安心感が出ました。
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もりもりさん
突然顔の赤みに気付き、休日を挟んだので病院に行くことが出来ず助かりました
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無記名さんさん
大変助かりました。
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ささん
すごい❗
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無記名さんさん
小児科を受診したら「りんご病ですね」の一言。なんとなくしか知らなかったりんご病。詳しく書いてありとても参考になりました
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無記名さんさん
今息子がほっぺがあかいからくわしくわかってよかったすごい
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無記名さんさん
ちょうたすかりましたすばらしい
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無記名さんさん
娘も頬が赤く、ほてりもあります。でも発疹は出ていません。りんご病なんでしょうか?
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無記名さんさん
私も妊娠中に娘がりんご病と疑われ、とても焦りました。
結果、よく似た他のウイルスとのことでしたが。それから、細かくて恐縮ですが、
対処療法×→ 対症療法○です。