情緒や言葉の発達を見られる1歳半健診!定期なので必ず受診しよう
1歳半を迎えるころに受ける健康診査を1歳半健診と言います。
1人歩きが出来るようになったり、少しずつ意思の疎通が可能になったりなど、子供の心と身体の発達はめざましくなっていきます。
この時期にどんなことが出来ていれば、問題なく成長していると言えるのでしょうか。健診で行われる項目を中心に解説して行きます。
この記事の目次
1歳半検診は、定期のため集団健診が基本!
1歳健診は任意なので、1歳の時に個人で健診を受けたご家庭はそれからまだ半年しか経っていないのにまた健診?と思ってしまいがちです。
でも、1歳半、あるいは1歳6ヶ月健診と呼ばれているこの健康診査は、国が規定している重要な健診なので受診する必要があります。
それにお子さんはたった半年でも大きく成長しているものなので、1歳の誕生日の頃とまた違った様子が見られるのも楽しみですよ。
保健所、保健センターなどで行われます
健診の1、2ヶ月前に、お住まいの自治体から健診の通知が届きます。そこには健診の日時と場所が記載されていますので、チェックしてスケジュールに組んでおきましょう。
場所は主に最寄の保健センターで行われます。保健センターには母子保健課という部署が設置されているので、そこが主導して健診を執り行います。
同じ時期に生まれた赤ちゃんが一同に集まるので、時には会場がかなり混雑することもあるでしょう。
急に賑やかなところにきて緊張してしまう子供もいるかもしれません。おやつやミルクの準備をしたり、気を紛らすおもちゃを持っておくのが重要です。
その分時間がかかってしまうので、ゆとりを持って動けるようにあらかじめ予定を開けておくといいでしょう。
健診で必要になる持ち物
検査が長引いたり、問診の項目が増えたりするので時間がかかることがあります。ある程度の身の回りの物の準備が必要になります。
1歳児健診に行くときの持ち物リスト
- 自治体から送られてきた受診票
- 母子手帳
- 問診票(記入しておく)
- 歯ブラシ、コップ(歯科指導のため)
- おむつ、おしり拭き、ゴミ袋
- 着替え、タオル等
特に大切なのは受診票と母子手帳です。これを忘れてしまうと健診が受けられませんし、母子手帳は結果を記入する大切なものです。
うっかりが無いように、前日から持ち物を用意しておくといいでしょう。当日になったら赤ちゃんのお世話で忙しいですから。
1歳半健診では心や言葉の発達を見ます
1歳になるまでの健康診査では、身体がどのくらい成長していくのかを中心に見てきました。生後1年で赤ちゃんの体は3倍近く大きくなります。
そのために栄養状況や、普段の生活の様子を調べるのが乳児健診の目的でもありました。1歳半になると身体の成長は少し落ち着いて、心の発達が重視されます。
子供の心が発達していく様子をどのように観察するのでしょうか。健診の現場で行われる項目を見て行きましょう。
積み木やイラストを使って知性の発達を見ます
主な検査項目の中には次の様なものがあります。
- 積み木を積み上げることができるか
- イラストを見せて指差しができるか
- それらに対する言葉掛けの意味を理解できているか
- 積み木遊びで見る神経の発達
- 小さな積み木を使った検査は、手先の細かな動きの発達を見る検査です。四角い積み木を見せて、何個積み上げられるのか。
興味を持って手でカチカチならすことが出来るか。自分の好きなように遊ぶことが出来るのかで、末端の神経がどの程度成長しているのかを判断します。
- 指差しでコミュニケーション能力を測ります
- 健診では、車や犬やボールなど、子供にもなじみの深いイラストが描かれたボートを見せて、「ワンワンはどれ?」と言って指差しをさせます。
指定された絵をうまく指差すことができれば、子どもの中で言葉の理解が進んでいることが考えられます。
そして言葉が理解できていれば、子供が他者との関わりに強い興味を持っている事の判断材料になります。
- どの程度語彙があるのか
- 積み木を使うことでも、イラストを用いる事でも、子供に話しかけて指示をあたえなくてはなりません。
その指示をどの程度理解できるのかで、その子の言語の獲得状況がどの程度か把握できます。
一般的には1歳半で「ワンワン」「ぶーぶー」など意味のある単語が2~3つ程度話せるのが理想とされています。
1歳半健診の身体検査の内容について
1歳半健診では、医師のよる問診や触診によって身体の成長の程度も検査されます。その前に身長、体重、頭囲、胸囲など通常の身体検査を行います。
医師が判断するのは以下の項目です。
- 大泉門が塞がっているかどうか
- 胸や内臓の音に異常はないか
- 皮膚の様子に異常はないか
- 性器に異常はないか
- 1人歩きができるかどうか
特に大泉門は、出生直後は空洞になっている頭部の骨の隙間の具合をみるものです。なかなか塞がらないと脳腫瘍などの疑いがあり心配です。
男の子の場合は、睾丸がちゃんと二つ揃っているのかを触診します。中には体の中に引っ込んでしまっている場合もあるので、きちんと調べてもらいましょう。
1歳半健診時の歯科健診でチェックされることは?
この頃は乳歯も大分生えそろっています。上下の歯が何本生えているのか、虫歯にはなっていないのか、口内炎が出来ていないのかなどを調べます。
- 1歳半で必要な歯の本数
- 乳歯は生えそろうと20本程度になります。主に6ヶ月ごろ、多くは下の前歯から生え始め、1歳半ごろには4~6本生えていれば問題ないと言われています。
ですが歯の生えるスピードは個人差が大きいのです。もっとたくさん生えている子もいれば、まだ1本も生えていないこもいます。心配な場合は歯科医師を受診しましょう。
そのため、歯へのダメージも深刻になります。必要ならばフッ素の塗布を行ったり、歯磨きチェックをして、磨きかた指導が行われます。
1歳半検診では生活習慣のチェックも行われます
健診では、保健師さんと面談をして、普段の生活状況の確認も行います。主な項目です。
- スプーンやフォークを使って食事がとれるか
- コップを使って飲み物が飲めるか
- 寝る時間、起きる時間は決まっているか
- 哺乳瓶は卒業しているか
フォークを使って自分で食事がとれるかどうかは、まだ一進一退なのでこの時期に1人で食事がとれなくても心配はいりません。
ただ、まだ哺乳瓶を使っていると、歯への影響が良くありません。虫歯になりやすかったり歯並びに影響するのでストローマグなどを使うのがおすすめです。
また将来保育園や幼稚園に入るためにも、起床と就寝のリズムを整えておくことも大事です。これらの事は問診で行われます。育児記録をつけておくと役立ちます。
発達障害の早期発見という目的も1歳半健診にはあります
積み木遊びやイラストの指差しがなかなか出来ない場合、言葉の発達が少し遅い事を指摘されるかもしれません。
私の息子も1歳半健診の時に有意語が出ず、以降半年ごとに発語について保健師さんの指導を受けました。
結果、今では「静かにして~」というくらいよくしゃべるようになっています。ですので、1歳半健診で言葉が出なくても、即問題とは言い切れません。
コミュニケ―ション能力の度合いで発達障害か判定します
言葉が遅いだけでは大きな問題にはなりません。ですが、こちらの問いかけに反応しないこと、言っている事を理解している様子がない場合、次の懸念があります。
- 広汎性発達障害
- 注意欠陥多動性障害
- 学習障害
これらは大きく発達障害と言うカテゴリにまとめられている脳の障害で、近年こうした乳幼児健診で発見されることが多くなりました。
発達障害の子供の一番の特徴は、他者とのかかわりの独特のこだわりを持っていることです。本来は個人差があるので一概には言えませんが、会話や遊びに癖が現れます。
こうした子ども達は、保育園、小学校へと進学していく上で、特別なケアが必要になります。そして自分で障害を乗り越えて自立する道を探さなくてはなりません。
不安なことはしっかり相談して、その子に合ったストレスのない生活が出来るように一緒に考えて行ってください。
今後の成長のために欠かせない健診が1歳半健診!
1歳半で着目されるのは、体の成長ももちろんですが、心の発達です。言って見れば、人間になっていけるかをチェックする機会です。
人と関わって生活していくには、コミュニケーション能力の発達が欠かせません。言葉の発達や神経の発達を見ることで、個人の成長度合いを判断します。
子供の成長を見るとともに、家族のサポートを試みるのが健診の目的です。些細なことでも気になったら、専門家の意見を募りましょう。