生後0ヶ月赤ちゃんの接し方が分からない…新生児の遊び方・関わり方
赤ちゃんとのかかわり方や遊び方を考えるうえで大切なのは、赤ちゃんの体と心がどのくらい発達しているかです。
体に無理をさせれば脱臼などの危険がありますし、心に負担をかければストレスがたまってしまいます。
ストレスは便秘や泣く・ぐずるといったトラブルの原因になります。
そこで、赤ちゃんの月齢や体と心の発達に合ったかかわり方や遊び方をマスターしましょう。赤ちゃんは日進月歩で成長していきます。
生後0ヶ月では何もわかっていないように見えて、心も体もちゃんと愛情をキャッチしています。たくさん遊んで、感情豊かで元気な子に育てましょう。
この記事の目次
0ヶ月の赤ちゃんの体と心の発達をチェックしてみましょう
0ヶ月の赤ちゃんは、自分では自由自在に手足を使うことができません。また視力も大人と同じようには見えていないのです。
体の発達…まだまだ未熟な体でも、日々ぐんぐん育っている!
0ヶ月の赤ちゃんの体の発達を見てみましょう。
- 体重…2.5~3キロ前後
- 身長…45~50センチ前後
- 目…30センチほどの距離ならぼんやり見える
- 耳…聞こえている
- 関節など…首は据わっていない・股関節はカエル状に開いている
耳はお腹の中で聞こえる状態になっています。目は30cmくらいの距離のものなら、ぼんやりとわかるようです。
ママが胸に抱いたり、授乳をしている時はちゃんとママの顔が目に入っているということですね。もちろん声掛けや子守歌はちゃんと聞こえています。
口の中の感覚はけっこう鋭敏なようです。ママの食生活や体調が変わっておっぱいの味が変化すると、飲まなくなることもありますよね。
ただ、首や腰・手足の関節や体の機能は未発達です。首も腰も据わっていませんし、股関節は開いた状態のままです。おすわりやずりばい・ハイハイができるのは何か月も先です。
無理に動かすと関節を痛めたり、脱臼の恐れもあります。動かす時は体幹をしっかり支え、優しくそっと動かしてあげましょう。
また手の指は自由に動きません。反射でつかむことはありますが、知育ゲームやラトルなどのおもちゃを振って遊ぶようになるのはまだ先です。
両手を合わせてパチパチする・指先同士をくっつけるなどができるようになるのは数ヶ月先です。このころは、まだ自分の体を自分のものと認識できていないのです。
おしゃぶりなどはまだ必要ありません。自分の手を口につっこんでなめたりしゃぶったりすることでも、自分の体を認識できるようになっていきます。
0ヶ月の赤ちゃんの心の発達…泣いてばかりでも成長している
0ヶ月の赤ちゃんは、24時間サイクルで生活できません。3~4時間おきに寝たり覚めたりのサイクルを繰り返しています。
そのため、ママは睡眠が細切れになり1日中間がない授乳間隔に追いまくられることになります。また昼夜逆転といって、夜泣きのように夜の方が寝ない赤ちゃんも多いものです。
不安や不快な感覚・痛みなど、あらゆる「いやな感じ」を泣くことでしか表現できません。楽しいな、面白いなと感じて笑うようになるのはもう少し先です。
でも、何も感じていないわけではありません。ママの笑顔や声をしっかり聴いているので、愛情をかければかけるほど赤ちゃんの心にちゃんと積もっていきます。
何も反応がない時期でも、「脳や心の発達は生まれる前から始まっているんだ」と認識して、赤ちゃんをお世話してあげましょう。
赤ちゃんとのかかわり方が有意義な遊びに!遊ぶタイミング
0ヶ月の赤ちゃんのお世話はとても多忙です。授乳と寝かしつけの繰り返しの間に、ママも寝なければ体がもちません。どんなタイミングで遊びを取り入れればよいのでしょう。
遊びのタイミング…お世話も含め、かかわる時間が遊び時間
0ヶ月の赤ちゃんの場合、どんなタイミングで遊んであげればよいのでしょうか。
- 朝、家族の起床時間以降のお世話タイム
- 昼間のお昼寝タイム前後にあるご機嫌タイム
- パパや家族が帰宅した後
- パパや家族がお休みの日
「赤ちゃんと遊ぶ」ことに身構える必要はありません。授乳やオムツ替え・寝かしつけの時間も、かかわり方ひとつで遊びに変えていけます。
ママも孤独な時間に苦しまずに済むようになったら、育児が楽しくなりますよね。お世話時間を遊びタイムに変えるコツは、のちほど具体的にご紹介します。
昼夜逆転改善!昼と夜のメリハリ付けのために役立つ遊び
赤ちゃんとの遊びは、生活リズムや昼と夜のメリハリづけに大変役立ちます。昼夜逆転を改善するためにも、昼間はしっかり遊んであげましょう。
朝、家族の起床後の時間の授乳に合わせて赤ちゃんをリビングなどにぎやかな場所に移動させます。また昼専用のベビー服に着替えさせましょう。
明るい色合いで、ママも気分が晴れやかになる服がオススメですよ。そして、昼間は音楽をかけたり積極的に話しかけるなどにぎやかに過ごしましょう。
絵本の読み聞かせもいいですね。
夜は、沐浴が済んだらパジャマ用のベビー服に着替えさせます。肌触りと色合いが優しく、ゆったりした気持ちになるデザインがおすすめです。
そして、夜9時以降の授乳が終わったら、赤ちゃんを寝室に移動させましょう。部屋をできるだけ暗くし、外の音が漏れないよう工夫します。ママも静かにささやきかけましょう。
遊んであげる時間…最初は短めに、だんだん長く遊べるように
0ヶ月の赤ちゃんは3時間おきのリズムで生活しているとご紹介しました。その範疇で遊ぶことがポイントです。体力もないので、赤ちゃんが疲れない程度が目安です。
1ヶ月健診が終わるまでは、赤ちゃんはあまり外出させるべきではありません。公園や散歩デビューももう少し先になりますし、ママの体にも負担をかけないようにしたいですね。
最初はお世話の時のスキンシップからはじめましょう。それから起きている時間が長いタイミングや、昼の授乳のタイミングで、5~10分ほどからスタートすると良いですね。
次項からは、赤ちゃんと遊ぶ具体的な方法をご紹介していきます。
0ヶ月の赤ちゃんと遊ぼう!お世話タイムを遊びタイムに変化
では、実際に0ヶ月の赤ちゃんと遊ぶ方法やコツについて具体的に見てみましょう。ただのお世話が赤ちゃんの運動に、そして赤ちゃんとの触れ合いタイムに変わりますよ。
抱っこは大事なスキンシップ&赤ちゃんにとっての遊びタイム
0ヶ月の赤ちゃんは、抱っこされることが大好きです。そのまま眠ってしまうことも多いですよね。お昼寝ならそのまま寝かせてしまっても良いでしょう。
夜は、昼夜逆転でしっかり寝てくれない子も多いものです。抱っこではなく、最初から布団やベビーベッドで寝かしつけることがおすすめです。
抱っこには「ヨコ抱き」と「タテ抱き」があります。赤ちゃんの好みやママの抱きやすさで変わってきますが、遊びの時間ならあえて普段しない抱き方にトライしてみてもいいですよね。
生後0ヶ月の赤ちゃんを抱っこした状態でできる触れ合い遊びを挙げます。
- ママの顔を近づけたり、遠ざけたりしてみる
- 顔を近づけ、そっと話しかけてみる
- ノリの良い音楽をかけて、抱っこしながら歩いてみる
- 赤ちゃんの体を軽くポンポンしつつ、歌を歌ってあげる
ただの抱っこでも、このようにバリエーション豊かに遊ぶことができます。ほっぺをそっとくっつけてみたり、たくさん触れ合いましょう。
遊ぶ目的ではなく、赤ちゃんを安心させるための抱っこの際は、赤ちゃんの頭がママの左側にくるようにすると心音で落ち着くそうですよ。
その他のスキンシップ…お世話をしながらたくさん触れ合おう
0ヶ月の赤ちゃんとの遊びの基本は、お世話の時のスキンシップです。おむつ替えの時など、たくさん触れてあげましょう。
お風呂あがりにベビーマッサージをする方法もあります。難しく考える必要はなく、力を入れずにサラサラとなでてあげるだけでも赤ちゃんは心地よいと感じてくれますよ。
オムツを替えたときにお腹に口をつけて「ブーッ」と音を立てたり、おでこやほっぺにチュっとキスをしてあげても良いですね。
スキンシップは愛情表現です。ママやパパが「可愛いなあ、触りたいなあ」と感じたら、その気持ちのままに優しく触れてあげましょう。
声掛けはしつけの基本!お世話の時には必ず声をかけてあげて
声掛けは、ねんね期のかかわり方の中でも「しつけ」につながるとても大切な触れ合いです。生まれたその日から、「しつけ」はスタートするのです。
- 目覚めたときの「おはよう」
- 授乳の際の「いただきます」「ごちそうさま」
- 寝付かせる前の「おやすみなさい」
これらの基本的な挨拶は、生まれたその日から必ずママやパパが声掛けし続けましょう。毎日聞くことで赤ちゃんも覚えますし、パパママも自然と習慣になります。
大きくなってからいくら「挨拶しなさい」といっても身につくものではありません。毎日の経験から自然に刷り込むことで、挨拶することが当然の子供・家庭に育っていきます。
- 「おっぱい美味しいね」「いっぱい飲んでね」
- 「オムツ替えると気持ちがいいね」「いっぱい出てよかったね」
- 「今日はお天気で気持ちがいいよ」「今日は雨でお外が賑やかね」
挨拶以外にも、お世話をするときや何気ないひとときにこうした声掛けをしてあげましょう。できるだけプラスイメージな言葉を、優しく話してあげてくださいね。
絵本読みは妊娠中からOK!新生児にも毎日読んであげよう
絵本読みは、赤ちゃんがもっと大きくなってからと思っていませんか。実は胎児のころからできる親子の触れ合いなんですよ。
我が家では、お腹にいるころから子どもたちに毎日絵本を読み聞かせていました。生まれてからも毎日続けたところ、他には特に何もしなくても「本を読む子」に育ちました。
絵本は寝かしつけのために読むもの、というわけではありません。特に赤ちゃんの場合は、遊びタイムに読んであげましょう。
- 色がはっきりして綺麗な絵本
- ある程度舐められても大丈夫な厚紙タイプの絵本
- 「ぎったんばっこん」「ぷるぷるポンポン」など語感がおもしろい絵本
こういった絵本は特に赤ちゃんの興味をつかみやすいのではないでしょうか。
また、読む側のママが飽きない内容を選ぶことも大切ですよ。
多くの自治体では、0歳の赤ちゃん対象にブックスタート事業を行っています。赤ちゃんが幼いころから本に触れ合うことは、とても大切なことなのです。
おもしろ表情の写真を撮って、赤ちゃんで遊んじゃおう!
どうしても赤ちゃんと遊ぶのは退屈でつらい…というママもいます。0ヶ月の赤ちゃん相手では、それは当然のことです。
「そんなことを言ったら母親失格、愛情不足って責められるかもしれない」と不安で、なかなか人には言えませんよね。
でもママは、先日までバリバリ働きバリバリ遊んでいた成人です。突然ほとんど1日寝ていて、たまに泣くだけの赤ちゃんと遊んでも楽しくないのは当たり前のことです。
どうしても遊ぶ方法がわからない場合は、赤ちゃんのふとした表情を写真に撮って遊んでみましょう。ニヤっと笑ったり、ブーっとふくれるような顔を偶然するかもしれません。
「赤ちゃんと遊ぶ」方法がわからないうちは、「赤ちゃんで遊ぶ」でも構わないのです。赤ちゃんの面白表情を探しているうちに、いとおしく、楽しく感じられるようになりますよ。
昼間は明るくにぎやかな環境で、声掛けしながらお世話しよう
赤ちゃんに昼夜のメリハリをつけるためにも、昼間ににぎやかな環境づくりをすることはか関わり方の基本のひとつです。
昼間はカーテンをあけて明るい部屋で過ごしましょう。静かな環境にあるお家なら、音楽をかけても良いですね。またお世話の声掛けもにぎやかにしましょう。
夜は寝室に移動し、テレビや電気を消して暗く静かに過ごします。ママのスマホのブルーライトは寝付きにくくする作用があると言われています。夜はひかえましょう。
外出はまだ待って!0ヶ月の赤ちゃんはお外遊びができません
0ヶ月の赤ちゃんは、生後1ヶ月健診が終わるまで基本的に外出は控えましょう。健診でOKが出たら、抱っこで庭に出るくらいから外に慣らします。
赤ちゃんは免疫力も弱く、皮膚のバリア機能や発汗機能も大人のように発達していません。つまり、外的な刺激やばい菌の感染にとても弱いのです。
そのため、本格的なお出かけはもちろん買い物や散歩などもまだ無理です。1ヶ月健診が終わるまで、もう少し待ってくださいね。
パパと遊ぼう!パパの好奇心と父性愛をくすぐってイクメンへ
0歳の赤ちゃんは、パパとだって楽しく遊べちゃいますよ。パパに父親としての自覚を持ち、「赤ちゃんって可愛い!面白い!」と感じてもらえる遊びを工夫しましょう。
反射遊び…赤ちゃんの体って不思議で面白い!発見してみよう
反射遊びは、パパでもママでも楽しくできる遊びのひとつです。赤ちゃんが持って生まれた原始反射で遊びます。
- 把握反射
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良く知られているのは把握反射ですね。赤ちゃんの手に触れると、ギュッと握ってくれます。
実はこの反射、足にもあるんですよ。足の裏や指をくすぐってみましょう。
- 吸啜反射
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吸啜反射は乳首を吸って母乳を飲むために備わっている反射です。お腹が空いているころにほっぺをチョンチョンつついてみましょう。
- モロー反射
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モロー反射は、音や刺激に反応して抱きしめるような格好になる反射です。起きている時、耳元で指を鳴らしてみましょう。寝ている時にすると起きるので注意が必要です。
- 足踏み反射
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足踏み反射は、赤ちゃんをしっかり支えて両足で立たせるような恰好をさせると、足を交互に出して歩くまねをする反射です。
首と腰が据わっていないので、しっかり支えてあげることがコツです。原始歩行とも言われる反射です。
- 非対称性緊張性頸反射
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非対称性緊張性頸反射は、ちょっと難しい名前ですね。これは仰向けで寝ている赤ちゃんの顔を横向きにしたときに起きる反射です。
顔が向いたほうの手足は伸びますが、逆側の手足は曲がります。ちょっと不思議ですが、いずれは赤ちゃんが興味深いものに手を伸ばし、触る動作に発展します。
科学実験が好きなパパなら、反射の反応は面白いのではないでしょうか。
しかし、くれぐれもやりすぎに注意し、股関節などを傷めないようそっと試してみてくださいね。
パパの体でゆらゆら…大きくて頼りがいあるボディで遊ぼう
頼れるパパの大きな体を使って、ゆらゆらハンモックをしてもらいましょう。パパにソファなどに横たわってもらい、赤ちゃんをお腹から胸の上にうつぶせに乗せます。
「大きなトトロとメイちゃん」のような格好になります。赤ちゃんの顔は、窒息しないように横を向かせてあげましょう。
赤ちゃんはお腹とお腹を合わせると安心します。そのままパパが体をゆらゆらすると、気持ちが良くなって寝てしまうこともあります。
パパも一緒になって寝てしまうと、窒息や転落の危険があるので注意しましょう。でも、とっても心地よい遊びになりますし、ママにとってはベストショットのチャンスですよ。
パパも赤ちゃんのお世話の達人になろう!お世話のトレーニング
「イクメン」という言葉が登場して久しい昨今、パパも赤ちゃんのお世話ができて当然の時代になりつつあります。
パパが子育てに非協力的だと、妻としてのママの心が離れて産後クライシスにまで発展しかねません。またママを怒らせたら、将来的に子どもにも嫌われてしまう危険大です。
そこで、赤ちゃんのお世話のトレーニングを遊びの一環・スキンシップとして楽しんでみましょう。
うんちおむつだって、最初はママも悪戦苦闘するものです。「できない」と避けていたらいつまでたってもできません。
ミルクの授乳・沐浴・着替え・オムツ替えなど、いろいろなお世話の練習をしながら赤ちゃんと触れ合いましょう。
ママがつらいと感じたとき…数時間でいいからぐっすり寝よう
0ヶ月の赤ちゃんを抱えるママは、マタニティブルーの真っ最中ということもあります。どうしてもつらいと感じたときの気分転換も大切なことです。
授乳と授乳の間だけでも、おばあちゃんやパパに見ていてもらって1~2時間ぐっすり眠るだけでも違ってきます。
赤ちゃんが完全母乳育児ではないなら、1回飛ばしてミルク授乳をしてもらい、数時間眠るとおっぱいも張ってきますよ。
眠れないということは、それだけで心と体を疲労させ傷つけます。ほんの半日だけでもぐっすり寝かせてもらってくださいね。
0ヶ月の赤ちゃんは、かかわり方・お世話の仕方で触れ合おう
0ヶ月の赤ちゃんは、かかわり方を工夫するだけで遊びにつながります。またお世話の時の声掛けは、しつけにもつながります。
育児は「ここが一番大切!」という時はありません。生まれた瞬間から手を離れるまで、ずっと大切な時間の連続です。
長い育児のスタートラインだからこそ、張り切りすぎなくても良いのです。ただ普通に「挨拶をして、可愛いと感じたら触れて、顔を見て過ごす」ことを重ねていきましょう。
どうしてもつらいとき、孤独な時は子育て支援センターや各児童館など、力になってくれる施設はたくさんあります。外出できる生後1ヶ月検診までの我慢ですよ。
パパには思いっきりスキンシップを楽しんでもらいましょう。お世話のトレーニングもどんどん課して、「子どもに愛される楽しいパパ」へとママが育てていってくださいね。