帝王切開の麻酔や手術、術後について!よくある疑問 Q&Aまとめ
帝王切開で出産と決まっている妊婦さんは、色々なことに悩みや疑問を持っています。
- 手術中は痛いの?
- 手術の途中で麻酔が切れたらどうなるの?
- 術後の過ごし方で気を付けることは?
こんなことが気になりますよね。
以下によくある疑問についてまとめました。体験談を交えながら解説していきます。
この記事の目次
麻酔を使用するのが一番気になる…途中できれないか、後遺症はないかと不安…
帝王切開手術は麻酔を使用した分娩となりますので、胎児への影響や母体への影響、副作用など気になることが多いです。
Q.麻酔を打った後の意識はどんな感じなの?
私の場合は、頭はハッキリしていて会話も普通にできるけど、首から下を全く動かせない状態でした。また、首から下の痛みや冷たさといった感覚もなかったです。
ただし、お腹から赤ちゃんを取り出すときに揺さぶられる感じや、切ったところを縫い合わせるときに引っ張られてる感覚はありました。
Q.手術の途中で麻酔が切れたときはどうなるの?
もし途中で麻酔の効きが悪くなってきた場合は、筋肉注射で局所麻酔を追加します。ただし麻酔薬の効果が首の方まで広がってきてしまうと、呼吸が上手くできなくなる可能性があるため、局所麻酔の追加は少量しかできません。
局所麻酔をしてもまだ痛みがあるときには、全身麻酔に切り替わることもあります。
Q.麻酔による副作用には、どんなものがありますか?
麻酔の副作用は「麻酔の効果を得るためにどうしても出てしまう副作用」と「不具合による症状」があります。
- 麻酔の鎮痛作用とともに起こる副作用
- 通常の帝王切開で使われる局所麻酔は、背中の神経に麻酔薬を入れて痛みを感じないようにしています。そのため痛み以外の神経もブロックされて、以下のような副作用が起きます。
- 足に力が入らなくなる
- 血圧が低くなる
- 尿がたまっているのがわからなくなったり、尿が出しにくくなる
いずれも麻酔が効いているからこその症状なので、心配はありません。手術中はスタッフが血圧が下がりすぎないように注意深く見ていますし、尿を出す管も取り付けられています。
- ときどき起こる不具合
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- 麻酔による低血圧で吐き気が出る
- 麻酔を打つ時に針が神経に触れて、お尻や太ももに電気が走るような感覚がある
もし手術中に吐き気や嘔吐がある場合には、吐き気止めを追加します。また、針が神経に触れたときのピリッとした感覚は、一次的なものなので心配ありません。
- まれに起こる不具合
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- 麻酔薬を入れる硬膜外腔や脊髄くも膜下腔に、血の塊や膿がたまって神経障害が残ることがある
- 背骨に針を入れるときに上手くいかないと、術後に頭痛が起こることがある(硬膜穿刺後頭痛、低積髄液圧症候群)
硬膜外腔や脊髄くも膜下腔に血の塊や膿がたまってしまった場合は、そのままにしておくと永久的に神経障害が残るため、手術が必要になります。確率は数万~10万に1人と非常にまれです。
術後の頭痛の対策については、次の質問「Q.麻酔の後遺症で頭痛が出るって聞いたけど・・・」で解説しています。
Q.麻酔の後遺症で頭痛が出るって聞いたけど・・・
手術で硬膜外麻酔を入れるときに、上手く針が入らないと髄液が漏れて「低積髄液圧症候群」という合併症が起こることがあります。「低積髄液圧症候群」になると、術後に頭痛や吐き気といった症状が出ます。
硬膜外麻酔が上手く入るかは医師の腕によるところもありますが、「患者さんが麻酔をしやすい体勢をとっていてくれるか?」が成功率を大きく左右します。
麻酔をするときには以下の2点に注意しましょう。
- 医師に言われた通りの体勢をとること
- 絶対に動かないこと
手術の流れに伴う部分での疑問や質問について
帝王切開の手術の流れ自体についてや、麻酔を使用するので母体の状態が気になる人も多いようです。
Q.産まれたばかりの赤ちゃんの顔は見れるの?
赤ちゃんをお腹から取り出したあと、看護師がママの顔のところまで赤ちゃんを見せにきてくれます。
麻酔が効いているとはいえ頭はハッキリした状態なので、赤ちゃんの産声を聞くことも顔を見ることもできます。
Q.手術中にお腹を切られる痛みはあるの?
麻酔がしっかりと効いていれば、痛みはありません。はじめに麻酔を入れたときに、首から下の感覚を医師がチェックしますので、そのときに少しでも違和感があるときは遠慮せずに伝えるようにしましょう。
もし感覚が残っていれば麻酔の打ち直しをしてくれます。ちなみに私の場合は左半身の麻酔の効きが悪かったため、合計で3回やり直しになりました。
Q.手術はどれくらいの時間がかかるの?
スムーズに進めば30分~60分。私の体感としては、赤ちゃんを取り出すまではあっという間で、縫合する時間がとても長く感じられました。
ちなみに私の場合は、痛みはないけどお腹の中をいじられているのがわかるのが嫌で「気持ち悪い」「寒い」「嫌だ」と泣き言を言っていたら、先生から麻酔追加の指示が出ました。
おかげで「なんとか会話できるけどフワフワと気持ちいい」という状態で手術を終え、病室に帰還しました。
Q.帝王切開で輸血になることはありますか?
胎盤早期剥離や前置胎盤などで、手術中に出血が大量にあったときは輸血する可能性があります。
前置胎盤など大量出血することがあらかじめ予想されるときは、自分の血液を輸血用に準備しておきます。その場合は手術日の5週間前から1週間前までに何回かに分けて血液を採り、合計で1000~1500ミリリットルほどの自己血を用意します。
通常の帝王切開では輸血にならないことが多く、自己血の準備をすることはあまりありません。
Q.帝王切開と一緒に避妊手術もできるってホント?
希望すれば帝王切開の手術と一緒に、卵管結紮(らんかんけっさつ)という避妊手術を受けることができます。卵管結紮は、卵管を縛るか切るかしてしまうので、最も避妊効果が高い手術です。
ですが、一度手術してしまうと元に戻すことができないため、「もう子供は増やさない!」と決心している必要があります。
自分から希望するほか、3回目の帝王切開で次の妊娠リスクが大きかったり、すでに子供がたくさんいる場合には、医師の方から「卵管結紮をしますか?」と聞いてくることもあります。
術後は経腟分娩などのママと同じ過ごし方なのか?
帝王切開は「手術」なので、術後の経過や過ごし方についても知っておきたいですよね。こちらの内容を見ておきましょう。
Q.帝王切開なら悪露はないですか?
悪露は産後に起こる子宮からの出血。出産後に子宮に残った血液や子宮内膜などが下りてくるため、生理のような出血が一か月ほど続きます。
帝王切開だと「赤ちゃんを取り出すときに子宮内もキレイにするだろうから悪露はないんじゃないか?」と思う方もいるようですが、帝王切開でもしっかり悪露はあります。
悪露の期間は個人差がありますが、退院してから慌てて買いに行くことのないように生理用のナプキンを用意してきましょう。
Q.術後の過ごし方で気を付けることはありますか?
帝王切開の術後は、以下の症状が出やすくなっています。
- 「肺血栓塞栓症」という合併症
- むくみ
- 縫合部の痛み
詳しい対策方法は、こちらの記事をご覧ください。
▼術後の痛み・合併症・傷跡への対策はコチラを参考にしてみて
母体や胎児を守る手術「帝王切開」事前に知っておくことで不安を減らそう!
赤ちゃんやママの状態から、経腟分娩より安全ということで選択された術式が『帝王切開』です。
帝王切開だからというだけで、経腟分娩と比べてはるかにリスクが高い、不安要素が多いという訳ではないという事はおわかりいただけましたか。
不安な内容もあると思いますが、事前に知っておくことを心の準備としておきましょう。副作用があるなど知っておけば、すぐに不調を伝えて対応してもらえます。
もし痛みや副作用が出てしまった場合は、すぐに医師に伝えて対応してもらいましょう。
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