産後ママがなりやすい突発性難聴の症状と対策!疲れや睡眠不足に注意
出産でぼろぼろに疲れ切った自分を叱咤して、産まれたばかりの赤ちゃんの子育てを必死にする毎日を送っていたら、急に耳が聞こえなくなった…。
そんな嘘だと思いたくなるような大変な症状が、出産後のママの身体には生じやすいのをご存知でしょうか。
ある日突然急激に耳が聞こえなくなる、起床してみたら耳鳴りが酷くて音が聞こえにくくなっている、といった症状があったら、それは突発性難聴かもしれません。
突発性難聴は早期発見が鉄則の病気です。出産後になりやすいと言われている突発性難聴の症状や対策を知り、理解を深めておきましょう。
急に耳が聞こえなくなる…難病指定の突発性難聴
突発性難聴とはその名の通り、突発=前触れなく突然、例えば朝起きたら急にとか、仕事の帰りに電車に乗ったとたんなどといった予測できないタイミングで、急激に耳が聞こえにくくなる病気です。
日本では年間3万人以上の人が罹患しており、患者数は年々増加しています。絶対的な治療方法もなく、必ず完治するものでもないために国の難病指定となっています。
では、突発性難聴とはどのような病気なのでしょうか。
- 突発性難聴の症状と特徴
- 考えられる原因
- 予防法
これらを詳しく見ていきましょう。
片耳のみの耳鳴りと耳詰まりに要注意…突発性難聴の特徴
突発性難聴は、片方の耳がいきなり聞こえにくくなる事が最大の症状です。両耳ともに聞こえにくくなるのではなく、片耳のみに症状が現れる場合がほとんどです。
左耳と右耳、どちらかがなりやすいというような偏りはありません。日常生活においてどちらかを使いすぎたためということもありません。
ただ急にシーンと無音に近くなるのではなく、多くは聞こえにくさと一緒に耳鳴りや耳詰まりを伴います。
元々耳鳴りや耳詰まりが日常的にある人は、いつものことか…と判断して受診が遅れてしまうことも考えられます。
また、朝起きた瞬間に聞こえなくなっている場合ではなく日常生活の中で突然前触れなく突発性難聴になると、その瞬間に強烈なめまいを覚える人が多いそうです。
このめまいは耳が聞こえにくくなる瞬間のみ生じ、継続的に耳が聞こえずらくなった後はめまいの症状がみられることは少ないと言われています。
原因不明が定義の難聴…完治の確率は3分の1
突発性難聴になった後、耳鼻咽喉科では様々な検査を受けます。それらの検査を経て目に見える発症の原因が分かった場合は診断名が変わり、突発性難聴ではなくなります。
どんな検査をしても、数値などで目に見える発症の原因がないのに突然耳が聞こえずらくなった場合に突発性難聴と確定診断を受けることができます。
突発性難聴は、内耳の血流の悪化、何らかのウイルスに内耳が感染している、免疫細胞に障害がある…などといった発症原因の仮説は様々にあるものの、どれも証明されていません。
完治する確率も3分の1と決して高いものではありません。
残りの3分の1は聴力維持(聞こえずらいが聴力は残る)と緩和、3分の1は悪化し失聴(全く聞こえない)となる恐ろしい病気なのです。
また、似たような急な難聴の病気で低音障害型感音難聴というものもありますが、こちらも出産後の女性は罹患しやすい耳の病気です。
- 低音障害型感音難聴
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症状は突発性難聴と似ていますが、聞こえずらくなる音域が低音に限られているのが突発性難聴との大きな違いです。原因は内耳にある蝸牛という部分でリンパ液が増えてしまうことにあります。症状が難聴の中では軽いため聴力が比較的戻りやすい病気ではありますが、発作を何度も繰り返す可能性があるため注意が必要です。
出産後はなるべく休息を!ストレス、疲労、睡眠不足は突発性難聴の危険因子
原因不明で起こる突発性難聴ですが、なる人の傾向を見てみると危険因子が存在することが分かってきています。
- 強いストレス
- 肉体的な疲労
- 睡眠不足
この3つに当てはまる人は、突発性難聴になりやすいと言われています。さらに、低音障害型感音難聴の危険因子もこれら3つです。
この3つの要素は、出産後の女性の多くが赤ちゃんとの生活の中で経験するものであるため、出産後は突発性難聴の危険性がぐっと高まると考えられるのです。
赤ちゃんとの慣れない生活の中ではなかなか難しいことかもしれませんが、出来る範囲で周囲の助けも借り、身体に負担をかけすぎない生活を心がけることが大切です。
もし耳が急に聞こえなくなったら?必須の早急な治療
ここまで、突発性難聴とはどのような病気なのかを見てきました。
では、もし自分が急に今まで見てきたような症状に当てはまったら、どのような行動をとればよいのでしょうか。
最初にも述べましたが、突発性難聴は早期治療が鉄則です。発症から治療に移るスピードが速ければ早いほど、完治の確率は高くなります。
また、母乳で育児をしている場合などは特に投薬の治療などに抵抗がある方もいるでしょうし、どんな治療が行われるのか不安に思う方も多いでしょう。
そんな心配を解決するために、ここでは、出産後突発性難聴になった場合にどのような治療が行われ、赤ちゃんとの生活の中でどのように対応していくのかを見ていきます。
- 服薬
- 注射
- 入院
1つずつ詳しく見ていきましょう。
飲み薬は母乳への影響がない薬の処方を希望しよう
突発性難聴と診断された場合、多くのケースで早急に開始されるのが服薬のステロイド剤投与です。
ステロイド剤と聞くと副作用を心配したり母乳への影響を考える人も多いかと思いますが、服用期間は長くないため、ステロイドのアレルギーがない場合ならば服用の心配はありません。
ステロイド剤と合わせて投与されることが多いのが血流改善剤(脳循環改善剤)です。これも母乳育児中でも飲むことが出来る薬があるので、医師に処方をお願いしましょう。
注射はダイレクトに母乳に影響が出るので要注意
注射や点滴の治療となると、直接血液に薬物を入れる分母乳育児に影響が出る可能性が高まります。
突発性難聴の治療での注射は、ステロイド剤の注射投与、神経ブロック注射が主なものとしてありますが、成分によってはどちらも母乳への影響を否定できません。
投薬の治療を受ける際には、必ず医師に育児中であり母乳を与えていることを伝えた上で、納得のいく説明を受けてから治療に臨むようにしてください。
治療が遅れたり重度の場合は入院…母子別での生活に
まれなケースではありますが両耳に発症してしまったり、治療が遅れたことで全く聞こえないほど重度の難聴になってしまった場合、日常生活に大きく支障をきたす場合は、入院での治療を勧められます。
これは、重度の場合はよりダイレクトに効果が期待できる点滴での投薬を行い、心身を安静にして休めさせるためです。
もし入院治療となれば耳鼻科への入院となりますので、赤ちゃんとともに生活することは困難になります。
また、点滴での薬物投与になるため入院中は搾乳も含めて母乳をあげることが出来ません。
もしどうしても母乳での育児を希望する場合は、日頃から搾乳して冷凍母乳をストックしておく習慣があると良いでしょう。
また、入院を勧められたが赤ちゃんのお世話がどうしても誰にも頼めなかった場合は必ず医師と相談をしましょう。一時的に乳児院などの施設に子供を預ける場合もあります。
十分な睡眠とストレス発散をしながら豊かな生活を
育児中のママは、どんなに辛くてしんどくても自分のことは後回しで赤ちゃん中心で動くことが多いです。
しかし、自分の事が後手後手になったつけとして突発性難聴になる可能性が上がってしまうこともありますし、その結果治療中赤ちゃんと離れ離れになる可能性も出てきてしまいます。
突発性難聴だけでなくストレスや急激な生活の変化からくる様々な体調不良にならないためにも、もっと自分自身のことも大切に過ごすようにしてみましょう。
それには周囲の理解と協力が必要不可欠です。身近な人、例えばパパや両親に赤ちゃんのお世話を数時間でもよいので任せて、自分の体を横にするのも良いでしょう。
短時間でもひとりで外出することもおすすめです。赤ちゃんのことが気になるかもしれませんが、良いリフレッシュとなりストレスが解消できます。
ママ自身が自分自身を大切に考えて体調を整えることで突発性難聴などの病気を未然に防ぎ、赤ちゃんとの生活を穏やかに送ることが出来ると良いですね。
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