つわりが辛い、助けてほしい…そんな時は自分を最優先に!
妊娠の喜びを薄れさせてしまうこともある厄介な症状が、つわりです。
人によって症状の出方にかなりの差があり、中には全くつわりらしき症状を感じずに出産を迎えるという方もいますが、妊娠初期に経験して安定期に入る頃から徐々に症状が消えていくという方が多いようです。
中にはつわりが悪化して妊娠悪阻の状態となり、点滴での栄養補給や管理入院の措置を取られる方もいます。
本人にしか分からない、終わりが見えない苦しみが続くつわり。誰かに「助けて!」と言いたくても言えなかったり、言ったところで解決することもありません。
「妊娠した証拠なのだからぜいたくな悩み」と一蹴されて絶望的な気持ちになる人さえいます。
このように辛い時にどうすれば良いのでしょうか。つわりを少しでも和らげるポイントと、荒んだ気持ちをケアする心構えについて見ていきましょう。
つわりの症状別!症状を和らげるポイント
つわりにはたくさんの症状があり、症状の表れ方やつわりが続く期間も様々です。
ここでは、代表的なつわりの症状別に、その症状を和らげる可能性がある方法や対策をご紹介します。
- 胃の不快感・食事が摂れない吐き気
- 食べづわり・においづわり
- 体のだるさ
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
吐き気は食べられる物を食べて脱水に注意!酷い時には受診
最もよく知られているつわりの症状が吐き気ではないでしょうか。テレビドラマなどでもこの描写が一番よく見られます。
しかし、一言で吐き気と言ってもその症状は千差万別です。なんとなく気持ち悪くてムカムカする感じが続く程度の人もいれば、ひたすら嘔吐し続ける人もいます。
もし吐き気があっても食事が摂れる場合や、胃腸の不快感が続くくらいであれば、食べられるものや自分が食べたいと思うものを食べて構いません。
ジャンクフードばかりになってしまったり偏食が激しくなると、胎児への影響が気になるかもしれませんが、妊娠初期であればそれでも大丈夫です。
私の場合は重度の吐き気で嘔吐が止まらず、喉が胃酸で切れてしまって出血してもずっと吐き続けるという壮絶なものでした。
つわりによる吐き気に見舞われた場合は、我慢せずに嘔吐してしまうと一時的でもスッキリできる場合が多いようですが、すぐにまた次の吐き気の波が襲ってくる可能性が高いですので、合間にこまめに水分補給をするようにしましょう。
もし水分補給もままならないほどの吐き気の場合は、遠慮せずにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
あまりにもひどい場合は、つわりが収まるまで入院措置を取って体調の管理を病院で行うこともあります。
食べづわりは食べ物に工夫!匂いはマスクでブロック!
何かを口に入れていないと気持ち悪くなったり、口の中がねばねばして不快に感じたりするのが食べづわりです。
何か食べていれば不快感が収まるのですが、四六時中食事をしているわけにもいきませんし、必然的に食事量が増えて体重増加も一気に加速してしまう人も少なくありません。
このような食べづわりの場合は、口にする食べ物に工夫をすることで急激な体重増加を防いだり、仕事中の口の不快感を軽減することが出来ます。
まず食べ物の内容ですが、出来れば高カロリーのジャンクフードやスナック菓子は避けて、野菜スティックや果物などヘルシーなものを少しずつ口の中で咀嚼するようにしましょう。
また、仕事中などにも応用できる食べ物が飴、ラムネ、タブレットです。口の中に入れて噛まずに長時間味わうことが出来ます。
ガムも食べづわりに有効な食べ物です。好みの味のガムを常に携帯していると、精神的にも安心感が生まれます。
また、匂いに敏感に反応するのもつわりの際にしばしばみられることです。匂い対策にはマスクが効果てきめんです。
ただし、仕事の種類によっては常に口に物を入れておくことが難しかったり、マスクが出来ない場合もあるでしょう。
その場合は、出来たら職場の近しい上司や同じプロジェクトに携わる人に事情を説明し、食べ物やマスクの許可を取るのが理想です。
病院で「母性健康管理指導事項連絡カード」を書いてもらうことで、妊娠中の職場で必要な配慮(間食、つわりでのマスク着用を含む)を職場に申告することもできます。
しかし、妊娠初期の時期のためまだ妊娠したことを公にしていない場合は、吐き気の対策と同様に病院に相談し、吐き気止めをもらうのも一つの手です。
体がだるい時は休める範囲で休む!
微熱のような症状が出たり、体が疲れやすくなるのもつわりの一種であると考えられています。
可能なのであれば、体がだるい時は横たわって体を良く休めるのが一番の症状を和らげるポイントです。
また、起き上がる時は素早く起きるのではなく、ゆっくりと体を起こすようにしましょう。急に体を起こすと胃酸が上がったり、貧血などの体調不良を起こす場合があるからです。
しかし、職場で体がだるい時や家事を休めない時など、すぐに横になれるとは限らないシーンも多々あると思います。そんな時はただ座るだけでも体のだるさが軽減します。
つわりは贅沢な悩みではない!辛い時は自分を最優先
先にも述べましたが、つわりの症状には個人差があります。そのため、実の親や身近な出産経験者につわりの辛さを訴えても、理解してもらえるとは限りません。
特に仕事を続ける女性が多い昨今、職場に掛け合うこと自体がストレスになるから我慢する…という方も多くいます。
その結果「赤ちゃんのために我慢しなきゃ」という気持ちばかりが膨らみ、我慢が出来なくなってくると「我慢できない私はダメなんだ」と自分を責めてしまうママもいます。
しかし、先にはっきり言っておきます。つわりが辛いのは誰のせいでもないし、我慢できないことが悪いわけではありません。
むしろ、そんな辛い思いをしながら赤ちゃんを体内で育む女性は素晴らしい存在です。
では、つわりの最中に荒みがちな気持ちは、どのような心構えで受け止めればよいのでしょうか。
- 周囲の意見や無理解に対して
- 自分を責めない
実際にかなり重度のつわりだった私の経験も踏まえ、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
周囲の意見は参考程度…つわりに精神論は不必要
辛くて助けてほしい時、どうしようもない時は、ただでさえ体の不調でどうしようもない心をもっと追い詰めないように、周りの言葉はなるべく聞き流すように心がけましょう。
私も相当辛いつわりを経験しましたが、周りからの言葉にずいぶん傷つき、なかなかわかってくれない夫にイライラが募ったこともありました。
しかし、ある時ふと「私以外この辛さを経験してないのだから分からなくて当然だな」と吹っ切れたことで、急に気持ちが楽になりました。
そして、当時勤めていた会社へも「つわりが辛い事」を伝えるのではなく、あくまで事務的に具体的な体調不良の内容を伝え、してほしい配慮についても具体的に挙げました。
嫌味のようなことも言われた気もしますが、「分からなくて当然」と思っていたので全く堪えませんでした。
そして、自分の気持ちの赴くままに出来るだけ行動しました。寝たい時に寝て、泣きたい時に泣いて、笑いたい時に笑うといった、シンプルな事です。
そうすることで、夫にもいらだたず、年配者の無神経な言葉にも動じずに、ただつわりの体調とだけ向き合っていくことが出来たと思います。
一昔前の世代では「つわりは病気ではない」「みんな我慢してきたのだから不満を言わないのが当たり前」「つわりで文句を言うなんて耐性がなさすぎる」などと言われる風潮もありました。
そのため、高い年代の女性に知識を乞うつもりでつわりの辛さを訴えた結果一蹴され、無理解にますます傷ついてしまう妊婦さんも実際にいらっしゃいます。
自分の辛さを周囲に訴えてもそれを100%分かってもらうことは不可能です。「我慢が当たり前」というような精神論は真に受ける必要はありません。
そのことを肝に銘じて開き直ってしまうと、精神的にはだいぶ楽になるのではないでしょうか。
マイナス思考は当たり前…自分を責めない
つわりが酷いと、縁起でもない罰当たりな考えだとわかっていても「こんなつらい思いをして妊娠を続けたくない」という気持ちが芽生えてしまうママもいるでしょう。
そして、そんな考えが芽生えた自分に衝撃を受け、自分を責め、「本当に母親になれるのだろうか」とますます不安に襲われるという悪循環が起こることもあります。
身体的に辛い時、普段だったら考え付かないようなアイデアを含めてマイナス思考に陥りやすくなるのは、至極当たり前の事です。
つわりも、つわりに伴うマイナス思考も、誰も悪くありません。精神的に弱い人だからつわりも辛いというわけでは全くありません。
妊娠しているママは新しい命を体に宿していて、誤解を恐れずに言えば「普通の状態」ではないのです。心身ともに不安定になって当たり前です。
つわりが辛すぎること、つわりのせいで変な考えが浮かぶことで、自分自身を責めることはやめましょう。
誰しも最初から母親なのではありません。妊娠出産を経て、少しずつ母親になっていくものです。
つわりは必ず終わりがある!自分を大切にする生活
私の場合は妊娠初期だけではなく出産直前までつわりが続いたので、分娩台でいきんでいる最中にも吐き気に襲われ、陣痛の合間にも嘔吐していました。
しかし、出産を迎えれば必ずつわりは終わります。これだけは間違いありません。
そして、つわりが辛い最中は自分の気持ちを最優先に受け止めて行動するように努めましょう。
眠い時は寝る、食べたい時に食べたいものを食べる、吐きたくなったら吐く、泣きたい時は泣く、叫びたい時は叫ぶ…それで良いのです。
新しい命を育んでいるお母さんは尊い存在です。ママがママ自身を大切にすることは、赤ちゃんを大切にすることそのものです。
つわりを和らげるポイントを押さえながら、心身のケアをしっかりと行って、自分自身を大切にするマタニティライフを送れると良いですね。
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