子供が下痢!元気な場合もあるから迷う…主な原因と受診目安
子どもの下痢はよくあることです。下痢といっても嘔吐や発熱を伴う激しいものから、ちょっと軟便かなという軽いものまでさまざまです。
お腹がゆるめ、軽い下痢の場合は受診するべきか迷うこともありますよね。インフルエンザなどが流行している時期は、更に病院へ行くリスクを考えてしまうものです。
下痢で受診すべきかどうかの判断基準のひとつは、子どもの機嫌と元気の良さです。食欲などいつも通りなら、様子を見ても大丈夫でしょう。
しかし中にはすぐに病院へ行った方がよいケースもあります。ここでは危険な下痢の見極め方や、ひとまず家で様子を見たい下痢について、またお家ケアなどをご紹介します。
この記事の目次
病院に行くべき下痢を起こす病気!脱水症状などの危険もある
病院に行った方が良い下痢の場合、ポイントは発熱や強い腹痛など下痢以外の症状の有無です。危険な病気のサインをチェックしましょう。
病院に行くべき下痢症状…ロタやノロなど流行に要注意
下痢の中には、放置せず病院で診察を受けた方が良いものもたくさんあります。まずはそういった「怖い下痢」をチェックしましょう。
病院で受診すべき下痢
- ロタウイルス感染症
- ノロウイルス感染症
- アデノウイルス感染症
- インフルエンザ
- 腸重積
特にロタウイルス・ノロウイルス・アデノウイルスなどのウィルス性胃腸炎はそれぞれ冬・夏に流行する「お腹の風邪」の代表です。
激しく下痢をしていると、一刻も早く止めてあげなくちゃと焦ってしまうママも多いでしょう。
でも、受診前に自己判断で下痢止めを飲ませることはやめましょう。多くの下痢をともなう病気は一刻も早くウイルスを体外に出すことが重要です。薬でむやみに下痢を止めると、病気の回復を遅らせることになりかねません。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。
腸重積のように危険をともなう病気もあります。脱水症状を起こしている場合もあるので、必ず医師の診察を受けましょう。
病気かどうかわからない、いつもとは違う変なうんちが出たという場合は、おむつをビニール袋に密封して病院へ持参すると参考になります。
また最後に食べたものや症状が出た時間・うんちの回数とその時の様子をメモして、受診時に伝えましょう。
これらの病気から起きる下痢は、様子を見ずに病院を受診した方がよいものです。次項から、それぞれの病気に関する見分け方をご紹介します。
【ロタウイルス感染症】…赤ちゃんの下痢といえばこれ!
ロタウイルス感染症は、赤ちゃんや小さな子どもに流行しやすい感染性胃腸炎の代表です。
ロタウイルス感染症の症状の特徴をご紹介します。
- 強い嘔吐
- 水のような下痢。クリーム色や白っぽくなることもある
- 発熱
ロタウイルス感染症の大きな特徴は、強い嘔吐と下痢の繰り返しです。何度も吐き、下すため「嘔吐下痢症」と呼ぶ人もいます。発熱は必ずしも起きるわけではありません。
下痢や嘔吐が激しいと水分補給もままならなくなり、あっという間に脱水症状を起こす赤ちゃんもいます。
また、まれなケースではありますが脳炎など怖い重症化もあります。大人にも感染するため、家族も注意が必要です。
治療薬はなく、感染したら水分補給しながら体力の回復を待つしかありません。しかし予防接種があるので予防は可能です。
ロタウイルスワクチンは現在任意接種です。2種類あり、いずれも生後14週6日目までに第一回を飲む必要があります。
- ロタリックス
- ロタテック
2回接種が必要なロタリックスは生後24週まで、3回接種のロタテックは生後32週までに接種を完了しなければ、接種ができなくなるため注意が必要です。
乳幼児のロタウイルス感染症で怖いのは脱水症状です。おっぱいも飲めない・水分がまったくとれない状態になったらすみやかに受診して点滴を受けましょう。
ロタウイルス感染症に関する記事は、こちらも参考にしてくださいね。
予防接種でロタウイルス感染症の赤ちゃんへの感染を防ごう!
http://kosodate-march.jp/wp/rotavirus-akachan36332/
ロタウイルス感染症のまとめ
- 特徴的な症状…白っぽい下痢・強い吐き気・発熱(出ない子もいる)
- 感染のピーク…1月~4月
- 感染しやすい年齢…生後6ヶ月以降の乳幼児
- 治療薬…専用治療薬はない。整腸剤などで様子を見る
- 予防…ワクチンあり(任意接種)・手洗い・うがいなど
【ノロウイルス感染症】…強い感染力!下痢の病気の代名詞
ノロウイルス感染症も、秋冬に流行する代表的な感染性胃腸炎のひとつです。毎年大流行してニュースになりますね。
大人の間でも非常によく流行します。潜伏期間が短く、1~2日であっという間に広がってしまいます。
ノロウイルス感染症の症状の特徴をご紹介します。
- 強い嘔吐
- 何度も繰り返す下痢
- 発熱
ノロウイルスも症状が強く、何度も嘔吐と下痢を繰り返します。そのため脱水症状に注意が必要です。発熱は人によって異なり、多くはそんなに高熱にはなりません。
ロタウイルス感染症と症状も経過も似ているのですが、異なるのは予防接種がないという点です。手洗い・うがいなどをしっかりして家庭内感染を防ぎましょう。
ノロウイルス感染症のまとめ
- 特徴的な症状…強い嘔吐・下痢・発熱(ない子もいる)
- 感染のピーク…11月~2月
- 感染しやすい年齢…乳幼児も感染する
- 治療薬…専用治療薬はない。整腸剤などで様子を見る
- 予防…手洗い・うがいなど
【アデノウイルス感染症】冬以外でも起きるロタに似た下痢
アデノウイルス感染症は、夏風邪の一種です。代表的なものは「プール熱」ですが、胃腸炎を引き起こすタイプもあります。
3歳くらいまでの乳幼児に多く、特に赤ちゃんによく起きる病気です。嘔吐や発熱はすべての子に見られるわけではなく、下痢だけの場合もあります。
下痢はロタウイルス感染症のように白っぽくなることがあります。ロタとくらべ激しい症状ではありませんが、長く続くことが特徴です。
夏だけに流行するわけではありませんが、他のウイルス性胃腸炎が冬に流行するため夏はアデノウイルス感染症が疑われます。
特に冬以外のシーズンにうんちが白っぽくなるような長引く嘔吐下痢症が起きたら、アデノウイルス感染症も疑ってみなければならないです。
アデノウイルス感染症のまとめ
- 特徴的な症状…下痢(白っぽくなることも)・嘔吐(ない子もいる)・発熱(ない子もいる)
- 感染のピーク…季節性はない。夏でも流行する
- 感染しやすい年齢…3歳未満の乳幼児・胃腸炎は0歳児に特に多い
- 治療薬…専用治療薬はない。整腸剤などで様子を見る
- 予防…手洗い・うがいなど
【インフルエンザ】…下痢や腹痛をともなうタイプもある
毎年大流行して多くの人を悩ませているインフルエンザですが、下痢をはじめとするお腹の症状が出ることもあります。
インフルエンザA型でもB型でもお腹の症状を訴える人はいるので、その時に流行している型の特徴と言えるのかもしれませんね。
また人によってもお腹の症状が出る・出ないが異なるようです。インフルエンザに感染したときは下痢・嘔吐にも注意しておきましょう。
インフルエンザの特徴的な症状は、急な高熱と強い関節痛・全身のだるさなどです。赤ちゃんが感染することもあるので、充分注意が必要です。
お腹の症状以外の、高熱などの症状が強い場合はインフルエンザの可能性が疑われます。すぐに病院へ行きましょう。
インフルエンザは専用の治療薬があります。また任意の予防接種もあります。それぞれ詳しい記事がありますので、参考にしてくださいね。
インフルエンザ対策!1歳未満の赤ちゃんの予防接種や特効薬
http://kosodate-march.jp/wp/infuruenza0625/
子供のインフルエンザ対策!寄せつけないためには早め早めのケア
http://kosodate-march.jp/wp/inhuruenza-kodomo14652/
インフルエンザのまとめ
- 特徴的な症状…急な高熱・関節痛・全身のだるさなど
- 感染のピーク…12月~.3月
- 感染しやすい年齢…乳幼児から感染する
- 治療薬…タミフルなど(年齢によって使用できる薬が異なる)
- 予防…予防接種(任意・生後6ヶ月から)・手洗い・うがいなど
【腸重積】…いちごジャム状の血便が出たらすぐに病院へ!
腸重積は、お腹の中で腸が重なってしまう病気です。腸の中に腸がもぐりこみ、激しく痛みます。
発症から24時間経過すると開腹手術が必要で、遅れると腸が壊死し命にかかわることもある怖い病気です。
早く分かった場合も自然に治ることはないので、すぐに医療機関で処置を受けなければなりません。
腸重積の特徴的な症状を挙げてみましょう。
- 周期的に激しく泣く・お腹を痛がる
- 吐き戻し
- 血便
- お腹のしこり
下痢というよりも、いちごジャム状の特徴的な血便が出ることがポイントです。血便が出たらおむつごと持って急いで受診しましょう。
原因がよくわかっていないため、特にできる予防も無いようです。ただしウイルス性胃腸炎の後は発症リスクが高まるという説もあるので、病後は様子を見てあげたいですね。
腸重積のまとめ
- 特徴的な症状…周期的な痛み・吐き戻し・血便・お腹のしこり
- 感染のピーク…季節性の流行はない
- 感染しやすい年齢…生後6ヶ月~2歳
- 治療薬…圧力をかける・手術など外科的な処置が必要
- 予防…特になし
【食物アレルギー】…ブツブツだけでなく消化器系症状も出る
食物アレルギーを起こした場合も、下痢や嘔吐などお腹の症状が起きる場合があります。
食物アレルギーというと蕁麻疹などのブツブツが出るイメージがありますが、下痢にも充分注意が必要です。
離乳食のステップアップをするときや初めての食材を食べさせるときは、下痢や吐き気などお腹の症状が無いときを選びましょう。症状が出たときにわかりやすいからです。
また「これを食べさせた後に必ず下痢をする」と感じた場合は、アレルギー科や小児科で相談してみましょう。
下痢のほかに、全身に広がる重い蕁麻疹や息苦しさ・咳や鼻づまりなどが出たときはアナフィラキシーショックを起こしていることがあります。すぐに受診しましょう。
ちょっと下痢をしただけでも不安になって、「食物アレルギーかもしれないわ!」と食品の除去をしてしまうママもいます。
でも、乳児期はまだまだ消化器官も未発達で、下痢や便秘はよくある症状です。勝手に食品を除去してしまうと、栄養に偏りが出ることもあります。
おかしいなと感じたら自己判断で食品を除去するのではなく、症状やタイミングなどをしっかりチェックして専門医に相談してくださいね。
- 特徴的な症状…下痢・吐き気・嘔吐・蕁麻疹など
- 感染のピーク…季節性の流行はない
- 感染しやすい年齢…離乳食スタート後から多く見られ始める
- 治療薬…医師の判断のもとでの除去など
- 予防…時期にあった食材を、段階を踏んで食べさせる
そのほか注意しておきたい病気…食中毒や虫垂炎の場合も
これまでにご紹介した病気以外にも、病院へ行った方が良いお腹の病気があります。
- 細菌性の食中毒
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カンピロバクターやサルモネラ菌・病原性大腸菌・ブドウ球菌などの細菌に汚染された食べ物を食べると起こります。
細菌感染の下痢うんちは生臭くなる場合もあり、ロタウイルス性胃腸炎やノロウィルスと違いを感じるママもいるのではないでしょうか。血便が混じることもあります。
嘔吐や下痢などが強いケースもあり、やはり脱水症状が気になります。乳幼児の場合は水分補給が難しいと感じたらすぐに受診しましょう。
- 手足口病
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手足口病は手足・口の中にブツブツができる乳幼児に流行しやすい病気ですが、下痢をする子も一部います。
下痢に加え、特徴的な手足と口のブツブツがあったら手足口病の可能性があります。専用治療薬はないのですが、脱水症状を防ぐためにも受診することをおすすめします。
- 虫垂炎
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俗にいう「盲腸炎」です。お腹の右下あたりを押すと強く痛みます。しかし胃やおへその周囲の痛みもあります。
吐き気・嘔吐・食欲不振や発熱といった風邪のような症状も出ます。軽い下痢を起こすこともある病気です。
虫垂炎は手術が必要になるケースも少なくありません。発見が遅れると腹膜炎などになり、手遅れになる場合もある怖い病気です。
虫垂炎など、軽い下痢症状が続く病気もあります。でも「軽いから」と放置すると、危険な状態になってしまうこともあるのです。
下痢だけでなく、痛みや吐き気・発熱、おしりかぶれなど別の症状に注意しましょう。またどの病気であっても、下痢をしている場合は必ず脱水症状に気を付けてあげたいですね。
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病気ではない・お家でケアしつつ様子を見ても大丈夫な下痢
下痢の中には、病気が原因ではないものもあります。また様子を見てお家ケアをしていれば治ってしまうものもあります。おかしいなと感じたらすぐに受診してくださいね。
二次性乳糖不耐症…激しい下痢の病気のあとに起きる軽い下痢
ロタウイルス感染症やノロウイルス感染症など、激しい下痢が続いた後に、元気になってもなんとなくお腹がゆるい状態が続くことがあります。
この状態を二次性乳糖不耐症と呼びます。感染症による下痢症状のため、腸の粘膜が傷んでいることが原因です。
一時的に乳糖が消化しにくくなり、ミルクや牛乳・乳製品などの消化が難しくなります。そのため、泥状便のような軽い下痢状態が続きます。
ロタウイルス感染症などで激しい下痢が続いたあと、スッキリ治らないなと感じたら一時的に乳製品をひかえてみましょう。
それだけで、1~2週間もすれば良くなることがほとんどです。あとは離乳食・食事ともに普通のもので大丈夫ですし、母乳もOKとされています。
粉ミルクが欠かせない人工乳・混合栄養の赤ちゃんは受診しましょう。不耐症とわかればノンラクトミルクなどを紹介してもらえます。
便秘のあと…つまったあとにゆるくなる子も少なくない!
便秘が続いたあとは、下痢っぽいゆるいうんちが出ることがあります。これもお腹の痛みが強かったり、下痢症状が続かなければ心配は必要ありません。
おむつのうんち漏れが不安なママは、便秘のあとは下痢っぽくなることを想定してこまめにチェックしてあげると良いですね。
離乳食が進んで食べ物のウエイトが母乳・ミルクよりも重くなると、どうしても便秘しがちになります。ハイハイやあんよが始まる前の赤ちゃんは特にそうですね。
そこで、便秘が気になりはじめる離乳食中期以降は食物繊維や水分にも注目してメニューを考えると良いでしょう。
また、ハイハイやあんよが始まり運動量が増えることで、自然と便秘が解消されていく赤ちゃんも多いものです。メニューに気を付けながら成長を待ちましょう。
消化不良…意外によく起きる!体調と相談して食べさせよう
小さな子どもや赤ちゃんの消化器官は未熟なので、消化不良を起こすことも少なくありません。
- 食べ過ぎ・飲み過ぎ
- 冷たいものを食べた・飲んだ
- 月齢・年齢に合わないものを食べた
- 風邪気味などで体調がいつも通りではなかった
食物アレルギーとまぎらわしいので不安がつのると思いますが、1度だけなら体調との兼ね合いでたまたま下痢をしただけのことも多いものです。
他にもいろいろな原因で消化不良を起こすことがあります。
軽い消化不良なら、少し安静にして様子を見ながら、消化に良いものを食べさせていれば自然と治まっていきますよ。
しかし、消化不良と思いきや食中毒や食物アレルギー・ウイルス性胃腸炎の場合もあります。下痢の後はよく体調を観察し、悪化するようならすぐに受診しましょう。
お腹の冷え…プールや寝冷えに要注意!元気なら様子を見よう
プールや冷房、寝冷えなどでお腹を冷やした時も、一時的に下痢が起きる場合があります。
発熱や悪寒など他の症状がある場合はすでに風邪をひいてしまった可能性がありますが、下痢だけで元気なようなら様子を見ましょう。
温かい食べ物や腹巻・パジャマの工夫などでケアしつつ、下痢が止まればあまり心配はいりません。続く場合は別の原因を疑ってみた方が良いかもしれませんね。
ストレス…強いストレスを感じることで下痢をする子もいます
ストレスが原因で心因性の下痢をすることもあります。下痢をする子・便秘をする子・便秘の後で下痢になる子などさまざまです。
赤ちゃんなら暑さや騒がしさなどの環境変化に注意してあげましょう。また園児なら運動会や生活発表会・新学年・新学期スタートなどの緊張が原因になっていることもあります。
ストレスが軽減されていけば、自然と治まるでしょう。症状が強い場合は病気がひそんでいる可能性もあります。無理をさせず、小児科を受診しましょう。
「お腹が弱い」体質…成長と食事のバランスで改善されることも
いわゆる「お腹の弱い子」と呼ばれる体質の子もいます。反復性軽症下痢とも呼ばれています。
成長とともに「過敏性腸症候群」と呼ばれる状態になることもあります。下痢や便秘など、なんとなくお腹の不調が続く状態です。
「体質は治らないの?」と不安になりますよね。実は、我が家のパパも生まれてこの方ずっと「お腹の弱い人生」を歩んでいます。
ひどい時は、月の3分の2は下痢をしていました。でも乳酸菌系の整腸剤や食事のバランス・睡眠時間のバランスなどを改善することで、今はかなり良くなっています。
ちょっと冷えただけで下痢をしてしまうなら、腹巻をしたり靴下をはかせるなどの工夫をしてあげましょう。
胃腸が成長することで改善していく子もたくさんいます。気になる場合は小児科医に相談し、その子に合った改善方法を探しましょう。
抗生物質…お腹に負担がかかるものもある!飲んだ後は注意
抗生物質など、強めの薬を飲んだあとに一時的に下痢をしてしまうことがあります。
医師や薬剤師に「お腹がゆるくなりやすいので…」と言われて処方されますよね。普段と違う薬を飲むときは注意しておきましょう。
抗生物質は特に胃腸に負担がかかりやすいことが知られています。処方箋に注意すべき副反応などが記されていますので、下痢に注意とある場合はよく様子を見ましょう。
下痢気味な時の幼稚園・保育園の登園は体調と回数で決めよう
下痢といっても、急性胃腸炎でトイレにこもりっきりになってしまうような状態から「ちょっとうんちがゆるめかな」くらいまで、程度はさまざまです。
幼稚園や保育園に登園できるかどうかの見極めるチェックポイントをご紹介します。
- すぐ病院へ行くべき病気のサイン(発熱・嘔吐など)がない
- 下痢が出るときお腹の痛みがない
- 回数はいつも通りで、ゆるいだけ
- 食欲が通常通りで元気・機嫌が良い
下痢以外の症状がないこと、そしてうんちが出るときにお腹が痛まなければ普段通りの生活で大丈夫でしょう。
ただし元気で機嫌がよくても、何度もトイレに駆け込まなければいけない状態では園生活に支障が出ます。その場合はやはり病院へ行きましょう。
回数はいつも通りで、軟便という場合は園に行かせても大丈夫だと思われます。その場合も園の先生に便が通常通りではないことを伝え、様子を見てもらいましょう。
お家でできるケア!食事に注意してお腹を優しくいたわろう
下痢をしているときにお家でできるケアをご紹介します。緊急性のない下痢なら、食事や生活にちょっと気を付けるだけでも元気になっていくことも多いものです。
食事の基本…お腹に負担がかかるものは避け、優しいものを!
下痢の際、まず気を付けてあげたいのが食事ですよね。基本は無理をさせないことです。
- 授乳はいつも通り
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母乳はいつも通り与えましょう。ミルクで下痢をする場合は医師に相談しましょう。
- 離乳食は一段階戻すか、ストップして授乳のみに切り替え
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離乳食は、普通の食事に赤ちゃんの舌や消化器官を慣らしていくまでの準備期間です。下痢をした場合は一段階戻したり、ストップして胃腸の負担を減らしましょう。
- 冷たいもの・かたいもの・生もの・油ものは避ける
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お腹を壊している時は、冷たいもの・かたくて繊維質が多いもの・生もの・油ものなどは負担が大きいので避けましょう。
- 温かいもの・やわらかいものを食べさせる
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温かいスープや柔らかいお粥や茶わん蒸しなどは、お腹にも優しいですね。お腹に負担が少ないものを食べさせましょう。
- 水分とナトリウムをしっかり補給する
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下痢をしている時に一番心配なのは脱水症状です。飲めるようなら月齢・年齢にあったイオン飲料や母乳でしっかり水分補給をさせましょう。
特に離乳食を食べている赤ちゃんの場合は、無理は禁物です。新しい食材にトライしたときなどは、下痢がおさまって体調が戻るまで様子を見ましょう。
下痢をしている時は、火を通したものを食べさせた方が安心です。果物は口当たりが良いのですが、繊維質も多いので下痢が強い時は控えておきましょう。
下痢をしてしまった時のおすすめ離乳食のステップ…温かいおつゆからスタートしよう
下痢をしてしまった時に、おすすめのお腹に優しいご飯ステップをご紹介します。初日の食事は1から始めましょう。
- 薄味のだし汁におぼろ豆腐や絹豆腐を入れて軽く煮たもの
- 1の豆腐汁に、洗ったご飯を入れて柔らかくなるまでふやかす
- 2の雑炊に、溶き卵を流して加熱する
- 3の卵雑炊に、豆腐を少し入れて柔らかく練った鶏ひき肉の団子を入れて加熱する
下痢をしてしまった日は、1のだし汁だけ、もしくは豆腐汁を食べます。少しおさまってきたら雑炊、雑炊を食べても下痢が強くならなければ卵雑炊…と進めていきましょう。
だし汁より野菜スープの方が好きな子であれば、野菜スープの汁から始めても大丈夫ですよ。塩気は普段より少し薄めの方が安心です。
下痢をしたときのデザートとしておすすめしたいのは、りんごの蒸し煮です。りんごを5ミリ程度のいちょう切りにし、テフロンフライパンで蓋をして蒸し煮にします。
スプーン1杯の水を入れ、焦がさないように弱火でことこと加熱しましょう。りんごの水分が一度出て、再びなくなったら完成です。
りんごにはペクチンという成分が入っていて、うんちを固める効果があるといわれています。お腹にも優しく口当たりもよいデザートです。
脱水を防ぐために効果的に水分を摂らせよう
下痢や嘔吐では、カリウムやナトリウムといった電解質が奪われてしまうため、ただ水を飲ませるだけではいけません。
水を飲ませるだけだと、逆に体内の塩分濃度を下げてしまうことになるため、危険な状態になることも。経口補水液を飲ませたり、イオン水などを補給するようにしましょう。
お風呂は発熱や嘔吐など、体力が落ちる症状の有無で判断しよう
お風呂は、下痢の強さや体調の悪さ・発熱などを総合的に見て判断しましょう。軽い下痢やお腹のゆるさだけで、あとは元気なら問題ないでしょう。
発熱や悪寒・全身のだるさなどの症状がある場合や、何度も下痢をして体力が落ちているときはお風呂は控えましょう。
特に脱水症状の危険があるときは、お風呂で発汗することで余計に脱水が進んでしまう可能性があります。
お風呂に入れる場合の注意
お風呂に入る元気がある場合も、下痢をしている時は注意が必要です。まずかけ湯をして、下半身をしっかり洗ってから湯船に入れましょう。
またお風呂上りには水分補給が大切です。体や髪もしっかり拭いて、水分で体が冷えないように注意してあげましょう。
おむつかぶれを防ごう!下痢うんちが出たらすぐにおむつ交換
下痢の時に気になるのがお尻のかぶれですよね。下痢うんちは刺激が強いので、ちょっとお尻についただけでも赤くなってしまいます。
特に何度も何度も下痢うんちが出るウイルス性急性胃腸炎の場合は注意が必要です。すぐにおむつかぶれがはじまり、体力が落ちているためとびひになることもあります。
そこで、お尻かぶれを防ぐちょっとしたコツをご紹介します。ロタウイルス感染症にかかったときでも、一度もお尻かぶれにならずに乗り越えてきた方法です。
- こまめに取り換える
-
うんちが出たら、とにかくすぐにおむつを取り替えましょう。おしっこで蒸れていてもかぶれやすくなるので、うんち漏れを防ぐためにもこまめに交換しましょう。
- 市販のおしり拭きはひかえておく
-
市販のおしり拭きは、かぶれやすく何度も拭かなければならない下痢のお尻には刺激が強いことがあります。
- カット綿&ぬるま湯で洗い流す
-
市販のおしり拭きの代わりに、カット綿をぬるま湯に浸したものでさっと洗い流してあげましょう。
育児書には「シャワーで流す」と書いてありますが、下痢で具合の悪い子に何度もシャワーを浴びさせることはできません。
カット綿&ぬるま湯なら、おむつを外したらすぐに洗い流せますし、周囲を濡らす心配もありません。また水分量も手元で簡単に調節できます。
お尻がかぶれ始めている場合は、緑茶やほうじ茶で洗い流すと良いですよ。ペットボトルのお茶でも大丈夫です。
下痢だけでも不快なのに、お尻かぶれが悪化するとますます子どもにストレスが溜まってしまいます。
特にロタウイルス感染症やノロウイルス感染症など、症状が強い病気だとお風呂に入れないこともあります。こまめなおむつ交換で、かぶれを防ぎましょう。
また、日ごろからの保湿も大事です。赤ちゃんの肌はとてもデリケートなため、乾燥しがち。下痢をした時に肌が乾燥しているとダメージを受けやすいです。
国産オーガニックのローションなどで、お風呂あがりなどに保湿してあげてくださいね。
下痢以外の症状の有無と、元気・機嫌をよく見て判断しよう
お腹の不調は、成長期の赤ちゃんや子どもによく見られる症状です。危険な病気の可能性もありますが、特に病気が原因というわけではないことも少なくありません。
危険な病気かそうでないかを見分けるコツは、発熱や嘔吐など下痢以外の症状の有無やうんちの状態、全身の状態をしっかりと確認することです。
食欲があり、元気で機嫌もよければひとまず心配はいりません。食事に気を付けながら様子を見守りましょう。
発熱や嘔吐など他の症状がある場合や、痛みやだるさなどで機嫌が悪い・泣くといった場合は、病気が原因で起きている下痢と考えられます。
脱水症状を起こすこともありますし、インフルエンザなど重症化する可能性のある病気に感染していることもあります。
普段から一番よく子どもの様子を見ているママの目だから、見抜ける病気もあります。子どもや赤ちゃんのお腹の元気度を、日ごろからこまめにチェックしてあげましょう。
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