慌てない為に知ろう!赤ちゃんの「やけど」の応急処置と受診目安

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2015/10/13

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赤ちゃんは成長と共に体の動きも活発になり、周りのものにも興味が沸いて触ったり、つかもうとして手を伸ばします。特にキッチンの熱いお鍋やストーブなどの電化製品は、ちょっと触れるだけでも大やけどにつながるのでとても危険です。

また、赤ちゃんの腕に熱い食べ物がかかってしまうなど大人の不注意でやけどする場合もあります。やけどすると、赤ちゃんの皮膚が赤くただれるのを目の当たりにし、激しく泣かれるとママは気が動転してオロオロしてしまいがちです。

赤ちゃんの皮膚は弱いので、時間が経つとやけどはどんどん重症化してしまうので、早めの対処が必要です。そこで、赤ちゃんのやけどの処置方法を紹介するので、いざという時も慌てないようにしっかり覚えておきましょう。

また、できればやけどしない環境を整えてあげたほうが安心なので、予防対策もきちんとやっておきましょう。

赤ちゃんは皮膚が弱く、体が小さいのでやけどが重症化しやすい

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赤ちゃんの皮膚は大人と同じで一番奥に皮下組織、その上に真皮、更に表面に表皮というように構造になっています。

しかし、大人よりも層が薄いので、短時間少し熱いものに触れただけでも熱傷が皮膚の奥にまで広範囲に広がり、やけどがひどくなる場合があります。

更に、赤ちゃんは肌はふっくらと柔らかく、すべすべしていて瑞々しいことからもわかるように大人よりも肌細胞の水分量が多いのが特徴です。

やけどをすると、患部から水分がどんどん失われて脱水症状に陥ることがあります。また、血管が熱で壊されて血管内の水分が大量に染み出てきて、血液量が急激に少なくなって血圧が急降下します。

その上、患部から細菌が体内に入り込みますが、赤ちゃんはまだ細菌を撃退する抗体ができていないので毒素が体内に回り、ショック状態に陥ることがあり、場合によっては命を落とすこともあります。

そして、大人の場合は体表面積の30パーセント以上ですが、大人よりも体が小さい赤ちゃんの場合は体表面積の10パーセントを超える範囲でやけどを負うと、命が危険にさらされます。

片方の腕、足だけで体表面積は既に10パーセントになり、更に頭全体と胴体の全面、、背面で各20%になるので、片足もしくは片腕の全体か、頭もしくは胴体の前面、背面の半分近くをやけどすると即命に関わる危険な状態になってしまうのです。

そして、大人は熱いものに触れると即座に熱さを感知して、すぐに手や足をひっこめるという素早い反応ができます。

しかし、赤ちゃんはまだ危険から身を守る反応が大人より鈍いので、最悪大人が気づくまでの時間熱いものに皮膚が触れていることになり、やけどが重症化しやすいので注意が必要です。

やけどの重症度は3段階に分けられ、Ⅱ度以上は治療が必要

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やけどは、皮膚に対する熱傷の深さと面積によって重症度が決まります。まず、深さに対しては大きく3段階に分けられます。

皮膚の表面の表皮のみに熱傷を負う「Ⅰ度」
皮膚は赤くなって腫れたり、薄皮がむけたり、ヒリヒリとした痛みを感じます。3、4日位で自然に治り、傷跡は残りません。
表皮の奥の真皮にまで熱傷が達するⅡ度で「浅いⅡ度」
膚が赤く腫れあがり、ヒリヒリした痛みが続いて、水膨れができます。大体2週間位で傷は治りますが、シミのような色素が痕として残ることもあります。
表皮の奥の真皮にまで熱傷が達するⅡ度で「深いⅡ度」
真皮の奥深くにまで熱傷が達しているので、皮膚に近い部分が白く濁った水膨れができますが、痛みはさほど強くはありません。

治るまでに2ヶ月位かかる場合もあり、細菌に侵された患部を除く手術が行われることも多く、傷が治っても痕が残ってしまいます。

真皮の下の皮下組織から奥へと熱傷を負ってしまう段階で最も重症「Ⅲ度」
皮膚が黒く焼け体毛が抜けてしまいますが、痛みはほとんど感じません。また、皮下組織や筋肉が破壊されて、皮膚が乾いて固くなると白っぽく変色することもあります。

薬などでは治らず、手術が必要となります。傷が治っても、痕が残り皮膚が引き連れを起こす場合もあります。

また、前記の通り赤ちゃんは体表面積の10パーセントを超える範囲でやけどを負うと、かなり重症だと判断されます。

やけどの応急処置はまず冷やすこと!Ⅱ度以上で病院へ

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ちゃんの皮膚はデリケートなので、ちょっとのやけどもすぐに重症化してしまうのででできるだけ早く処置してあげることがとても大事だと言えます。

また体表面積も狭く体の免疫力も弱いので、やけどが広範囲に渡ったりひどいようならすぐに病院に連れて行く必要があります。

そこで、素早く対処するためにもやけどの応急処置や病院受診の目安について説明するので目を通しておき、いざという時に慌てないように日頃から心づもりをしておきましょう。

やけどしたらすぐに20分以上冷やすことが大事

やけどしたら、まず何よりも患部を冷水につけてひたすら冷やしてやけどが皮膚の奥へと広がらないようにしましょう。短くても20分以上は冷やすことが大事です。

冷やす目的としては次の3点です。

・やけどの痛みの軽減
・やけどの進行を抑える
・やけど跡を残しにくくする

流水の場合、水の勢いが強すぎると悪化のおそれがあるので、水圧には充分気をつけて水を出します。時間は20~30分が目安です。小さな子は体温が低くなり過ぎないよう、やけど以外の部位はタオルで保温するなど注意して、様子を見ながら冷やしましょう。

手足の場合、水道水を流しっぱなしにして水を当てます。顔や頭も同様ですが、流水を当てると呼吸ができないような場合には、タオルを氷水に浸して当てるようにします。

耳など、直接流水に浸けられない部位は氷、保冷剤を包んだ袋やタオルを押し当てて冷やします。根気よく冷やすことで、やけどが重症化するのを抑えることができます。

直接当てることは凍傷を引き起こしてしまう恐れがあるので、必ずタオルなどで包んで行いましょう。全身など広範囲にわたっている時は、お風呂に水を張って浸かるか、バスタオルなどを水に浸して包むようにします。

また、衣服の上からやけどを負った場合には、無理に服を脱がせることはせず、そのまま上からシャワーなどを当てて冷やすようにしましょう。

無理に脱がそうとすると、皮膚が服にくっついていた場合皮膚が剥がれて傷口が大きく、ひどくなってしまいますし、脱がせることに時間をかけるなら、一秒でも早く冷やしてやけどの進行を抑えることのほうが大事だからです。

少し赤くなっている程度で痛みも弱く、10円硬貨よりも小さい範囲内でのⅠ度のやけどなら、冷やした後はひとまず病院にはいかずに自宅でしばらく様子をみましょう。

子どもの手のひらの大きさを目安に、それ以上の広い範囲であれば必ず受診します。これは、全身の1%を基準としています。

もし10%以上になるようですと、前述しましたが危険な状態ですから救急車を呼ぶ必要性が出てきます。手のひらの範囲以下であっても、水ぶくれができた時、白や黒などに皮膚が変色してしまった時は、急いで受診しましょう。

皮膚の変色は、やけどの侵食が深いことを意味します。赤くなって終われば、自然治癒に任せても大丈夫ですが、それ以外の色に変わった場合は、皮膚の下まで達している証拠なので治療が必要なのです。

Ⅱ度以上もしくはデリケートな部位のやけどはすぐに病院へ

水膨れができるⅡ度のやけどは、水膨れが潰れると細菌に感染しやすく患部が化膿して傷口の状態が悪くなります。

水膨れを潰さないように注意しながら患部の少し上から冷水を当てるなど水圧に気をつけながら、まずはとにかく冷やします。傷口が化膿しないように綺麗なガーゼを当てて病院にかかりましょう。

更に、顔や陰部など皮膚がより薄くてデリケートな部分は軽度のやけどでもすぐに症状が悪化してしまう恐れがあるので、出来るだけ早めに病院を受診したほうがよいでしょう。

Ⅲ度もしくは広範囲のやけどはすぐに救急車を呼ぼう

赤ちゃんの場合、体表面積の10パーセント以上にわたる広範囲のやけど、もしくは全身にかかるようなやけどを負った場合はショック症状に陥る危険性が高いので、一刻も早く救急車を呼びましょう。

また、すでに意識がなかったり呼吸が乱れている、痙攣を起こしているなどショック状態にある場合も救急搬送が必要となります。

そして、重症度が最も重く皮膚が黒もしくは白っぽく変色するⅢ度のやけどの場合も、一刻を争う処置が必要となるのでやけどの範囲が小さくてもすぐに病院にかかる必要があります。

これはやらないで!重症化の恐れがあります…

民間療法でいわれるような「アロエをぬる」「味噌をぬる」という行為は絶対にやめましょう。傷口に直接これらをつけてしまうことで、細菌に感染し重症化してしまうおそれがあります。

また、水ぶくれをわざと破くこともやめましょう。こちらも細菌感染が心配されます。ガーゼなどで保護し、病院で治療を受けた方が安心です。

小さな子は特に面白がって自分ではいでしまったりするので注意して見てあげて下さい。

熱いものに触れさせない環境を!月齢別赤ちゃんのやけど予防

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赤ちゃんのやけどには、大人の不注意でさせてしまうパターンと自分で動いて熱いものに触れるパターンがあります。

いくら自分がやけどさせないように気をつけていても、子供の予期せぬ行動でやけどを負わせることがあるのでしっかり予防対策しておくことが大事です。

【5ヶ月頃まで】ミルクや沐浴時、大人の不注意が要因に…

生後5ヶ月までは、自分は動けないねんねの時期になるので大人の不注意でやけどを負わせてしまうケースがほとんどです。

生後3ヶ月までは手足をバタバタ動かし、4ヶ月頃に首がすわってきて、5ヶ月過ぎになるとものに触れようとして手を伸ばしたり、つかんだものを口にいれようとします。

この時期は、赤ちゃんを抱っこしたままで熱いものを飲食して赤ちゃんの肌に食べ物を落としたり、沐浴時のお湯やミルクの温度が高かったり、ホットカーペットなど暖房器具に近づけすぎたり、寝かせたままにして低温やけどを負うことがあります。

やけど予防ポイント

  • 赤ちゃんを抱っこしたまま、熱いものを飲食しない
  • ミルクの温度は腕に少し垂らして人肌で確認する
  • 温度計を使ってベビーバス内やシャワーの湯温をチェック
  • ホットカーペットをつけたままで寝かせない

【9ヶ月位まで】赤ちゃんの動きが活発に!熱いものに触れてしまう…

6ヶ月を過ぎると範囲は狭いですが、少しずつ赤ちゃんが自分で動けるようになるため、移動してもやけどしないための対策が必要となります。

生後6ヶ月頃寝返りを始め、7ヶ月から8ヶ月にかけて腰がしっかりしてきてお座りができるようになったり、ずりばいからハイハイができるようになります。9ヶ月を迎える頃にはつかまり立ちが出来る子もいます。

この時期はローテーブルに載っている熱い物に手を伸ばして触れようとしたり、テーブルクロスを引っ張ってテーブルに乗っている熱い物がひっくり返って落ちてきたり、加湿器など蒸気の出る部分やアイロンなどに触れたりします。

また、離乳食が始まってまだ熱いものを口に入れてやけどしたり、暖房器具につかまって立ち上がるなどのケースがやけどを引き起こします。

やけど予防ポイント

  • ローテーブルには食べ物や小物を置かない
  • テーブルクロスを敷かない
  • 離乳食は中までしっかり冷まして、与える前に熱いか確認する
  • ストーブなどの暖房器具は壁掛けにするか、安全柵で囲む

【1歳以降】行動範囲が広くなる!キッチンやお風呂でのやけどに注意

10ヶ月になると、ものに掴まりながら歩きだし、1歳を過ぎると自由に歩いたり少し高いところに登ったり、指先を上手に使って物をつまむなど細かい動きができるようになります。

この時期は本当に赤ちゃんにとって危険がいっぱいなので、特に気をつけなければいけません。

キッチンに入り込んで、ポットや炊飯器など蒸気が出たり熱湯使用の電化製品に触れたり、コンロの火をつけたり熱い鍋に触れたり、取っ手を掴んでひっくり返したり、高い位置のものでも箱など踏み台となるものを上手に使って触ったりと目が離せません。

やけど予防ポイント

  • キッチンには立ち入らせないようにガードをつける
  • やけどの危険がある電化製品は、手の届かない高い場所に置く
  • 踏み台となるような箱やイスなどは片付けておく

夏の長時間強い日差しがあたる屋外でのやけどにも注意

赤ちゃんのやけどの危険は家の中だけではなく、屋外にも潜んでいるので大人が注意してあげる必要があります。

例えば、夏は車内のダッシュボードやチャイルドシートの金具、ベビーカーの金具、公園の滑り台や鉄棒などの遊具、駐車場の鉄柵などは太陽の熱で40℃から50℃近くにまで達するほど熱くなり、赤ちゃんがうっかり触れたら大やけどする危険があります。

また、アスファルトの路面やマンホールのフタ、砂場などの地面も熱くなっていて、靴が脱げたりしてうっかり裸足で触れたり、歩き出して突然座り込んだりすることがあるので、足の裏やおしりなどをやけどしてしまいます。

更に、涼しくやけどとは無縁そうな屋外プールも、プールサイドの排水口のフタなどはアルミ製なので日差しが当たると熱くなるため、誤って触れるとやけどの危険性があります。

屋外では特に金属製のものや、長時間強い日差しにさらされているものはかなり熱くなっていて、ちょっと触れるだけでも皮膚の弱い赤ちゃんには大きなやけどにつながるので十分に気をつけましょう。

熱いものに触れさせない環境&早急の処置が大事

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赤ちゃんがやけどをすると、皮膚が薄いので悪化しやすく治っても痕が残ることが多いなど大人よりやけどによるダメージがかなり大きいので、何よりやけどさせないような環境づくりが大切になります。

家の中で、熱くなりやすい電化製品が手の届く範囲にないか、お風呂やキッチンなどへ赤ちゃんが入らないようにしてあるかなど今一度見直してみましょう。

また、特に夏場に外出するときは、赤ちゃんが熱いものに触れないように目を離さないようにしましょう。

それでも、ちょっとの隙をついて赤ちゃんがやけどしてしまうこともあります。そんな時は、一刻も早く冷やすなどの処置ができるかどうかでやけどの重症度も違ってきます。

気が動転して、咄嗟になにをしたらよいかわからなくなることも考えられるので、処置の仕方をしっかり頭に入れて、日頃から心の準備をしておきましょう。

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