子宮外妊娠の原因と生じる確率。他人事だと思わないで!

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2017/09/04

下腹部痛で苦しんでいる女性

「子宮外妊娠」は急に予期せぬ形で生じることもありますが、中には原因がはっきりしていることもあります。

また、初産婦か経産婦かで生じる確率が異なることも調査により分かっています。

言葉だけ知っているけれど内容までなかなか知らない「子宮外妊娠」が起こる確率と、考えられる原因についてまとめました。

子宮外妊娠が生じる確率

そもそも子宮外妊娠とは、何らかの原因によって、本来ならば受精卵が子宮内膜に着床するものが卵管など間違った場所で着床してしまった着床トラブルをいいます。

子宮外妊娠は通称で、正式には「異所性妊娠」と呼ばれる症状で、妊娠を継続することは残念ながら出来ません。

放置しておくと卵管破裂などのママの命にかかわるような深刻な状態になってしまいます。

子宮外妊娠のうち約98%は左右どちらかの卵管内で発生しているのですが、卵巣や腹腔部分、子宮頸管などで起きることも稀にあります。

また、非常な稀なケースではありますが、正常妊娠である子宮内膜への着床と、子宮外妊娠が同時に起こることもあります。

この場合は、子宮外妊娠を起こしている箇所は早急に手術で取り除く必要がありますが、この手術の影響で、子宮内膜側の赤ちゃんの流産を起こす危険が伴います。

子宮外妊娠は受精卵の着床場所の異常ですので、妊娠を望む女性にとって決して他人事ではない症状です。

では、子宮外妊娠はどれくらいの確率で生じるものなのでしょうか。

全妊婦に対して全体の1%…経産婦の方が高確率

原因については次の項目で詳しく説明していきますが、子宮外妊娠そのものは決して珍しいことではなく、全ての妊婦さんに対する子宮外妊娠の発生率は1%程度と言われています。

しかし、その1%のうち8割は、2人目以降の妊娠である経産婦であり、初産で子宮外妊娠になる確率はおよそ0.02%と非常に低くなっています。

なぜ初めての妊娠の人の方が子宮外妊娠になりにくいか詳しい理由はまだ分かっていませんが、統計上明らかな差があるのが事実です。

体外受精の子宮外妊娠はさらに高確率

不妊治療が一般的になりつつある昨今、自然妊娠だけでなく人工授精や体外受精などを行う人も増えてきています。

実は、自然妊娠に比べて体外受精で子宮外妊娠が発生する確率は高く、約5%であると言われています。

たとえ初産婦であっても、不妊治療を経ての妊娠の際は子宮外妊娠のリスクが上がるということは、頭の片隅に入れておいても良いでしょう。

子宮外妊娠経験者はさらに高確率

悲しいことではありますが、前回に子宮外妊娠だったなど子宮外妊娠を経験したことのある女性は確率が10~15%であり、決して低い確率ではありません。

特に卵管を温存する治療方法を取っているとリスクが上がる傾向にありますが、これは後述の卵管の癒着に関係していると考えられます。

子宮外妊娠の原因として考えられる事柄4つ

子宮外妊娠の原因として考えられることは、大きく分けて4つありますが、中には原因不明の子宮外妊娠も少なくありませんし、全ての子宮外妊娠の原因が明らかにされているわけでもありません。

これから見ていく子宮外妊娠の原因は、あくまで「原因として考えられる事」「子宮外妊娠のリスクが上がる事」としてとらえておくようにしましょう。
  • 卵管の癒着
  • 子宮の問題
  • 受精卵を運ぶ際のトラブル
  • 経産婦

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

卵管の癒着

卵管内で閉塞や癒着を起こしていると、受精卵が子宮内膜へと到達できないことがあります。

クラミジアなどの性感染症(性病)や子宮内膜症、卵管炎や卵巣の水腫などが引き金になって、卵管が炎症を起こした時に特に起こりやすいと考えられています。

また、以前に開腹手術、卵巣の手術歴がある場合や、先述のように過去に子宮外妊娠を経験したことがある人も子宮外妊娠のリスクが高まります。

特に妊娠を望む女性の場合は、今後の妊娠のことを考慮して卵管切除ではなく卵管保存手術を行うことが多いのですが、手術で温存した卵管が万全でなかったり癒着を起こしやすくなることで、かえって子宮外妊娠率を引き上げているという考え方もあります。

子宮の問題

過去にIUD(子宮内避妊用具)などを子宮内に入れていたことがある人や、人工妊娠中絶の経験がある場合、子宮環境にも影響が及ぼされて受精卵の着床に困難が生じることがあります。

また、生まれつきの子宮の形の異常や卵巣部分の機能異常によって、正しい位置での着床が難しい人もいます。

受精卵を運ぶ際のトラブル

卵管での子宮外妊娠ではなく、腹腔などへの子宮外妊娠で考えられる原因です。

本来、受精卵は卵管を通って子宮に向かっていきますが、稀に受精卵が卵管采から卵管の外に出て腹腔や卵巣などへ付着し、そこで着床すると、卵管以外での子宮外妊娠となります。

卵管の外に受精卵が出てしまう根本的な原因は分かっていません。

経産婦であること自体がリスク要因

経産婦が子宮外妊娠になる確率が比較的高いのは先述の通りですが、特に前回の妊娠との間隔が長く開いている場合に子宮外妊娠になりやすい傾向があります。

経産婦であること自体が原因と言われるとどうしようもない気持ちになりますが、明らかな理由が解明されていない以上、経産婦は初産婦よりも子宮外妊娠に注意をしておくことに越したことはありません。

子宮外妊娠は誰にでも起こりうる事…正しい知識で判断

子宮外妊娠は誰にでも起こりうることですし、原因も様々です。

「ママが悪かった」「あの時の行動が悪かった」「赤ちゃんに申し訳ない」などと、短絡的に責任を何かしらに追わせることはできませんし、罪悪感を感じる必要もありません。

しかし、リスクが高くなる傾向や考えられる原因を知っておくことで、万が一の時に早急に気付くことが出来るでしょう。

子宮外妊娠は専門の病院での速やかな検査と治療が必要な状態です。発見が初期で治療が早いほどママへの負担が少ない治療法を先生と相談しながら選択することも出来ます。

手遅れになってしまうと、生理や着床出血とか比べ物にならない大量出血を招いたり、激しいお腹の痛み、下腹部痛、卵管破裂などで最悪の場合命の危険も伴います。

ママ自身の身体を大切にするためにも、子宮外妊娠についての正しい知識を持っておくとより安心ですね。

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