3歳児健診は定期最後の健診!内容や目的は?検尿が大変…
3歳児検診は定期で行われる健診の最後にあたるもので、小学校に入る前の就学前健診まで健康診査は行われません。
3歳児健診では、実際にどのような項目を検査するのでしょうか。また、これまで受けてきた健診で見られなかった異常がみつかることがあるのでしょうか。
健診の目的はどこにあるのか、そう言った項目を見ていくのか、また初めての検尿の仕方などについて解説します。
この記事の目次
3歳児健診の時に医師が診断する項目
3歳児健診の目的は、子供が順調に成長しているのか、身体や心の発達に問題はないか、ママのケアは充分かをたしかめることにあります。
特に身体が大きくなっているので、栄養状態を調べたり歯科健診を行って普段の食事のとり方を確認することが重要です。
医師の問診や触診の中にはどのような項目が含まれてくるのでしょうか。具体的に見て行きましょう。
集団検診によって子供の成長を確認します
3歳児健診は、最後の定期健診です。定期なので自治体が主導し、最寄の保健センターや大勢が集まれる会場で行われます。
同時期に生まれた子供がみんな集まる場所なので、場合によっては混雑が酷くなります。開場には早めに行って、早く受付を済ませておくといいでしょう。
会場では、医師、保健師、栄養士、歯科助手など様々な人の健診や問診を受けます。そのため、人数にもよりますが、2~3時間は見てスケジュールを組んでおきましょう。
検査の記録をちゃんと残してもらっておいて、家に帰ってから結果をしっかり聞きましょう。大切な健診なので漏れがないように気をつけてください。
医師や保健師さんからの問診の内容
健診に行く場合には、あらかじめ問診票を記入していきますが、それに基づいて保健師さんたちからいろいろな質問を受けます。
- 名前と年齢を聞く
- 大小の比較が出来るか
- 自分で着替えが出来るか
- 1人でトイレに行けるか
- 食事は1人で出来るか
- お友達とは仲良く遊んでるか
こうした質問を確認して行くことで、ママとしてもお子さんの性格や個性を再確認することが出来ると言えます。
3歳児検診の時に持っていくもの
3歳児検診は集団検診なので、自治体からあらかじめ案内が届きます。その中に、受診表と問診票が入っているはずなので必ず持参しましょう。
この2つと、母子手帳が無いと健診を受けられません。取りに帰るのも大変なので、前日からしっかり準備しておくといいですね。
また会場に持って行った方がいいもののリストです。
- おむつなどのセット
- 歯科指導のための歯ブラシ、コップ
- 着替えやタオル
- おやつやおもちゃ、絵本
- 簡単なおやつ
また時間がかかる場合、お腹がすくといけないので、軽くおやつや飲み物の準備をしておいてもいいでしょう。
心身の病気が無いか確認します
身体検査や、普段の生活状況などを詳しく聞き取りして先天的な病気がないか、今病気にかかっていないかを診断します。
それまでも注目されていた言葉の発達やコミュニケーション能力の発達も、更に身長に検査されます。
この健診で、発達障害や先的な障害、難病などの診断が下りるといっても言い過ぎではありません。
逆に言うと、この機会にお子さんの病気や障害を発見できないと、その後普通クラスで生活していくことが困難になります。
- 言語が獲得されているか
- 名前を答えられるかなど社会性があるか
- 視力、聴力の異常
- 手指をつかって細かい作業ができるかどうか
病気でなければ幸せな人生とは言い切れませんし、障害があることが即不幸でもありません。ですが、1つの判断基準になります。必ず健診は受けましょう。
歯の生え方を検査します
3歳児検診で重要なものの1つが歯科健診です。乳歯がどの程度生えてきているのか、歯科医師や歯科助手が検査を行います。
チェック項目です。
- 上下の歯が何本生えているか
- 歯磨きはちゃんと出来ているか
- ママへの歯磨きの仕方の確認(仕上げ磨き)
- 噛み合わせの確認
乳歯は全部で20本ですが、3歳ごろにほぼ生えそろいます。歯が出て来る順番や時期は個人差が大きいのですが、上下の歯が確認できれば問題ありません。
ただ、この時期からそれまで口の中に存在しなかった細菌が定着し始めます。そのため歯磨きをきちんとする必要が出てきます。
子供だけではまだ上手に歯磨きが出来ません。ママに対して歯磨きの仕方の指導が入るので、しっかり聞いて家庭で実践しましょう。
フッ化物の塗布を行います
歯科指導の時に、赤ちゃんの歯のジェル状のフッ化物を塗布することも有ります。これは虫歯予防のためです。
フッ化物を歯に塗ることによって、歯が酸や最近に強くなり、またミネラルを定着させることで歯自身を強くしてくれます。
歯磨きが上手に出来ないうちは、このような方法で虫歯を防ぐことが重要になって来ます。また塗布後は30分ほど飲食禁止になるので注意してください。
検尿を行ってタンパク尿がないかを検査します
3歳児検診で一番大変なのが、尿検査があることです。3歳と言えば、やっとトイレが使えるようになったか、まだおむつを使っている子が多いです。
おむつをしているのに、どうやっておしっこをとればいいの? あるいは検尿することで何を検査するのでしょうか。
健診の日にあわてないように、上手に検尿をする方法について見て行きましょう。トレイトレーニングのきっかけにもなりますよ。
尿にタンパク質が含まれていないかどうかを見ます
おしっこは、腎臓によって体の中の老廃物が漉しとられて、いらないものだけが体の外に出されています。
この時腎臓の働きに問題があると、尿の中に本来なら混ざらないものが入ってしまいます。検尿によって腎臓が問題なく働いているかどうか調べるのです。
特に3歳児健診の尿検査では、タンパク尿になっていないかどうかを確認します。
- タンパク尿
- タンパク質は体に必要な栄養素で、特に子供の身体の成長には欠かせないものです。なので本来なら尿として排出されることはありません。
それなのにおしっこにタンパク質が混ざっていると、腎臓が何かトラブルを抱えている可能性があります。
一番の原因として上げられるのは慢性腎臓病で、小児の場合は先天性の病気も考えられます。
そうでないと、腎臓自体に問題が無くても、タンパク尿になっていたりするのです。上手に検尿が出来るように、3歳をめどにトイレトレーニングをするのもいいですね。
おむつが外れていない場合の検尿の仕方
トイレでおしっこが出来るようになっていたり、「おしっこでる」と意思表示してくれるこだったら、そのタイミングで配布されている検尿カップにおしっこを取りましょう。
ですが、まだ自分でおしっこが出たかどうか分からない、おむつの取れていない子は、カップでおしっこを採取するのがむずかしいですね。
その場合は、朝おむつを替えた時に、オムツの中にガーゼを敷いておきましょう。そして次におむつを替える時、ガーゼにおしっこがしみ込んでいるか確認します。
ガーゼが濡れていたら、そのまま滅菌パックなどに入れて検査用の荷物に入れます。この状態でも尿検査は可能です。
ちょっと通気性が悪くなりますが、おむつの中にラップを敷いてその上にガーゼを敷いてからおしっこをさせると、ガーゼがおしっこを吸収する量が多くなるようです。
低身長や肥満になっていないかどうかをチェックします
身体測定を行い、お子さんの身長体重が成長曲線から大きく離れている場合に、「低身長」「肥満」と指摘されることがあります。
体重を測る場合は、子供が嫌がってなかなか正確な数値が測れないことも有るかもしれませんね。
そう言ったことを防ぐために、先ずママが抱っこして一緒に体重計に乗り、その後ママだけが体重を測って差引して結果を出すという方法もあります。
この時期の肥満は一生尾を引くことがあります
幼児期からの肥満は、やはり食生活に問題があります。普段の食事から見直していく必要があります。
- おやつの量が多くなっていないか
- ファストフードを食べる回数は
- 1回の食事が高カロリーになっていないか
- 運動不足ではないか
肥満は生活習慣病の原因にもなります。今、小学生や幼稚園児の高血圧などの増加も大きな問題になっているのです。
そのためにも、規則正しい生活リズムの確立と、バランスの良い食事をとるように心がけましょう。
忙しいママはついレトルトは出来合いのものを頼ってしまいがちですよね。でもそうした食品は脂質や塩分が多いので、頻繁な利用は避けましょう。
低身長の原因はよく分かっていません
平均身長よりも大きく下回っている場合、低身長という判断がされる場合もあります。これは何が原因でおこるのか、まだ分かっていません。
おおむね、女の子で75.cm以下、男の子では86cm以下の身長だと、低身長だとされています。
もちろん個人差も大きいので、これからどんどん伸びていく子もいます。病気が心配な場合は他の病院を受診して、甲状腺の状態などを調べてもらいましょう。
視力と聴力の検査を行います
発達の検査と並行して、視力と聴力の検査も行います。1歳半児の視力はまだ大人ほど見えていませんが、この時期の視力検査は大切になって来ます。
同様に耳の感覚が順調に育っているかどうかもこの時に検査します。視力と聴力は人間の持っている感覚の中でも特に重要なものです。
もし異常があるのなら、早めに発見して対処しなくてはいけません。まだ小さい子なので上手に検査出来ない場合は、日を改めて再トライしてみましょう。
弱視や斜視を見つけます
子供が斜視や弱視になっていると、視力の正常な発達が妨げられてしまいます。そのため早く発見しなくてはいけません。
斜視とは片方の目はきちんと目標に向かっているものの、もう片方が上、下、横など違う方向を向いているものを言います。
子供は目を動かす筋肉がまだ発達していないので、こうした眼球の動きが起こると言われています。
弱視とは、裸眼で1.0程度の目視が不可能な状態を言います。状態が改善しない場合は、メガネなどで矯正する必要が出てきます。
どちらにしても治療や日常生活の対応のために、子供に負担を掛けてしまいます。だからこそ健診の時にしっかり調べてもらいましょう。
難聴を発見するための聴力検査です
音や話し声が聞き取れない、あるいは聞きずらい状態を難聴といいます。難聴には耳の器官に問題があるケースと、神経や脳に原因があるケースに分けられます。
難聴になってしまう原因として、遺伝的なもの、出産時のトラブル、妊娠中にママがかかった病気などが挙げられます。原因が特定できない場合もあります。
難聴の場合、言語の習得が難しくなることから、コミュニケーションがしづらくなるという問題を抱えてしまいます。
そのため、早期の治療開始が不可欠です。器質的な異常の場合には、外科手術を行うことも有ります。神経性の場合は補聴器などを試します。
心配事なら何でも相談して!個別相談
健診の会場には、ママの相談に個別に乗ってくれるブースが設けられています。心理士さんや保健師さんや、保育士さんなどが子育ての悩みを聞いてくれますよ。
今は核家族化が進んでいて、日中1人で子育てをするママの増加が社会問題になっています。
そんなママの孤独と悩みを解決するために、個別相談は設けられているのです。ここではどんな内容の相談ごとでも受け付けてくれます。
直接子供の成長と関係のない、家族関係の事とか、兄弟との接し方など、悩んでいることをなんでも話してみましょう。
家庭環境とは、子供の健やかな成長に直接関わってくる問題です。ママが家族との対応に悩んでいたら、それは子供のこれからにも影響するのです。
大切なのはママのストレス発散なのです。話すことで気持ちがすっきりできるのなら、それが一番いい事なのです。
先天性の病気や障害が見つかることも…だからこそ相談を!
3歳児健診は乳幼児健診の最期にあたるため、ここでお子さんの病気や障害が見つかってくれることが理想と言えます。
自分の子供が病気に…とママはショックを受けてしまうかもしれませんね。でも、深刻な症状ならばこそ、早く分かった方がいいのです。
その方たちに相談する場という認識を持って、健診に向かってください。子供は社会で育てていく時代です。専門知識にたよる事も重要ですよ。
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