胞状奇胎の主な4つの症状。切迫流産に似た症状や重いつわり症状
胞状奇胎の最も代表的な症状は、切迫流産の状態で酷いつわりがあることですが、その他にも様々な症状が見られます。
どのような症状が現れたら病院を受診すればいいのでしょうか。また自分で気が付くことはできるのでしょうか。
胞状奇胎の症状をそれぞれ詳しくご紹介します。
この記事の目次
胞状奇胎の主な症状4つ。最近では妊娠初期に分かることも多い!
別名「ぶどう子」とも呼ばれる胞状奇胎。異常妊娠である胞状奇胎の主な症状をみていきます。
- 切迫流産の状態で酷いつわりがある
- 通常よりも早く子宮が大きくなり、子宮がやわらかい
- 不正出血
- 尿中または血中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の数値が異常に高い
切迫流産の状態で酷いつわりがある
通常、切迫流産の状態になると、絨毛から分泌されているホルモンが減少するため、子宮内での妊娠の維持が不安定になることで、出血や腹痛が引き起こされます。
このとき通常であれば、つわりの原因となるホルモンが減少するため、つわりの症状が軽くなります。
しかし胞状奇胎の場合は、絨毛が異常増殖することで不正出血や腹痛を起こしますが、絨毛からホルモンが大量に分泌されるため、つわり症状が悪化します。
つまり、切迫流産の状態で酷いつわりがみられるのが胞状奇胎の代表的な症状です。胞状奇胎を発症した人の中で、吐き気を起こすのは全体の40%です。
通常よりも早く子宮が大きくなり、子宮がやわらかい
子宮内で絨毛が異常に増殖するため、通常の妊娠と比べて早い段階で子宮が大きくなります。
さらに、子宮内で絨毛が水ぶくれのような形状で異常に増殖するため、通常妊娠に比べてお腹を触ったときに子宮がやわらかく感じます。
そして、胎盤形成の異常に伴って、高血圧、蛋白尿、浮腫などの「妊娠高血圧症候群」の症状が出ることがあります。
約90%の確率で不正出血が起こる
子宮内で異常増殖した細胞は出血を起こしやすく、不正出血や腹痛が現れることは珍しくありません。
この症状は、流産の前段階である切迫性流産の症状ととてもよく似ています。
胞状奇胎では、約90%の確率で不正出血が起こり、この不正出血により、産婦人科を受診して胞状奇胎が発見されるケースが非常に多いです。
しかし、必ずしも不正出血があるとは限らないので、その他に思い当たる症状がある場合は、すぐに産婦人科を受診してください。
尿中または血中のhCGの数値が異常に高い
hCGは絨毛組織から分泌されるため、胞状奇胎の場合、絨毛組織の異常増殖により尿中または血中のhCG値が異常に高くなります。
しかし胞状奇胎であっても、hCGの分泌量が通常値であるケースもあり、この場合はつわり症状も軽いままで、エコー検査を受けても異常が見つからないこともあります。
そのため、流産の処置をしてから初めて胞状奇胎だったと判明することもあります。
胞状奇胎の初期発見には病院の受診が最も重要!
精子と卵子が受精した後、受精卵が子宮内膜に着床し、そして育つときに異常が現れる病気のため、ほとんどの場合は妊娠初期で発見されます。
以前は、不正出血や妊娠高血圧症候群の症状が現れてから、病院を受診して胞状奇胎だと診断されることがほとんどでした。
しかし、最近ではエコー検査が発達したため、症状が現れる前に、妊娠初期の通常のエコー検査によって発見されることも珍しくありません。
胞状奇胎になると妊娠の継続は、ほぼ不可能
胞状奇胎と診断されると、妊娠を継続することはできません。
全胞状奇胎の場合は絶対に不可能ですが、部分胞状奇胎では、本人が強く妊娠の継続を希望する場合は、分娩まで妊娠を継続することもあります。
部分胞状奇胎は、一卵性双生児の片方が奇形で片方が正常な胎児である場合と変わらないため、正常な胎児の染色体が正常であれば可能性は0ではありません。
しかし、胞状奇胎は早期に治療をしないと絨毛癌へと移行する可能性もあり、母体が非常に危険にさらされます。
そのためほとんどの場合で妊娠の継続を諦め、適切な処置と管理を受けて完治させ、次の妊娠へとつなげます。
胞状奇胎は妊娠発覚後、きちんと定期検査を受けていれば、気が付かないまま長い間放置されることはありません。完治させて次の妊娠へつなげましょう。
▼胞状奇胎と妊娠継続についてはコチラも参考にしてみて!
▼胞状奇胎の治療についてはコチラも参考にしてみて!
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