小児科で多い病気…赤ちゃんの鼠経ヘルニアの原因

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2017/07/15

鼠経ヘルニアかもしれない赤ちゃん

20人に1人の割合で、鼠径ヘルニアという病気で赤ちゃんが産まれてきます。赤ちゃんの病気の中でも頻度が高い病気なのです。

先天性の病気なので、生後1~2ヶ月で症状が現れる事が多く、おむつ替えの時にママが気付いたり、乳児健診で発覚することがほとんどです。

そもそもなぜ赤ちゃんが鼠径ヘルニアになってしまうのでしょうか?赤ちゃんの鼠径ヘルニアの原因について紹介します。

聞きなれないけど「鼠径ヘルニア」ってどんな病気?

鼠径ヘルニアと聞くとなんだか難しい病気のように聞こえますが、「脱腸」だと昔からよく聞く病名ですよね。つまり鼠径ヘルニア=脱腸です。

ヘルニアとは、体に中にある臓器が元々ある場所から飛び出してしまっている状態の事です。それが、足の付け根の部分で起こるため、鼠径ヘルニアと言います。

何となく片側の鼠径部や陰嚢が大きくなっているけど、それが病気だと気付いてないという事もあります。

赤ちゃんは自分で症状を伝える事が出来ません。理由が分からず泣き止まないという事があったら、鼠径ヘルニアを疑って足の付け根や陰嚢を確認してみるという事を頭に入れておくと良いでしょう。

▼赤ちゃんの鼠経ヘルニアの主な症状についてはコチラも参考にしてみて!

赤ちゃんが鼠径ヘルニアになる原因

まだママのおなかの中にいる胎児の時に、お腹の壁の裏に「腹膜鞘状突起」と言う腹膜の伸びたものがあり、これが袋状になっていて通常は産まれてくるまでに自然に閉じていきます。

しかし中には閉じきれずにその部分に腸などの臓器が出てきてしまう事により『鼠径ヘルニア』が発症します。

なぜ腹膜が閉じる子と閉じない子がいるのか、はっきりとした原因はまだ分かっていません。

一説として、通常より早く産まれてきた未熟児の赤ちゃんが、腹膜鞘状突起が自然に閉じる前に産まれてきている事が多いため、正産期で産まれてきた赤ちゃんよりも鼠径ヘルニアが発症しやすいと言われています。

赤ちゃんの鼠径ヘルニアと遺伝の関係

「先天的の病気なので遺伝が関係しているのでは?」と考える人も多いと思います。実際に、ママやパパが赤ちゃんの頃に、鼠径ヘルニアで手術をしていたなんて事もあるようです。

家族内で発生する頻度が高めの傾向にありますが、産まれてくるまでの成長過程に原因があるので、医学的には現在のところ遺伝性は無いと言われています。

遺伝との関係が証明されていませんが、家族内での発生率が高めなので、「もしかすると、自分が鼠径ヘルニアだったから、子どももその可能性はあるかもしれない。」と意識しておくことで早く気付く事ができるかもしれませんね。

妊娠中の行動や病気の影響はないの?

生後1~2ヶ月で発症したとなると、自分が原因ではと考えてしまうママも多いと思います。

この病気は偶然まれに伸びた腹膜が閉じずに、開いたままになってしまったために起こる病気です。

妊娠中のママの生活習慣や何か病気になってしまったからと言う訳ではありません。なので、自分を責めないで下さいね。

男の子と女の子では原因が違います

男の子にも女の子にもおこる病気ですが、男の子に起こりやすい病気と言われていて、発生率は女の子の約3倍になります。

見た目に分かりやすい症状はこちら。

  • 男の子は陰嚢部分が腫れる
  • 女の子は恥骨辺りが膨らむ

このように男の子と女の子では症状の現れ方が異なり、原因も少し違います。男女別に分けて詳しく説明して行きます。

男の子の原因

男の子はまだママのお腹にいる胎児の時に、自分のお腹の中に精巣を作ります。出産が近づいてくると、鼠径管という道を通って精巣がお腹から陰嚢の方に降りてきます。

その時に腹膜の一部も一緒に引っ張られてきます。これが袋状に伸びているものを「腹膜鞘状突起」と言います。

この「腹膜鞘状突起」が閉じずに開いたままになってしまい、その部分に腸が入ってしまうとヘルニアになってしまいます。

女の子の原因

女の子の場合は、出産が近づいてくると子宮を支える円靭帯という組織が腹膜の一部を引っ張り、恥骨の辺りに伸びてきます。

その腹膜の一部が袋状になっていて「ヌック管」と言います。男の子の「腹膜鞘状突起」に相当するものです。

その袋の部分が本来は閉じるのですが、開いたままになってしまい、その部分に腸が入ることによりヘルニアが発症します。

普通、鼠径ヘルニアは小腸が飛び出すのですが、女の子の場合は卵巣が入り込んでしまうことがあります。

あまり痛みが無いので気付かずに放置してしまうと、ねじれてしまい最悪の場合壊死してしまう事もあるようです。

「先天性」と「自然治癒」と言う言葉に安心しないで!

赤ちゃんの頃の鼠径ヘルニアについて情報を集めていると、「先天性」と「自然治癒」と言うワードがよく出てくると思います。

何となくですが、先天性だから大きくなるうちに自然に治っていくの?と受け取る人もいるようです。

自然治癒するケースもごくまれにあるようですが、中には赤ちゃんの時期の鼠径ヘルニアがしばらくすると出てこなくなり、自然に治ったと思っていたら3歳になった時にまた出てきた。という事例もあります。

いつもと違うなと思ったら自己判断せずに、専門のお医者さんに診てもらってどう治療していくのか考えていく事が大切です。

▼赤ちゃんの鼠経ヘルニアの手術や治療法についてはコチラも参考にしてみて!

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