待機児童対策は進んでいるの?政府や自治体の最新動向2018

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2018/11/12

共働き世帯の増加とともに慢性的な問題となっている「待機児童」。

国会や地方議会でも頻繁に議題となっていますが、なかなか解消されない問題に「ちゃんと対策は進んでいるの?」と思う人も多いはず。

2018年の待機児童問題に関する最新の動向をお伝えします。

全国には約2万人の待機児童がいる

2018年に厚生労働省が発表した全国の待機児童数は約1万9900人。

前年より6千人ほど減ったものの、希望の保育園に入れない児童が都市部を中心に依然あふれています。

国や自治体が対策に乗り出しているものの、すぐに解決というわけにはいかないようです。

待機児童の歴史は30年前からはじまった

少子化が進んでいるにもかかわらず、待機児童問題がなかなか解消しないのはなぜでしょうか?

待機児童の問題が顕在化したのはバブル経済が崩壊した1990年代の初めです。

共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、保育所を必要とする親が増えたことで、希望する園に入れないという状況が社会問題化したのです。

待機児童の年表

年代 社会の出来事 出生数 全国保育所の
利用児童数
保育所定員 定員充足率
1992年 バブル崩壊
育児休業法施行
121万人 162万人 196万人 83%
1995年 国が初めて
待機児童数を発表
119万人 159万人 192万人 83%
2001年 待機児童ゼロ作戦 117万人 183万人 194万人 94%
2005年 合計特殊出生率が
過去最低(1.26人)
106万人 199万人 205万人 97%
2008年 リーマンショック 109万人 202万人 212万人 95%
2010年 「イクメン」が新語
流行語大賞トップテンに
107万人 208万人 216万人 96%
2016年 「保育園落ちた日本死ね」
のブログが反響を呼ぶ
98万人 246万人 263万人 94%

※利用児童数÷定員

2001年には政府による「待機児童ゼロ作戦」が発表されましたが、同時に待機児童の定義を変更したことで、希望した認可保育所に入れず認可外保育を受けながら待機している”隠れ待機児童”が生まれました。

以降、全国の保育所の定員充足率は90%で推移し、余裕のない状態がずっと続いています。

2018年 政府の新しい取り組み「子育てプラン」

待機児童問題に対し、政府はこれまでにいくつかの対策を打ち出してきました。

2013年発表の「待機児童解消加速化プラン」では、2017年末までに待機児童をゼロにすることを目標にしていました。

しかしこちらは達成できず、2018年には「子育て安心プラン」という施策を新たに発表しています。

この政策では、保育の受け皿の拡大・保育人材の確保・男性の育児参加を促進する「働き方改革」へのアプローチなど、6つの支援を掲げています。

土地が狭い都心部では、認可基準を満たす保育園を新しく作ることが難しいため、「小規模保育」や「既存園の分園」を活用する形で保育の受け皿拡大を狙っています。

また、各自治体でも保育士の給与補助額を引き上げるなど、人手不足解消のための取り組みを進めています。

保育料や入所倍率は自治体によって違う!

認可保育所の保育料は、自治体ごとに世帯収入によって段階的に定められています。そのため区をまたぐと保育料が違う!ということも。

また認可外の保育施設に対する補助の方針も自治体によって大きく異なります。

保育士の給与補助を上乗せ(東京都)

2017年度、東京都では待機児童対策のために過去最高1576億円の予算を組み込みました。

中でも大きな話題を呼んだのが「保育士の給与補助倍増」で、1人あたりで平均4万4千円の給与補助を行うと発表しました。

保育士資格を持っていながら保育士として働いていない人のうち、4分の1が「賃金の安さ」を理由に挙げています。

待遇改善によって、このような潜在保育士の復職にも期待が寄せられています。

新しく建てるマンションに保育所設置をお願い(新宿区)

新宿区では、大規模マンションを建設する事業者に対して、棟内に保育所を設置するよう働きかけを続けています。

2010年にはじまったこの取り組みは、当初300戸以上のマンションを対象にしていました。

しかし、待機児童数の増加ペースに追いつくことが難しく、たびたびの見直しによって2015年からは100戸以上のマンションが対象になりました。

保育事業者に対しても賃料補助を行うなど、マンション併設保育所の普及にアプローチしています。

保育施設の受け皿を増やす(千葉県松戸市)

東京のベッドタウンとして働き盛りの子育て世帯が多く住む千葉県松戸市でも、待機児童問題は深刻です。

この問題にスピーディーに対応するため、新規に保育所を開設するよりも効率よく受け入れ枠を拡大できる「分園」「増築」の推進をいち早く実施。

小さい土地でも開所できる「小規模保育施設」の設置も積極的に進めました。

その結果、2015年に411人いた入所保留の児童(うち48名が待機児童)は、2017年には85人(待機児童はゼロ)と大幅に減少しました。

2020年末には全国の待機児童ゼロへ!

政府による「子育て安心プラン」は、2020年までに全国の待機児童をゼロにすることを目標に掲げています。

そのために、2年間で約22万人分の受け皿を用意するアクションを「施設」「人材」「支援制度」の方向から進めています。

また、育児と仕事の両立によって20~30代女性の就業率増加(M字カーブの解消)も期待されており、2022年にはさらに10万人分の受け皿拡大を検討しています。

慌てないために情報収集はしっかりと

国や自治体ではさまざまな方向から待機児童対策を進めています。

受け皿拡大のため規制を緩和し、認可保育所以外の保育サービス活用も促している点に着目して情報収集をしてみましょう。

認可保育園だけでなく、認可外保育施設で得られるメリットや補助金についてリサーチすることで選択肢が広がるかもしれません。

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