子供と防災訓練で防災知識を身に着けて、災害時に命を守る行動を!
近年大きな地震が日本中で発生しています。その中でも一番被害が大きかったのがマグニチュード9を記録した東日本大震災です。
また、警報が鳴っても「津波なんて来ないだろう」という先生の思い込みによって逃げ遅れたたくさんの子ども達や先生自身も犠牲になった事例もあります。
地震だけではなく他の災害が起こった時、どうしたら子ども達を守ることができるのか、私たち親や大人がしっかりと知識を持ち、それを子どもに伝えることが必要になります。
防災に必要な行動と災害別に必要な知識をまとめました。
災害時に必要な行動は3つ
災害はいつ発生するかわかりませんが、緊急時のやるべきことは3つです。
- 自分の命を守ること
- とりあえずの安全が確保されたら家族と連絡を取ること
- 安全な場所へ行くこと
当たり前のようですが、実際の災害時にどういう行動をとるべきか普段から意識している方は大人でも少ないと思います。
災害時は自分の命を最優先に考えるということも日頃から親が伝えてあげる必要があると感じます。
次は、さまざまな災害における行動の手順を整理します。
災害別の必要な行動と知識
さまざまな災害においてどのように自分の命を守るのかについては、防災の正しい知識を知ることや防災訓練などを通じて体感することが必要になっていきます。
必要な知識を、災害時の状況別に分けて理解することで何をする必要があるか漏れなく考えることができます。
災害別にどのように行動するべきか表にしました。
災害の種類 | 行動1 | 行動2 | 行動3 | 行動4 |
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A地震(家・外) | 落下物から身を守る安全な場所に行く | 安全を確保し被害状況や津波の有無の確認 | 親が一緒でなければ連絡を取り避難準備をする | 家に帰るor 避難警報があれば避難所へ行く |
B津波(家・外) | 大きな地震がきたら津波の有無を確認 | 親が一緒でなければ連絡を取る | ・津波警報がでたら沿岸部へは行かない ・大津波警報があればすぐに高台へ避難 |
|
C台風(家) | 家で待機(雨・風に耐えられる家の前提) | 雨が酷ければ【E】を行う | ||
D台風(外) | 頑丈な建物に避難する(無理に帰ろうとしない) | 親が一緒でなければ連絡を取る | 台風情報を確認 | |
E大雨 (家・外) |
家や頑丈な建物にいく(家が安全でない場合は早めに避難) | ・親が一緒でなければ連絡を取る ・避難準備をする |
避難警報があれば避難所へ行く | |
F火災 (消火できる) |
自分の安全を確保する | 消火できると判断したら消火に取り掛かる | できなければ【G】を行う | |
G火災 (消火できない) |
手やハンカチで口を押さえ身をかがめて安全な場所まで逃げる | 大声で「火事だ!」と叫び119番をする | 親が一緒でなければ連絡を取る | |
H竜巻(家) | トイレなど頑丈に作られた小さな部屋へ逃げてカギをかけてドアノブを押さえる | ・ガラスの方に背を向けて頭と首を守る ・絶対に部屋から出ない |
竜巻が収まってから部屋を出る | |
I竜巻(外) | 鉄筋コンクリート製の頑丈な建物を探し避難する | 竜巻が来ることを大人に知らせる | 窓やガラスの近くを避け安全な場所で待つ |
ひとマスごとに「どうすればこれができるのか」明確にしていく過程が災害時に必要な知識に繋がっていきます。
災害前に決めておく6つのこと!
お住いの地域や家の構造などにより必要な知識が異なっていきます。明確にしていく過程で、各ご家庭オリジナルの防災知識が明確になります。
- 災害別の安全な場所の判断
- 親との連絡手段
- 避難場所の選定
- 避難経路の確認
- 避難場所へ移動のタイミング
- 火災時の対応
1.災害別の安全な場所の判断
安全な場所と一言でいっても災害によって安全と考えられる場所は違います。災害別の安全な場所と危険な場所をまとめました。
- 地震
-
場所 安全な場所 危険な場所 在宅時 机・テーブル・椅子の下など落下物が当たらない場所 食器棚やガラスの近く、本棚などの大きな家具の近く、テレビ 外出時 学校、公園、広場など開けていて落下物が当たらない場所 ビル(窓ガラスの落下)、自動販売機、電柱、信号機、橋、ブロック塀、一軒家(屋根の瓦の落下)、エレベーター、地下、車道の近く 急いで逃げようとしてエレベーターを使うことがないように伝えましょう。もし閉じ込められた時は最寄り階を押して階段から避難します。動かない場合は非常ボタンを押し外部との連絡を取り、脱出できるまでしばらく待つことになることも伝えましょう。
- 津波
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場所 安全な場所 危険な場所 在宅・外出時 高台(頑丈なビル・山・土地が高いところ) 土地が低い場所、木造家屋、沿岸部 東日本大震災を例にすると、発生3分後に津波警報が発表されました。一番早いところで警報発表から29分後に津波が襲ってきています。子どもと安全な場所について話す際は、津波の原理や実際の例を基に話をすることでより危機意識が強くなります。
- 台風
-
場所 安全な場所 危険な場所 在宅時 家の中(耐えられる家という前提) 台風に耐えられない構造や土砂災害の危険がある場所 外出時 頑丈な建物の中 建物からの落下物や飛ばされてくるもの全て(木や枝、ガラス、家の瓦、ブロック塀、自販機、自転車、車等)
- 大雨
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場所 安全な場所 危険な場所 在宅時 2階以上(浸水前に避難指示があれば従う) 水に浸からなければ特になし 外出時 風が強い場合はなし ・すでに浸水している場合はふたが開いたマンホールや水路への落下
・建物からの落下物や飛ばされてくるもの全て(木や枝、ガラス、家の瓦、ブロック塀、自販機、自転車、車等)
・破損した太陽光発電(感電のおそれ)
漏電の危険があるので浸水した太陽光発電設備には近づかないようにしましょう。
最寄りの整備工場や販売店へ連絡してください。
- 火災
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場所 安全な場所 危険な場所 在宅時 火災場所が家なら家の外 ・火災場所の部屋
・火災場所より上の階
・高い場所の空気(膝より上)外出時 火災場所から離れたところ ビルの場合は火災箇所よりも上の階・燃えやすいガスや油がある場所
- 竜巻
-
場所 安全な場所 危険な場所 在宅時 柱が密集した小部屋(トイレ・お風呂・地下) 屋根裏、窓ガラスがある場所、部屋が広い場所 外出時 鉄筋コンクリートの建物、地下鉄や地下街 外、木造の古い家、車の中
自宅や地域での安全または危険な場所については、子どもと話し合うことで理解が深まります。
お住いの地域や家の構造、避難場所への経路など、学校で教えられない知識もたくさんあります。まずは保護者が防災訓練やその知識の重要性に気付き子どもに伝えることが大切です。
2.親との連絡手段
普段であれば電話をすれば連絡が取れますが、大きな地震が来た時は電話が通じなくなると想定しておきましょう。
そんな時に活躍するのがSNSを使用した連絡手段です。FacebookやツイッターやLINEを使用した安否確認をする人が急増しています。
- LINE
- 東日本大震災が発生した2011年にはまだLINEはありませんでした。しかし、大震災でも家族や大切な人がすぐに連絡を取れるようにと開発されたのがLINEです。
実際に熊本地震や大阪地震の際にもLINEで安否確認をした方が多く存在します。
安否確認をする為に子どもに携帯を持たせるということも含めて家族との連絡手段を考えていきましょう。
- 災害時無料で使えるWi-Fi
-
災害時に電話やインターネット通信ができなくなる事態を解消しようと、各キャリア(docomo、au、softbank他)が誰でも無料でWi-Fiを使用できるように解放しています。
Wi-Fiスポットに行く→携帯の「設定」をタッチ→Wi-Fiを「ON」にすると「00000JAPAN」(ファイブゼロ・ジャパン)が出てくるのでその無線LANを使用してください。
【注意】
「00000JAPAN」(ファイブゼロ・ジャパン)はパスワードを使用しないで誰でも使用できるため、サイバー攻撃の対象になり個人情報が抜き取られる等の被害も起こりえます。実際に、「000000JAPAN」(シックスゼロ・ジャパン)や「oooooJAPAN」など紛らわしい無線LANが出回っているようです。
混乱時に正しい回線を使用できるよう、「ファイブゼロ・ジャパン」と記憶しておきましょう。
また、正しい回線であっても、個人情報のやり取りはしないことが鉄則です。
- 無料で使える公衆電話
- 災害時の措置として無料で公衆電話が使えるようになります。2018年9月北海道で発生した震災時も無料で使用できたそうです。
ですが、デジタルとアナログでは使用方法が異なるので注意が必要です。
- デジタル:硬貨やテレフォンカードは不要。そのまま電話できる
- アナログ:受話器を上げ、硬貨またはテレフォンカードを投入して電話をし、切った後には硬貨またはテレフォンカードがそのまま返却される(一旦お金やカードを入れないと通話できない仕組み)
停電時でも、公衆電話は使用可能です。 デジタル・アナログ共に、硬貨の使用のみ通話は可能です。
デジタルは液晶が消えていて、アナログは赤いランプは消えた状態ですがどちらも使用可能です。 - 広域避難場所
- 地震等で地域全体に火災が広がっている場合に集まる場所です。広い公園や大学や団地など指定されている場合が多いです。
- 一時避難場所
- 災害時に避難する場所として広場や公園や学校が指定されています。
- 収容避難場所(避難所)
- 災害によって被災した人が短期的な生活ができる場所のことを指します。学校の体育館が提供される場合が多いです。
- 家を避難場所にする場合
- 小さなお子さんがいる場合、夜泣き等で周囲の人達に迷惑が掛かる心配から、避難場所での生活ではなく自宅にいることを選択せざるを得ない人もいます。
物やガラスが散乱している状態では生活が危険なものになります。普段から地震対策をして食器棚は扉が開かないようにするなど、安全な場所にできるようにしましょう。
- 2つ以上の避難経路を決める
- 避難場所が決まれば避難経路も確認しておく必要があります。避難場所への行き方も複数理解できると万が一道がふさがって通れない場合も他の道に回ることができます。
- ハザードマップを作る
- 避難経路だけではなく自分たちが行動する学校、公園、駅、習い事等の場所周辺でどのような危険があり、安全な場所はどこなのかより身近に感じることができます。
- 描く範囲を決める(避難場所、通学路、公園、駅等)
- 地図を描く
- 経路を決める
- 実際に歩き危険なものや安全なものの写真を撮る
- 写真を地図に貼るか絵を描き気付いたことを書く
- どのくらい達成できたか判断して気づきをまとめる
小学校の授業でハザードマップ作りに取り組む学校もあるそうです。もしご家庭で取り組む場合は、4~6年生の夏休みの課題にすると防災について自分で考えより学ぶことができます。 - 避難情報の種類
-
- 「避難指示(緊急)」 ← 避難できていない人はただちに避難しましょう
- 「避難勧告」 ← 避難を開始しましょう
- 「避難準備・高齢者等避難開始」 ← 避難準備をして高齢者は避難開始
- 避難情報の伝達手段
-
- テレビ
- SNS(Facebook、Twitter、LINE等)
- 地域で行われる防災無線
- サイレン
- 消防団による伝達
- 自治体による広報車を使った呼びかけ
- 避難勧告を待たずに避難する場合も
-
- 津波や土砂災害が予想されたとき
- 自宅または近隣で火災やガス漏れが発生した時
- 自宅が傾くまたは倒壊の危険がある場合
- 家での暮らしが不安に感じられた場合
- ライフラインが使えない場合
- 消火の判断
-
初期消火は2分までに!消火器で消すことができるのは、火が天井につく前の火災のみです。
判断ができない場合、火の回りが早い時はすぐに避難し消防車「119番」を呼ぶようにしましょう。
消火活動は危険をともなうので小さなお子さんにはさせないでください。
消火器の使い方を事前に知っておくことも大切ですね。使い方を訓練させてくれる防災訓練が地域や学校で開催されていることもあります。インターネットの動画でも消火器の使い方を確認することができるので確認してみてください!
- 火災時の逃げ方
- 火災が起きた際は一酸化炭素と二酸化炭素が発生します。それを吸い込めばいきなり意識不明になり体が麻痺して動けなくなります。
無色無臭の有毒ガスなので、気が付いたら吸い込んでいる場合がほとんどです。火災時に気を付けなければいけないのは火よりも煙による事故なんですね。
【初期の火事で煙が白い時】
短い距離なら息を止めて走って避難する。その際、口と鼻をハンカチや服で覆う。【煙が黄色や黒く変化した時】
濡らしたハンカチや服で必ず口と鼻を覆い、伏せて床や壁伝いにすばやく避難する。
他には、「NTT171伝言掲示板」もあります。使い方を家族で共有しておきましょう。
また、格安スマホを利用している方は、各大手キャリアが提供している災害時の伝言サービスは使えませんので、「web171」という伝言板で連絡を取ることも可能です。
3.避難場所の選定
災害の種類によって避難場所が変わってくることもあります。避難場所は3つに分かれます。
お住いの市や区のHPで避難場所を確認することができます。
災害時は多くの人が避難場所に集まることを考えて、公園や学校のどこに集まるのか具体的な待ち合わせ場所まで家族全員で共有しておくようにしましょう。
4.避難経路の確認
どこで災害が発生するかわかりません。自分のいる場所から避難場所まで安全に行ける道を把握しておくことが重要です。
5.避難場所への移動のタイミング
危機が迫っていてもいつ移動すればいいか判断に迷うことがあります。事前にどのような避難情報があり、伝達方法や避難のタイミングを理解することが大切です。
6.火事の対応
火事の際、消火できる基準を知り、命を守る逃げ方を学びます。
防災知識を家族で共有する
災害が起きた時に自分や子ども達の命を守るのは、防災知識と家族全員による決めごとを事前に決めることです。
家族で繰り返し話しをすることで防災の意識も高まり、いざという時に迷うことなく行動することができるようになります。
子どもの命を守るためにも家族で共有することが大切ですね。
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